ダンガンロンパPRISON   作:M.T.

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第5章(非)日常編②

「…探索終わったし、そろそろ食堂行こっか。」

「そうだねぇ。」

ボク達は、探索を切り上げて食堂に向かった。

 

 

 

 

【食堂】

 

「みんなお待たせ。」

「やぁ。」

「二人ともご苦労様。」

「おかえりー。」

「あ、あの…お茶入れたんで、とりあえず座りませんか…?」

「そうなのかい?ありがとう癒川君。それじゃあお言葉に甘えて休憩しちゃおうかな?」

「わーい、ありがとう治奈ちゃん!」

「いえ…私にできる事なんてこれくらいしかないので、少しでも皆さんの役に立ちたくて…」

「あははー。癒川サンは、感動しちゃうくらいいい子だよねー。俺っちもあやかりたいもんですわ。」

 

 

 

 

うーん、疲れが取れるー。

「ホンット美味しいねこのお茶。どうしたの?」

「あ…えっと…疲労に効く茶葉を使ってみたんです。リラックス効果もあるんですよ。」

「そうなんだー。」

 

「さてと、一息ついた事だし報告会をしようか。」

「そだねー。じゃあまず俺らから。化学室には、薬品とか色々あったぜ。」

「えっと…危険な薬品もあるので、使う時は必ず私に一声かけてくださいね。」

「はーい!」

「あのねあのねー?化学室には、クマちゃんが調合した媚y「さてと、じゃあ栄君。報告の結果を聞かせてもらえる?」

「ちょっとぉ、俺の発言に被せないでよ。」

「ああ、えっと…プラネタリウムの方は、特に変わった所とか無かったな。」

「………。」

「あれ?神座さん?どうかした?」

「…ああ、えっと…実は、神座ちゃんが、研究室を見てから様子がおかしくてよ。何か嫌な事でも思い出しちゃったのかな?」

「研究室?」

「ああ、神座ちゃんの研究室、自分の部屋とそっくりだったみたいでさ。それで何か嫌な思い出があったりとかしたのかも…」

「あー…なるほどね。」

天理クンは、少し俯いて首筋を掻いた。

…やっぱクセなのかな、アレ。

 

「神座サンがなんでそんな反応したのか、知りたい?」

「えっ。」

「俺、知ってるんだ。神座サンの過去も素性も全部ね。」

「なん…だと!?テメェ、なんで知ってて黙って…」

 

「やめて陽一クン。」

「なっ…、こ、狛研ちゃん…!」

「天理クンも、これ以上は話さないで。」

「にゃんでー?」

「…ゐをりちゃんが秘密にしたい事、今ここで聞きたいとは思わない。ゐをりちゃん本人の口から聞きたいんだ。」

「そんな事言ってたら、一生話してくれないかもよ?」

「それでもいいよ。確かにゐをりちゃんの事は気になるけど、でもこの子を傷つけてまで聞きたくないな。」

「ふーん、あっそう。」

 

「じゃあ、次はボクから報告ね。…学園長室は、鍵がかかってて入れなかったよ。」

「なるほど、だからモノクマは行ってみるだけ無駄って言ったのか。」

「それから、看守長室だけど…中は事務室みたいな感じだった。」

「事務室?」

「うん。それで、みんなの履歴書とかもあったよ。」

「…へー。」

「それで、研究室はこれで全部開放されたんだよね?」

「…では、学園長室以外の全部の部屋が開放されたんですね。」

「そうみたいだね。」

「でも情報管理室はまだちゃんと探索できてないよね?」

「あっ…パスワードがかかってたから…」

「じゃあ調べても仕方ねェな。入田もラッセに殺されちまったし…諦めるしかねェのか…」

「…。」

そういえば、物陰がいたのって情報管理室だっけ。

…あとでちゃんと調べてみないといけないかもな。

「狛研さん?どうかした?」

「…あの、諦めるのはまだ早いと思う。」

「え?」

「…ちょっとした心当たりがあってね。あとでみんなで一緒に調べに行ってみようよ。」

「狛研さんがそういうなら…」

 

「ねえ、それはいいけどまずメシ食わね?お腹ペコペコなんだけど。」

「うるせェ泥でも飲んでろ。」

「ひどーい。」

「テメェに食わせるメシはねェっつってんだ。」

「だったらボク作るよ。」

「えっ、いいの?」

「うん。さすがに、天理クンだけ仲間外れはかわいそうでしょ。」

「狛研ちゃん!コイツは…」

「わかってるよ。わかってるけど…でも、ボクはもう仲間の誰かが欠けるのは嫌なんだ。」

「…チッ、わかったよ。女の子に働かせるわけにはいかねェからな。それに、相手がクソ野郎だからって手を抜くようじゃ料理人失格だぜ。」

「わーい、ありがと栄クン!俺達ズッ友だよねー?」

「うるせェ寄るな。」

「あーあ、フられちゃった。」

 

 

 

 

「ゲフッ、あー食った食った。ごっそさん。」

「…どこまで図々しいんだコイツ。ご飯2杯もおかわりしやがって。」

「まあまあ…それじゃあ、みんな食べ終わったみたいだし、情報管理室行こっか。」

「さいですなー。」

 

 

 

 

【情報管理室】

 

「…えっと、特に変わったところは無いみたいだけど?」

「なんだよ、収穫ナシかよー。狛研サンが、当てがあるって言うから来たのによー。」

「ありゃりゃ…?」

おかしいな。

確かに見たんだけど…

「待って。狛研さんの証言が嘘じゃないなら、もしかして…」

星也クンは、正面のパソコンの電源を入れた。

「おい、穴雲。パソコンにはパスワードがかかってるって言っただろ。パソコンを調べても無駄…」

 

ようこそ!

 

パソコンにその一言が表示されると、ホーム画面に切り替わった。

「あれっ!?穴雲、お前パスワード知ってたのか!?」

「まさか。主電源を入れただけだよ。」

「では、誰かがパスワードを解除したって事ですか?一体誰がそんな…」

「パスワードを解析してネットワークのセキュリティを外すなんて芸当ができる人、俺は一人しか知らないけどね。」

それってまさか…

「…才刃クン?」

「え?」

「才刃クンが、パスワードを解除してくれたんじゃないかな?」

昨日の物陰は、才刃クンだったのか。

「んなっ!?でも、アイツはずっと引きこもってたはずだろ!?なんでそんな…」

「…わからない。でもきっと、最後の最後にみんなの役に立とうと頑張ってくれたんだと思うよ。」

「マジかよ…へへっ、なんだよ。アイツ、やる時はやるヤツじゃねえかよ!」

「それもこれも全部、入田君を説得してくれた狛研さんのおかげだね。入田君も、狛研さんが言ってくれたからみんなに協力したいと思えたんだと思うよ。」

「えへへ…」

「さてと、じゃあ洗いざらい情報を…ん!?」

「どうしたの?」

「…みんな、見てよこれ…」

 

パソコンの画面が、一瞬で警告表示で埋め尽くされた。

「は!?おい、なんだよこれ!?穴雲!!お前、変な事したんじゃねェだろうな!?」

「違う!僕は何もしてないよ!パソコンが勝手に…」

「わーなにこれコワッ。ウイルスかなんか?」

 

しばらくして、警告表示で埋め尽くされた画面の真ん中に、画面が現れた。

赤地に、黒い文字がひとりでに打ち出される。

 

《やあ、はじめまして囚人諸君。…いや?はじめましてはおかしいか。だって、私はずっとみんなと一緒にいたんだもんね?》

 

「な、なんなんだよコレ…!」

 

《おっと、自己紹介が遅れたね。私の名は方神冥。【超高校級の知能犯】だよ。》

 

「ッ、方神…!!」

星也クンは、怒りで顔を歪めた。

 

《いやはや、さすがに私だけの力では、学園のネットワークに侵入するのは難しかったけど…入田クンが厳重なセキュリティを解除してくれていたおかげで、簡単に侵入する事ができたよ。全ては、仲間であるキミ達の信頼のおかげさ。私の踏み台になってくれてありがとう。》

 

「何が踏み台だ…ふざけるな!!」

「ねえ、これちょっとヤバくない?クマちゃん呼んだ方がいいんじゃない?」

「はぁ!?よりによって、なんであんなガラクタ共を呼び出すんだよ!!」

 

『はいなんでしょ?』

「モ、モノクマ!?」

『ちょっと、栄クン!今ボクの事、ガラクタって言ったでしょ!?怒るよ!?』

「んなこたぁどうでもいいんだよ!!おい、なんだよコレは!!どういう事か説明しろ!!」

『え?何の事?』

「とぼけんな!!この変なメッセージ、テメェの差し金だろ!?」

『メッセージ?うーん、何の事だかさっぱり?』

「ねえ、さらに打ち出されてるよ。」

 

《おやおや、これはこれは学園長。はじめまして。突然ですが、私は【超高校級の知能犯】方神冥と申します。勝手ながら、このコンピュータをハッキングさせていただきました。》

 

「クマちゃん。このメッセージについて、ホントに何も知らないの?」

『知ってるわけないでしょ!何コイツ!ボク達の監視を掻い潜ってネットワークに侵入するとか、調子に乗りすぎ!』

 

《みんなの中に、私と学園長のつながりを疑う人がいるようだけれど、私はあくまでただの一生徒だよ。》

 

「だったらなんでこんな事を…!」

 

《だって、このゲームは面白いけど、どこか物足りないんだもん。というわけで、ここからは私が仕切らせてもらうよ。もっと非道くて面白いゲームにしてあげる。》

 

『そんな勝手な事許すわけないでしょー!』

 

《許すも許さないも勝手だけどね。言っておくけど、おしおきで殺そうとしても無駄だよ。首輪の爆破装置は解除しておいたからね。それから、監視カメラの電源も一部落としておいた。》

 

「…なぁ、これって脱出するチャンスなんじゃ…」

 

《おっと、余計な考えは持たない事だね。もし変な気を起こそうものなら、監視カメラの代わりに設置した爆破装置が作動するから。》

 

「クソッ…!」

「このゲームを乗っ取って、何がしたいのかな?」

 

《フフフフ…私が用意したゲームの新ルールは、この部屋のある場所に隠してあるよ。それを見つけてゲームに参加してね。より刺激的なゲームになる事を期待しているよ。》

 

ブツンッ

 

電源が切れた。

「クソッ!!方神の奴…!!みんなの命を弄びやがって…!!」

「これでわかったね。やっぱり、乗っ取り犯は俺達の味方じゃなかったんだ。でしょ?クマちゃん。」

『そうだね。…あーあ、予測していた最悪の事態が起こっちゃったね。懸念してはいたけど、まさか本当にやらかすとは思ってなかったよ。』

「んなっ…テメェがやったんじゃねェのかよ!?」

『ボクは、こんなスマートじゃない事しないし。全く、一生徒の分際でゲームを乗っ取ろうなんて生意気だよね!』

「じゃあ、さっきの暫定ルールは…」

『コイツにこれ以上好き勝手される前に先手を打っといたの!コイツに引っ掻き回されたせいでみんな死んじゃってゲームが終わっちゃったりしたら面白くないじゃん。』

「じゃあ、クマさん達も犯人探しを手伝ってくれるって事?」

『勘違いしないでよね!今回はたまたま目的が一致しただけだから!』

「なんでツンデレ風なのさ。」

『ボク達の神聖なゲームを汚そうなんて、こりゃあ犯人を見つけたらおしおきスペシャル決定だね!』

「こっわ。」

『ボクからの報告は以上です!それじゃ、まったねー!』

クマさんは不機嫌そうに帰っていった。

 

「おい、どうすんだよ…ゲームが乗っ取られたって…!」

「それに、さっき言ってた新ルールって…一体何の事なんだろうね?」

「多分これじゃね?」

天理クンは、タブレット端末を見せた。

「テメェ、どこでそれを…」

「この部屋に置いてあった。…見てこれ。」

 

そこには、赤地に黒い文字でゲームのルールが書かれていた。

 

 

 

この端末には、ゲームアプリが入っている。

それぞれ、みんなの才能を試す内容のゲームになってるよ。

ちなみに、ゲームは全部最高難易度にしてあるから。

キミ達には、これを制限時間内にクリアしてもらう。

一日に一人指名するから、指名された人がその日の昼時間中にゲームをクリアするんだ。

もちろん、他の人が手伝ったりしたらダメだよ。

それと、その日に殺人が起こったら、ゲームは免除になるよ。

 

もしその日の昼時間中にゲームをクリアできず、かつ殺人が起こらなかったら、キミ達の中の誰か一人をランダムで殺す。

…どうかな?より刺激的なゲームになっただろ?

じゃあ、今日の挑戦者を発表しようか。

…栄陽一クン!

フフフ、もしみんなの事が大事なら、ちゃんと今日中にゲームをクリアしてね。

 

 

 

「…オレ!?」

「そんな、栄さんが…!」

「ねえ、どうでもいいからさっさとゲーム進めろよ。オマエのせいで死ぬとか、嫌すぎんだけど。」

「う、うるせェ!!わかってるよ!」

陽一クンは、ゲームを始めた。

「…大変な事になっちゃったね。」

「まったくだよ。クマちゃんは、俺らにコロシアイを強要してきたけど、こんなクソゲーまでは要求してこなかったもんね。あーあ、クマちゃんのゲームが恋しいよ。」

「どっちもどっちだろ。オイラ達の命を握る奴が変わっただけじゃないか。」

「うーん、陽一クンはゲームやらなきゃだし…ボク達はどうする?」

「そうだね…栄君のゲームに参加する事もできないし…とりあえず、自由時間でいいんじゃないかな。」

「メシはどうすんのさ?」

「あ、じゃあ今日は私が…」

「助かるぜ癒川サーン。」

「あ、それと、乗っ取り犯や内通者について各自調べておいてね。何か気づいた事があったら逐一報告する事。」

「…了解。」

 

 

 

 

…とは言ったものの、ボクは何をすればいいんだろう?

うーん、とりあえず今はみんなから情報を集めるしかないのかな?

まずは、柳人クンに話を聞いてみよう。

「柳人クン。」

「ん?何かな、狛研君。」

「あのさ、ちょっと話さない?情報交換の意味でも。」

「うん、いいよ。じゃあ…監視されるのも嫌だし、倉庫の隅で話そうか。」

 

 

 

 

「ねえ、柳人クン。何か気になった事はあった?」

「うーん、特にないかな。」

「…そっか。」

「狛研君は?」

「え?」

「君の事だから、誰か怪しい人を知ってるんじゃないかと思って。」

「でも、ボクは黒幕か内通者か乗っ取り犯かもしれないんだよ?…あ、もしもの話ね。」

「その事に関しては、まだ君の事を完全には信じてあげられないけど…でも、こっちも情報が少なすぎて困ってるんだ。何か知ってる事があったら教えてくれないかな?」

「…わかった。実はね、ボク…昨日、情報管理室で物陰を見たんだ。」

「…え?」

「情報管理室から物音がしたから駆けつけたら、情報管理室から少し離れた物陰から誰かが逃げていくのを見たんだ。…多分、情報管理室で例のパソコンをいじってたんだと思う。ボクが情報管理室を調べるように言ったのも、実はそれでなんだ。」

「なんでそんな大事な事をもっと早く報告しなかったんだい?」

「…ごめん。情報量が少ない中でいきなりそんな事言ったら、みんなが疑心暗鬼に陥っちゃうと思って…」

「…そう。それで?その陰の顔は見たの?」

「え?」

「陰の顔を見たのかって聞いてるんだけど。…あ、顔じゃなくても、服装とか…」

「見てないよ。…最初は才刃クンかと思ったけど、今思えば違う気がしてきた。」

「へえ、そうなんだ。」

…柳人クン、なんで陰の顔を見たのか、なんて質問してきたんだろう?

柳人クンは目が見えないから、そんな情報をボクから聞いても意味ないはずなのに。

「…気になった事はそれだけ?」

「うん。今のところはね。」

「…そっか。話してくれてありがとね。」

「ううん。こっちこそ、調べ物に協力してくれてありがとう。」

「こんな事でお役に立てるならお安い御用さ。またいつでも来てね。」

「うん。」

 

《詩名柳人の好感度が1上がった》

 

 

 

 

…柳人クンからゲットできた情報はこれくらいか。

次は、星也クンにでも話を聞いてみようかな。

「星也クン。」

「何かな、狛研さん。」

「あのさ。情報交換がてら、ちょっと話がしたいんだけど。」

「うん。もちろん構わないよ。それじゃあ、僕の研究室で話をしようか?」

 

 

 

 

「…えっと。」

前から思ってたけど、研究室にも監視カメラってあるんだよね。

これ、話してる事も筒抜けだったりするんじゃ…

「あ、監視・盗聴されてる可能性なら心配しなくていいよ。隅々までチェックして、監視カメラ以外は取り除いておいたから。」

「…監視カメラは?」

「うまいこと角度を調節して映らないようにしてある。監視カメラの破壊は校則違反だけど、死角で話をするのは校則違反じゃないだろ?…さすがに研究室の中まで監視されるのは気持ち悪いからね。」

…おうふ。さすが星也クン。用意周到だなぁ。

 

「それで、星也クン。何か気になった事はあった?」

「…ごめん。僕も、わからない事だらけなんだ。方神や内通者が一体誰なのか、まるで見当もつかないや…」

「そっか…」

「あ、ただね。ひとつだけ分かった事があるよ。」

「ホント?」

「ああ。…あのコンピュータの乗っ取りだけど、あれは多分本当に方神の仕業だ。」

「…えっ。」

「最初はモノクマか財原君のイタズラを疑ったけど、よく考えてみればどっちかがやったとすると色々と不自然な点が多くてね。…多分、本当に方神がゲームを乗っ取ろうとしているんだ。」

「そうなんだ…」

「僕は、僕の家族を奪った方神を許さない。きっと今回も、みんなの命を弄んで破滅させる気だ。」

そういえば、星也クンの家族はハコガミメイに殺されたんだっけ。

ボクも交通事故でお父さんとお母さんを亡くしてるから、ちょっと気持ちはわかるな…

そりゃあ、大事な人を突然奪われたら怒りたくもなるよね。

 

「狛研さんも、ご両親を亡くしてるんだったね。」

「まあね。」

「…それ、ただの事故じゃないって言ったらどうする?」

「…え?」

「少し調べてみたら分かった事なんだけど、君のご両親の事故はあまりにも不自然だったんだ。事件現場の状態からして、多分アレも方神の仕業だ。」

「なんでそんな…」

「…わからない。」

そんな、お父さんとお母さんが…『殺された』?

「でも、ちょっと待って。【超高校級】って事は、ハコガミメイも当時はまだ小さい子供だったわけだよね?そんな事できるわけ…」

「…いや、よくよく調べてみたら、方神の名前が裏社会で話題になった時期と、狛研さんのご両親の事故が起こった時期がほとんど一致してたんだ。」

「じゃあ、ハコガミメイが最初に起こした事件が、あの交通事故だったって事…!?」

「…そうなるね。」

そんな、そんな事って…

…星也クンの話を完全に信じたわけじゃないけど、もし彼の話が真実なら、二人を殺した犯人がこの中にいるって事…!?

そうだとしたら、それがたとえ誰だったとしても絶対に許せない。

…許せないけど。

 

「僕は、絶対にアイツを見つけ出して復讐を果たす。…モノクマの事も、後で絶対に化けの皮を剥がす。」

星也クンは、いきなり怖い表情になった。

「星也クン!」

「…なんだい、狛研さん?」

「えっと…早まらないでね。」

「え?」

「どんなに憎くたって、殺しちゃったら後悔する事しかできなくなっちゃうから…それに、みんなも悲しむよ。」

「…狛研さんはいい人だね。ありがとう、引き止めてくれて。でも安心して。僕は犯人を殺そうだなんて思ってないから。」

「…良かった。」

「でも、時々怖くなるんだ。もし方神に実際にあったら、殺意を抱いてしまうんじゃないかって…だから、狛研さん。その時は、今みたいに僕を止めてくれないか?」

「当たり前だよ。友達じゃん。」

「…ありがとう。」

「あのさ、ボクからも報告いいかな?」

「ん?何?」

「実は…」

ボクは、物陰について星也クンに話した。

 

「…なるほどね。」

「最初は才刃クンかと思ったんだけど、今思えばあれはハコガミメイか内通者だったのかも…」

「…ねえ、狛研さん。まさかとは思うけど、ソイツの声を聞いたりしてないよね?」

「…ッ、え?」

「これは重要な情報なんだ。もし、君がソイツの声を聞いていたんだとすれば、重要な証言になるからね。」

「星也クン?何言ってるのかわかんないよ。ボクは、物陰を見ただけだよ?」

「…そう。そっか、そうだったね。ごめんね、変な事聞いちゃって。じゃあ、そろそろご飯の時間だし、食堂に行こうか。」

「…そだね。あーあ、お腹すいたなー。」

星也クン、いきなり変な質問してきて、どういうつもりなんだろう?

…ボクは、物陰を見たって言っただけなのに。

まあいいや。

星也クンの証言は、頭の片隅に置いておこう。

 

《穴雲星也の好感度が1上がった》

 

 

 

 

【食堂】

 

「お待たせー!」

「あ、星也さん、狛研さん…今ちょうどお食事ができたところですよ。」

「わーい!…あ、そういえば陽一クンは?」

「っしゃー!!ゲームクリアー!!」

「えっ、本当かい!?」

「ああ、全ステージクリアしたぜ!!」

「じゃあ今日は誰もおしおきされないんだねー。はっふー、命拾いしたー。」

「ん!?おい、ちょっと待て!これ見ろ!」

 

 

 

おめでとう、栄クン。

一日目はゲームクリアだ。

キミが思ったより優秀で、みんな助かったね。

じゃあ、次のゲームの挑戦者を発表しようか。

次はキミにやってもらおうかな?

 

…財原天理クン!

 

「はっふー、俺っすか。」

「マジかよ…」

「よりによって…」

 

ゲーム開始は明日の午前7時からだ。

みんなの命が大事なら、頑張ってゲームクリアしてみてね。

 

 

 

「だってさ。」

「いや、『だってさ。』じゃねえだろ!次の挑戦者お前だぞ!!」

「うわマジかー。いやーん、やりたくないなー。てかもし失敗しちゃったらみんなごめんね?イケメンな俺に免じて、笑って許してね?」

「許せるかぁ!!ぜってェクリアしろよ!!もしヘマしやがったらテメェ、こr…ブン殴るからな!!」

今殺すって言いかけたよね、陽一クン。

「あのさー、せっかく癒川サンがメシ作ってくれたんだから早く食おうよー。」

「…君に緊張感ってものはないのかい?」

「うーん。制限時間30秒くらいになったらさすがに焦るかな?それまではプレイしないでおこっかなー?」

「コイツ…」

「財原君、今そういう冗談笑えないから。」

「ごめーん」

「…まあでも、確かに今はお腹を満たさないとね。」

「賛成ー。腹ぺこりんぬですわぁー。」

 

 

 

 

うーん、やっぱり治奈ちゃんのご飯はおいしいね!

あ、そうだ。暇になっちゃったし、娯楽室でも行こうっと。

 

 

 

 

【娯楽室】

 

今回もクマさんにメダルを貰ったからガチャを引いてみよう。

今回は何が出るかなーっと。

おっ。

花の髪飾りに、よくわからない古い本…

本は、見たところ薬かなにかのレシピっぽいな。

うーん…自分で持ってるのもアレだし、誰かにあげちゃおうかな?

「あれ?狛研ちゃんじゃん。どうしたの、そんな所で?」

「あ、陽一クン。陽一クンこそ、どうしたの?やっぱりここに遊びに来たの?」

「ああ、うん…まあな。」

「そっか。」

あ、そうだ。

せっかくだし、情報収集がてら一緒にお話してみたいな。

「あのさ、陽一クン。ちょっと話さない?」

「おう、いいぜ!」

「…あの、できれば監視カメラが無いところで話がしたいんだけど。誰かに聞かれたら困る話だから。」

「えっ!?マジか!?それって…」

陽一クンは、わかりやすくテンションが上がった声で答えた。

…大事な話をしたいのに、この子何考えてるのかな?

「…あのさ、大事な話がしたいんだけど。」

「あっ…ごめん。」

ボク達は、監視カメラの無いところに移動した。

 

 

 

 

「うん、誰にも見られてないよね。…ここならとりあえずは一安心かな。」

見たところ盗聴器も無いしね。

「ゲフンゲフン!!」

「!?」

え、何?陽一クン、どうしたの?

っていうかさっきからなんか顔赤いし…

体調悪いなら無理に誘わない方が良かったかな?

「…大丈夫?」

「ああ、大丈夫。何にもないよ。…それより、狛研ちゃん…大事な話ってのは?」

「…あのさ、ゲームはどうだった?」

「へ?」

「陽一クンがプレイしたゲーム。どんな内容だったのか教えて欲しいんだけど。」

「…あ、ああ…アレか…えっとな…」

陽一クンは、明らかにガッカリしたような表情を見せた。

何を話すと思ってたんだろ?

 

「オレの才能を試す内容のゲームだったよ。全部で3ステージあって、ファイナルステージをクリアしたらゲーム終了っていう感じだったよ。」

「へー。」

「あ、そうそう。一度でもミスしたら最初からやり直しになるから、プレイするんだったら早い方がいいぞ。しかも、ゲームの内容が全部リセットされるから、攻略法を覚えても意味ないぞ。」

「…そっか。」

「話はそれだけか?」

「あっ…えっと、陽一クンは、乗っ取り犯や内通者の事で気になった事は無い?」

「…ああ、なるほどな。それを聞くために監視カメラの無い所に呼び出したのか。…悪い。オレ,ゲームやっててそれどころじゃなかったからよ。」

「…まあ、そうだよね。」

「狛研ちゃんは?何か言っておく事とかあるか?」

「えっとね…」

ボクは、物陰の事を正直に話した。

 

「…へー、なるほどな。」

「何か心当たりはある?」

「いや…無えけど…」

「そっか。ならいいの。じゃあ、もう遅いし、部屋に戻るね。おやすみ。」

「…狛研ちゃん!」

「何?」

「…あのさ、その影…また見たら、オレに報告してくれるか?」

「え?」

「ほら、オレも君の力になりたいしさ…ダメか?」

「…わかった。また見たら報告するね。」

…ボクの力になりたいって言ってくれてるんだもん。

あんまり疑っちゃうダメだよね。

「じゃあ、おやすみ。」

「おう、おやすみ。」

 

《栄陽一の好感度が1上がった》

 

 

 

 

結局、ゐをりちゃんと治奈ちゃんと天理クンには話を聞けなかったな。

まあいいや、3人には明日話を聞こーっと。

さてと、そろそろ夜時間だし、部屋に戻ろっかな。

 

ガシッ

 

「え?」

いきなり物陰から手が伸びてきて、腕を掴まれた。

「うにゃあっ!?」

そのまま、物陰に引きずり込まれた。

 

「いたた…誰!?」

物陰…もしかして、コイツが情報管理室の…!?

「シーッ。…とりあえず一回落ち着けって。誰か来ちまうだろ。」

えっ、こ…この声はまさか…

 

 

 

 

 

「やあ、狛研サン。」

天理クン!?

 

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