ダンガンロンパPRISON   作:M.T.

53 / 72
第5章 非日常編②(学級裁判前編)

エレベーターが止まり、ドアが開いた。

全員がエレベーターから降りた。

証言台には、遺影が2つ増えていた。

仏頂面のラッセクンの遺影と、可愛らしい笑みを浮かべる治奈ちゃんの遺影だった。

みんな、2人の遺影を見て、静かに俯いた。

誰も、声を上げなかった。

『うぷぷ、全員揃ったね!それじゃあ、始めちゃおっか!ドキドキワクワクの学級裁判を!』

 

 


 

コトダマ一覧

 

 

【モノクマファイル⑤】

被害者は【超高校級の看護師】癒川治奈。

死体発見現場は、内エリア6階の【超高校級の看護師】の研究室。

死亡推定時刻は、11時30分頃。

死因は内臓損傷及び呼吸困難。

死体の傷は、胸部の刺し傷と左肩の切り傷の2つ。顔面、胸部、左肩に血が流れた痕がみられる。

また、被害者は死亡前に喀血したものと思われる。

 

【喀血】

治奈ちゃんは、死ぬ前に血を吐いている。

 

【刺し傷】

胸に刺し傷がある。心臓を貫通している。やけに綺麗に刺さっている。

 

【切り傷】

左肩にあった傷。不自然な程浅い。

 

【肩の血】

肩が血塗れになって、肩から大量に流れた血で床が汚れている。どう考えても不自然な出血量だ。

 

【ナイフ】

治奈ちゃんの胸に刺さっていた。刃渡りは20cm程度。

 

【ベタベタ】

ナイフに付いていた。無色透明で無臭。

 

【麻酔薬】

治奈ちゃんの服に入っていた。少し減っている。

 

【輸血パック】

研究室には全員分の輸血パックがあったが、治奈ちゃんの分だけなくなっていた。

 

【ティーカップ】

テーブルの上にあるカップと、割れているカップが一個ずつある。どっちも中身は入っていたと思われる。

 

【バタフライピー】

綺麗な青色のお茶。色が変わる。

 

【お茶】

ティーカップにほんのり赤いお茶が入っている。また、床に同じ色のお茶がブチ撒けられている。

 

【カップの茶しぶ】

茶しぶが二層になっている。

 

【ピンク色のガラス片】

床に落ちていた。ビンを落としたような割れ方をしている。

 

【換気扇】

さっきからずっとONになっている。

 

【秘密の部屋】

治奈ちゃんの部屋の下にあった隠し部屋。おそらく、内通のための部屋。

 

【内線電話】

隠し部屋にあった黒電話。内通をするための通信手段。

 

【未送信メール】

隠し部屋のパソコンに残っていた。黒幕と知能犯のつながりを示唆するような内容。

 

【薬瓶の木箱】

化学室に置いてあった木箱。盗難防止に鍵付きの木箱に薬品を入れていたが、鍵が壊されていた。

元々透明、赤、青、ピンクの4本のビンが木箱に入っていたが、赤いビン以外がなくなっていた。

 

【赤いビン】

木箱に1本だけ残っていたビン。中身が半分減っている。

 

【マスク】

化学室に置いてあった超高性能マスク。2枚だけなくなっていた。

 

【頭のキズ】

昨日天理クンを庇って殴られた時にできた。

 

【消火器】

少し底がヘコんでいて、少量の血が付着している。

 

【透明なビン】

ちょうどボクが倒れていたところに落ちていたらしい。中身は入っている。

 

【柳人クンの証言】

犯行時刻の数分後、3階で陽一クンの声を聞いていた。

 

【陽一クンの証言①】

犯行時刻の数分後、図書室で生き埋めになっていた。

 

【陽一クンの証言②】

陽一クンが生き埋めになる前、天理クンの姿を見ている。

天理クンは、体に飲み物をこぼしたから大浴場に向かっているとの事だった。

 

【星也クンのケガ】

誰かに襲われて腕をケガしたようだが、自分で治療したらしい。

 

【星也クンの証言①】

星也クンを襲った犯人は、体型を隠した服を着ていて、顔も誰かわからない。

 

【星也クンの証言②】

星也クンは、ハコガミメイに返り討ちに遭ったと言っていた。

 

【ゲームの履歴】

11時35分に治奈ちゃんはゲームオーバーになっている。

 

【指紋認証】

ゲームの開始画面に指紋認証があるから、誰かがなりすましてゲームをプレイする事はできない。

 

【反撃された痕】

犯人は、治奈ちゃんを殺した時に抵抗されて怪我をしている可能性が高い。犯人につながる重要な証拠。

 

【クレハミンX】

透明なビンの中身。強力な睡眠薬で、飲む直前の数分間の記憶を奪う事ができる。

 

【モノナミンH】

クマさん達の手作りの媚薬。溶媒への溶解度と揮発性が非常に高い。

 

【モノトキシンα】

毒薬。無色透明で無味無臭の液体。症状に発熱や目眩、頭痛、内臓損傷、喀血などがある。

 

【モノキソールω】

即効性の解毒薬。モノトキシンαを中和する効果があるが、珀銀と一緒に摂取すると急性珀銀中毒を引き起こす。

 

【履歴のタイミング】

ゲーム終了時に履歴が残る。

 

【ゲームのバグ】

ゲームのバグが原因で、おしおきが免除された。でも、おしおきを免除する必要なんてなかったはず…?

 

【全員分のアリバイ】

星也クンは、図書室にいた。

ゐをりちゃんは、研究室にいた。

天理クンは部屋にいて、事件の数分後にお風呂にいった。

陽一クンは研究室にいて、その後図書室に行った。

柳人クンは研究室にいて、その後映画館に行った。

ボクは、トイレにいて、そのまま気を失っていた。

 

 

 


 

 

 

学級裁判開廷!

 

モノクマ『それじゃあ、好きに議論を進めてくだっさーい!!』

穴雲「とりあえず、まずはファイルを確認しようか。」

狛研「そうだね。今回は、誰がファイルを読む?」

穴雲「じゃあ僕が読もうかな。」

 

 

 

議論開始!

 

 

 

穴雲「被害者は【超高校級の看護師】癒川治奈。死体発見場所は、内エリア6階の【超高校級の看護師】の研究室。

栄「チクショウ…癒川ちゃん…!なんでこんな事に…!」

穴雲「死亡推定時刻は11時30分頃。死因は、内臓損傷及び呼吸困難。死体の傷は、胸部の刺し傷と左肩の切り傷の2つ。顔面、胸部、左肩に血が流れた痕がみられる。

また、被害者は死亡前に喀血したものと思われる。…みんなも把握してるよね?」

栄「お、おう…」

財原「それにしても、犯人の野郎はこんな真っ昼間に殺人をするなんて…よっぽど度胸があるのかバカなのかどっちかだろうね。」

詩名「殺人なんて詩にならないよ。一体誰がこんなひどい事を…」

栄「癒川ちゃん、顔面をやられたんだな。かわいそうに…犯人の野郎、許せねェぜ!」

神座「…なんで顔を殴られて死んだって事になるの?ファイルに書かれてないよ。」

栄「だって、癒川ちゃんの顔には血がべったりついてただろ?あれは、顔面をやられて血が出たんじゃねぇの?」

今の陽一クンの発言はおかしい!

 

顔面をやられて血が出た⬅︎【喀血】

 

「それは違うよ!!」

 

論破

 

栄「オレの発言のどこがおかしいってんだよ!!」

狛研「陽一クン、治奈ちゃんの顔が汚れてるのは、喀血して血が顔に垂れたからだよ。」

栄「カッケツって何だ?」

穴雲「肺や気管の怪我や病気によって血を吐く事だよ。」

栄「うげぇっ!!?」

財原「ってゆーかさ、死因は内臓損傷と呼吸困難だってちゃんとファイルに書いてあんじゃん。キミ、もしかしてすごくバカなの?」

栄「うっせ!!すごくバカで悪かったな!!」

穴雲「君達、喧嘩するなら出てってよ。今真面目に裁判やってるんだからさ。」

栄「…悪い。」

穴雲「じゃあ、次は凶器の特定かな。」

 

 

 

議論開始!

 

 

 

栄「わかんね…とか?」

穴雲「ナイフとかは?」

詩名「うーん、癒川君の研究室だし、メスとか…ではないか。」

星也クンの意見に賛成したい。

 

ナイフ⬅︎【ナイフ】

 

「それに賛成だ!!」

 

同意

 

狛研「凶器は多分、ナイフじゃないかな?」

詩名「ナイフ?」

狛研「うん。治奈ちゃんの胸に刺さってたんだ。それが凶器だとみて間違い無いと思う。」

詩名「うんうん、なるほどね。つまり、癒川君はナイフで刺されて殺されたと。」

神座「看護師…かわいそう…」

穴雲「じゃあ次は、犯行当時の状況を整理してみようか。何か手がかりが見つけられるかも。」

 

 

 

議論開始!

 

 

 

財原「癒川サンは、研究室で殺されてたんだよね?」

狛研「そうだね。遺体を移動させた形跡もなかったよ。」

神座「…でも、どうやって殺したのかな。」

栄「癒川ちゃんは、不意をついて殺されたのか…?」

詩名「例えば、ドアを開けてすぐ刺したとか?」

栄「ああ、そうだ!女の子を不意打ちで殺すなんて、クソ野郎のやる事だぜ!」

今の柳人クンの発言はおかしい!

 

ドアを開けてすぐ刺した⬅︎【ティーカップ】

 

「それは違うよ!!」

 

論破

 

狛研「柳人クン、キミは今ドアを開けてすぐに刺したそれはあり得ないよ。」

詩名「どうしてだい?」

狛研「キミは知らないかもしれないけど、研究室には、ティーカップがテーブルの上と床に落ちて割れたヤツの2個あったんだ。つまり、治奈ちゃんは犯人と一緒にお茶をしていた可能性が高いんだ。」

神座「お茶をしてて、油断してる隙に刺したって事…?」

狛研「そうかもしれないね。」

 

 

 

「あの…ごめん。ひとついい?」

 

反論

 

 

 

狛研「ゐをりちゃん?」

神座「ごめんなさい、叶。あなたの推理を疑うわけじゃないのだけれど…ひとつ気になった所があったから指摘していい?」

狛研「気になるところ?言ってみて。」

神座「…わかったわ。あなたの推理の気になるところ、言ってみる。間違ってる所があったら言ってね。

 

 

 

ー反論ショーダウン 開始ー

 

神座「…あの、叶。カップが2つあったからって、2人でお茶してたとは限らないんじゃないかしら…?看護師1人だけでお茶をしていた可能性もあると思うの。たとえば、落として割っちゃったから代わりのカップで飲んだとか…」

狛研「でも、それならお茶を飲むより先に掃除してるはずだよね?割れたカップをそのままにしてたら危ないじゃん。

やっぱり、あの部屋には治奈ちゃん以外の誰かがいて、一緒にお茶を飲んでたんだよ。」

神座「でも、私…やっぱりまだ信じられない…やっぱり、犯人に急に押し掛けられた可能性の方が高いんじゃ…」

今のゐをりちゃんの発言はおかしい!

 

急に押し掛けられた⬅︎【カップの茶しぶ】

 

「その言葉、斬らせてもらうよ!!」

 

論破

 

狛研「いや、犯人は治奈ちゃんと一緒にお茶をしていた可能性が高いんだ。…それも、ゆっくりと優雅にね。」

神座「どう言う事なの?」

狛研「お茶が入っていたカップと割れたカップ、両方に茶しぶが二層になって付いてたの。…普通、それなりに長い時間部屋にいなきゃ、茶しぶがくっきり付くなんて事はあり得ないよね?」

栄「じゃあ、犯人は癒川ちゃんがお茶して油断してる隙に刺したって事かよ!?どっちにしろクソ野郎じゃねえか!!」

詩名「…そもそも、なんで癒川君が犯人とお茶なんてしてたのかは、疑問が残るけれどね。」

財原「あのさー、こうは考えられない?」

 

 

 

財原「 癒川サンは、誰かを殺そうとしてたんじゃないの?

穴雲「…は?」

財原「今回のクロをティータイムに誘って殺そうと思ったけど返り討ちに遭って、逆に自分が殺された…こう考える方が自然だよね?」

穴雲「治奈が殺人を…!?そんな、バカな事があるか!!僕は信じないよ!」

詩名「穴雲君、今は感情論で決めつけちゃダメだろ。」

神座「…それに、看護師は一度栄養士を襲った事があるしね。可能性は十分あるわ。」

狛研「星也クン、すごく言いづらいんだけど…実は治奈ちゃんが、殺人を計画してたかもしれない根拠はあるんだ。」

穴雲「何それ!?治奈は…治奈はそんな事するような奴じゃない!!」

 

コトダマ提示!

 

【睡眠薬】

 

「これだ!!」

 

狛研「睡眠薬が治奈ちゃんの服のポケットから見つかったんだ。…治奈ちゃんは、お茶に睡眠薬を盛って、犯人の動きを封じた所で殺そうとしてたんじゃないかな?」

穴雲「そんな…!」

栄「ん?なんで睡眠薬なんだ?毒盛りゃあいいだけの話だろ。」

財原「何か聞き出したい事でもあったんじゃない?すぐに死なれたら困るからあえて睡眠薬を盛った…あるいは、毒殺したら自分が疑われると思ったからじゃねーの?」

栄「疑われる?」

神座「この中で一番薬に詳しいのは看護師でしょ。毒で殺したんだとすれば、看護師が真っ先に疑われる可能性が高いと思う。だから、毒を盛らずにあえて刃物で襲ったんだと思うわ。」

栄「じゃあ、癒川ちゃんはなんで誰かを殺そうとなんてしちまったんだ?」

 

 

 

議論開始!

 

 

 

穴雲「治奈の事だ、きっと何かの間違いだ!!」

詩名「誰かに恨みでもあったのかな?」

神座「誰にも知られたくない秘密を知られたとか…」

ゐをりちゃんの意見に賛成したい。

 

秘密⬅︎【秘密の部屋】

 

「それに賛成だ!!」

 

同意

 

狛研「ゐをりちゃんの言う通り、治奈ちゃんには大きな秘密があったんだ。その証拠に、彼女の研究室に隠し部屋があった。」

神座「…隠し部屋?」

狛研「うん。ベッドの下にあったから、最初は気付かなかったけどね。」

栄「なあ、狛研ちゃんは、癒川ちゃんの秘密がなんなのか知ってんのか?」

…言ってもいいのかな。

狛研「うん。最初は疑ってる段階だったけど、部屋を見て確信に変わったよ。…治奈ちゃんはね。」

 

 

 

狛研「黒幕の内通者だったんだよ。」

栄「なっ…んだと!?おい、バカな事言うなよ狛研ちゃん!!あんな天使みたいに優しい癒川ちゃんがモノクマの手先なわけないだろ!!今の発言、取り消せよ!!」

穴雲「そうだよ!!治奈が内通者なわけがない!!だって、僕と一緒にいる時は普通だったんだよ!?」

神座「栄養士、放送員。感情論で決めつけちゃダメって何度も言ってるでしょ。叶が、証拠があるって言っているのだから、きっと看護師は内通者だったのよ。」

栄「ぐっ…ま、まだだ!!まだオレは信じねぇぞ!!その部屋が内通のための部屋だとは限らねェじゃねえか!!」

詩名「どっちみち隠し部屋がある時点で怪しいだろ〜。」

穴雲「みんな、そんなに治奈を悪者にしたいんだね。でもね。僕は、証拠がないなら絶対にそんなデタラメ信じないから!!」

狛研「そんなに信じられないなら、別の証拠を出してあげる。」

 

コトダマ提示!

 

【内線電話】

 

「これだ!!」

 

狛研「ねえ、星也クン。ボクが見つけた隠し部屋だけど…そこには一体何があったと思う?」

穴雲「…え?」

狛研「…黒電話だよ。内線のね。治奈ちゃんは、それを使って内通してたんだよ。」

財原「たかが電話を、そんな個室を用意してまで隠したいなんて、よっぽどのワケありとしか思えないけどね。…これでハッキリしたでしょ。やっぱり癒川サンは、俺らを裏切ってクマちゃん達と内通してたんだよ。」

穴雲「…ッ!!」

財原「さてと。時間が押してるからそろそろ犯人候補を絞っていこうか。」

狛研「そうだね。」

財原「狛研サン、全員分のアリバイは把握してる?」

狛研「…まあね。」

財原「さすが狛研サン。じゃあ、みんなに教えてあげて。」

狛研「…わかった。」

 

コトダマ提示!

 

【全員分のアリバイ】

 

「これだ!!」

 

狛研「…本人達が本当の事を言ってるかどうかはわかんないけど、星也クンは図書室、ゐをりちゃん、陽一クン、柳人クンは研究室、天理クンは自分の部屋にいたはずだよ。」

詩名「全員完全に別行動か…これじゃあ、アリバイを証明出来る人はいないね。」

神座「あの、私…叶と一緒にいたけど…」

詩名「ホントかい?」

狛研「…あ、ごめんゐをりちゃん。ボク、途中で倉庫に行くために外を出て、一度トイレに行ってるんだ。確か犯行時刻の数分前…だったかなぁ?」

詩名「じゃあ意味ないじゃないか。」

神座「ごめんなさい、叶。あなたの無実を証明できなかった。」

狛研「いいんだよゐをりちゃん。アリバイがないのはみんな一緒さ。…それにボク自身、殴られたせいか記憶が曖昧でさ。正直、自分が何をしてたのかちょっと怪しいんだよね。」

穴雲「…なるほどね。」

狛研「どうしたの、星也クン。」

穴雲「ずっと気になってたんだ。…この中に、ひとりだけ怪しい人がいるんだよね。さっきまでは確信が持てなかったけど、今ハッキリと分かったよ。…この事件を起こした真犯人。」

 

 

 

 

 

穴雲「それは君だよね、狛研さん。」

狛研「…え?」

栄「なにぃ!?狛研ちゃんが犯人だと!?こんな純粋で仲間想いな娘が殺人犯なワケないだろ!!癒川ちゃんの事をくさされたからって、腹いせに適当な事言ってんじゃねえぞ!!」

事実を言っただけで、別にくさしてはないけど…

穴雲「適当なもんか、実際、今この場で一番怪しいのは狛研さん。君なんだよ。」

狛研「どういう事?」

穴雲「なんで君が怪しいと思ったのか、順を追って説明していくよ。」

 

 

 

議論開始!

 

 

 

穴雲「狛研さん。君は、僕ですら知らなかった治奈の裏の顔を知ってたんだよね?」

狛研「そうだけど、だったらなんでボクが犯人になるの?」

穴雲「さっき、治奈が口封じのために誰かを殺す計画を立ててたって言ったのは狛研さん、君だよね?忘れた?」

狛研「それはそうだけれど…でも、それだけで犯人にされたんじゃ困るよ。だって、名乗り出てないだけで、治奈ちゃんの正体を知ってた人がいたかもしれないわけでしょ?」

穴雲「あのね狛研さん。君が今更何を言おうと、君が怪しい事には変わりないんだよ。正直、君が頭を殴られたっていうのも疑わしいところだよ。自分を犯人候補から外すための演技なんじゃないの?君は殴られたっていうけど、凶器すら見つかってないよね?」

今の星也クンの発言はおかしい!

 

凶器すら見つかってない⬅︎【消火器】

 

「それは違うよ!!」

 

論破

 

狛研「星也クン、殴られたのは嘘じゃないよ。だって、凹んで血が付着した消火器が見つかってるんだもの。」

穴雲「それがどうしたっていうの?」

狛研「血が付いてて、変形してるとしたら、鈍器として使われたって考えるには十分だよね?それに、ボクの頭のキズを確認したでしょ?演技でああはならないよ。」

詩名「っていうか君、消火器なんかで殴られてよく一晩で回復したよね。」

狛研「まあね。とにかくボクが殴られたっていうのは嘘じゃないから。」

財原「それは俺も保証する。狛研サンは、誰かに…まあ状況的に言って十中八九癒川サンだろうけど、俺を庇って殴られたんだよ。ってかさ、狛研サンが頭から血を流して倒れてたのをキミ達も確認してるよね?」

穴雲「…あ、そうだったね。ごめん。忘れてた。」

財原「こんなに疑いようのない事実があるのに、なんで嘘だと思うかなぁ。それとも、キミはバカなの?」

穴雲「…ッ!!」

狛研「星也クン、ボクは犯人じゃないよ。信じてくれるかな?」

穴雲「信じるわけないでしょ。じゃあ、君が記憶を失ったのはどう説明するの?」

狛研「だから、頭を殴られたせいで脳にダメージを負ってて、倒れたり記憶が飛んだりしちゃったんだよ。」

穴雲「そう言う割には、人を疑ったり隅々まで調べたりするのは相変わらずだよね。事件当時の記憶だけ抜け落ちるなんて、都合が良すぎだよ。」

財原「脳がダメージを負えば、記憶が飛ぶ事もあると思うけど。しかも、ちょっと転んだとかじゃなくて、消火器で頭を思いっきり殴られたんだよ?尚更記憶が飛んだり後で機能障害が出たりしても不思議じゃないんじゃねーの?」

穴雲「本当にそうかな?狛研さんの記憶喪失が仮に本物でも、原因は他にあるかもよ?」

…それって。

 

コトダマ提示!

 

【クレハミンX】

 

「これだ!!」

 

狛研「クレハミンXの事?」

栄「くれは…?んだよそりゃあ!」

穴雲「記憶を奪う睡眠薬だよ。飲んだら、飲む直前の数分間の記憶が抜け落ちるんだって。…狛研さん。君は自分を犯人候補から外すために、あらかじめクレハミンXを化学室から盗んで、わざとそれを飲んで記憶を消したんじゃないの?」

狛研「知らないよそんなの!その薬の事を知ったのだって、事件が起こった後だよ!?」

穴雲「そりゃあ、薬で記憶を消してるんだから、知らなくて当然だよね。」

狛研「それは違うよ!ボクは、治奈ちゃんを殺していなければ、薬を盗んでなんかいない!」

穴雲「記憶がない状態なんだから、なんとでも言えるよね。とにかく、僕は記憶がない君の証言なんて一切信じる気にはなれない。」

狛研「そんな…」

穴雲「狛研さん、いい加減罪を認めて楽になろう?僕は君を絶対に許さないけど、今罪を認めて謝れば、治奈はきっと許してくれるよ。」

狛研「ボクが治奈ちゃんに謝らなきゃいけない事なんてない!!だって、ボクは犯人じゃないから!!」

穴雲「全く、今まで散々みんなを地獄に追いやってきたくせに、自分が犯人扱いされた時は往生際が悪いね。」

狛研「違うよ!そんなつもりは…ボクはただ、真実を明らかにしたいだけなんだ!」

 

穴雲「自分の欲望のためならなんだって利用するのか。…君は最低な奴だな。」

狛研「‥ッ!!」

穴雲「まあいいや。もう時間が押してるから、今回の事件の概要をおさらいしようか。」

 

 

 

ークライマックス推理開始!ー

 

Act.1

今回の事件の発端は、犯人が治奈の正体を知った事だった。

治奈は、犯人に内通者である事を知られてしまい、犯行を計画してしまったんだ。

…ここで僕に一言言ってくれていたのなら、防げたかもしれなかったのにね。

治奈は、財原君を殴りに行くフリをして、犯人を消火器で殴りに行ったんだ。

おそらく、犯人の偽善者精神を利用したんだろう。

 

Act.2

消火器が頭に当たった犯人は、怪我を負ったのをいい事に気絶したフリまでしてその場で被害者アピールをしたんだ。

それで、手厚くみんなに介抱されて、みんなの同情を買ったって寸法さ。

こうして、犯人は見事にみんなに『自分は犯人じゃない』って先入観を刷り込む事ができたんだ。

全く、一歩間違えれば頭を砕かれて死んでたっていうのに、そこまでして偽善を貫くなんて、我が級友ながら正気とは思えないね。

一方、犯人を殺し損ねた治奈は、犯人を確実に殺すために計画を練り直したんだ。

 

Act.3

次の日、治奈は犯人を殺すために、ティータイムをしようと言って犯人を研究室に呼んだんだ。

…ここで治奈が踏みとどまってさえいてくれれば、あんな悲劇は未然に防げたんだろうけど…それは今更言っても仕方がないね。

そして、犯人はそれに応じて、二人で一緒にお茶をした。

犯人の真意はわからないけど、多分いつもの偽善者精神が働いたんだろうね。

…でも、犯人はここで治奈の罠に嵌ったんだ。

 

Act.4

なんと治奈は、犯人の飲む紅茶に睡眠薬を仕込んでいたんだ。

それで犯人の動きを封じて、隠し持っていたナイフを刺すつもりだったんだろうね。

治奈の計算通り、犯人の動きは鈍くなって、そこを治奈が刺して事件発生…の、はずだった。

だけどここで、治奈にとって想定外の事が起こった。

いくら睡眠薬を盛って動きを鈍らせたとはいえ、犯人と治奈の間には体格と力の差があったんだ。

結果、治奈が突き刺そうとしたナイフは、あっさりと犯人に躱された。

 

Act.5

犯人は、治奈と揉み合いになった。

今思えば、治奈の肩の傷は、犯人と揉み合いになった時に犯人につけられたものだったんだ。

そして、争いの末、犯人は治奈からナイフを奪った。

…ここで終わっていればよかった。

だけど卑劣な事に、犯人は奪ったナイフで治奈を刺し殺した。

 

Act.6

治奈を刺し殺して研究室を後にした犯人は、ここから誰も予想しないとある大胆な行動に出る事になる。

なんと犯人は、あらかじめ盗んでおいたクレハミンXを、自ら服用したんだ。

そうする事で、自分の中から犯行の一切の記憶を消し、重大な証拠を喋らないようにしたんだ。

犯人が裁判中に使っていた揚げ足取り…これを他の人に仕掛けられないようにするための対策だろう。

…正直、君がこんなに性根が腐った悪魔のような人だとは思わなかった。

治奈や財原君を利用して自分の地位を上げて、なおかつ自分が疑われないように犯行の記憶を消すという伸るか反るかの大博打に出るなんて…最低だし、狂っているとしか言いようがないよね。

…君の事は、大事なクラスメイトの一人としてすごく信頼していたのに。すごく残念だよ。

 

「これが事件の真相だ!…そうだよね?」

 

 

 

「【超高校級の幸運】狛研叶さん!!!」

 

言葉が出なかった。

こんなの間違ってる。

ボクが犯人じゃない事くらい、ボク自身が一番よく分かってる。

無実の罪で処刑されるなんて絶対に嫌だ。

ボクはあの日、もう自分を犠牲にするような人生は送らないって決めたんだ。

だけど…

『やってない』

その一言が、つっかえてうまく言えなかった。

 

狛研「…がう、…クは…」

穴雲「…これでハッキリした。やっぱり君が犯人だったんだね。」

狛研「…!」

ボクは、首を横に振る事しかできなかった。

穴雲「…もしかして、発言するのが怖いの?余計な事言ったら、ますます自分に容疑がかかるもんね。…もういい。もう、君に怒りをぶつけるのも疲れた。ただ、今僕は軽蔑しているんだ。人を殺しておいて、最後まで自分を善人に見せようとしている最低最悪の偽善者の君にね。モノクマ。もう投票始めちゃって。」

 

モノクマ『え、もういいの?もっと色々話し合ってもいいんだよ?』

穴雲「もう話し合う必要なんて無いと思う。そうでしょ、みんな。」

財原「同調圧力ってヤツ?自分が殺されないからって、人を犠牲にするとか怖いわぁw」

穴雲「君は黙ってて。僕はみんなに意見を聞いてるんだ。僕は狛研さんが犯人だと思うんだけど、みんなはどう思う?」

詩名「確かに、狛研君が怪しいのは一目瞭然だよねぇ。まあオイラ、目が見えないんだけど。」

栄「クッソ…狛研ちゃん…!ごめん、オレ…」

財原「あらら。3票は確定っすか。ごめんな狛研サン。こりゃ流石に俺でもなんとかすんのは無理だわ。」

神座「…。」

 

モノクマ『ふーん。オマエラ、狛研サンの事見捨てるんだ。オマエラって、仲間がどうとか言ってる割には案外冷たいんだね。まあいいや。それじゃあ、投票ターーーーーー…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待って!!!」

 

 

 

 

 

学級裁判中断!

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。