ダンガンロンパPRISON   作:M.T.

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遅れてすまん
モチベが絶賛急降下中


第6章 非日常編③

天理クンの部屋にあった本を読んだ後は、図書室の本を片っ端から読んだ。

結局、有益な情報は得られないまま時間だけが過ぎていった。

 

「…クッソ。何か情報はねえのかよ!!」

「落ち着いてよ、栄君。時間が無いからってイライラしたら、余計捜査が進まなくなるよ。」

「んなの、わかってるよ!」

「…ねえ、陽一クン。キミ、2日連続徹夜したよね。ずっと休みなしで捜査してて…そりゃあ疲れも溜まってイライラするよ。図書室の調べ物なら3人でできるから、そろそろ寝てきなよ。」

「けど…」

「そのイライラした状態のままで裁判に参加する方が良くないよ。いいから寝てきなって。」

「…わかったよ。みんなも、あんまり無理すんじゃねえぞ。」

「うん。ありがとう。じゃあ捜査進めておくね。」

陽一クンが図書室を後にした。

 

「…さてと、ボク達はボク達で捜査を進めないとね。」

 

バサッ

 

「おっと、いけない。」

本の山にぶつかって何かが落ちた。

「ボクも疲れてんのかなぁ。落とし物ーっと。…え?」

落ちたのはメモ用紙のようなものだった。

「…なんだろ、これ。」

紙には、血で文字が書かれていた。

「うわっ…」

これ、血文字だよね…

なんでこんなところに…

ボクは、紙を広げて読んでみた。

 

 

 

ーーー

 

コロシアエ エイエンノツミビトドモヨ

 

ーーー

 

 

 

「…『殺しあえ、永遠の罪人共よ』?」

どういう意味なんだろう。

まるでわからないな。

「…。」

ボクは、紙が挟まっていた本を開いてみた。

本には、裏表紙に何か書かれていた。

「…?」

 

 

 

ーーー

 

このセカイに絶望がある限り、何度でも罪を裁き続ける

たとえ何度繰り返す事になろうとも

いつか希望が完成するその時まで

 

ーーー

 

 

 

『希望が完成する』…?

どういう事?

『生まれる』とか『来る』じゃなくて、『完成』するって…

まるで今『希望』を生み出そうとしている最中みたいじゃないか。

…一体、ボク達に何を伝えようとしてるんだろう。

 

コトダマゲット!

 

【紙切れが挟まった本】

古びた本に血文字が書かれた紙が挟まっていた。

 

 

 

 

「…ふぅ。」

「狛研君。だいぶ疲れてるみたいじゃないか。」

「そりゃあ、普段あんまり使わない頭を3日間もフル回転させっぱなしだもん。疲れるよ。」

「…確かに。毎日探索やら調べ物やら…一生分の調べ物をしたんじゃないのかなぁ。」

「ちょっと、縁起でもない事言わないでよ。みんなでここを出るって約束したじゃない。」

「…ごめん。そうだったね。」

「どう?そっちは。」

「うーん、色々調べてみたけどあんまり有力な情報は出てこなかったね。」

「黒幕とかこの学園とかの情報を調べようとしても、すでに情報が削除されてて見られなかったものね。」

「そりゃあ、そう簡単に真実が見つかるわけないとは思ってたけどぉ…せっかく全フロアが開放されたんだから、もっと色々分かる事があると思ったんだけどなぁ。」

「仕方ないわよ。そんなに簡単にわかる事なら、私達はとっくにここから出られてると思うわ。」

「それもそうなんだけどさぁ…ねえ、そういえばさぁ。ゐをりちゃん、だいぶ手帳使いこなすの上手くなったよね。」

「そうかしら。」

「最初なんて、才刃クンに一から教えてもらわないと電源すら入れられなかったのに…」

「そんな事あったかしらね。」

「とぼけちゃって、このこのー!」

「ちょっと、やめてよ。子供じゃないんだから…」

 

「…あれ?」

「どうしたの?」

「…いや、なんでもない。」

今思ったけど、他の子の手帳の電源入れるのって意外と難しいんだね。

ボタンが小さいし、動き回られるとボタンにうまく力が入らないし…

まあ、冷静に考えてみたら他の人に簡単に操作されちゃったら困るしね。

ん?あれ?じゃあ、あの子はなんであの時…

 

コトダマゲット!

 

【生徒手帳】

生徒手帳の主電源のボタンは、簡単に他の人が入れられないようになっている。

 

 

 

 

「ふわぁあ、おはよ、みんな。」

「あれ?陽一クン、もういいの?」

「ああ。もう夜時間もそろそろ終わりだしな。」

あっ…

もうそんな時間だったんだね。

「どうだった?調べ物は。」

「あまり有力な情報は得られなかったわ。」

「…ボク的には、気になる事がいくつか。」

「気になる事?なんかわかった事でもあんのか?」

ボクは、進捗状況を陽一クンに説明した。

 

「…なるほどな。」

「うん。希望を完成させるっていうのがよくわからないけど…黒幕の目的に少しずつ近づいてる感じはするよね。」

「黒幕の目的かぁ…まるでわかんねーな!」

「…は?」

「オレも休憩中に色々考えたんだけど、あのクマ公共が何考えてんのかてんで読めねぇし、そもそも黒幕が誰なのかもさっぱりわかんねーな!」

「やけに積極的に進捗状況を聞いてくるから何か掴んだのかと思ったけど…君にそんな期待をしたオイラがバカだったね。」

「んだと!?」

 

「…ねえ、みんな。」

ゐをりちゃんが何か言いたそうだ。

「ゐをりちゃん、どうしたの?」

「あの、この夜時間中に、新しい映像が配信されてたみたい…映画館で見に行くのはどうかしら。」

「…あ、ホントだ。全部で3本あるね。ちょっと見に行こうか。」

 

 

 

 

【映画館】

 

…懐かしいな。

初めてここに来た時は、8部屋しかないシアターをどう使うかで揉めた事もあったのに。

最初は15人もいたボク達の大切な友達は、今はもう3人になってしまった。

シアター内に入って映像をセットすると、部屋がゆっくりと暗くなり始めた。

ボクは、一番前の席に座ってスクリーンを眺めた。

 

ヴーーーーーーーーーーーー

 

開始の合図の音と共に、スクリーンに映像が映し出される。

 

 

 

 

 


 

 

 

映像には、ニュースキャスターが何人か映り、真ん中に座っている中年のキャスターが元気よく話し始めた。

『おはようございます!画面の前の皆様!今週もこの時間がやって参りました!えー、今週の『ひるテレ』の話題を発表していきたいと思います!まずは、今話題の新設希望ヶ峰学園の100期生に取材していきましょう、という事で…現場の朝田アナ!』

画面が切り替わり、希望ヶ峰学園の校舎が映る。

校舎の前には、若い女のキャスターが立っていた。

『はい!私、朝田は今希望ヶ峰学園の正門に来ています!早速新入生にお話を伺っていきましょう!ではまず、穴雲君から!』

キャスターは、早速方神…星也クンにインタビューをした。

 

『入学後の目標や意気込みをどうぞ!』

『そうですね…希望ヶ峰学園は数々の著名人を輩出してきた名門中の名門ですので、生徒として学園の名に恥じぬよう精進していきたいと考えています。』

『わー、真面目ちゃんだー。』

『ちょっと、財原君。君は黙ってて。』

『では次は入田君、どうぞ!』

『ふんっ!僕ちゃんの天才的な発明を楽しみにしているといい!』

みんなが次々とインタビューに応えていく。

『まだ…よく…わからない…です。』

『俺は楽しけりゃなんでもいっすよ。ところで、近所に美味いレストランあるんですけど、今度一緒にどっすか?』

『おい!何しれっとナンパしてんだ!あ、オレっすか?えー、まあとにかく女の子にモテまくり…ああ、じゃなかった。栄養士としてより成長したいです。』

『世界中の子供達の心に響くような歌を作ってみせます。』

『私は私。希望ヶ峰学園の生徒にふさわしくいるだけで十分ですわ。』

『まだ日本の生活慣れマセンガ…団員ノタメにもトニカク頑張りマス!』

『アタシのダンスをまたバズらせてみせますよ。』

『わたし、ここの動物さんとお友達になりたいなぁ。ね、翠!』

『ピィ!』

『己に出来る事を全うする。それだけです。』

『俺はもっともっと強くなってやるぜ!誰でもかかってこい!!』

『私は…皆さんのお役に立ちたいです。』

『この国で学んだ事を生かし、我が国とより強固な友好関係を築きます。』

『クラスメイトのみんなと仲良くなりたいです!さ、凶夜クンも!』

『えっと…僕は…とりあえず、穏便に卒業できればそれで…』

『重いよ、景見!』

みんなが一斉に笑い出した。

『皆さん、ありがとうございました!現場からは以上です!』

 

 

 

〜〜数年後〜〜

 

『全世代の女性が注目する男性アナウンサーランキング10週連続堂々の第1位!今話題のドラマ『監獄探偵オリザワ君』の主人公檻澤探を演じ、バラエティ番組『笑タイムズ』では爆笑シーンを披露し瞬間視聴率75%を記録!今最も話題を集める超人気アナウンサー穴雲星也さんです!どうぞ!』

『金曜夜10時放送の『監獄探偵オリザワ君』、ぜひご覧ください。『俺の手にかかればお前ら全員豚箱行きだ!』』

『白鳥麗美が漫画原作ドラマ『世界で一番女王様』の主人公、白嶺寺照美役に抜擢!今年も学園長直々の推薦によりミス・希望ヶ峰の特別審査員に選ばれる!』

『私なんかを選んでいただき光栄ですわ。』

『入田氏が開発した世界中が注目する次世代型デバイス『iri−X』、発売前から40時間待ちの大行列!財原氏も数千億円の投資をしたそうです。』

『ふんっ、どうだ見たか!僕ちゃんの発明は宇宙一だ!にゃーっはっはっは!!』

『俺もガッポガッポだよぉ〜。ほーらクズメス共ー、キミ達の大好きなお金あげちゃうぞー♡』

『キャー、財原様ー!』

『チッ、なんでアイツばっかり…』

『癒川氏が考案した治療法と栄氏が考案した食事によって、不治の病や紛争で負った怪我に苦しんでいた〇〇国の数百万人の患者が回復。シルヴェンノイネン王国の国王陛下が新たに百万人の難民受け入れの法律を制定。』

『私は、人々を救うためにできる事をしただけです。』

『腹減ってる奴には腹いっぱい食わせてやる!』

『世界の平和と国民の幸福を守る事こそが、国王としての私の存在意義です。』

『朱雑技団の団長と世界的なダンサーハズミ・ヨウコがまさかのコラボ!Y●uTubeの総再生回数10億回越え!』

『謝謝!ワタシ達のパフォーマンス、見てテくださいネー!』

『画面の前のみんなも踊ってみなよ!最高にノれるよ!』

『不動院氏と舞田氏が、来月来日されるシルヴェンノイネン王国の王女の護衛に抜擢される。王女は『お兄様のお友達がとても強い護衛で心強い』と胸の内を明らかにされた。』

『求められた事を全うするまでです。王女様のお命は私達が必ずお守りします。』

『テロリストだろうとスパイだろうと俺達がまとめて相手してやるぜ!!』

『日暮教授が設立したひぐらし動物園が先週オープン!建物の内装は、芸術家・実業家として有名な神座氏が手掛けており、動物園に多額の寄付をしている。マスコット的存在の翠ちゃんは、『ひぐらし動物園のアイドル』として園を訪れた子供達に大人気!今なら世界的な詩人詩名氏が、翠ちゃんの歌と共に新作を生公演!』

『わたし達と一緒に、いろんな動物さんとお友達になってみてね!』

『…みんなに喜んでもらえると嬉しい。』

『オイラと翠君の歌、ぜひ聞いていっておくれよ〜♪』

『ピィ!』

 

『…いいなぁ、みんな。それぞれの道で活躍してさ。僕なんて、3年間ずっと持ち前の不運が連発しただけだよ。』

『凶夜クンは行かなくていいの?卒業パーティー。』

『…僕はいいよ。なんか、僕なんかが行っても申し訳ないからね。』

『そんな事ないって!ボク達、友達でしょ!やっぱり16人全員揃ってないと!ね!』

『…ありがとう叶さん。…あの。』

『どうしたの?凶夜クン。』

『…ずっと、伝えたかった事があるんだ。』

『え、何急に。』

 

『あの、ぼ…僕は…ずっと、君の事が好き…だったんだ。』

『…。』

『あ、あの…叶さ…』

『…知ってた。』

『え?』

『そうなんじゃないかなって思ってた。』

 

 

 

『…ボクも、キミの事が好きだったから。』

 

 

 

 

 

ブツンッ

 

 

 

画面が切り替わり、クマさんが現れる。

背景には、炎の海と化した街に、焼け焦げた人々が悶え苦しむ様子が映っている。

『いっやぁ、みんなそれぞれの道で成功しちゃって…ホンット羨ましいよね!まあ一部例外もいるみたいだけど。でもね、この数秒後、とある大きな出来事が起こって、ここにいる16人は豹変していく事になるんだよね!世界はあっという間にカオスになってしまったのでしたー!さてさて、ではここで問題!この16人の身に、一体何が起こったのでしょうかっ!?正解発表は、学級裁判で!』

 

 

 


 

 

 

 

 

「…。」

部屋がだんだんと明るくなる。

ボクは、ただ呆然とスクリーンを眺めていた。

 

なんだ、今の映像は。

こんなの、明らかにボクの記憶と矛盾してる。

ボクは希望ヶ峰学園に入学した事なんてないはずだし、入学から何年も経っているというのはとても信じられない。

もちろん、この映像が捏造っていう可能性もある。むしろ、そっちの可能性の方が高い気がする。

だけど、もしこれが本物なら、ボク達はやっぱり記憶を抜き取られたって事になる。

それも、数日や数週間なんてレベルじゃない。

数年間の記憶を抜き取られてるんだ。

だったら、処刑されたっていうのは一体…?

 

…映像はあと2本か。

これも見てみないと。

2本目の映像をセットして席についた。

 

ヴーーーーーーーーーーーー

 

開始の合図の音と共に、スクリーンに映像が映し出される。

 

 

 

 

 


 

 

 

スクリーンに刑務所のような場所が映し出される。

正面には、ボクが映っていた。

でも、その姿は明らかにボクじゃない…ちょうど履歴書の証明写真に写っていたような容姿だった。

髪は俯くと顔が隠れるほど伸びきっていて、心なしか全体的に痩せているような気がする。

ボクは、穴の開いたアクリル板の向こうにいる誰かに質問されていた。

『…はい。…みんなが…いえ、ボク達があんな事をしたのはその日がきっかけでした。テレビの取材の直後…』

『なるほどね。共犯者はその14人で全員?』

『そうですね…まあ、共犯者って言っていいのか微妙な人も何人かいましたけど…』

『どうしてあんな事をしたのか、覚えてる?』

『…。』

『あのね、混乱しているのかもしれないけど…何も話してくれなきゃどうにもならないのよ。あなた達のした事は立派な重罪だけど、あなた達はまだ若い。あなたの証言によっては、罰が軽くなる事もなくはないわ。』

『…おかしくなったんです。あの日から…あれはもう正気じゃなかった…思い出すだけで震えが止まりません。なんであんな事になったのか…なんでボク達はあんな事をしてしまったのか…』

『なるほど…みんながおかしく…ね。…ねえ。』

『なんですか。』

『みんな、あなたが一番重い罪を犯したって証言していたのだけれど…どういう事なのかしら?』

『事件のきっかけを作ったのは、ボクなんです。』

『詳しく聞かせて。どういう事なのそれは!?あなたはあの時、何をしていたの!!?答えて!!』

『…別に、何もしてませんよ。』

『…え?』

ボクは、口角を上げて答えた。

『なんであの事件が起こったのか…それはーーーーー』

 

 

 

 

 

ブツンッ

 

 

 


 

 

 

 

 

映像が終わって部屋が明るくなった。

 

なんだ、この映像…

まるで刑務所の面会みたいな映像じゃないか。

ボクの中で、次々と疑問が沸き起こった。

事件って何の事だ。

ボクがきっかけを作ったって一体どういう事だ。

外の世界で一体何があった。

施設のみんなは…他のみんなはどうなったの!?

裁判を勝ち抜いてここから出て、何があったのか確かめなきゃ。

…だけど、まずは裁判に必要な情報を手に入れないと話にならない。

ボクは、3本目の映像をセットした。

 

ヴーーーーーーーーーーーー

 

開始の合図の音と共に、スクリーンに映像が映し出される。

 

 

 

 

 


 

 

 

スクリーンには、暗い教会のような場所が映った。

何人もの信者が真ん中にある祭壇を崇めている。

祭壇には、無数の死体が積まれて山を作っていた。

その山の頂上には十字架が立てられ、女の子が磔にされていた。

ドレスのような制服を着ていて、腰まである綺麗な黒髪に大きな碧い瞳、横から出た触角が特徴的な女の子だ。

服装も髪型も違うけど、ボクは一目でそれが誰なのか理解できた。

 

「…ボク?」

 

目の前で磔にされている女の子は、間違いなくボク自身だった。

『あっ…』

画面の中にいるボクは、真っ黒に塗り潰された人物に銃を突きつけられていた。

『…はは、ははは…』

ボクは、絶望したような表情で笑っていた。

『…バイバイ、次の世界でまた会おうね。』

 

 

 

ドンッ

 

銃が発砲されて眉間に風穴が開く。

頭から血が噴き出して、空中に真っ赤な花を咲かせながら亡骸が崩れ落ちる。

その亡骸を、真っ黒い人物が抱きかかえていた。

その瞬間背景が歪んで、バラバラに崩れていく。

 

 

 

 

 

ブツンッ

 

 

 


 

 

 

 

 

映像が終わって部屋が明るくなった。

…え?

何今の…どういう事?

…死ん、だ…よね。

あそこにいたのは間違いなくボク自身だった。

でもボクは今こうして生きてる。

じゃあ、あの子は一体なんなの…?

いや、そもそも…

 

ボクは一体誰なんだ…?

 

『オマエラが明らかにすべき真実…それはオマエラの正体だよ!』

 

…ボク達の、正体…

当たり前すぎて今まで疑問に思った事すらなかった。

自分が一体何者なのか。

どこから来て、なんのために今まで生きてきたのか。

ボクは、当たり前にわかってる事だと思っていたけど、自分の事すら何もわかっていなかった。

みんなの命を弄んだ黒幕を糾弾して一泡吹かせるのはいい。

だけどその前に、ボク達の正体や犯した罪と向き合わなきゃいけないのかもしれない。

それに、あの子は死ぬ前に変な事を言っていた。

 

『次の世界でまた会おうね。』

 

…次の、世界。

なんかどっかで聞いた事あるようなセリフだな。

…あ。

 

『繰り返される世界で希望は絶望に変わり、罪人達は永遠の監獄へと誘われる。』

 

繰り返される世界…

ボクは一体、今どこにいるんだ。

そもそも自分が誰なのかすらわからない。

ボク達は、一体何に巻き込まれてしまったっていうんだ。

 

コトダマゲット!

 

【映像①】

希望ヶ峰に入学したみんなのインタビュー映像。

 

コトダマゲット!

 

【映像②】

刑務所のような場所で、ボクが事情聴取を受けている映像。

 

コトダマゲット!

 

【映像③】

ボクによく似た女の子が磔にされて銃殺される映像。彼女は、最期に妙な発言をしていた。

 

 

 

 

シアターを出ると、みんなが集まっていた。

「お、狛研ちゃん。やっと来た。」

「ごめん。ボクが一番最後だった?」

「ああ。にしても、随分と長い間シアターにいたよな。狛研ちゃんの映像、そんなに長かったのか?」

「…え?みんな同じ映像を見てたんじゃないの?」

「いや、微妙に違う映像を見させられたみたいだぞ。インタビューと事情聴取のくだりまではほとんど一緒だったけど、オレはオレ自身が誰かに頭を殴られて殺される映像を、詩名は冷蔵庫に閉じ込められて凍死する映像を、神座ちゃんは処刑される映像が流れたらしい。」

え?

それって、全員がそれぞれの最期を見させられたって事?

「…なんか、オレは頭の原型がなくなるくらいボコボコに殴られてたな。髪型とか服装とか全然違ったけど、あそこに映ってたのはなんとなくオレ自身だったような気がすんだよな。」

「まあ、あの映像が偽物っていう可能性は否定できないし…あんまり信用しすぎるのもどうかと思うわ。」

「神座君の言う通りだよ。もしかしたら映像で死んでいたのは赤の他人かもしれないし、そもそも映像自体が真っ赤な嘘かもしれないじゃないか。」

「まあ、そうなんだけどよ…」

 

「…ねえ。」

「ん?どうしたんだ狛研ちゃん?」

「みんなは、パラレルワールドってあると思う?」

「パラレル…ワールド?」

「いわゆる並行宇宙っていうヤツか。なんでいきなりそんな事聞くんだい?」

「いや、ちょっと気になる事があって…」

「あっ!わかったぞ!あそこで殺されたのは多分、パラレルワールドのオレなんだよ!向こうでもこっちと同じようにコロシアイが起こってるんじゃねえか!?」

「待ってよ。そんな子供の妄想みたいなのがこのコロシアイの正体だとはとても思えないんだけどなぁ。仮にそんなものが存在したとして、黒幕はどうやってその世界に干渉したっていうんだい?それに、パラレルワールドの出来事をわざわざオイラ達に見せる事に何の意味があるんだい?」

「それは…」

「ね?ちゃんとした根拠なんてどこにもないだろ?そもそもそんな物あるわけないじゃないか。やっぱりあの映像は偽物かオイラ達のそっくりさんが殺されてる映像かのどっちかなんだよ。」

「うーん、そうなのかなぁ。」

 

 

 

 

【ゲームエリア】

 

ボク達は、映像を見終わった後捜査に戻った。

柳人クンの提案で、ボク達はゲームエリアを探索する事になった。

「しっかし、今更ゲームエリアなんて探して一体何になるっつーんだよ。」

「つべこべ言わずに探しなよぉ。」

「はいはいわかりましたよーっと。…あれ?」

「どうしたんだい?」

「こんな扉、あったっけ?」

「え、何?どうしたの?」

「よくわからないけど、栄君が隠し扉を見つけたらしいよ〜♪」

「隠し扉を?…陽一クン、悪いけど開けてみてもらえる?」

「おう。」

扉の向こうには、ゲームソフトが並んでいた。

そのゲームソフトのタイトルには、全て『ダンガンロンパ』というワードが入っていた。

「…ダンガンロンパ?」

「全部で54本あるわね。…あら?」

「どうしたの?」

「54本目だけ、中身が無いわ。」

「んだと!?なあ、それって…」

「多分、その54本目が、学園長室にセットされていたソフトだと思うの。」

「あ…!」

「でも、確証はないよね?あのカセット、ラベルが剥がされてたし。」

「…そうね。ごめんなさい、適当な事言って。」

「いや、頭の隅に置いておく価値はあるよ。…『ダンガンロンパ』ね。」

 

コトダマゲット!

 

【ダンガンロンパ】

ゲームエリアの隠し扉に、同じタイトルのゲームソフトが54本並んでいた。最後の1作だけはカセットが抜き取られている。

 

「なあ、そろそろ裁判の時間だよな。」

「…そうね。」

「…。」

「叶、どうしたの?」

「いや、なんでもない…」

もうすぐ裁判か。

裁判に勝たなきゃ、ボク達に未来はない。

…なんでだろう。急にお父さんの言葉がこみ上げてきた。

…あれっ?

ボク、お父さんの最期の言葉って、みんなの前で言った事あったっけ?

 

コトダマゲット!

 

【お父さんの言葉】

お父さんが10年前ボクに残してくれた言葉。みんなの前で言った事はなかったはず。

 

「…!」

「狛研ちゃん?どうしたんだ?」

「…ボク、わかったかもしれない。」

「何が?」

「このゲームを裏で操ってる黒幕…」

「えぇええっ!!?」

「…突拍子のない話だから信じられないと思うし、ボクだってこんなの信じたくない。だけど、この人が黒幕としか考えられないんだ。」

「狛研君、黒幕が分かったのかい!?一体誰なんだい、それは!?」

「それは…」

 

 

 

ブーーーーーッブーーーーーッブーーーーーッ

 

『オマエラ、時間切れです!只今より最終裁判を行います!全員、5分以内に内エリア1階の噴水まで集合してね〜!』

『遅刻欠席は許しませんよ!校則違反とみなし、問答無用でおしおきさせていただきます!』

「チッ…あのクマ公共、変なタイミングで放送かけやがって…」

「狛研君、その話、裁判で詳しく聞かせてもらうよ。」

「…うん。」

「行きましょう。」

ボク達は、全員で噴水に向かった。

 

 

 

 

【噴水】

 

「この景色を見るのも、これで最後なんだね。」

「…そうね。」

「こんな檻みてェな場所、さっさとおさらばしたいもんだぜ。」

「よく言うよ。自分の研究室が開放された時はあんなに喜んでたくせに。」

「うっ…い、いいだろ別に!もう終わった事だろ!?オレ達はもう、こっから出ちまや勝ちなんだよ!」

「はいはい。」

ここで、みんなが死んでいった。

この裁判を勝ち抜けばボク達は晴れて自由の身だ。

…でも、失った命までは元に戻らない。

ボクは、複雑な思いを抱えたまま噴水を見つめた。

噴水の前で待っていると、クマさんが現れた。

『うぷぷ、全員揃ったみたいだね。って、今回は全員同時?さすが仲良し4人組だねオマエラ!』

「無駄口を叩いてないでさっさとしなよぉ。」

『うっわ、ひっど!ボク、激おこプンプン丸だぞ!…あれ?これって死語?まあいいや、裁判場行きのエレベーターに乗ってね!』

クマさんが指を鳴らすと、噴水の中からエレベーターが現れた。

クマさんに急かされて、ボク達はエレベーターに乗った。

 

 

 

 

また、始まるんだ。

あの地獄のような裁判が。

ボク達は真実を暴いて、ボク達にコロシアイを強要した黒幕を糾弾しないといけない。

ボクは、まだ信じられない。

あんなに仲の良かったあの子が黒幕だなんて。

…ずっと友達だと思ってたのに。

でも、真実を明らかにしなきゃボク達に未来はない。

ボク達は、生きてここから出なきゃいけないんだ。

外で待っていてくれてる人達…そして、ここで若くして死んでしまったみんなの無念を晴らすために。

 

 

 

 


 

 

 

『フッフッフ。さァて、ここでクイズのお時間ですよ。登場人物全員をコロシアイに巻き込んだ黒幕は、一体誰だと思いますか?』

 

【超高校級のアナウンサー】穴雲星也

 

【超高校級の工学者】入田才刃

 

【超高校級の不運】景見凶夜

 

【超高校級の???】神座ゐをり

 

【超高校級の幸運】狛研叶

 

【超高校級の資産家】財原天理

 

【超高校級の栄養士】栄陽一

 

【超高校級の詩人】詩名柳人

 

【超高校級のマドンナ】白鳥隥恵

 

【セキセイインコ】翠

 

【超高校級の曲芸師】朱雪梅

 

【超高校級のダンサー】羽澄踊子

 

【超高校級の生物学者】日暮彩蝶/【超高校級の人狼】暁裴駑

 

【超高校級の侍】不動院剣

 

【超高校級の喧嘩番長】舞田成威斗

 

【超高校級の看護師】癒川治奈

 

【超高校級の国王】ラッセ・エドヴァルド・シルヴェンノイネン

 

『…そうですか。次回は学級裁判前編でございます。お楽しみに。』

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