アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート 番外編   作:朕好こう

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A.百合の日


Q.6月25日って何の日だ?

 …これは一体全体どういう事なの。

 

「千世子ちゃんは、恋歌の何処が好きだと思っているのかしら?」

「全部だよ」

「そんな陳腐でありきたりな答えは求めてないわ」

 

 うーん…

 

「じゃあ、夜凪さんは何処が好きなの?」

「…そうね。まず、好きなものを出した時の顔かしら」

「あぁ、チョコとかお肉を食べる時の顔は確かに可愛いね。でもそれ、私も知ってるよ?」

 

 千世子ちゃんと景ちゃんが私を取り合っている夢?いや、それにしてはリアル過ぎると言うか。

 

「じゃあ、寝顔はどうかしら」

「それも知ってる。もしかして、夜凪さんの愛って大したことないのかな?」

「そんな訳ないわ!恋歌のことは隅々まで知ってるもの!例えば、胸の…」

「景ちゃぁん!?何を言おうとしてるの!?」

「胸の…?恋歌ちゃん、私にも見せてよ。お礼はするから」

 

 千世子ちゃんもちょっと興味を持たないで!?あと見せません!恥ずかしいから!!

 

「そう言えば、恋歌ちゃんってキス上手いけど…もしかして、誰かとしたことあるのかな?私にだけこっそり教えてよ」

「…ちょっと待って、千世子ちゃん。それって恋歌と何回もキスしたことあるような口振りだわ」

「あぁ、夜凪さんは全然したことないんだっけ?ごめんね、私、恋歌ちゃんとデートもキスも済ませているから…」

「なっ…!?なら、私は恋歌とお風呂もベッドも一緒だもの!!」

「それもおいおい…というか、今、済ませられるね。ここにはベッドもお風呂もあるし」

 

 また千世子ちゃんと景ちゃんが喧嘩し始めた。私は止めるのも疲れたので、壁に書かれた文字をもう一度見る。

 

『セ〇〇〇しないと出られない部屋』

 

 うん、多分この部屋を作った人は馬鹿なんだと思う。思わず夢だと思ってしまうのも無理もないくらいの馬鹿さだ。

 

 このクイーンサイズのベッドとスケスケのお風呂場、替えの服だけの部屋に閉じ込められてから、1時間が経つ。

 目が覚めたら、千世子ちゃんが覆い被さっていて、急にキスされて驚いた。その後、服を脱がされそうなところを景ちゃんに助けられた。

 

 ちょっとだけ、千世子ちゃんに流されてしまいそうだったのは秘密だ。

 

「そもそも、千世子ちゃんは変態過ぎるわ。恋歌の服を脱がして何をするつもりだったのかしら」

「…聞きたい?」

「やっぱり良いわ」

「でも、やらなきゃ外に出られないよ?私の事止めなければ出れたのに」

 

 私は出れなくても、いいかな。ここなら千世子ちゃんと景ちゃんとずっと居られるし。多分この部屋の主も私達を殺すつもりは無いだろうから。ここで2人とずっと一緒に居るのも…ありかな。

 

「千世子ちゃんじゃなくて私が…」

「面白いこと言うね。キスも碌に済ませてない癖に」

「私は節度を持って恋歌に接してるの」

「でもこの間の夜、私の胸揉んでなかった?」

「…その話、詳しく聞かせて貰っていいかな?」

 

 景ちゃんは顔を逸らし、手で耳を塞ぐ。可愛い。

 

「私は今、何も聞こえないわ」

「…じゃあ、これも聞こえないね」

 

 私は景ちゃんの胸に飛び込んで、笑顔で告げる。

 

「大好きだよ、景ちゃん」

「え?なんて言ったのかしら…?」

 

 本当に聞こえていなかったらしく、景ちゃんは首を傾げる。もう言ってあげないもん。

 ニコニコしてたら、千世子ちゃんが私に背後から抱き着いてくる。しかも、これってあすなろ抱き…!?ち、千世子ちゃん、いい匂いするんだけど。やばいよ、どういう状況!?

 

「恋歌ちゃん、私は?」

「ふぁ…!?」

 

 千世子ちゃんは私の耳元で囁くと、かぷっと耳たぶを噛んでくる。ちょっと痛気持ちよくてピクって反応してたら、景ちゃんが怒り始めた。

 

「ち、千世子ちゃん、それは変態過ぎるわ!」

「…そうかなー?女子のスキンシップだよ。これくらい仲のいい女子の間では普通なんだよ?」

「そうなの…?」

「うん。普通」

「じゃ、じゃあ私も…」

 

 普通なわけないでしょぉぉぉ!?って叫びたいのに、千世子ちゃんが耳を甘噛みしてきて、それを我慢するのに必死で声が出せない。

 景ちゃんが赤面しながら、私の顔をその白くて細くて綺麗な指でなぞってくる。なんだか、いけないことをしてるみたい。

 

「えっと…い、いただきます?」

 

 景ちゃんが耳を噛む。千世子ちゃんみたいな甘噛みじゃなくて、普通に痛い。けど、それが愛してるっていう証拠みたいで凄くドキドキする。

 

「あ、ぅ…け、景ちゃん、ちょっと痛いかも」

「そ、そうかしら。ごめんなさい、恋歌」

 

 私が涙目になって、訴えかけると景ちゃんが耳から口を離す。少し耳が湿ってるし、私の耳を噛んでいた景ちゃんの唇が湿っていて色っぽい。

 

「痛っ!?ちょっと千世子ちゃん、痛いよぉ」

 

 思わず、叫んでしまうくらい千世子ちゃんが強く噛んでくる。私が後ろを向いて、千世子ちゃんに抗議しようとすると唇を奪われる。

 

「んぐ!?」

「…ねぇ、恋歌ちゃん。私は?」

「えっと、その…」

「答えてくれるまで、キスするから」

「待っ」

 

 景ちゃんの前で、何度もキスされる。手は完全に抑え込まれてるし、千世子ちゃんがずっと目を合わせてくるから目も閉じれない。その内、唇だけじゃなくて、口の中も千世子ちゃんで満たされ始める。

 景ちゃんがじっと千世子ちゃんと私のキスを見てる。恥ずかしさと止めて欲しいという気持ちと共に、もっと千世子ちゃんと愛し合いたいとか思ってしまう。

 

「千世子ちゃん、キスしてたら恋歌の気持ちが聞けないと思うの」

「それもそうだね」

 

 何分?何十分?わかんないけど、分からなくなるまでずっとキスされていた。私も千世子ちゃんも息が乱れてる。

 

「恋歌ちゃん、教えて?」

 

 千世子ちゃんの目が私を離さない。

 

「…ち、千世子ちゃんも好きだよ」

「ふぅん…夜凪さんは大好きで、私は好きなんだ」

「あっ、そうじゃなくてね!」

「私は恋歌ちゃんのこと愛してるのに」

 

 千世子ちゃんが拗ねたように顔を逸らしてしまう。その姿が堪らなく興奮する。やばい、なんだろうこの気持ち。

 きっとこの部屋のせいだ。こんなお膳立てをされたら、私だって、私だってこの想いを抑えることなんて出来なくなってしまう。

 

「私だって、千世子ちゃんのこと愛してるよ!」

「…どれくらい?」

「景ちゃんと同じくらい!!」

「それじゃ、嫌なんだけどなぁ…まぁ、今はそれで許してあげるね」

 

 千世子ちゃんがまたキスしてくれる。私と千世子ちゃんが愛し合っていると、頬を膨らませた景ちゃんが私の服の袖を引っ張ってくる。可愛いよぉ、拗ねた景ちゃん。

 

「恋歌、私も」

「恋歌ちゃん、私の方が優先だよね?」

 

 決められない。私は優柔不断だから。

 決められない。私は2人とも愛してるから。

 

「あの、さ。2人とも…しよっか」

 

 2人と付き合うなんて最低だと思う。けど、愛し合う気持ちだけは本当だから。

 

 私も景ちゃんも千世子ちゃんも頷いて…

 

 

「…」

 

 部屋が開いた。3人とも疲れきっていて、動く気にはならないし…

 

「もうちょっと、居てもいいかなあ」

「うん。いいと思う」

「そう、ね…」

 

 好きになっちゃったら、止めらないよ。ましてや、その気持ちを互いに確認しあったら、もう死ぬまで終わらない。

 

 私たちはお互いの顔を見合せて、また愛し会い始めた。

 

 

 

 

「っていう夢を…見ちゃったんです……」

「…なんでそれを異性の僕に話すかな」

「私って淫乱なんでしょうか!?こ、こういう夢見るのって淫乱な人ですよね!!先輩、よく見てますもんね!」

「見てないよ!?風評被害も甚だしいな!?」

 

 夢オチなんてサイテー!!

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