アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート 番外編 作:朕好こう
…これは一体全体どういう事なの。
「千世子ちゃんは、恋歌の何処が好きだと思っているのかしら?」
「全部だよ」
「そんな陳腐でありきたりな答えは求めてないわ」
うーん…
「じゃあ、夜凪さんは何処が好きなの?」
「…そうね。まず、好きなものを出した時の顔かしら」
「あぁ、チョコとかお肉を食べる時の顔は確かに可愛いね。でもそれ、私も知ってるよ?」
千世子ちゃんと景ちゃんが私を取り合っている夢?いや、それにしてはリアル過ぎると言うか。
「じゃあ、寝顔はどうかしら」
「それも知ってる。もしかして、夜凪さんの愛って大したことないのかな?」
「そんな訳ないわ!恋歌のことは隅々まで知ってるもの!例えば、胸の…」
「景ちゃぁん!?何を言おうとしてるの!?」
「胸の…?恋歌ちゃん、私にも見せてよ。お礼はするから」
千世子ちゃんもちょっと興味を持たないで!?あと見せません!恥ずかしいから!!
「そう言えば、恋歌ちゃんってキス上手いけど…もしかして、誰かとしたことあるのかな?私にだけこっそり教えてよ」
「…ちょっと待って、千世子ちゃん。それって恋歌と何回もキスしたことあるような口振りだわ」
「あぁ、夜凪さんは全然したことないんだっけ?ごめんね、私、恋歌ちゃんとデートもキスも済ませているから…」
「なっ…!?なら、私は恋歌とお風呂もベッドも一緒だもの!!」
「それもおいおい…というか、今、済ませられるね。ここにはベッドもお風呂もあるし」
また千世子ちゃんと景ちゃんが喧嘩し始めた。私は止めるのも疲れたので、壁に書かれた文字をもう一度見る。
『セ〇〇〇しないと出られない部屋』
うん、多分この部屋を作った人は馬鹿なんだと思う。思わず夢だと思ってしまうのも無理もないくらいの馬鹿さだ。
このクイーンサイズのベッドとスケスケのお風呂場、替えの服だけの部屋に閉じ込められてから、1時間が経つ。
目が覚めたら、千世子ちゃんが覆い被さっていて、急にキスされて驚いた。その後、服を脱がされそうなところを景ちゃんに助けられた。
ちょっとだけ、千世子ちゃんに流されてしまいそうだったのは秘密だ。
「そもそも、千世子ちゃんは変態過ぎるわ。恋歌の服を脱がして何をするつもりだったのかしら」
「…聞きたい?」
「やっぱり良いわ」
「でも、やらなきゃ外に出られないよ?私の事止めなければ出れたのに」
私は出れなくても、いいかな。ここなら千世子ちゃんと景ちゃんとずっと居られるし。多分この部屋の主も私達を殺すつもりは無いだろうから。ここで2人とずっと一緒に居るのも…ありかな。
「千世子ちゃんじゃなくて私が…」
「面白いこと言うね。キスも碌に済ませてない癖に」
「私は節度を持って恋歌に接してるの」
「でもこの間の夜、私の胸揉んでなかった?」
「…その話、詳しく聞かせて貰っていいかな?」
景ちゃんは顔を逸らし、手で耳を塞ぐ。可愛い。
「私は今、何も聞こえないわ」
「…じゃあ、これも聞こえないね」
私は景ちゃんの胸に飛び込んで、笑顔で告げる。
「大好きだよ、景ちゃん」
「え?なんて言ったのかしら…?」
本当に聞こえていなかったらしく、景ちゃんは首を傾げる。もう言ってあげないもん。
ニコニコしてたら、千世子ちゃんが私に背後から抱き着いてくる。しかも、これってあすなろ抱き…!?ち、千世子ちゃん、いい匂いするんだけど。やばいよ、どういう状況!?
「恋歌ちゃん、私は?」
「ふぁ…!?」
千世子ちゃんは私の耳元で囁くと、かぷっと耳たぶを噛んでくる。ちょっと痛気持ちよくてピクって反応してたら、景ちゃんが怒り始めた。
「ち、千世子ちゃん、それは変態過ぎるわ!」
「…そうかなー?女子のスキンシップだよ。これくらい仲のいい女子の間では普通なんだよ?」
「そうなの…?」
「うん。普通」
「じゃ、じゃあ私も…」
普通なわけないでしょぉぉぉ!?って叫びたいのに、千世子ちゃんが耳を甘噛みしてきて、それを我慢するのに必死で声が出せない。
景ちゃんが赤面しながら、私の顔をその白くて細くて綺麗な指でなぞってくる。なんだか、いけないことをしてるみたい。
「えっと…い、いただきます?」
景ちゃんが耳を噛む。千世子ちゃんみたいな甘噛みじゃなくて、普通に痛い。けど、それが愛してるっていう証拠みたいで凄くドキドキする。
「あ、ぅ…け、景ちゃん、ちょっと痛いかも」
「そ、そうかしら。ごめんなさい、恋歌」
私が涙目になって、訴えかけると景ちゃんが耳から口を離す。少し耳が湿ってるし、私の耳を噛んでいた景ちゃんの唇が湿っていて色っぽい。
「痛っ!?ちょっと千世子ちゃん、痛いよぉ」
思わず、叫んでしまうくらい千世子ちゃんが強く噛んでくる。私が後ろを向いて、千世子ちゃんに抗議しようとすると唇を奪われる。
「んぐ!?」
「…ねぇ、恋歌ちゃん。私は?」
「えっと、その…」
「答えてくれるまで、キスするから」
「待っ」
景ちゃんの前で、何度もキスされる。手は完全に抑え込まれてるし、千世子ちゃんがずっと目を合わせてくるから目も閉じれない。その内、唇だけじゃなくて、口の中も千世子ちゃんで満たされ始める。
景ちゃんがじっと千世子ちゃんと私のキスを見てる。恥ずかしさと止めて欲しいという気持ちと共に、もっと千世子ちゃんと愛し合いたいとか思ってしまう。
「千世子ちゃん、キスしてたら恋歌の気持ちが聞けないと思うの」
「それもそうだね」
何分?何十分?わかんないけど、分からなくなるまでずっとキスされていた。私も千世子ちゃんも息が乱れてる。
「恋歌ちゃん、教えて?」
千世子ちゃんの目が私を離さない。
「…ち、千世子ちゃんも好きだよ」
「ふぅん…夜凪さんは大好きで、私は好きなんだ」
「あっ、そうじゃなくてね!」
「私は恋歌ちゃんのこと愛してるのに」
千世子ちゃんが拗ねたように顔を逸らしてしまう。その姿が堪らなく興奮する。やばい、なんだろうこの気持ち。
きっとこの部屋のせいだ。こんなお膳立てをされたら、私だって、私だってこの想いを抑えることなんて出来なくなってしまう。
「私だって、千世子ちゃんのこと愛してるよ!」
「…どれくらい?」
「景ちゃんと同じくらい!!」
「それじゃ、嫌なんだけどなぁ…まぁ、今はそれで許してあげるね」
千世子ちゃんがまたキスしてくれる。私と千世子ちゃんが愛し合っていると、頬を膨らませた景ちゃんが私の服の袖を引っ張ってくる。可愛いよぉ、拗ねた景ちゃん。
「恋歌、私も」
「恋歌ちゃん、私の方が優先だよね?」
決められない。私は優柔不断だから。
決められない。私は2人とも愛してるから。
「あの、さ。2人とも…しよっか」
2人と付き合うなんて最低だと思う。けど、愛し合う気持ちだけは本当だから。
私も景ちゃんも千世子ちゃんも頷いて…
「…」
部屋が開いた。3人とも疲れきっていて、動く気にはならないし…
「もうちょっと、居てもいいかなあ」
「うん。いいと思う」
「そう、ね…」
好きになっちゃったら、止めらないよ。ましてや、その気持ちを互いに確認しあったら、もう死ぬまで終わらない。
私たちはお互いの顔を見合せて、また愛し会い始めた。
「っていう夢を…見ちゃったんです……」
「…なんでそれを異性の僕に話すかな」
「私って淫乱なんでしょうか!?こ、こういう夢見るのって淫乱な人ですよね!!先輩、よく見てますもんね!」
「見てないよ!?風評被害も甚だしいな!?」
夢オチなんてサイテー!!