アクタージュ 暗殺者(になるはずだった)ルート 番外編 作:朕好こう
人を殺すのは容易い。女だろうが人は殺せる。力なんて無くても脆い所を壊してあげれば死ぬのだから。
手始めに星先輩を壊した。演技に自信が無い彼に演技を見せて、自信を無くしたところに新しい逃げ道を作ってあげた。それもすぐに挫折させてあげた。みっともなくお芝居に縋ろうとして、ファンにすら捨てられて呆気なく堕ちた。
次に和歌月ちゃんを壊した。自分の座が納得いかないみたいだったから引きずり落としてあげた。その後の仕事も全然入らなくなって、可哀想なことに役者を辞めてしまった。
真咲くんと茜ちゃんも壊した。2人とも景ちゃんの演技と私の演技に呑み込まれて現実に帰れなくなってしまった。
武光くんは心が丈夫だったから、役者としての人生を絶たせてあげた。心一さんと一緒に走り回ったお陰で彼は孤独になった。
色んな人たちを壊して行った。本当に色んな人たちを。
景ちゃんも壊した。ルイくんとレイちゃんに嫌われるように仕向けて、大黒天を潰した。今では私にべったりでとても可愛い。大黒天にいた人達は路頭に迷ってるだろうけど、景ちゃんはもう何も考えられないから役者としても使えない。優しく私で満たしてあげる。
千世子ちゃんも壊した。仮面を無理矢理剥いで、ファンの声よりアンチが増えるように印象操作していった。スターズの中に作ったコネのお陰でそれも難なく成功して、千世子ちゃんは壊れていった。前より統計を取って仮面を作り直そうとした。でも市場はもう彼女を求めていない。元々、2年後には彼女の価値は薄まっていっていた。だからこそ、成功したんだけど。彼女に私の評価を刷り込むことで私に信頼を向けるように仕向けた。私の評価通りに動けば、少し彼女の価値が上がるようにもして。そうしたら私の事を愛してくれた。
皆壊した。目につく人は皆。壊されて泣く人も居れば怒る人も笑う人も居た。あはっ…可愛い。人ってどうしてこんなに可愛いんだろう。色んな感情を持ってる。綺麗な感情も醜悪な感情も。だから虐めたくなるんだ。
「景ちゃん、美味しい?」
「うん…おいしい」
ご飯を食べさせてあげる。景ちゃんはお母さんを求めるあまり、子供になっちゃったから私が育ててあげてる。幼児退行した景ちゃんは可愛いなぁ。このまま捨てたらどうなるんだろう。涙でぐちゃぐちゃの顔で泣き叫ぶの?それとも呆けて死ぬのかなぁ。私としては捨てないでって泣き叫んで欲しい。まぁ、一生帰らないけど。
「恋歌ちゃん…」
「千世子ちゃん、駄目じゃん。部屋から出ちゃ。まだ
「また分からなくなったの。ねぇ、私って必要無いの?」
「そんな事無いよ。私は綺麗な“天使”の貴女が好きだよ」
千世子ちゃんを抱き締めてあげる。綺麗な顔。その顔をめちゃくちゃにしてあげたい。仮面を無理矢理剥いだのも好きだったけど、仮面を作っては自己評価が出来なくなっちゃった千世子ちゃんはもっと好き。肯定感が低いから、代わりに肯定してあげる。
本当に愛おしい。私はなんでこんな感情を知らなかったんだろう。愛って本当に素晴らしいものだ。私の愛に皆縋り付く。人は無意識に愛されたがっている。そこに望み通りの愛を与えてあげるだけで魚のように群がる。
飽きたら捨てるけど、それまでは愛してあげたい。大切に大切に保存してあげる。私好みの貴女を。
「…」
でも時々虚しくなるんだ。私が言えば私の望み通りの言葉が返ってくる。それが私の思惑通りの筈なのに。彼女達の笑顔が思い出せなくなっていく。彼女達への愛が薄れていく。
「ねぇ、笑ってよ景ちゃん」
「ん…ぅ?」
にぱっと可愛らしく笑う。違う。景ちゃんはもっと綺麗に笑うんだ。花が咲いたかのように笑うんだ。
「千世子ちゃん、笑ってみて」
「こう、かな」
ぎこちなく笑う。違う、違う!千世子ちゃんは誰よりも自分の価値をわかってる。だからこそあんなに見蕩れるほどの笑顔を見せるんだ。
あれ?
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!
私の愛は間違っている/合っている。
景ちゃんも千世子ちゃんも他の皆だって大切な人なのに/あれは全部玩具だよ
やだ、やめて、わたしのたいせつなひとたちをけがさないで/可哀想な子。私の愛が理解出来ない子。
わたしからしあわせをうばわないで/これが貴女の新しい幸せだよ
「だって愛って身勝手で自分が気持ち良ければ良いんでしょ?」
私は嗤う。今までの人は皆そうだった。自分勝手に好きになっては嫌いになって、挙句の果てに人を傷つける。それが愛だと言うなら、私はそれを受け入れよう。私はそれを愛と定義しよう。
だから私は間違っていない。正常な思考が出来るのがこの世で私だけになれば私が絶対なんだから。
知力が高かった場合のBADEND。知力が高いからこそ、色んな人の感情を取り込み過ぎて、狂気に取り込まれちゃった恋歌ちゃんです。