小田原攻めの後主人公(ゆうた)は秀吉の妻ねねに声を掛けられた。
「あ、いたいた。探したんだよゆうた。」
「どうしたのおねね様?」
「うちの人が心配してたよ。甲斐姫にこっ酷くやられたんだって?」
ねねの言葉にゆうたは、恥ずかしそうに頷いた。
「そんなに恥ずかしそうにしなくてもいいんだよ。誰だって負ける時はあるんだから。」
ねねが慰めるように言った。
そう。先の小田原城攻めの際ゆうたは氏康を討とうと天守閣に乗りこんだが待ち構えていた甲斐姫にこてんぱんにされてしまったのだ。加藤清正がこなかったらそのまま首をとられていたかもしれない。 そんな訳でゆうたは落ち込んでいるのだった。
「ありがとう、おねね様慰めてくれて。」
「いいんだよこんくらいわたしたちは家族なんだからね。」
ねねの言葉に思わず目頭が熱くなってきた。それを見ながら嬉しそうに微笑んでいたねねは、ふと思い出したかのように言った。
「あ、そうそう。うちの人から頼まれたんだ。(ゆうたに稽古つけて上げてくれって)」
「稽古?おねね様が?」
ゆうたは驚くように言った。
「これからもこう言うことがあると困るからって。」
「でも悪いよおねね様に稽古付けてもらうなんて。」
「いいんだよ。わたしたちは家族なんだから。それに今度こんな事があったらゆうたも困るでしょ?」
「うん…。わかったよ。」
「そうと決まればほら行くよ…。」
ねねはゆうたを城内の一室に案内した。
二人が部屋に入ると女中が頭を下げて迎えた。
「お待ちして降りました。ねね様。ゆうた様。」
「ここでやるの?」
「そうだよ。お布団敷いてもらったから思いっきりできるね。」
見ると部屋の中央には布団が重ねて敷いてあるこれなら大きな怪我をする心配もないだろう。
「あ、それと審判はこの子にお願いしたからね。」
そう言ってねねは女中に視線を向けた。
「精一杯務めるさせて頂きます。」
と、女中は頭を下げた。
「うんうん。よろしくね。」
「じゃあ早速始めようか。」
「うん。」
今回はオンリーフォールマッチと言うことらしい。名前の通り決着はフォールのみでおこなわれ、時間内、(今回は30分)にフォールした回数が多いほうが勝ちとなる。
二人にルールが伝わったところで女中がゴングを
鳴らした。
開始早々二人は真ん中で手四に組合った。ゆうたのほうが力が上なのか段々と押し始めた。
「強くなったねーゆうたも…でもアタシも負けないよ。えい!」
もう少しであるゆうたはねねを倒せそうだったがねねはゆうたを巴投げで後に投げ飛ばした。
布団があるため大した痛みはなかったが投げられた衝撃で生きが詰まってしまった。
すかさずねねがのしかかる。
「ふォールだよ」
わん、つー、すりー。
まともに返すこともできずに1本取られてしまった。
「そんなんじゃダメだよ。」
「う…ごめんなさい。」
「それに、こんなことで緊張してたらまともに戦えないよ?」
プロレスをしているとどうしても相手の肌に触れることになる。同性ならともかく異性となるとゆうたは緊張して動きが鈍くなってしまうのだった。先の甲斐姫との一騎打ちでも肌が触れ合っただけで緊張してしまいまともに戦うことができなかった。
「まあ、これからなれて行けばいいよ。」
「うん…頑張るよ。」
そして稽古が再開された。再び二人は手四に組み合った。が…
「どうしたの力でてないよ!」
「うん…」
何故かさっきより力がでないさっきは押していた力比べも今は逆にねねに押し返しされている状態だ。
ねねはゆうたの姿勢を崩すとゆうたの頭を自分の脇に抱え込みぎゅうぎゅうと締め上げる。
ねねの豊かな胸が顔に押し付けられ、息苦しさと恥ずかしさでゆうたの顔は真っ赤になった。
パンパン。たまらずゆうたはねねの体をタップする。
「今回のルール忘れたの?」
「あ、しまった!」
今回はオンリーフォールマッチつまり決着はフォールのみでおこなわれる。そのためタップは意味をなさない。
しばらくすると頭に酸素が回らなくなりゆうたの意識が朦朧としてきた。
(このままオレ落ちるのかな…)
しかし以外なことにねねはゆうたの首を開放したのだ。
「ハア、ハア」
ゆうたは必死に息を吸い込んだ。しかしねねの甘い匂いがして思わず動きを止めてしまう。
次の瞬間ねねは驚くべき行動に出た。まず、ねねはゆうたの脚を払うと地面に倒した。そのまま両足を掴むとゆうたをエビのように折り曲げて行った。
この時点でゆうたの両肩がついているが、女中はねねがまだ何かするつもりだったのでカウントは取らない。
ゆうたの体をエビのように折り曲げたねねは、なんとゆうたの顔をまたぐとそのまま腰を降ろしたのだ。
「お仕置き固めだよ。」
「!!」
ゆうたは必死に抵抗するが呼吸ができないため体に力が入らない。おまけに両足はねねの脇で固定され、ては両足で踏んづけられているためほとんど体が動かない。
それでも脱出を試みるゆうただったが動いたのは口だけだった。
「もご…もご」
(離せ…)
「きゃッ…もうくすぐったいよー」
ねねは恥ずかしそうに身をよじる。
「でも外す訳にはいかないよ。フォール」
なおも抵抗するゆうたにねねはグリグリと尻を動かしながら言った。
わん、つー、すりー…カンカンカン。
オンリーフォールマッチ
●ゆうたvsねね○
お仕置き固め
試合後
ねねは落ち込むゆうたを励ましていた。
「そんな凹まないでよ、これから強くてなればいいんだから。」
「うん…」
「そうだこれからも稽古付けてあげようか?」
「え、いいの?」
「もちろん。あたしたちは家族なんだから協力するのは当たり前だよ!」
ねねの言葉に照れ臭くなったゆうたは顔をそむけながらも「ありがとう。おねね様」と言った。