どこか変な部分がありましたらご報告くださいませ
○県某所にて
そこは霊山として有名な山の奥深く
カンッ…カンッ…
と何か…そう金属を叩くような音が風の音が聞こえそうなほど静かな山奥に響く
そこには一軒の家…というより工房だろうか
そこから響いている
その工房の中には藍色の着物のような作業服を着て
闇色の長く伸びた髪を後ろで結んだ者が、目の前の紅く熱を発しながら輝く物を右手に持った槌で叩き鍛えている
その者は無心になって刀を鍛えているが顔色は悪い…
…だがその者は何かに取り憑かれたように鍛え、自分の不調など関係ないと言わんばかりに手を動かしている
陽は昇り…
カンッ…カンッ…
陽は沈み〜…
カンッ…カンッ…
その刀を鍛える音は止むことはなく何日も繰り返された
……そして満月の夜
月夜に照らされた工房の中から響く音は消え
山から音はなくなり
月の光と静謐なる雰囲気に包まれた…
その者は鍛える工程は終わり
装飾をする工程へと進む
……季節はめぐり
山は紅く染まり
紅葉が山道を彩っている
装飾の工程は過ぎ…
刀を研磨する工程へと入る
シャッ…シャッ…
その者の目からは感情の色は無く
無心に刀を研磨し
刃を立て…鋭く…この世の総てを斬れるように…
白銀に薄く緋く輝き
…何者もその輝きを汚すことの無いであろう
……そして研磨も終わり
その一振は美しく…
だが触れてしまえば一切の抵抗なく斬れてしまう
神聖で…魔性の者は近づくことさえできぬ
力の無い魔性の者は近づくだけで存在を祓われ
力のある魔性の者でさえその一振の前ではその力は封じられ少し強い人間程まで弱体化してしまう
神はその一振に魅力され手に入れようとしても
その一振を扱いきることは出来ぬ
それは人が造ってはならぬ一振で
この世の総てを魅了する一振である
一度振るえば総てを呑み込む闇でさえ開かれ
相手の心を斬りその心の闇を祓う力を持つ
その一振はこの霊山の純度の高い霊力を
月の光に含まれる魔を
そしてこの一振を鍛えた者の心を
その総てをもってここに成された
【奇跡の一振】と言える
この一振をもってその者は自分の命の輝きを失った……
その者は自分の生涯をかけてこの一振を完成させ
幾度の失敗したものでさえ業物にも劣らぬ刀である
この【奇跡の一振】には劣るも一振一振が妖刀や魔刀、霊刀である
火を支配する刀、魔を宿す刀…等
この者が失敗作と称したものでさえここまでの力を誇る
…………この一振をもってこの者は二十一の若い生涯をこの地…緋の霊山にて終える
……この者の名は
【火緋神 多々良】
そしてこの一振が
【霊刀 紅桜 鬼纏】
どうでしたでしょうか?
次回は転生…となります…多分…いやなるといいかな
今はコロナウイルスが流行っていますが皆様もあまり外出せず体調管理に気をつけてくださいね