「あかり!ゆき!無事なのか!返事をしてくれ!あかりぃぃぃいいいい!!!!」
燃える燃える。赤と黒が混ざる。
男の叫びに反応する者はいない。
倒壊し、燃え盛る住宅の前で男は叫ぶ。
「なぜ!どうして!返事をしてくれ!」
誰も答えない。
代わりに炎は勢いを増して燃え盛る。
※
『我々はこの日のためにずっと備えてきた』
『我々に任せてくれ』
誰かが言ったかはわからない。
どういう存在かもわからなかった、他人事だと思っていた。
(守ってくれなかったじゃないか)
黒い感情が生まれた。
彼等のおかげで町の平和が保たれているらしい。
あの日を境に連日ニュースに取り上げられている。
私は…
※
「城戸さんにお会いしたい。城戸さんはおられますか?」
私は半年ぶりにスーツに袖を通した。
あの日の後、数日たって勤めていた会社を退職した。といっても、会社の建物はもう存在しないし、私以外の社員はほとんどあの侵攻で行方不明になってしまい会社が存続しなくなった事で潰れてしまったというのが正しいかもしれない。
「はい、申し訳ございませんがお名前をよろしいですか?」
「私は楠木未来と申します。
突然のことで城戸さんとは約束をしていないのですが、急用でして至急お会いしたいのですが」
「大変申し訳ございませんが、お約束のない方のお取り次ぎはいたしかねます。
お約束をしていただいた上でお越しください」
一回目は門前払いだった。
当然だろう、なんせ私と城戸氏は知り合いでも何でもないのだ。
※
「お久しぶりです、楠木です。
城戸さんに会いたいのですがお取次ぎをお願いします」
「初めまして。
お約束のない方のお取り次ぎはいたしかねます。
お約束をしていただいた上でお越しください」
二回目も門前払いだった。
※
「初めまして城戸さん、楠木未来です。
お見知りおきをお願いします」
「何者だ、貴様!」
「どこから入ったのだ!」
三回目は受付を強行突破して、城戸氏がいるだろう会議室まで駆けた。
しかし、城戸氏はおらず拘束された。
解せぬ。
私が何をしたというのだろうか
※
拘束されてからどれくらい経ったのだろうか。
今私は忍田と名乗る男と向かい合って座っている。
これは面接を行うということだろう、以前テレビで彼を見たことがあった。きっと広報担当か偉い人に違いない。
拘束された理由はよく分からなかったが、こういう人と個室に二人きりということはそういうことだろう
「私の名前は忍田真史だ。君の名前とどういった目的で
きた!やはり間違いない、これは面接なのだ!
「はい!私は楠木未来と申します!御社を志望した理由は「ちょ、ちょっと待ってくれ!」はい!何でしょうか!」
「志望?志望動機でも言っているのか?」
どういうことだろうか?志望動機は必要ないのか?
「はい!失礼しました!私の長所は!「違う!そういうことを聞きたいのではない!」」
嫌な空気が流れている。
忍田は見るからに頭を抱えていて
楠木は何を間違えたのか唸っていた。
「もしかして、君は入隊希望者か?」