依頼を受けたユウキは、長期任務に向けて準備を進めていた。本来戦闘で使用するデバイスは管理局の方でメンテナンを行っているが、ユウキは自分でメンテナンスから改造までしているため、スラム街の路地裏でひっそりと営業しているジャンク屋に来ていた。ユウキは前髪ボサボサで顔が隠れている痩せ細った店員に声をかけた。
「おい、いつものを頼みたいのだが」
「いつものね…。また危険な仕事かい」
「危険かどうかはまだ分からないな。だから念には念を入れて置きたいのさ。」
「そうですかい、あまり無理はするなよ」
いつも素っ気ない態度を取っているユウキに対して、心配していつもこうやって声をかけてくれるのは昔からだ。その店員は奥へ行きあるものを取り出して来た。
筒状の透明なケースに銀色の液体と特殊な弾薬(カートリッジ)だった。
「これで良いんだな、使い方は分かっているな」
「ああ、大丈夫だいつもありがとな」
一言だけ感謝の意を述べると店員は笑顔で
「はは、良いってことよ。また何かあったら来いよ、店開けて待ってから」
と言われたユウキは戸惑うつつも、苦手な笑顔を作り帰っていった。
目的の物はあらかた仕入れたユウキは、自分工房がある、自宅の地下に篭り自分のデバイスのメンテナンスと改良に勤しんでいた。彼が主に使うのは、ストレージデバイスであり、人工知能を搭載していない代わりに、処理速度が早いため仕事場では主にこのデバイスを使用している。彼の戦闘スタイルは、派手な魔力砲では無く双剣使いであるため近接戦闘であるため一瞬の間が命取りとなるため、早さを優先に調整してある。すのためバリアジャッケトも動き安さ優先に黒のタンクトップに短パンとシンプルデザインになっている。
「何で…何で…僕を使わないですかー」
とユウキのブレスレットから発せられた。
「…うるさい少し黙ってくれ。」
一言忠告を入れるユウキだがそれに臆することなく、ギャギャ話し始める。
「何でこんな高性能なインテリジェントデバイスである私がいながら使おうとしないのですか、坊ちゃん。」
「あーもう、うるさいな、お前も分かっているだろう。お前は切り札なんだおいそれと使えるわけがないだろう。」
「でも、ですよ少しぐらい使って良いじゃないですか。出し惜しみせずに、派手に行きましょうよ。」
「俺の仕事柄そんなこと出来るわけないでしょ。」
大声で無邪気なことをいう自分のデバイスに一言いい作業に没頭する。
一通り作業を終えたユウキは明日の任務出向に向けて早めに床につくのであった。
俺があいつに出会ったのは、11歳の冬の頃だった。頃管理局に拾われてから、11歳の頃日々訓練と任務に明け暮れる毎日であり傷を負うことも多々あった。そして季節は冬となり、どこぞの演習に駆り出されていた俺は、武装隊の演習に参加することがあった。その演習には、未来のエースオブエースと言われていた。「高町なのは」参加していた。自分の知る彼女の魔法は、全力全開で打ち出される大威力砲撃に、魔力コントロールに長けておりホーミング性能を持つシューター魔法を良く使用する。同い年ではあまり話したことは、自分の様なものが気安く話せる相手ではない。そんなこんなで、演習場所である第67無人世界ヘルムートへ来た俺たちは、2チームに分かれての模擬戦であった。そして俺は何とあの高町なのはと同じチームとなり、俺のポディションはガードウィング、彼女のポディションはセンターガードであった。ガードウィングは役割が多くこんな俺で務まるのか不安でいっぱいであった俺に彼女は声を掛けて来た。
「あの、大丈夫?」
俺は話しかけて来たのが、高町なのはだと分かり緊張しつつも答えた。
「大丈夫です、ガードウィングというポディショニングは初めてなもので、少し緊張していました。」
「そう何ですね。でも緊張しすぎるといいことないですし、ここは気楽にいきましょ。貴方以外にも戦う同じ仲間がいるんですから。」
可愛らい笑顔を振りまきながら、俺を元気付けるように言ってくれた。
「そうですね。という同い年ですから、敬語じゃなくて気安く話して下さい。」
「あ、相談たんですね。背が高いのでてっきり年上かと思いました。」
「あの、まだ敬語のままですけど」
「ごめんなさい。じゃあ名前を教えて貰ってもいいかな。」
「と、桃花ユウキです。」
いきなり、名前を聞かれたため、慌てて答えてしまった。
「桃花ユウキ、じゃあユウキくんだね。これから宜しくね」
「というか、そっちも敬語だよ」
「これは、クセなもので勘弁して下さい。」
少し照れながら、明後日の方を向いて答えた。
そんなこんなで、始まった模擬戦であるが、俺はガードウィングとして、向かってくる敵の攻撃を双剣でいなしつつ、攻撃していく。
「エアスラッシュ」
双剣を纏った風の塊を振ることにより、敵の方へ飛んで行く。倒れるまでの威力は無いが、怯んだのを確認して、敵の後ろをとり接近戦にてダウンをもぎ取った。
「やったね、ユウキくんそのまま攻撃して敵の目を引きつけといて」
「それは、フロントアタッカーの仕事なんじゃないか」
「フロントアタッカーの人は、敵チームのエースと戦ってるし、ガードウィングは前戦で戦いつつ、サポートするポディションでしょ。だからもう少し頑張ってね。」
「はぁ…。了解。」
ボヤきつつ、向かってくる敵を防衛していくが、俺の実力では防衛で精一杯でありあっさり倒され、最後は高町なのはのスターライトブレイカーにより周辺地帯が飲み込まれ模擬戦は終わった。それを見た俺は、やはり未来のエースオブエースと言われるだけの実力をまじまじと見せつけれ、絶望した。同い年な筈なのにこんなにも違うだなんて悔しかった。
「はぁ、疲れた」
疲れた体を木陰に座りながら癒してた俺に、高町なのはが喋りかけて来た。
「やったね、ユウキくん私たちの勝利だよ」
「あぁ、そうだな高町さんのお陰で、大勝利だよ。俺は途中でリタイヤしたけど」
「うんん、私じゃないよ。みんなんで掴んだ勝利だよこれは。」
「そうかい、あんたがそう思うのであればそうなんだろう。」
「どうしたのユウキくん?ちょっと怖いよ。」
自分の虚しさが態度に表れていた事を自覚しつつ、高町なのはにあったても何も変わらないと思い、一度深呼吸し自分を落ち着かせる。
「ごめん高町さん、少し自分の不甲斐なさにイラついてただけさ。」
「そうなんだ。ならよかったけど。ユウキくんも結構活躍していたと思うけど。」
この発言には、少しイラッとしたけど、今まで話して分かったことだが、この人は天然というか、素直なのだ。だから自分の思った事を正直に言葉にしてしているのだろう。
それが分かってくるとあまり苛立ちも湧いてこない。
「後、ユウキくん高町さんじゃ無くて、なのはで良いよ。」
「それはまだ勘弁して…。」
模擬戦での会話で少しは気安く話すのに慣れたユウキも今まで、同年代の女の子と喋る機会がなかったため、気恥ずかしさもあり、高町さんのまま呼ぶことにした。
悔しさは一旦忘れて高町さんと楽しく談笑していると、赤い服を着たちびっ子が空から飛んできた。
「おい、なのはそっちはもう終わったか?」
言いつつ華麗に地面に着地した。
「あ、ヴィータちゃん。うんもう終わって反省会というかお話していたところだよ。」
ヴィータさんはなのはが話していた俺をジッと見て一番に発したのが
「誰だお前、少しフェイトに似ているか?」
「やっぱり?実は私も最初にあった瞬間に思ったんだ‼︎」
「フェイトさん?誰だそれは?」
「フェイトちゃんは私の親友で、とっても可愛い女の子なの。」
隅々まで見てくるヴィータさんに戸惑いつつもこんな事はよくある事だ。
確かに俺は、中性的な顔立ちで髪も少し長く後ろでまとめているため、女の子と間違われることが良くある。しかしフェイトさんを良く知る2人が似ているというのだから、相当似ているのだろうか?少しだけ自分に似ていると言われると興味が湧いてしまう。なんせ俺には家族がいないのだから。
「フェイトちゃんはね、とても優しくて芯が強良い子なんだよ。ここぞというときにとても頼りになって、一緒に居ると落ち着くんだ。後ね。後ね…」
「分かった、分かったからなのは少し落ち着け。」
フェイトさんのことでヒートアップしていくなのはさんを落ち着かせる様にヴィータさんが止める。
「で、こいつ結局何なんだ。」
「えっと、この人は桃花ユウキくん。同じチームで同い年だったから色々とお話している内に、お友達になったんだ。」
「え、俺たちお友達なの」
俺は、お友達と言われて、反射的に聞いてしまった。
「え、私は友達だと思ってたんだけど、ユウキくんは違うの?」
悲しそうな顔で言う高町さんを見て申し訳ない気持ちになってしまう。
「いや、今日初めて会ったばかりだから、友達と呼ばれてビックリしたと言うか、自分が友達になっても良いのかと思って。」
「そんなことないよ。ユウキくんは、時々怖いところがあるけど話しているうちに優しい人なんだって分かったし、それに一緒に居ると何だか落ち着くんだ。」
笑顔でそんな事をいう高町さんを直視出来ず、逸らしてしまった。
「へい、へい分かったよ。これから友達として宜しくな。」
「うん、宜しくユウキくん」
笑顔で嬉しそうに答える高町さんを見ていると、自分が色々と考えていたことがバカらしくてなった。
「じゃあ私とも友達だな。宜しくなユウキ」
手を出して握手を求めるヴィータさんにたじろいつつも、握手を交わした。
「そんじゃ、もう演習も終わりみたいだから、みんなの所に戻ろうぜ。」
フェイトさんのことや色々と聞きたいことがあったが、帰還準備が始まるということで止む無く断念した。
そして、自分たちは集合場所へ飛び立とうとした際に、背後から未確認の生命体らしき物体が襲って来た。その物体から生えた機械のアームが俺たち達を狙って来た。それをなんとか咄嗟に躱すことが出来たが衝撃波により吹っ飛ばされた自分とは対照的に、華麗に躱し攻撃へと転じようとした高町さんは、ディバインシューターで破壊する。ヴィータさんもシュワルべフリーゲンで応戦し一体破壊。さっきの攻撃により俺は這い上がることが出来ず横に倒れたまま、ただ見ていることしか出来ずにいた。その戦闘で未確認の物体の中で、唯一破壊出来ず残った物体がいた。他の物体よりも装甲が厚く、俊敏性も併せ持っており、中々命中させることが出来ず、命中しても撃破までは至らず破壊出来ないでいた。その物体から機械のアームが何本も生え、高町さんを狙って伸びた。高町さんは、迎撃し何本か破壊しつつ回避したが、回避することが出来ずプロテクションで防ごうとしたが一瞬遅れてしまいなのはさんの腹部を貫いた。
「うぅ…。」
地面への落ちていく高町さんを見ていた、ヴィータさんは
「おい、なのは、なのはーー」
焦っている様子で大声で叫ぶ、ヴィータさんは全力全開のフルパワーで強大な打撃を打ち込み何とか未確認の物体を破壊した。
急いで、高町さんのところへ向かったヴィータさんは
「おいなのは、なのは返事しろよ、早く医療班を呼ばないと」
「…ごめん、ヴィータちゃん少し失敗しちゃった。ヴィ……タちゃんはだい、丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。今は人の心配より、自分の心配をしろバカヤロウ。すぐに医療班を呼んでくるからな。」
「コンチクショーーーーー」
これが俺と高町なのは、そしてヴィータさんとの出会いだった。
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もし誤字、脱字ありましたら教えてください。正直勢いで書いたので色々と不備があると思います。