騒動の後傷を氷で冷やしながら羽沢喫茶店を後にする俺と赤羽。
「大丈夫か?クロ」
「大丈夫じゃねーよ。骨はなんとか受け流したけど、流石に一般人相手に本気出す気はねーよ」
「その言い方だとやっぱお前、武術とか習ってたのか?」
「うんにゃ、習ってたのは、楽器だけだ。俺が使えんのは漫画殺法だけ。」
「漫画殺法?何それ?」
説明しよう!漫画殺法とは、CQCやクラップスタナーと言った、漫画やアニメ、ゲームなどの二次元の存在の技を、アレンジして三次元で行使する技だ!そこ!厨二病とかいわない!実際できるし!流石にビームとかは無理だけど。
「用は、アニメに憧れた小学生の上位互換か?」
「そうなるのかな?」
「それで再現できるって、どんなに鍛えたらそうなるんだよ…」
「何事も練習だよ。っとここまでだな、俺今から用事だからまたなー」
「用事って?」
「自主練だけど?前に調べたらCiRCLEっていうライブハウスがあるらしいから」
「あーCiRCLEかー、俺もついて行っていい?クロのドラム聞いてみたいし。俺も一応ギターやってるしな!」
「別にいいが、そんなに面白いもんじゃないぞ?」
「面白いか面白くないかは俺が決める!つーか、怪我だらけなのに演奏やれんの?」
「普段よりかは、数段スペックは下がるがまぁ、なるようになるだろ」
そんなこんなで一旦各々の家に帰り、着替えや用意を済ませて、CiRCLEに集合した。俺は赤羽を待ちながら、外のカフェテリアでコーヒー片手に読書していた。…じぃっー、という視線を感じながら。誰か知らんが、何の用だ?ふと、その方向を見てみると、キラキラした目でこっちを見ている子と、その隣に黒髪ロングの二人組がいた。
色は、小さい子は、黄色とオレンジか、なんとなくだが予想通りだな。黒髪の方は、黒?人見知りが激しいタイプか?まぁいいか、問題は何故こちらを見ていたかだ。仮面は被るか。
「何か用か?さっきからずっとみてるけど。」
初対面で、興味津々でこっちをガン見しておいて、近付いても色に変化は無し。好奇心旺盛すぎんか?
「全身黒い服を着ていて、暗黒騎士みたいでカッコよくて!なんかこう、ドドーン!って感じでした!」
なるほど、こういうタイプか。見た感じ、まだ中学生だな。厨二病か、おれの妹と気が合いそうだな。
「あ、自己紹介してなかった!我が名は冥界より召喚されし、堕天使宇田川あこなり!こっちは、りんりんだよー!」
スイッチのON OFFはげしすぎん?
「え、えーと、白金燐子です。よろしくおねがいします。」
なるほど、陰と陽だなこの二人は。そして宇田川って、さっきの喫茶店で聞いた気がする。偶然か?ってか、俺も自己紹介しねーと。やるだけやってみるか、どうせ仮面は被ってるし、なんとかなるだろ。イメージは厨二だ。
「お初にお目に掛かります、堕天使あこ殿と、その盟友りんりん殿。我が名は、性は黒鐘、名は真倉と申します。なにぞとお見知り置きを。」
うん、完全に黒歴史だろこれ。二人とも固まってるし、やらかしたなぁーとか思ってると、
「か、かっこいいー!!なにそれなにそれ!スッゴイかっこいい自己紹介だよー!ねぇりんりん!」
「そ、そうだね。〔初対面であこちゃんと同じ名乗り方した。この人もあこちゃんと同じ感じの人かな?)」
よ、よかったー。以外と受けたみたいだ。妹との会話で鍛えられた事がここで役に立つとは。
「普通に言うと、黒鐘真倉です。趣味は読書とドラム、ゲームと料理。高1だ」
「次私!宇田川あこです。趣味はかっこいい事研究とドラムとゲーム!中学3年です。」
「し、白金燐子です。趣味はクロスワードとオンラインゲームです。Roseliaでは、キーボードやってます。」
「Roselia?」
「そうだよ!あこはRoseliaのドラマー!今日は、この後練習なんだー!あ!Roseliaっていうのはあことりんりんが入ってるバンドの名前だよ!」
あまり、バンドに詳しくは無いしな。懐かしいなー、妹と本当にそっくりだ。中身は、好奇心旺盛で、人懐っこくて、厨二病。身長はちっこい。
そんな事考えてたら、
「ふぇ?!」
「あ。」
俺は、無意識に宇田川の頭を撫でていた。
「す、すまん!つい、妹と似てたもんで同じ感覚で。他意はない!」
「別にいいよ?頭撫でられて気持ちよかったし。むしろもっと撫でて!」
「え?あ、ハイ」
よかったー、通報されなくて。白金さんめっさビックリしてる。そりゃそうだよね、初対面でいきなり友達が、撫でらてんだもん。目の前で。
「えへへ〜、気持ちいい〜〜」
「白金さん、宇田川さんって、いつもこうなんですか?」
「い、いえ。好奇心旺盛なのはいつも通りですけど、ここまで懐くのは珍しいと思います。」
「zzzz」
寝た?!やばいだろ、警戒心薄すぎない?そんな事考えてたら、
「お!いたいた。オーイクロー!お待たせ〜、すまんな、少々遅れたっとお?」
「やっと来たか、待ちくたびれたよ。」
「なんだか雰囲気違くね?クロ。ってああ、ナンパしてるからか。」
うん、コ○ス。何故に女子と話してるだけでその結論にいたるのか。確かに頭を撫でてるけど、断じて違う。
「ちげぇーよ。くだらねぇ事言うな。行くぞ」
「ハイハイ」
「じゃぁ俺はこれで」
「あ、ハイ。ありがとうございました」
何が、ありがとうなのかイマイチ理解できんが、考えるだけ無駄だな。
「は!むにゃむにゃ、あれ?あこ寝てた?」
「うん。ぐっすり寝てたよ」
「不思議だったよ!撫でられてたらトローンってなって、気づいたら眠くなっててね!すごかった!魔法使いだよ!さっきの人は、催眠の魔法使いだよ!」
「ヤッホーあこに燐子じゃん☆どしたの?」
「あ!リサ姉!ねぇねえ聞いて!あこ達ね、魔法使いにあったんだー!」
「魔法使い?えっと、燐子どゆこと?」
かくかくしかじか、
「なるほど、それで魔法とか大好きなあこがああなってると」
会ってみたいなー。素直にそう思うリサ姉でした。
RASは、次次回ぐらいに一回出てきます。
モニカは、年齢的にかなり後々出てくるようになりました!
そうです!両方とも出します!