桜才学園一般生徒の日記 作:←↙︎↓↘︎→あの辺にスズヘッド
☆月○日
高校生活を始めるにあたり、日記を書き始めることにした。
入学して一週間。という事で、入学した学校について書いていこうと思う。
桜才学園。近年の少子化の影響を受け、今年から共学になった学校の一つであり、家から近く、色々と条件に当て嵌まったので僕はそこへ入学した。
やはりというかなんというか。女子524人、男子28人はかなり肩身が狭い。幸いにもすぐに同性の友達、
津田は初日から生徒会の人たちに捕まり、なんと副会長に任命されたらしい。ものすごく不幸だと嘆いていたので柳本と慰めたら逆ギレされた。
安易に代わってやろうか? なんて言ってごめん津田。生徒会頑張ってくれ。
☆月△日
生徒会の一人である萩村に出会った。僕が教室から出ようとするとぶつかってしまい、その背の小ささから思わず子供? と言いそうになったが、彼女の「その単語を口にすると殺す」とでも言いたげな鋭い目線に僕は口にチャックをした。かなりのタブーらしい。
後から津田に聞いた話だと、萩村はIQ180の帰国子女で、英語ペラペラ10桁の暗算も朝飯前のスーパーガールだった。
思わず本当か? と聞き返した僕は悪くないだろう、多分。津田も実際に仕事振りを見るまでは信じていなかったらしい。
あと、生徒会の面々が濃すぎて疲れると愚痴られた。側から見た分だと学校の綺麗所を集めたようなメンバーなんだけどな。津田にそう言うと「じゃあ紹介しようか?」と言われたので明日見に行くことになった。
☆月×日
生徒会長
生徒会書記
生徒会会計
クラスの女子に聞いた感じだとこんな印象だった。生徒会というだけあって、さぞかし立派なんだろうと思っていたが想像以上に濃ゆいメンツに津田の言っていた意味が分かった……と思っていた。
津田が俺の友達です、と紹介してくれたので彼女たちに名乗ると、そのイメージは綺麗に砕け散った。
「津田の友達か、私は天草シノ。お前たちがどんな関係だろうと安心してくれ! 私は上の口も下の口も固いからな!」
「えっ? 津田くんって同性愛者だったの? 中々受け入れられないと思うけど、私は応援してるからね!」
上から天草シノ、七条アリアからもらったお言葉である。あまりにも衝撃だったので覚えてしまっていた。津田が僕の肩に手を置いて、「な?」と悟った顔で言った。萩村は僕の顔を見てニヤリと笑った。君も苦労人ポジションにいるんだね。津田と共に頑張ってくれ。
去り際に七条先輩に「何処かで会ったことある?」と聞かれたが、こんな綺麗な人あったら覚えているはずなので、「無いと思いますよ?」と返しておいた。うっかり勘違いする所だったぜ!
☆月%日
桜才学園には色んな部活がある。が、どこも彼処も女子ばかり。ハーレム気分を味わえると言えば幸せに聞こえるだろう? だけど、話す話題も度胸も持ち合わせていない僕からしたら地獄である。教室ですら話すのにそれなりの勇気がいるのに、わざわざ地獄へ踏み込む勇気が僕にはないので帰宅部である。
来年、男子がいっぱい入学してきたら部活は考えようかな……。
柳本も入ろうと思ったが、女子たちの輪に入れなさそうなのでやめたらしい。今度ラーメンを食いにいこう、津田も誘ってな。ラーメン代くらいならあるはず……
☆月☆日
三葉ムツミという女子に柔道部に入らない? と誘われた。なんでも柔道部を設立するために人数が足りないのだとか。正直な話男子である自分が女子と組むのはかなり問題があると思うと三葉に言ったのだが、三葉はとても純粋らしく「なんで?」と首を傾げていた。この子は眩しすぎる!
とにかく力になれそうにないので部の話は断ったが、トボトボと歩いて行く三葉の背をみたらなんだかとても悪い事をしている気分になったので、名前だけを貸すことにした。三葉は僕の手を取り生徒会室へと直行。
「メンバー足りました! 柔道部設立よろしくお願いします!」
と元気いっぱい天草先輩に言う三葉だが、色々と説明不足過ぎたので、やはり誤解された。
そんなに女子と寝技をしたいのか!? とか、とにかく女子と48コの寝技試したい為に入部を決めたの? とか最低だとか。津田はハハハと思考を放棄した笑い声で、このままだととんでもない下心を持って入部したと誤解をされるので、何とか説明。
誤解は解けたがとても疲れた。毎日この人たちを相手にしている津田は凄い奴だよ。僕には出来そうに無い……。
三葉のお礼と笑顔で癒された日だった。
☆月々日
待ちに待ってない中間考査がやってきた。桜才学園では試験結果が張り出されるので、下から数えた方が早い順位を取るとかなりまずい為、それなりに勉強に励んだ。
津田は生徒会役員のため、上位にいないとまずいらしい。色々と他の人に教わっているところを目撃した。スーパーガールの萩村に僕も教わろうかと思ったが、まだ仲が良いわけではないので今回は自力で頑張った。結果が楽しみ…….ではない。
帰宅途中、誰かに見られているような感じがしてちょくちょく振り向きながら帰った。気のせいなら良いんだけど。
☆月〒日
新聞配達のバイトが決まった。バイトを終えてすぐに学校へ向かえるのが決めた点だが、それでもまだ稼ぎ足りないのが現状。22時以降は働けないので居酒屋は難しいし、他にも探さないといけないなぁ……。
先生は僕の事情を汲み取ってバイトを許可してくれたのは本当に助かった。これでごはんが食べられる日数が増える! 都会の此処では中々食べられる野草を探すのも困難だし。
初めて弁当を見られたときは皆に驚かれたのを覚えている。緑一色だったし。今ではあまり驚かれないけれど、偶に津田や柳本がパンとかをくれるようになった。毎回断っているんだが、二人とも「まぁまぁ」としか言わないので受け取らざるを得ない。めちゃくちゃ美味しいんだけども! 完全に餌付けされる動物の気分だ。
ひょんな事から生徒会副会長に任命された一年A組 津田タカトシはこの学校で出来た友人について考えていた。
数少ない男子生徒の友達なのでタカトシも仲良くしたいと思っていたのだが、彼の闇は割と早く判明した。
「善村、お前の弁当ってそれだけ?」
「ん? そうだよ?」
タカトシの目に入ったのは彼の弁当箱の中身である。緑一色なのだ。白米のはの字も無く、揚げ物も卵もない弁当。柳本もパンを食べようとしたまま固まっており、当の本人は特に気にする様子もなくパクつき始めた。
「あー別に肉とか米が嫌いなわけじゃ無いよ? ただ、買うお金が無いってだけだ。ウチ貧乏だからね」
「そ、そうなのか」
多少貧乏な人はタカトシも見たことあったが、此処までのレベルは初めて出会った。
ネタなのか、ツッコミ待ちなのかとタカトシは思った。でもよくよくユウを観察してみると、制服は綺麗だったが、鞄は使い古され、筆箱も自作のモノで周りの皆がシャープペンシルを使う仲、彼だけは記念品のえんぴつや、消しゴムも練り消しの塊と、ネタでは無くガチのモノと分かった。
「まぁ慣れてるからな。この生活にも。食べるか? たんぽぽのおひたし」
笑顔でそんな事を言われたタカトシと柳本は『こいつには優しくしないとダメだ』と本能的に思い、ちょくちょく弁当のおかずやパンなどを差し入れる事にした。
「美味っ! なんだこれ!?」
差し入れる度に目を見開いて食べるユウを見てタカトシは普段のツッコミ疲れが癒される様な気がした。そう、まるで動物の愛らしい動画を見てるような……。そんな感じ。
タカトシも日頃女子たちに振り回される事が多いが、ユウもユウで三葉に振り回されたり、七条先輩に目をつけられたり? と何かと苦労している者同士シンパシーを感じたのもあるけれど。
兎にも角にも。生徒会役員共+αのお話が始まります。