桜才学園一般生徒の日記 作:←↙︎↓↘︎→あの辺にスズヘッド
♪月*日
バイトで遅刻しそうになった。危ない危ない。バイト先の人にも頑張るのも良いけどあまり無理しない様に、と念を押された。周りに気を使わせない様に気をつけなければ……。急いでいたから衣替えの事を忘れていて少し恥ずかしかった。
あと最近メイド服のコスプレをした人とよくすれ違う。本職の人……? いや、最近そういう漫画とかが流行ってるのか? わからん。ムチを片手に歩いていたのはもっとわからん。
♪月:日
生徒会が親睦を深める為に海に行ったらしい。横島先生のお陰で大変な目にあったと津田が言っていた。側からみたら津田はハーレムでギャルゲーの主人公かよと柳本がネタにしている。
羨ましいような、羨ましくないような。彼女達の思春期具合を体感している僕からすれば微妙なものだ。
後いい加減横島先生は僕と出会う度に鼻息を荒くしないでほしい。
せっかくの美人が台無しですよ、と言ってみたらもっと荒くなって何処かへ連れて行かれそうになった。天草先輩が通りかかってくれて助かった!
今度から安易に褒めないようにしよう。男は狼という言葉があるが、女もそこそこ獣だった。
♪月+日
落とし物を見つけたから風紀委員に届ける為、探していると畑先輩が教えてくれたので、風紀委員長の
五十嵐先輩は僕を見た途端顔を青くしてカタカタ震え出した。もしかして嫌われたのだろうか……初対面で嫌われるとはツイてない。
そう思っていたが、どうやら五十嵐先輩は極度の男性恐怖症らしいと畑先輩が落とし物を届けた後に曲がり角からヌッと顔だけを出して教えてくれた。
「おかげでいいものが撮れました」
とカメラを持ちながら言った。畑先輩は五十嵐先輩の事を知っていながらワザと僕を仕向けたらしい。カメラを取ろうとしたが逃げられた。素早い。
♪月 ○日
今度柔道部初の練習試合があると三葉が張り切っていた。応援しに行くよと言ったら笑顔でお礼を言ってくれた。相変わらず眩しい女の子だ。
生徒会も応援に行くらしいので、紛れて行こう。
♪月<日
試合前の練習中に欠員が出た。ので僕が出ることになった。
無理ですよと辞退しようとしたが結局柔道着に着替えさせられ、何故かカツラも被せられた。(七条先輩に)
「うん、大丈夫! これからイける!」
とサムズアップされたが何がいけるのかさっぱりだった。……津田と萩村の心配が心に染み渡る。
試合は5人の代表が順番に戦い、3勝した方の勝ちなので、当たり前だが僕は一番最後になった。
そして試合は2勝2敗。僕の出番が来てしまった。相手は当然ながら女子で、挨拶とかしてくれたが男子だとバレる訳がいかないので微笑みだけを返した。
結論から言えば試合には勝った。本当に奇跡というか、申し訳ないと言うか。相手が男子に免疫が無かったらしく、組み合い中に相手は僕が男子だと気付き顔を真っ赤にして戸惑い出したので一本背負いで決めた。
多分バレたから負けなんだろうなぁとハラハラしていたのだが、その子は特に何も言う事はなく、此方の勝ちになった。その後こっそり電話番号とかが書いた紙を渡されたが。
いつの間にか居た畑先輩のカメラを引ったくり、僕の写真を全て削除してもらった(津田に)。機械類には疎いんだ。授業くらいでしか触る機会がないから……駄洒落のつもりで書いたわけではない。
♪月>日
初の練習試合の勝利記念に生徒会の皆さん共々小さいながら打ち上げをした。
「いやぁ〜本当に勝っちゃうなんて善村くん強いんだね!」
と三葉は目を輝かせていた。僕は罪悪感から目を逸らした。
怪我をしてしまった子は申し訳なさそうに僕に謝ってきた。別に悪い事をした訳でもないし、気にしてないから練習頑張ってね、と優しく言っておいた。
久しぶりにオレンジジュースを飲んだ。甘くて美味しかった。久々に贅沢をした気分。
¥月%日
僕の苦手な夏もそろそろ終わりに近づいてきた。暑いのは苦手だ。うちには扇風機もクーラーも無いし、窓を全部開けても入ってくるのは熱風のみ。
という事で涼ませてくれそうな津田の家に行った。
津田は生憎留守だったがコトミちゃんはいた。居ないし仕方ないから帰ろうとしたらコトミちゃんが駆け寄ってきて僕の腕をガッシリと掴んだ。
「私の勉強見てください!」
涙目で頼まれたので勉強を見ることになった。コトミちゃんは来年桜才を受けるらしく、このままでは受かりそうになく、一人でやってても集中できないので見てほしいとの事。
津田が帰ってきてからでいいのでは、と思ったが行事の準備やらで最近忙しいと小耳に挟んだので津田の代わりに勉強を見ることになった。
だらけること(下ネタ)も多かったけど、津田の妹というわけあって頭が悪いわけではなく、やる気が中々起きないのと煩悩が多すぎることが問題だと思った。まぁ、津田が付いてれば多分合格できると思う。
¥月#日
桜才学園体育祭があった。
びっくりした事は、借り物競争の時に七条先輩が水を飲んで休憩して僕を無理矢理連れ出した事。持っていた紙の内容を見せてもらったら、乾いた笑いが出た。(ペットにしたい動物)
七条先輩は穏やかに笑っていた。
「善村くんのお陰で勝てたよ〜」
と。僕も良かったですね、と返すしかなかった。
玉入れ、リレー、100m走。少ない男子の宿命故か、期待値が半端なかった。恐るべし女子の黄色い声援。
昔から走ること、自転車を漕ぐ事には自信があったから活躍できたことを此処に記しておく。
¥月$日
七条先輩からお家に遊びに来ないかというお誘いを受けた。生徒会の面々のおまけ的な感じで。
体育祭のペット然り、お土産の首輪然り、七条先輩は僕をペットの動物としか見ていないのだろうか? 僕が彼女に恋愛的な感情を抱いている訳ではないが、何か男として負けた気分になる。
七条先輩はお嬢様らしいし、相当家もデカいに違いない。制服を綺麗にしておかないと……。
¥月×日
予想以上に綺麗で大きな七条先輩の家に開いた口が塞がらなかった。そして玄関から屋敷まで行く道をみんなで迷った。多分20分くらい。
ようやく屋敷に辿り着くと、見知ったメイドが立っていた。よくすれ違っていたあのメイドだった。
「お嬢様にはくれぐれも粗相のないように。もし手を出したら……掘ります」
見たことは無かったが恐らく下系のグッズ(小さな球体が繋がったもの)を取り出して出島さんはそう言った。僕は無言で頷いた。
早々にインパクトのある出迎えをされた後、高価な物が並ぶ廊下を緊張しながら進んだ。後ろに出島さんがさっきの道具を持ったまま張り付いていたのも原因だと思う。
夕食は七条先輩からしたら中々食べれないもの……所謂カップ麺だった。僕も中々食べれないものだったから良かったけど、津田たちからしたら思っていた物とは違う物が出てきて驚いていただろう。
貧乏人とお金持ちも似ている所があるんだなぁと少し思った日だった。