転生したら吹雪アツヤだったって死亡フラグゥゥゥウウウ!   作:山羊次郎

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 サッカーはしません。




12話:決着、エイリア学園

 

 ザ・ジェネシスとの戦いに勝利し、喜ぶ雷門。すると、ヒロトが円堂のもとまでやってきた。

 

「ヒロト……」

「……仲間って、すごいんだね」

「!……、そうさ!」

 

 円堂は嬉しそうに笑いながらヒロトに手を差し出す。

 ヒロトはその手を取り互いに握手をする。

 

「ヒロト」

「姉さんが伝えたかったこと、これだったんだね。姉さん」

 

 すると、監督の後ろから星二郎がやってくる。

 

「ヒロト、お前たちを苦しめてすまなかった」

「……父さん」

「瞳子、私はあのエイリア石に取り憑かれていたようだ。お前の……いや、お前のチームのおかげでようやく分かった…」

「父さん……!」

「そう。ジェネシス計画そのものが間違っていたんだ」

「ふざけるな!」

 

 次の瞬間、とてつもない怒気を滲ませた声が響く。

 

「これほど愛し、尽くしてきた私たちを!寄りにもよって貴方が否定するなぁ!」

 

 ウルビダがその怒声とともに強烈なシュートを星二郎に打ち込む

 

「お父さん!」

 

 しかし、彼はそれを当然の報いだと言わんばかりに躱そうともせず佇んでいた。

 

「グラン、お前……」

 

 しかし、ヒロトが星二郎を庇ったことで最悪の事態にはならなかった。

 ヒロトはシュートを受け止めたダメージで倒れこんだ。

 

「ヒロト!ヒロト!大丈夫か⁉ヒロト!」

 

 円堂がヒロトのもとに行き必死に呼びかける。

 

「……円堂…君」

 

 どうやら無事らしい。

 

「なぜ止めたんだ⁉そいつは私たちの存在を否定したんだぞ!そいつを信じて、戦ってきた私たちの存在を!」

 

 ウルビダの言葉で、ジェネシスの全員が隠し切れない怒りをあらわにする。

 

「私たちはすべてをかけて戦ってきた!ただ、強くなるために……!……それを今更間違っていた⁉そんなことが許されるのか⁉グラン!」

 

 星二郎はウルビダの言葉を黙って聞いている。すると、ヒロトが立ち上がり

 

「確かに……、確かに、ウルビダの言う通りかもしれない。お前の気持ちもわかるよ。でも、それでもこの人は、俺の大事な父さんなんだ!」

「ッ!」

「もちろん、本当の父さんじゃないのは分かってる。『ヒロト』って名前が、ずっと前に死んだ父さんの本当の息子だってことも」

「本当の息子?」

「えぇ……」

 

 すると、ヒロトが再びダメージで倒れそうになり、それを円堂が支える。

 

「それでも構わなかった!父さんが、俺に本当のヒロトを重ね合わせるだけでも!……父さんが施設に来る日が、楽しみでしょうがなかった。父さんの喜ぶ顔を見ているだけで、嬉しかった。……たとえそれが否定されようと、父さんが、もう俺たちを必要としなくなったとしても。それでも!俺にとって父さんは、たった一人の父さんなんだ!」

「ヒロト……、お前はそこまで私を……。私は間違っていた。私には、お前に父さんと呼んでもらえる資格などない」

 

 すると、星二郎はウルビダにボールを渡しヒロトたちの前に立つ。

 

「さぁ撃て。私に向かって撃てウルビダ!」

「父さん!」

「……こんなことで、許してもらおうなどとは思っていない!だが少しでもお前の気が収まるのなら……さぁ撃て!」

 

 ウルビダは足を振り上げ、シュートの態勢をとる……だが

 

「……撃てない……撃てるわけない!だってあなたは!私にとっても大切な、父さんなんだ!」

 

 ウルビダは地面に膝をついて涙を流す。

 

「ウルビダ……」

 

 よく見ると、ジェネシスのみんなも涙を流している。

 その様子を見た星二郎は膝をつき

 

「……私は人として恥ずかしい。こんなにも私を思ってくれる子供たちを、単なる復讐の道具に……っ!」

「話していただけませんか吉良さん。なぜ、ジェネシス計画などと言うものを企てなのか。どこで道を誤ってしまったのか。巻き込んでしまったあの子たちのためにも」

 

 いつの間にかやってきた鬼瓦刑事が星二郎に問う。

 そして彼は話した。彼の息子の『ヒロト』のこと。彼がサッカーが好きでサッカー留学をし、そこで謎の死を遂げたこと。そして、その事故が政府要人の一人息子が関わっており事故死にさせられたこと。

 その後、瞳子監督の提案で『お日さま園』と言う孤児を預かる施設を作ったこと。初めは娘の頼みと思い作ったが、次第に子供たちの笑顔で心の傷が癒えていたこと。

 

「本当にお前たちには感謝している。お前たちだけが、私の生きがいだった」

 

 そして、五年前にエイリア石が飛来し、それの解析を進めエイリア石に秘められる恐るべきエナジーのこと。

 その力で押し殺していた復讐心が蘇ってきたこと。自分の望む世界を支配したいと思ったこと。

 

「すまない。本当にみんなすまなかった……っ!私は愚かだった」

「父さん……」

 

 ……さて、そろそろだな。俺がそう思った次の瞬間

 

 どかぁぁぁぁぁああああああああん

 

 とてつもない音とともにスタジアム周辺が崩れていく。

 

「なんだ⁉」

「地震か⁉」

「いかん!崩れるぞ!」

「みんな出口へ……!」

 

 しかし、出入り口は瓦礫で埋もれてしまった。

 すると、イナズマキャラバンがギリギリでやってくる。

 

「兄貴、行くぞ!」

「……ごめんね、足引っ張っちゃって」

「何言ってんだよ、らしくねえ」

「……そうかな?」

 

 俺は兄貴に肩を貸しながらキャラバンに向かう。しばらくして、全員が乗り込み無事脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アジトから脱出し、俺たちは無事に警察に保護された。

 星二郎とジェネシスは警察に連れていかれ、瞳子監督もそれに同行することになった。

 

「ありがとうみんな、ここまでこれたのもみんながいたからこそ。感謝しているわ、本当にありがとう」

 

 そういって、頭を下げる監督。

 

「監督……」

『監督!』

 

 そして、監督はヒロトと手をつなぎ、警察のもとに行った。

 その後、塔子の携帯で総理大臣が感謝状を贈りたいとかなんとか。正直、面倒だから帰りたい。

 

「よーし!それじゃあ雷門中に向けて出発だ!風丸達にも知らせないといけないしな!」

『おう!』

 

 あ、不味い。確かこの後ダークエンペラーズが……。

 しかし、それを伝えることはできない。そもそも、そんなことをしなくても我らが教祖が洗脳して解決する。

 と、いうわけで、俺は束の間の休息を楽しむことにした。キャラバンでは、木暮が音無に悪戯されるといういつもとは逆の態勢が出来ていたりした。

 キャラバンが無理に走らせていたせいでバグり、修理に時間がかかるとのこと。

 

「ふぁ~」

 

 俺はキャラバンの上で昼寝をしている。この世界でアツヤに転生した時は、いよいよこの世の運命を呪ったが、今はアツヤでよかったと思える。

 ただ、心残りがあるとすれば、憑依なので、元のアツヤが消えてしまったと思うと申し訳なく思う。

 

 

 

 ―――気にすんな。なかなか楽しかったぜ、お前のサッカー。じゃあな。

 

 

 

「……ん?なんだ今の声?」

 

 ……気のせいか?

 

「アツヤ」

「……兄貴、大丈夫なのか?」

「あぁ。もう十分動けるよ」

「そうか」

 

 起き上がると、円堂たちがサッカーをしている。

 

「やるのかい?」

「どうせやることないしな」

 

 この世界で分かったこと、学んだことが一つ。

 サッカーは楽しい。

 

 

 

 

 

 

 





 次回、脅威の侵略者編最終回。

 ダークエンペラーズvs地上最強イレブン

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