ワンピースの海の定義
ワンピース世界での能力者にとっての海とは一定量の水があれば海水、雨水、淡水だろうが海とみなされる。
「「「「雨水、淡水だろうが」」」」
マジ?ごめんなさい、めっちゃ勘違いしてた
色々考え直さなきゃ....あ、あとシャワー等の流水もセーフらしいっす
それでは、構成をミスって体力テストのほぼ全てを詰め込みどう考えても前編、中編よりも圧倒的に長くなった後編をどうぞ
「峰田実、ヒーロー志望動機、女にモテたいから」
「そうか」
「オイラの第一主義、女子のスカート膝上30cm」
「うむ」
「いや、お前ら何の会話しt「だがよぉ、オイラ、柄にも無く思い出しちまったんだよなぁ、お前の挑発を受けて、女子にモテたいとかそういうの抜きに、純粋にカッコいいヒーローに憧れた青少年のころをよぉ」
「なるほど、ならばどうする?」
「あんなにカッコよく啖呵切ったところ悪いが————————
『『『お前に引導を渡すのはこの峰田実様だ!見ろ!この反復横跳びをををををを』』』
「うおぉぉぉおおお!!?!?峰田がなんかよくわかんねえけどボールでバウンドしてる!?すげぇ残像できてるぞ!!!」
「なんつーか......漢だ!!!」 「いや漢か?」
『『『ははははは!!!どうだエネル!あんなに偉そーな口きいておいてすまねぇが、赤っ恥かいてもらうぜえええええ、お前にはよオォォォおおお!!!』』』
『『『『『ヤーッハッハッハッハッハァアアーーー!!!!』』』』』
「って、エネルもっとすげええぇええ!!!早すぎて3人いるようにしか見えねえぞ!?青白く光ったエネルが3人いる!!!」
「なんつーか、漢だな!!!」 「いや漢か?」
「・・・・・・・・・・」
「ま、まぁ落ち込むなって、凄かったからさ」
「でも、ぶっちゃけると50m走であれができたんだからこうなるのわかってただろ、なんで勝負挑んだんだ?」
「いやぁ・・・直進しかできないのかなって・・・・」
「あぁ、なるほどね・・・・」
「あと、もし勝てたら・・・・・」
「勝てたら?」
「女子共が俺に惚れるかなって・・・・」
「結局それかよ!!少しでも勇敢に立ち向かう漢気のある奴とか思った10秒前の自分ぶん殴りてぇ!!!」
〜〜〜上体起こし〜〜〜
「ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン」
「この絵面に関しちゃシュールだな」
「あぁ、エネルの上半身だけ光って高速で前後に揺れてる」
「俺たちそのシュールな絵面に汗水垂らして1分間必死こいて息きらして上半身起こして全力出し切った上で負けてんだぜ?」
「やめろ!言うな!」
〜〜〜立ち幅跳び〜〜〜
「よっ(バチィ)・・・とと、危ない危ない、枠線を越えるとこだった」
「垂直跳びして空中で加速するなバカ!」
〜〜〜〜握力測定〜〜〜〜
「(ピピ)・・・・出ましたわ[750kg]」
「ええええぇええ!!?握力測定で万力ってアリかよ!?」
「あり」
「アリなの!?」
ふむ、これは少々、傍観に徹するわけにもいかなそうだな。
・・・・練度次第で、生物以外なら何でも作れるって、俺とは別ベクトルで反則じゃ無いのか?あいつの個性も大概に。
「すいませんエネルさん、正直、あなたの相澤先生への最初の宣言時に、握力測定でこうなることは分かっていましたの。だから、止めるべきかとも思ったのですけれど・・・」
「・・・・・・」
「あなたの先の言葉で、変わりました。やっぱりあなたには酷なことですけれども、私、勝たせてもらいますわ、だから・・・その・・ごめんなさ「おい」あ、は、はい?何でしょう?」
「あー・・・何と言ったか、お前」
「え、あ、名前ですか?八百万。八百万百です」
「そう、八百万よ、さっきから聞いていれば貴様、私が既に敗北しているみたいではないか」
「へ?あ、いえ、あの、でもその、確かに私はあなた自身ではないから、あなたの個性のことを一番把握してるのはあなたでしょうけど・・・・」
「なんだ?」
「その・・・どうやって握力測定に、先の個性を使うのか、皆目見当もつきませんの・・・」
「ふむ、奇遇だな、俺もだ」
「「「「へ?」」」」
「だから、俺も分からんと言っている」
「へ、あの、それっt「お、おいエネル!オイラに勝ったのになんだよその威勢の無さは!もっと気張れよおい!」「いや別にお前に勝ったからってなんでそうなるんだよ....」「なんか漢らしくねえぞ!エネル!」
「黙っていろ、何も手立てが無いわけではない、そこで見ていろ、私の————
————Plus Ultraを。
「・・・・・(ピピ)・・・・ふむ、正常に動くようだな」
「エネル、お前・・・・・握力3kgって・・」
「アホか、ただの動作確認だ、本番なわけないだろうが・・・・ふむ、では、始めるか」
エネルが股を開き、右腕に握力測定器を握り、前屈みになり、重心を揃えて全体重を乗せるように構えを取りーーー
「「「「・・・・・・・(ゴク)」」」」
肩やそれを一途を飲んで見守っている。普通に考えれば不可能。だが
「・・・・フゥゥゥーー・・・・・・」
彼の自信に満ち満ちた表情。
————そして、その予想は的中していた。
「フゥ・・・・・・・・・ッッハァア!!!!!(ギギギギィギィギィ)・・・・・(ピピ)・・・・・出たぞ・・・なんだ貴様ら、私の記録を見ないのか?」
「いや、なんつうかよ、まぁお前の負けを決めつけたわけでもねえし、俺たち出会って初日だけど、やっぱりクラスメート1人消える瞬間を目にしたくないって言うかよ・・・」
「随分な物言いだな、ならば俺はこのまま誰にも見せずに相澤に記録を伝えに行くとするk「見せろエネル!オイラが見てやるヨォ!お前の死刑宣告をなぁ!!!」・・・・さっさとしろ」
「エネルに妙に情熱的だと思ったら、今度は死刑宣告とか言い出したぞ、あいつなんであんなにエネルに当たり強いんだ」
「いやまぁ、多分だけど、高身長だし強個性だし、それなりに顔整ってるし、だからみんなの前で無様に負けて欲しいんじゃねえか?エネルに」
「漢らしくねぇぞ峰田・・・・」
108cmに対し266cmという身長の暴力に打ち勝ちエネルの手から引ったくるようにして握力測定器を奪い、峰田が満面の笑みでそれを見つめていた。
・・・・おかしい。青白い。峰田の表情が、予想外とかその域を飛び越している。理解できないとか、超常現象に出会った常人のそれである。そして、その表情のまま峰田の放つ言葉に、周囲のギャラリーは更なる困惑に包まれるのであった、
「ど、どど、ど、ド、ド」
「「「「「?」」」」」
「どういうことだよオォォおおお!!!エネルお前————
————個性が二つあるなんて、聞いてねえぞオォォおお!!?!?」
「「「「「はぁ??」」」」」
「いや峰田お前何言ってんだ?あるわけねぇだろ個性二つなんか」
「うむ、私の個性は雷ただひとつだな」
「ほら、エネルもこう言ってるぞ」
「だって、だって、だってよぉぉおおお・・・・
—————説明つかねえだろ!"9999kg"なんてよぉぉおお!!!!」
「「「「「はぁ!!?!?」」」」」
「ちょ、貸せオイ!!......マジだ、マジで出てるよ、9999kg.....」
「エネルさん!何をしたんですの!?」
「ヤァッハッハッハーーー!!!!知らんなぁ!自分の手の内をひけらかす趣味は生憎と持ち合わせておらんのでな」
————簡単なことだ、
握力測定器の構造、握った時の内部のバネに対する荷重がバネの伸びに変換され、更にその負荷を電気信号へと変換、その後回路に電流が流れデジタルで当人の握力の測定結果が表示される。ならば話は簡単、
まず、高圧下で電流を流し握力測定器内部の配線を焼き切り、バネとデジタル表示部の接続を切断する。こうすれば俺がいくら握ろうがバネから電気信号はまったく送られなくなる。その後は電流の調整、いったいいくら流せばどれだけの表示値になるのかの確認、そのための"3kg"。
ここまでくれば準備は万端、姿勢を整え、あたかも私が全力で握っている
このとき重要なことは、
握力測定器の性質として、バネに加わる負荷の変動が止まると、その値が当人の握力の限界値とみなされ測定が止まってしまう。それだとまずい、その値で固定されてしまっては、その後私がいくら電流を流そうとも値が変化しなくなってしまう。
私は細かい電流の調整が苦手だ、だから一気に流しすぎて握力測定器を破壊してしまう可能性もあったためにこの測定器の限界値、9999kgに揃えるために徐々に電流を流す必要があった。
そのための時間が必要であった。だから
賭けというほど無謀なものでもなかったが、まぁ成功したしよしとしよう。・・・・ふふ、それにしても気持ちがいい。これほど自分の策が上手くいくとはな、さて、
「まぁそう慌てるな、まだテストは始まったばかりだ、次のテストに向かうとしようではないか、ヤハハ!!」
「本当に何でしたのアレ.....」
「漢としての、高みが凄ぇ.....」「いや漢でも無理だろアレ」
〜〜〜〜長座体前屈〜〜〜〜〜
「・・・・通常の体力テストなら問題無く満点だ、が・・・・」
「なんか、普通だなエネルにしては、いや個性無しの記録としては驚異的な記録だけどよ」
・・・・奴らの言う通り、このままでは身長266cmの人間としては、
「・・・・・・・」
「おい、エネル、もうそれ以上伸びねえなら戻っていいぜ、次の種目移りてぇしy「瀬呂」っとぉ、なんだ?」
「長座体前屈のマニュアルを読み上げろ」
「あ?なんでんなもの「早くしろ」・・・はいよ、まぁお前さんのことだから何か考えがあるんだろうがよ、えー・・・『1:両腕を測定器の間に入れ、長座姿勢をとります。 壁に背・尻をぴったりとつけてください。次に胸を張って、両肘を伸ばしたまま両手で測定器を手前に十分引きつけ、背筋を伸ばします。
2: 初期姿勢をとったときの箱の手前右または左の角に零点を合わせます。
3: 被測定者は、両手を厚紙から離さずにゆっくりと前屈して、箱全体を真っ直ぐ前方にできるだけ遠くまで滑らせます。 このとき、膝が曲がらないように注意ましょう。』・・・らしいぜ」
「・・・なるほど、つまり私はこの姿勢のまま尻を動かさず、膝も曲げずに、手を離すことなく、ましてや台を吹き飛ばすこともせずにこの測定器を押し出す必要があるというわけか」
「それ以上記録伸ばしたいんならな、まぁ若干マヌケにも見えるコの字型のその姿勢からどうすんのか、俺にはさっぱりだけどな」
「ふむ・・・・瀬呂、周りにお前以外誰かいるのか?」
「いんや、今は2人一組で体育館内でバラバラに分かれて測ってるから、ギャラリーは俺だけだぜ」
「なるほど・・・・瀬呂」
「なんだ?」
「俺は今から、更に記録を伸ばすとする、あんまり自分の個性の強みを周りにおいそれとひけらかすのは気が引けるが、こうでもせんと負ける可能性が出てくるのでな、だから今から行うことは特別にお前だけに見せてやるとするが、その内容は相澤だけに伝え、他の奴らには黙ってろ、いいな?」
「・・・それはまずお前の記録を見てからだな、大口叩ける実力があるのはもう分かってるが、やっぱり見てからじゃねえと決められねぇなぁ」
「ヤハハ!それもそうか!貴様のほうこそ中々言うではないか!
・・・・さて、この体勢で話し続けるのも疲れてきたので、早速記録を伸ばすとしようか。少々眩しいかもしれんので、しっかり目を見開いて、神の偉業を特とその目に焼き付けておけ・・・・・では、
————ヌゥゥうううう(パチ、バチバチ)、ハァアア!!!!!(バリバリバリバリ)
————————プツ————————
「おや、そっちは終わったのかい?瀬呂くん」
「ん、あー、まぁな、そっちは.....よく分かんねぇ組み合わせだな、峰田と飯田って」
「あぁいや、最初はこうじゃなかっt「くそがぁぁぁあぁああ!!!!女子と2人一組になれる千載一遇のチャンスになんでオイラはこんなむさい男とタッグ組んでんだよおおおおおおおぉぉオオオオ!!!!!!」・・・というわけでね、僕が管理しているというわけだよ、まったく」
「あー、はは・・・お疲れさん、お気の毒に」
「いや、別に誰かと組もうということはないからこれで役に立ってるのならそれで構わないさ、・・・・・ところで、瀬呂くんの相方はたしかエネルくんだったかな?」
「・・・・・まぁやっぱそこ食いつくよなぁ、ま、別にいいぜ、記録だろ?はいよ、あいつの記録用紙、なんでか俺が荷物係やらされてるからよ、見たけりゃみ「ミセロォ!!!」・・・言う前に取りやがったよコイツ」
「こら峰田くん!!人のものを無用心に扱うものではないだろう!!!まったく・・・・」
「(とかなんだかんだ言いながら飯田も見るのね)」
「・・・・・おい」
「ん?」
「今度は何した?」
「あー、そn「僕からも頼む、彼は何をしたんだ?教えてくれ!」あー待て待て!すまねえけど言えないんだよ!!!」
「なんでだよ!言ったら殺すとか脅されたのか?」
「いや怖えよ!!ヒーロー失格だろそれ!そうじゃなくて!あいつから口止めされてんだよ、あまり自分の個性を大っぴらにしたくないってな」
「そうか・・・・正当な理由だな、それなら仕方ない」
「いんやオイラは納得しねえな、そこに奴の弱点があると見た!直談判してくるわオイラ」
「あ、オイ!・・・マージで聞きに行きやがった、本人に聞いても答えてくれるわけないだろうが、あのバカ」
「僕といる時から悪い意味で自由奔放でこんな感じさ彼、・・・ところで、やっぱ、君の目から見て・・・・凄かったかい?」
「・・・まぁ、凄い?凄いってよか、もう分かんねえよ、言えないからアレだが、言っても信じないぜ?多分」
「そうか・・・それほどか」
「(言っても信じねえよなぁ、俺だって一瞬何が起こったか分かんなかったし、なんで今も平然とあいつ立って歩いてんのか分かんねえけど————
————信じねえよなぁ、体が上半身と下半身でぶったぎれたっつっても。
〜〜〜最終種目:ハンドボール投げ〜〜〜
順調、ここまでは順調、おそらくだが、ここまでは一位だろう、まだ生徒の記録を全部見たわけではないから絶対ではないが、敗因が思い浮かばない。なにせあらゆる競技で測定の限界値を叩き出したからな、全部ではないが。
・・・・・まさかだな。正直、一番心配してなかったのだが。ハンドボール投げに関しては、特に策を弄することもなくクリアできると考えていたのだが、どうやら少し予想が外れたか、なぁ————
————麗日お茶子、何かね?そんなに俺にガン飛を飛ばして」
「エネルくん、いいんやね?」
「ふむ、何が?」
「はっきり言うよ、ウチ負けへん、この競技に関してやったら絶対に、っていうより
「ふむ、なるほど・・・・麗日お茶子」
「な、なに?」
「蹂躙と勝負の違いを知っているか?」
「じゅ、じゅうりんと・・・しょうぶの違い?」
「うむ、そうだ。勝負、読んで字の如く勝敗を決する、互いの力の競い合い。では蹂躙とは何かというとな————暴力だ。一方的な、歯向かう余地もない、もはや競い合いとして成立していない、まさに今回の個性把握テストにおける俺だ」
「・・・・・・」
「正直期待外れもいいところだ。雄英高校ヒーロー科、なんと運の良いことか、入学初日にしてクラスメートと競い合えるとはな。だから期待した、お前たちならば私と【勝負】ができるのではないかとな。
—————結果はこの様だ、君たちは私に"依然変わりなく最強はこの私だ"という希望と、"私と競い合うことのできるライバルはいない"という絶望を与えてくれた。最低だな。本当に。がっかりだ。期待はもうしないでおこう。
————いるではないか、まだ一人だけ、
「・・・・・・・!!!」
「麗日お茶子よ、もし俺のことを気遣って先の発言をしているのなら————それは俺に対する侮辱だ。そもそもこの道は私が選んだのだ。お前たちの気を配るところではない。もし俺に対して気を使うのであれば————来い、全力で、私を必ず除籍させるという意志の元に、お前の可能性を見せてみろ」
「・・・・そっか、そうやね、ごめん。ウチ気ぃつかってたみたいで、エネルくんのことバカにしとったみたいやね。・・・・うっし!じゃあエネルくん、悪いけど、いや悪くないね。ウチの記録、見といてや!!!」
「うむ!!そのいきだ、ヤハハハァ!!!」
緊張。言ってしまえば
「ふうぅぅぅ.......」
集中、彼女の個性の性質上、言ってしまえば投げるフォームも力もクソもない。よっぽど下手に投げさえしなければ構えなんて必要ない。しかし何故だろうか、
「全力で応えないとね・・・・・・・ッッそりゃあ!!!!」
周囲の反応はまず第一に戸惑い、というのもこれまでとベクトルが異なる。言ってしまえば、
—————すぐであった。最初に異変に気づいたのは誰だったか。担任の相澤か、次に投球を控えるエネルか、もしくはその他A組の誰かであったろうか。————
「無重力、か」
————やはりか。ハンドボール投げにおける最大値。あの計測機がどれだけの値を取りうるかは分からんが、それを叩き出す方法。まさかとは思ったが、そんな個性があるとはな。
「・・・さすがやね、エネルくん。一回見ただけで把握すんのやから。そう、ウチの個性。
「ってことは、麗日さんの記録は・・・・」
「・・・・(ピピ)・・・・・麗日、記録【∞】」
「「「「「えぇぇええええええ!!!!!?!!?!?」」」」」
驚愕、当然だ。そもそも、聞いたことがない。あっても9999みたいにカンストだとか、
—————しかし、問題はそこではない。出てはならない記録が出てしまったことではない。問題は———このテストが始まって初めて見せた、余裕の一切見られない表情を浮かべている彼だ。彼に越えられない壁を与えてしまったこと。すなわち————彼に除籍の引導を渡してしまったこと。
———ごめんなさい。謝らずにはいられなかった。言葉に出すのは
「あ、あの、うち本当にエネルくんに真面目に応えようって思っただけなんよ!躊躇いもあったんだけど、やっぱ手加減はしたくなかって・・・ッッ!!」
「・・・・・・・」
「だから、その、ほんとうに、除籍させたかったわけじゃないし、全力でやっただけなんよ!やかr「麗日お茶子」あ、な、なに?」
「・・・完敗だ」
「......へ?」
「今考えていた、まぁ俺だからな、今まで全種目に予想外を突きつけてきた俺だ。確かに"無限"という記録も予想外、だが挑むのは俺だ。当然なんとかできるだろう.....と、色々考えてみたんだがな、どうやら無理らしい」
「そ、そんな......」
「いやまいったよ、あっぱれとか言うのか?こういうときは。他人にこんな言葉を使ったのは初めてだ、何度も言うが素晴らしいぞ、麗日お茶子よ。俺にこんなことを言わせたのは今まででお前が初めてだろうな。どうしようも無いものはどうしようも無い、いい教訓になったよ。越えられんものにうだうだ言っても仕方がない、だから————
———その言葉は、麗日にとって絶望だった。普通に考えればエネルに勝利する。とんでもない偉業だ、大手を振って喜んで良いだろう。———だが今は違う。勝ってもらわねば困る、なにせ麗日が勝ってしまったとしたら———彼女がエネルを、この学校から追放してしまうということなのだから。
だから、全力でエネルを打ち負かすとは言ったものの、どこかに願う気持ちがあった。彼ならなんとかできるのでは無いか?私の記録を予測もつかないような方法で超えてくるのではないか?根拠は無いが、そんな希望的観測を持っていた。が、ダメ。彼の言葉から告げられたのは、不可能の一言。だからだろう、勝利した彼女が、こんなにも辛そうな顔で俯いているのは
————だからだろう、次のエネルの言葉が彼女にとって福音であったのは。
——————だから、並ぶとするか、貴様の記録になぁ!!!(バチバチバチバチ)」
「・・・・!!!!」
俯いた顔を上げて彼の顔を見上げだ。あぁ、いつもの顔だ。自信に満ち満ちたあの顔である。上唇を吊り上げて、調子に乗った顔である。まさに
「聞け!貴様ら!!先程は期待外れだなんだと言ったが、前言撤回だ!中々どうして、貴様ら手強いではないかぁ!!!これなら退屈せずに済みそうだな!ヤハハハァ!!!!(バリバリ、バリバリバチバチバリバリバリ)
———ではこの一投をもってしてぇッッ!!!晴れて俺の除籍回避と、A組21名での学校生活の幕開けへの祝砲とするッッ!!!!
ヤァァァッッッッ、ハァァアアアッッ!!!!(バチィッッ)」
「うぉあ!!!!!」
瞬間、吹き荒れたのは砂塵。エネルの瞬腕によって放たれた風圧が、グラウンドの砂を巻き上げた。エネルを中心とした同心円上に突風が吹き荒れ、上空から見下ろしたとしたら、綺麗なほどに砂が吹き飛び綺麗な円が描かれていた。
「・・・・・相澤よ、明日の時間割はなんだ?」
「・・・・・(ピピ)・・・・・・明日はまだ今日のガイダンスの延長だ、本格的な授業は明後日からだよ、まぁ————
————遅刻はするんじゃねえぞ【∞】」
誰が最初に声を発したのかは分からないが、歓喜、祝福、何故だろうか。最初はエネルに対する共通の意識は少なくともプラスではなかったはず、それなのに何故だろうか、今クラスの大半が彼の除籍回避に安堵の声を漏らすのは。簡単だ、やはり————仲間であるから。この短期間ではあるが、初日とは思えないほどの絆の獲得。というよりもエネルの話術——————全員に、ヒーローとしての意識が芽生えた。
青二才だろう、芽吹いたばかりであろう。だが確かにそこに——————ヒーローとしての、仲間としての連帯感があった。
「すげぇぇえぇぇえ!!?おい!どうやって出したんだよ、お前の個性でその記録!!」
「あー、期待してるとこ悪いが、多分今までの競技で一番単純だぞ?」
「へ?そうなの?」
「うむ、結論から言うと———思いっきりぶん投げた、雷速で、それだけ」
「そ、それだけ?終わり?」
「うむ、というより、これに関しては俺の投げた方法というよりも、無限という記録の出し方を説明した方が良いな」
「無限の出し方?」
「あぁ、まず考えるのは麗日の記録、お前たち、違和感は感じなかったのか?やつの記録に、というよりも、記録の出た"瞬間"に」
「記録の出た瞬間?」
「あぁ、よくよく考えてみろ、確かに麗日の個性、たしか、
————早すぎないか?」
「早い?」
「あぁ、記録が出るのが早すぎる。麗日の投げたボール、確かに先の理論でいけばいつかは無限遠方に到達するだろう。しかし実際はどうだ、目を凝らしてみれば....そら、まだ100か200か分からんが、こちらから視認できるほどにしか飛んでいないではないか、見えるだろう?はるか晴天の彼方に極小の白点が」
「んー....あ、本当だ。というより麗日さん、まだ個性解いてなかったんだ」
「エ、エネルくんの怒涛の展開に圧倒されて、忘れとった....」
「まぁ、ようはもし無限という判定の基準がボールの飛距離であるとすると、麗日の測定結果が無限というには少し記録が出るのが早すぎるのだよ。だから飛距離ではない、無限という記録を出すにはもう一つ別の要因が必要だ」
「・・・・ということは、やはり、アレかい?」
「そうだ、・・・・どういうメカニズムでそんな計算が可能なのかは分からんが、あのボールもそれを基準に、このボールの飛距離はいずれ無限に到達する"
「ってーことは、あれか、もしかしてしなくてもお前のボールは今頃・・・・」
「うむ!宇宙空間の何処かを彷徨っているんだろうな!二度と地球には戻ってこんだろうが、ヤハハハハ!!!」
「なんちゅーか、スケールでけぇなあ」
————達成。全種目一位、宣言通り。
———認めるしかなかった。かたやそれは羨望の眼差しか、かたやそれは諦めの境地に至った、恨みまじりの視線か、かたやそれは敗北したにも関わらず、どこか清廉潔白な敗北の快感を味わった者の尊敬の念か。
何にしろ達成したのだ。勝ち取ったのだ。宣言通りに————
————雄英高校ヒーロー科、A組暫定1位の座を
「さて麗日お茶子、並びに今日俺に抗ったヒーローの卵共」
「え、あ、はい!!!」
「・・・・これからよろしく頼むぞ、俺も高校生活とやらを満喫したいのでなぁ!!!ヤァアーーーッッハッハッハッハァー!!!!」
「あ、あのー、感動的な感じのとこ悪いんだど、そのぉ.....最下位の人除籍って....」
「「「「「「あ」」」」」」
そーじゃん!!!なんで僕この光景に見入ってたんだ!?てか最下位っておそらく・・・・・ッッ!!!
「はいこれみんなの総合結果ね」
あ、ぼく、あ、へ、どこ、ぼく、........わかってたけど、わかってたけど、くやし「あ、最下位除籍ってのは嘘ね」
「えぇぇええええええぇえぇええええ!!!!!!」
そんな!!?!?じゃあなんで僕あんなにビクビクしながらやってたんだよ!?
「普通に考えたらわかりますわ・・・初日に最下位除籍なんて」
「君らの最大限を引き出すための合理的虚偽——————
————ってのは嘘だ」
「え?」
「最初はマジだった、お前らの腑抜けた、どこかヒーローの卵であるという自覚も無いマヌケ
「「「「「は、はい!!!」」」」」
「はいじゃあ本日は解散、明日はやっとこさガイダンスすっから筆記用具とカバンだけでも持ってきとけ」
「あ、そうだ、エネル」
「ん、なんだ相澤?」
「はいこれ(バサ)」
「なんだ?・・・・原稿用紙?」
「おう、
————本校生徒への恫喝、挑発行為、暴言、計測機の破損、その他並びにetc、etc・・・・あと———
——"相澤"じゃなくて"相澤先生"な、ってことで本校教諭への舐め腐った態度を反省してお前が俺を相澤と呼んだ回数、のべ400字詰原稿用紙8枚、はい反省文頑張ってね」
「」
———これは、神が英雄へと至る物語
その幕開けである
はい、ということでやっとこさ個性把握テスト終了です、おっそ
今回分量間違えて1万字超えてしまいました、ごめんなさい
エネルくんが勝手に全種目一位とか言い出すから色々めんどくさくなるんだよなぁ・・・あ、長座体前屈は上半身だけ下半身から分離させて押し出した形です。そういえばシャボンディ諸島で黄猿がアプーの攻撃食らったときに、下半身だけで立ち上がってたの思い出してこうしました。色々ガバガバ理論多かったし、わかりにくいだろうけど許してね
なお挿絵に使ったものはトレスですので、当然の如く私にあんな画力ありませんから、そこのところあしからず
次は休憩がてら短めの、本編とは関係ないの一つぶち込みます
アンケート置いておくんでよろしければ投票お願いします
どちらにしましょう。
-
続行。
-
リメイク。