東方理想郷 ~ Unknowable Games. 作:まこと13
最後に、せっかくなのでわかり辛い設定をまとめてみたのを載せます。
中二臭い設定集とかが大好物な作者が単なる趣味で書いたものなので、ぶっちゃけ読み飛ばしていいと思います。
こういうのなら気分転換に瞬殺で書き終わるのに、どうして本編はあんなに時間がかかるのだろうか……
次章は来週中には開始予定です。
※下記設定は、あくまで今作内の設定です。原作とは関係ないものですのでご注意ください。
○異変の概要
とある日のこと。神奈子と諏訪子は幻想郷のエネルギー開発のため、地底世界の地獄烏であった空に八咫烏の力を託した。
八咫烏の力を得た空の異変に気付いたお燐は、それを秘密裏に解決するため地上人の手を借りようと、旧灼熱地獄の怨霊を地上に逃がしてしまった。
しかし、旧灼熱地獄の怨霊の中には、かつて映姫と紫が封じた邪悪の力の一端が封じられていた。
地上に溢れた怨霊を経由して邪悪の力は次第に地上の生物に憑りつき、力を得た者たちは弱肉強食の概念を無視して地上に混乱をもたらしていく。
そして異変の猛威は、遂には幻想郷の最大戦力の一つであった天狗社会さえも壊滅させ、霊夢と紫の敗北も相まって幻想郷を恐怖で覆い尽くしていった。
異変の脅威を知り、その解決に奔走する魔理沙や早苗たち。
邪悪の力を滅しようと、秘密裏に破邪計画を進めていく神奈子たち。
そして、強き負の願いを糧に次第に勢力を増していく邪悪の力の感染者たち、様々な思惑が交錯していく。
果たして異変の果てに邪悪の力が幻想郷を滅ぼすのか、それとも幻想郷が邪悪の力を打ち破って平穏を取り戻すのか――
だが、異変の行く末は邪悪の思惑でも幻想郷の住人たちの思惑でもなく、全ては輝夜の思惑によって操作されていた。
この世界は唯一無二のものではない。輝夜が自らの能力で創り出した数十億の平行世界の一つに過ぎない。
輝夜は幻想郷を、邪悪の力に侵された者たちをも全て救い、この異変を完全なハッピーエンドで終わらせるための世界を探し続けてきたのだ。
これは、そんな二面性を持った異変の物語。
それぞれの思惑を巡って表舞台を必死に駆け回る者たちと、その裏で孤独に世界の運命と戦い続けた少女の記録である。
〇破邪計画
紫が中心となって立てた、邪悪を消滅させるための計画。古い存在である邪悪を、科学という最新の技術を使って消滅させようというもの。
技術を担うのは、にとりを主任技術師とした10人からなる河童のチーム。守矢神社周辺で科学的な磁場を発生させて邪悪の力を弱らせ、『存在』の要素を持ったルーミアごとそこで消滅させるつもりだった。
〇嫦娥計画
詳細は語られておらず、今のところ作中でこの言葉を発したのはさとりだけ。
〇邪悪
元々は、とある事情から輝夜が時の狭間に封じていたもの。決まった呼び方のあるものではない(現在のところ詳細は不明)。
約500年前にレミリアの能力によって邪悪の力が解き放たれ、一部はフランに、残りはルーミアの中に入り込んだ。
ルーミアに入り込んだ邪悪の力について、映姫と紫は以下の4要素に分けて封印した。
●『存在』の要素(紫の証言)
これに関しては、元々は邪悪の力ではなく空亡妖怪としてのルーミアのものである。
・悪の人格
ルーミアの中に蓄積された闇を中和するための機能として生み出された、ルーミアの裏人格。
・闇を喰らう能力
ルーミアが取り込み続けて蓄積された、負の感情という毒素を力へと変換する能力。
特に強力な感情を取り込む場合、それを支える支柱を自らの外側に生み出す。
支柱はおおまかに分けて憎悪、怒り、嘆き、絶望の4つで、それはルーミアの裏人格の直接の力の源となる。
支柱と化したものは、時間とともにルーミアの能力にその闇を喰らわれて時間の経過で消えていくが、4支柱が同時期に全て揃ってしまうと、ルーミアの裏人格の力は表人格を超えてルーミアの身体を乗っ取ってしまう。
なお、「悪の人格」と「闇を喰らう能力」は元々は一つの概念であったが、映姫はこれを別々に分けて封じた。
人格の要素は藍の監視のもと、能力の大部分を失ったルーミアに再度封じて様子を見ることとした。
闇の能力の要素は、下記の『能力』の要素と融合することとした。
●『能力』の要素
負の感情を無限に増殖させていく医療科学の完成形で、月の先端技術ではないかと疑われる(にとりの証言)。
映姫はこの要素を、地底の怨霊と、更に上記の『闇を喰らう能力』と融合した。
それにより、安定した負の感情を持つ怨霊が、『能力』の要素によって増幅させた闇を、闇を喰らう能力によって自ら喰らって自浄させるシステムを作成した。
なお、地底に封じられていたものには、映姫の能力によって『悪』という概念が決定づけられていた疑いがある(みとりの証言)。
●『力』の要素
不死殺しの力(パチュリーの考察)。
存在喰らいの力(平行世界の輝夜の証言)。
紫はこれを博麗大結界に封印していたが、霊夢が神降しをして引きはがせなくなったために、霊夢の中に定着してしまった。
それ一つで世界を滅ぼしかねない危険な力であるため、霊夢は普段は使わないようにしている。
●『闇』の要素
ルーミアが抑え込むことのできなかった、たった一つで四支柱の概念を超えるほど強大な闇。
たった一人が抱えていた負の感情の塊であり、邪悪の要素の中で最も危険なもの(映姫の証言)。
〇今回の異変における支柱
本人の負の感情を糧に、力を増幅させる。その感情がルーミアの裏人格の力になる。
支柱となった時点で強力な力を得るが、完全に力に支配されると別次元の力と引き換えに自我を失う。
●怒りの支柱
対象者:風見幽香
妖怪としての限界を超えられない弱い自分自身への怒りから支柱と化した。
異変中に幽香は彼岸へ渡航し、その後幻想郷に戻っている。
闇の力の代理人を名乗る雛が幽香に接触し、幽香は力を得た。
雛の異変への関与を知っていたが、ルーミアの関与を知らなかった。
●嘆きの支柱
対象者:河城みとり(にとり)
にとりは姉を失った悲しみから支柱と化し、みとりは地底の怨霊に巣食っていた闇を自らに蓄積させていた。
実際に支柱であったのはにとりで、にとりにみとりの怨霊が憑りついていた状態。ただし、抱える闇の容量はみとりの方が圧倒的に大きい。
雛の異変への関与を知っていたが、ルーミアの関与を知らなかった。
●憎悪の支柱
対象者:チルノ?
目の前でルーミアを殺された憎しみから支柱と化した。
ルーミアの思惑では、本来であればさとりが憎悪の支柱となる予定だったが失敗し、やむを得ずチルノを支柱と化した。
異変の影響を受けているように感じたのは2日前。その後早苗たちと会うまで、悪戯相手の妖怪、妖精たちやルーミア以外とはチルノは特に接触していない(大妖精の証言)。
●絶望の支柱
対象者:レミリア・スカーレット
およそ500年に渡り、変えられない運命に心を壊され続け、絶望の支柱と化した。
さとりによって支柱としての力を解消されていたが、その後再びさとりによって闇に堕とされる。
ルーミアの異変への関与を知っていたが、雛の関与を知らなかった。
●災厄の支柱(にとりの証言)
対象者:鍵山雛
全ての闇を生み出し司る、元々のルーミアの能力下では存在しなかったと疑われる詳細不明の支柱。
雛を利用して邪悪の力を暴走させようとしている、第三の勢力の存在が疑われる。
何者かの代理人を名乗っている(幽香の証言)。
〇霊夢の力
●『空を飛ぶ程度の能力』
空間そのものと感覚を同化することで、空に存在する危険を察知する超直感。集中すれば、周辺の生物の感覚も共有する。
●『夢想天生』
空を飛ぶ程度の能力を極限まで研ぎ澄ませたもの。世界と自身の感覚を完全に一致させることで個としての存在を消し去り、あらゆる事象の影響から外れて行動できる力。世界と一体化しているため、周囲の感情を必要以上に察知してしまう。
●邪悪の力
強大なエネルギーをそのまま放出したり、自分と同化させて身体能力を上げるなど、現在の霊夢はある程度のコントロールはできている模様。
〇輝夜の力
●『永遠と須臾を操る程度の能力』
時間を膨張・圧縮させる能力。限りなく長い時間と限りなく短い時間(時という単位そのもの)を自在に操り、応用すれば自らが光速を超えて行動することも相手の時間をほぼ静止させることも可能。
●平行世界間の移動
須臾という限りなく短い時間の間に、永遠という一つの世界を入れることによって、無数の歴史を創り出す力。今回で言えば、霊夢が異変に飛び立った後の時間に、既に70億個以上の異なる永遠(歴史)を組み込んでいる。
〇レミリアの力
●『運命を操る程度の能力』
・あらゆる概念を無視して運命を変える能力。これによりフランの死の運命を変えた。輝夜はこの力を「何の前触れもなく運命を無秩序に変化させ得る、あまりに興醒めな能力」と評価している。
・運命を知る能力。運命を知ることで、それを変えるべく行動するだけで運命を変えることはできる。だが、知った運命を一度でも変えるとフランが死ぬと輝夜に告げられたため、レミリアは一度も運命を変えることなく数百年間この能力に縛られ続けてきた。
○フランの力
●邪悪の力
狂気に満たされた際、前述の邪悪の要素(ルーミアが取り込む以前に手にした力であるため、元々ルーミアの力であった『存在』の要素は除く)について使用可能。
●『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』
文字の通り。なお、レミリアの半身が再生しないのはフランの力の影響ではなく、単純に傷口を日光に焼かれたためである。
〇アリスの力
●『人形を操る程度の能力』
一応メインの能力ではあるが、身に付けた理由は「一人が寂しかったから」。
●『主に魔法を使う程度の能力』
普段使う魔法は一般的なものだが、七色の魔法は別物。
●七色の魔法
神綺が使用していた創世魔法をアリスが改変させたもので、()内は神綺の魔法。
アリスの各魔法の読み方は各色の特殊な英訳で、神綺は0~6までの独数字。
なお、魔法の発動条件に発音は関係なく、当作におけるアリスと神綺の趣味みたいなものである(ただの中二病くらいに思ってもらえれば)。
『赤』:破滅の力。エネルギーの理を超えて、対象に破壊をもたらす。
『橙』:創造の力。詳細不明。
『黄』:還元の力。詳細不明。
『緑』:創生の力。無から生命を創り出す。
『青』:同化(適応)の力。自分とは異なる視点から世界を見られる。アリスは普段この魔法によって、アリス・マーガトロイドという人形視点で世界を見ている。
『藍』:幻惑(叡智)の力。智を支配し、対象の意識へ介入する。
『紫』:未知(混沌)の力。実世界の理が及ばない虚数領域を生み出す。
『虹』:願いの力。神綺は使用できないアリスのオリジナル魔法で、実と虚を問わずあらゆる事象を可能とする。世界中の意識全体に匹敵するほどの、膨大な願いのエネルギーを必要とする。
○アリスとさとりとこいしの行動
●地底から出る際、既に邪悪の力に感染していたさとりは、絶望の支柱であるレミリアの存在を知っていた。さとりはレミリアに会うためにこいしとともに紅魔館に向かい、アリスも時間差で紅魔館へと向かう。
●さとりとこいしはレミリアに会い、そこでさとりは「運命」という愉悦を発見し、レミリアを絶望から一時的に解放する。
●さとりはフランのいる地下室の封印を解き、それが時間操作による封印であることに気付く。また、その封印はかつて萃香の心を読んだ際に見た、輝夜の力と類似するものだと気付く。
●さとりはこいしを紅魔館に残し、レミリアの心的外傷の理由を探ろうと興味本位で輝夜のもとへ行く。
●その頃、アリスは『青』色の魔法によって2者と視点を同化していた。一つ目の視点は、小悪魔とともに情報収集していた、アリス・マーガトロイドという人形。二つ目の視点はさとりと同化しており、さとりが一人で永遠亭に向かったことを知り、アリスはそれに同行することとした。
●永遠亭でさとりが輝夜の心を読んだことで、アリスは輝夜の渡ってきた無数の平行世界のことを知る。それによりアリスは『虹』色の魔法の完成を期待した。さとりの本当の目的はレミリア、そしてアリスの目的は輝夜にあったため2人の利害が一致し、アリスはさとりを逃がして一人で輝夜と対峙した。
●さとりは今までに自分が得た情報をもとに、「運命」という玩具を最も楽しむ方法を画策しながらレミリアの前に再び現れた。
●魔理沙と幽香たちの戦いが終わるとともに、アリスはこいしに任務を託し、その報酬としてさとりが向かう先の情報を伝えた。
〇輝夜視点の時間軸
異変開始初期の世界線からの、輝夜の心情の変遷。
●初期
ルーミアの死の運命と幻想郷の滅びる運命を回避しようと、異変開始のきっかけを作り出す。
輝夜は異変に直接関与せず、間接的関与から世界がどう進むかを観測する。
輝夜の望まぬ結果を避けつつ、ゲームを操作する感覚で異変に関わっていた。
●2期
熱中した輝夜自身が、ゲーム(異変)に直接介入し始める。
様々な相手と協力しながらゲームを進め、次第に多くの者に愛着が湧き始める。
救いたい対象が増えていく。
●3期
全てを救える結末に辿り着けず、輝夜がゲームに飽き始める。
平行世界間の記憶を他者と共有し、幻想郷の枠を超えて月社会にまでも協力を求めていく。
※この頃に生み出されたのが、永琳の力で霊夢を犠牲にして解決する方法を見つける世界線。
●4期
どうしても解決ができず、輝夜に諦めの気持ちが芽生え始める。
しかし、別の平行世界の輝夜自身の声が、諦めることを許さなかった。
救い出すことも諦めることもできず、次第に逃避を始める。
●5期
輝夜の心が折れていく。
繰り返す度に大切な人が死に、世界が滅びていく運命を見続ける。
大切な記憶を忘れようと、ゲームの画面を眺めるかのように無関心に世界を繰り返すようになった。
救われるはずのない世界線をも生み出し、世界の分岐点の観測を続ける。
※この頃に生み出されたのが今作の世界線。アリスの観測では、この時点で歴史の数は億を突破している。
●6期
輝夜が壊れ始める。
無関心に観測しようとも繰り返す度に増えていく、皆との思い出や優しい声が頭から離れなくなっていく。
脳裏を埋め尽くす別の平行世界の自分の声も、耐えきれないほど大きくなっていく。
●7期
輝夜の精神が限界を迎える。
自分の存在を悪として固め、故意に世界に闇をもたらしていく。
皆から自分へ向けられる、悲しみや絶望、怒りや憎悪といった負の感情を集めていく。
自分自身に根付いた思い出を、そうして憎しみで塗り潰すことで、大切なものを救えない痛みを少しでも和らげようとしていった。
※この頃に生み出されたのが、魔理沙と妖夢と紫、そして幻想郷全ての生命を輝夜が殺し、世界が滅亡した世界線。
●8期
輝夜の心が崩壊する。
希望、愛情、友情、信頼、絶望、嘆き、怒り、憎悪、数十億の世界のあらゆる声が脳内で響き続ける。
それでも、諦めることだけはできなかった。
全てを忘れられる日か来るまで、かつてアリスの『紫』の魔法に閉ざされた際の何もない世界線を、惰性で繰り返すだけの日々を続ける。
●9期
自分が何者かもわからなくなるほど暗闇の世界を繰り返した中で、遂に自らの死を選び得る世界に辿り着く。
しかし、不死殺しの力を持っている霊夢によって、それでも殺されることなく再び懐かしい記憶を思い出すこととなる。
脳裏を埋め尽くす声が再発し、輝夜は再び永遠の地獄へと誘われていく。
だが、数十億回に渡り歴史を渡り歩いてきたことでアリスの『虹』色の魔法が初めて発動し、今までどの世界線でも存在し得なかった人間の声が聞こえてきた。