可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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大部分の話は誕生日準備シーンですが、これだけ見ると、都はどれほど妹思いなのか知られます。それと、今回登場したキャラはとじともでも登場する青砥館の父娘です。今後とも本編以外にとじとものサポートキャラの登場シーンを増やしたいと思います。

時間系列では本編の前の話です。


番外編:妹に最高の誕生日を(前編)

 

 爽やかな朝が好きた。

 

 なぜなら、八月は夏。暑いお天気なので、できるなら寒い天気がお願いしたい。

 

 それはさておき、今日は八月十三日。我が可愛い妹の誕生日なんだ。今日のため、朝早く原宿に足を歩いた。

 

 とはいえ、現在時刻は朝の4時。まだ人気がないが……それはそれとしては動きやすい。

 

 そして、彼の目的地は数多くの刀使や刀好きの一般人などの御用達である、刀剣・刀装具専門店『青砥館』。

 

 あそこの店主は青砥(あおと)陽司(ようじ)氏は、伍箇伝の人間からも目を付けられるほどの腕前をもつ刀工技師でもある。そして、都の師匠の師匠でもある。

 

 なぜと言うならば、その看板娘で、可憐な青髪を靡かせる青砥(あおと)陽菜(ひな)は都の師匠だ。

 

 六月頃、都は誠意を持ってそちらへ弟子入りしたが、ナンバーおじ……陽司さんは「弟子は可愛い子が大歓迎ですが、男なら出てけ。」という理由で都を断った。

 

 ですが、それは都が諦める理由にならない。彼は毎日同じ時間であそこへ弟子入りをお願い申した。彼は自分が日本一の刀匠になりたいという強いお願いを抱かえてぜひここで勉強したい。その動力源はただ二人の刀使の専属刀匠として二人を支えたいという単純の欲望。

 

 そして、六月下旬の時、彼は陽菜とたまたま出会った。

 

 あの時の彼女もまた、父の陽司さんの背中を見て育ち、同じ道へと進む選択をしたのである。現在は鎌府女学院の刀匠課に所属し、日々技術の研鑽に励んでいる。最も、高等部一年生でもあるため、色々迷う時期である。何にせ五箇伝の学校なんだから、ストレスがたまりやすいのです。

 

 そこで、都が彼女の相談対象になり。彼女の助力になった。その後、彼女も都の事情を知り、彼を弟子として入れさせた。

 

 さて、紹介は一段終わりにしよう。とにかく、都はそちらにオーダーメイドを依頼……元い、作るという予定だ。

 

 可奈美は剣が好き。それは剣術だけではなく、御刀を一目にしていれば、何の刀なのかわかるくらい剣の狂人。

 

 因みに、綾小路にも可奈美と異なる変態(狂人)がいる。外見はすげぇ美人なのに、御刀のことになると変態になる。

 

 さて、話が少しズレた。都は可奈美の御刀ーーー千鳥の鞘にオーダーメイドをしたい。彼女に誕生日最高のプレゼントとして贈りたいんだ。

 

 そのため、千鳥を借りた。本人の許可はないが、メーセージは一応残してあるから、彼女も彼が千鳥を悪用しないのもわかるはずだ。

 

 「店はやっぱり開いていませんね……それもそうだ。営業時間は八時から……また四時間がある。その間は伝説の納豆を探すか……ネットでは原宿に眠っているはず」

 

 『青砥館』に到着し、都は最新買った新しいスマホを弄って、スケジュールをプランBに移る。

 

 納豆ご飯が可奈美の大大好物。それを知っている都はもちろん、あれを最高のプレゼントの一つとして贈りたい。いつまでも可奈美に最高の品を用意するのはこの究極のシスコン。

 

 「さぁ、“我が愛おしい妹に最高の誕生日を贈る計画”を始めよ。」

 

 そう言って、彼は千鳥を持って凄まじい速度で移動した。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 9時頃ーー『青砥館』にて、

 

 

 

 土曜日なのか、営業始めた一時間内で五箇伝各校の生徒達多数にやって来る。多くは鎌府の生徒なのだが、比較的距離の近い美濃関や綾小路、中には長船の生徒の姿もあった。

 

 「陽菜、どんな感じだ?」

 

 「オトン、結構人が来だしてるよ。だいたいは刀使の皆さんみたいだけれど」

 

 店舗奥の作業場で、預かった御刀の手入れや柄の調整などを行っていた陽司が、彼女に店内の様子を聞く。

 

 因みに“オトン”は陽菜がお父さんへの通称。

 

 「すみませ~ん。」

 

 「あっ、はい!すぐ行きます!」

 

 店内で手を上げて、陽菜を呼ぶ刀使。仲間も一緒のようである。

 

 「この商品て、もう売り切れちゃいましたか?」

 

 「この色の柄糸ですか…。そうですね、先ほど買われていったお客様がいらしたので、この商品は完売ですね。」

 

 「そうですか……」

 

 「あ、でも同じ会社でこの商品に近い色のものは、うちにもありますが、どうなさいますか?少しはお安くできますが」

 

 「じゃあ、お願いしてもいいですか?」

 

 「はい!お任せください!」

 

 そうして彼女はまた一人、商売を成り立たせていった。

 

 「やっぱり、一人前になっちゃったな。これで彼女がいつ開店してもおかしくもないが……」

 

 娘の商売力を見て、陽司は娘が立派になったことに喜んでいる。

 

 「さて、俺も立っていられないね。」

 

 彼は仕事に戻り。店番はしばらく陽菜に任せる。

 

 「相変わらず大人気だね。」

 

 その時、一人の青年が入店してくる。

 

 「いらっしゃいませ~、…あれ、都くん!?」

 

 驚いた彼女の視界には、都の姿があった。

 

 「今日もお疲れ様、師匠!陽司さんに用があって、ここに来るだけど……忙しそうだな。」

 

 店を一周回って、お客様がたくさんいる。

 

 「オトンに用ですか?なんのことですか?」

 

 「そんなところだったんだが……というか師匠、俺と話して大丈夫なのか?」

 

 「今のところは大丈夫ですよ。ほら、刀使の皆さんて、慎重な方も多いじゃないですか。商品選びに時間をかけてくださっているなら、こっちもありがたいですよ。」

 

 そう言って微笑む彼女だったが、レジの方に目をやると、そろそろ会計しようかとソワソワして待つ、多くの客達の姿を捉えた。

 

 「師匠、俺が師匠に代わって会計や商売をやってます。この刀にオーダーメイドしてもらいませんか?自分でやれなくては残念ですが……師匠なら、俺よりうまくやれると信じます!」

 

 「え……?これは御刀?なんで都くんはこれを……」

 

 都が渡した御刀を受け取り、陽菜は少し驚かされた顔だ。彼は刀使ではないから、御刀を持っているはずがない。

 

 「うちの妹の物だ。今日は彼女の誕生日なので、彼女の御刀にオーダーメイドしたいです。」

 

 「なるほど……都くんは妹思いのいいお兄さんですね。わかりました。お任せてください」

 

 「因みに可愛く、千鳥という名前通りのデザインをしてくださいね。俺は彼女に最高の誕生日を贈りたいですから」

 

 「うん。それじゃ、店番はお願いしますね。」

 

 「おう!」

 

 彼がどれほど妹思いのお兄さんなのかを理解していた陽菜。彼の気持ちを無駄にしないように、彼女は店の奥へ行き、店番を都に任せた。

 

 普通ならば、店の金を他人に扱わせていいものかと思いそうになるが……彼は彼女の弟子だから、加えて彼は売上金を盗むような人間ではないことを陽菜に深く理解されていたこともあり、このあたりはすんなり合意がいった。

 

 

 

 それからが数時間が経ち。

 

 会計や商品紹介や商売を一気にやる都は休み無しで働く。この間は400人近いお客様が来ていて、都は一人で何とかオーダーメイドが終わるまでに耐えた。

 

 「都、ここは一応俺に任せよう。お前は奥へ休んでくれ」

 

 「いいえ、またまた行きます……それと、陽司さんに刀使たちの相手をしてはいけません。向こうは危険ですから」

 

 「おめぇさん、俺のことをどう見てるの?」

 

 「ナンパクソ爺。その点がなければ、師匠も苦労しませんよ。」

 

 都の代わりにやってきた陽司に都は容赦がない態度。何にせ、彼は可愛い子を見たら、すぐナンパする。

 

 これも彼が可奈美をここに連れて行かない理由であった。

 

 「おめえだけに言われたくねよ!早く奥へ行ってくれ!モテ男!」

 

 「誰かモテ男ですか!このエロい爺!」

 

 彼に強く叩かれて、都は仕方なく彼と交代した。でも、確かに、今は休憩が必要なところ……少し無茶すぎた。

 

 「都くん、お疲れ様です。オーダーメイドは……結構疲れた顔ですね……無茶しましたか?」

 

 奥へ行き、陽菜はちょうど作業が終わるところだ。本来彼女は微笑んで都を迎えるが、彼の優れない顔を見て、逆に心配の顔になった。

 

 「はい……無茶しました。一時間があれば、大丈夫なはず」

 

 「私の経験上、大丈夫って言う人ほど大丈夫じゃないんですよ?…そのまま、私に体を預けてもらっても平気ですから、じっとしていてください」

 

 「……いいえ、この後は晩御飯の用意があるんのだけど」

 

 「いいから、師匠の話をちゃんと聞いて。都くんは効率な人だとよく知っていますが、同時にとても無茶な人だともわかります。」

 

 「……………」

 

 「妹さんもそんな無茶する都くんを見たくないですよ。都くんから聞いた話限り、あの子も都くんのことを大切にしています。」

 

 見破れたが……流石師匠。

 

 そうして彼女は、ゆっくり彼の体を傾けつつ、ポフッという感覚が頭に伝わる彼。

 

 この感触はまさか……。

 

 「取り敢えず、私の太股に頭を置かさせてもらいましたけれど、どうですか?」

 

 「………凄く気持ちいいです。でも、いいですか?俺なんかに膝枕を……」

 

 「いえ。乗せたのは私の意思ですから。しばらく都くんは私の膝を堪能して休んでください」

 

 優しい笑顔をする陽菜。彼女は自分の知り合いの中でも普通に可愛くて、仲良い女の子。正直、彼女とこんなに親しくなるとはなんか凄い罪悪感が湧きます。

 

 だって、膝枕は舞衣ちゃんの特権……いや、特権ではない。ただ舞衣ちゃんに申し訳ない気分で……。

 

 しかも、師匠も良い女の子です。可愛い外見はともかく、性格も接しやすいタイプなんて全然嫌いじゃない。

 

 「それより、千鳥はもうできたのですか?師匠。」

 

 「うん、これを。」

 

 陽菜は隣に置いておく御刀を都に見せつける。

 

 「おお………これは……!」

 

 都は目をパクパクと刀の方をじっと見つめる。

 

 鞘部分には可愛いピンク色と白い花がデザインにし、鞘の末部分にも花と同じ色をした。柄部分は小細工に調整しており、恐らく前よりも使いやすいのでしょう。

 

 「都くんの頼みにより、このようなデザインを採用したのだけれど……どうですか?」

 

 「とても可愛いです!流石、師匠!」

 

 これで、可奈美に最高のプレゼントを贈られる!

 

 「ふふっ、お気に入ってくれて良かったです。……正直、都くんの期待に応えられるかどうか不安でした……だって、オーダーメイドの頼みは都くんが初めなんでうまくやれるのかなと思ってしまいました。」

 

 なるほど、師匠はそういう気持ちで俺の頼みを作業するのか……まぁ、俺と同じ歳だし。

 

 「それでも師匠は応えた。俺、ずっと師匠のことを憧れています。」

 

 「憧れ?私に?」

 

 「ああ……師匠は技術が俺より優れているだけではなく。……師匠が刀使達に整備し終えた御刀を渡す時、刀使が喜ぶ姿を見た自然な笑顔が、俺には印象深くてな。いつか師匠みたいな人になりたくて、ずっと憧れていた。」

 

 「そうだったんですか……」

 

 「だからいくら言おうと、師匠は俺の師匠である。俺の目指す先の星であり、憧れです。」

 

 「…………憧れですか/////」

 

 都の熱意を感じて、陽菜はそう呟いて顔が赤くなる。こんな彼女はとても可愛く見えます。

 

 それから数十秒後、彼女は赤い色に染まれた顔で都に訊く。

 

 「……ねっ、もし都くんがよろしければですけれど、鎌府に来た時でも私の作業風景くらいならお見せできるかもしれませんが、構いませんか?」

 

 ん?それって誘い?

 

 「いいのか?」

 

 「私でよければ、都くんに師匠の凄いところを見せつけたい……駄目?」

 

 舞衣ちゃんのような言い方はずるいぞ。俺ってそういうの弱いんだよ。

 

 「なら、また今度見させてもらおうかな。…何時になるかは分からんけれど」

 

 「その時は都くんにとっておきの特等席を用意するから!」

 

 彼女の純粋の好意に都はすぐ応えようとした。

 

 

 

 ◇

 

 

 一方ーー。

 

 

 

 二人の姿をこっそり覗く陽司は、なにやら意味深な表情を浮かべていた。

 

「……けっ、見せつけてくれるじゃねえか。…まあ、責任取って陽菜をもらっていくならば、目を瞑っておくとするか」

 

 一人の父親として、彼は陽菜が都に好感を抱かえることを知っている。本人は極めて隠そうとしたが……彼女はずっと都を甘やかす。

 

 それにしても、陽菜も大胆になったな。膝枕は恋人の間をする行為なのに、そんな簡単にやるとは流石、青春期の娘といったところ。

 

 彼女も都と親しくしたいと思ったのでしょうか……いや、多分忙しい仕事の中に、彼の出現にあまりの喜びにこうしたのだろう。

 

 欲望不満か……まぁ、とりあえず娘の恋道を応援し続けよう。“他の娘”に負けないように。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 「ただいま……」

 

 「お帰り、お兄ちゃん!」

 

 「おっと!ただいま、可奈美」

 

 家に帰って直後、可奈美は都に飛び付いて抱きつく。こんないきなりお兄ちゃんを抱きつく可奈美が滅多に見えない。どうしたのかな?

 

 「お兄ちゃんの匂いがする〜〜」

 

 「嗅ぐんな。というか、どうしたの?突然。」

 

 「だって、お兄ちゃんはほぼ丸一日いないもん!私は一日お兄ちゃんとゴロゴロしたいと思ったのに、朝早く家から出てずっとお兄ちゃん成分が足りないですよ!」

 

 お兄ちゃん成分ってなんだよ!そんなブラコン発言は少し控えろ、妹よ。

 

 「えへへ……お兄ちゃんの匂い〜〜好き。」

 

 「だから嗅ぐんな!ん…?この匂いは酒?」

 

 途中に可奈美の身体から酒らしい匂いがしてきた。まさかと思うが……。

 

 「お前はお酒を飲んだの!?」

 

 「なんの話〜〜?わかんない!」

 

 可奈美はもっと力強く都を抱き締めた。そのせいでほどんと感じられない胸の感触はここで強調された。大きすぎず、小さすぎず、まだまだ成長していく胸の感触はかなり危ないです。

 

 「可奈美……!?おい!//////」

 

 「えへへ……お兄ちゃんが暖かい〜〜」

 

 クソ〜〜可愛い〜〜!!!だが、この体勢はまずいよ!

 

 「やっぱり……こうなってしまったか……」

 

 「ちょっと、お父さん!なに、可奈美にお酒を飲ませるの!未成年だろう!」

 

 その時、お父さんはちょっと疲れた顔で現れた。都は速攻で彼を叱る。

 

 「私のせいじゃないよ!近所の夫婦は可奈美の誕生日の話を聞いてチョコを贈ったのだ。それで、可奈美はあれをいくつ食べたら、こうなってしまった……」

 

 「チョコなのに!?」

 

 「微量のアルコール入れるチョコです。量から見れば大丈夫だと思い、可奈美に甘やかした。」

 

 「駄目な親父だね!」

 

 「はい、すみません……」

 

 とりあえず、原因がわかった。さて、これからはどうする?酔っている状態の可奈美は俺を手放せるつもりがないみたい。

 

 「親父、ひとまず水を可奈美に飲ませろ」

 

 「わかっ………待って!俺はいつ親父になったの!?元のお父さんは!?」

 

 「さっき死んだよ。」

 

 「お父さんの待遇酷すぎない!?」

 

 「お兄ちゃん……お父さんをばかり構えて、私のことをちゃんと見てよ……くすっ……」

 

 ああああ〜〜〜!!!泣き出したよ!涙がボロボロに落ちていたよ!

 

 「も、も、も、もちろん!見ているさ!可奈美のことをいつまでも見ていて、思っているよ!!」

 

 「都……」

 

 そんな視線をしないで、これは真実だけど、可奈美の涙を止まらせる策なんだよ!

 

 「ホント……?」

 

 「うん、本当だよ!」

 

 「なら、どれくらい?」

 

 「はい?」

 

 「一日どれくらい私のことを思っているの?」

 

 「…………」

 

 答えられない。お父さんの前に流石にその数はバラすわけにはいかない。

 

 「………くすっ……うぅ……お兄ちゃんは私のことを見ているって嘘だったの……?」

 

 都が無言になるところを見て、可奈美は再び泣き出した。ああああ〜〜〜俺にどうしろってんだ!!

 

 「………125回です。」

 

 結局、都は直ちに素直に答えた。

 

 「お前……重症だな。」

 

 見ないで!ドン引かれた目で俺を見ないで!可奈美を中心に動く俺には仕方ないことじゃないですか!

 

 「なら、私もこれから同じ数でお兄ちゃんのことを思います!」

 

 「お……おう……」

 

 笑顔でそう言ってくれる可奈美。なんか初めて酔っている可奈美が怖くなってきた……。

 

 ブラコンしすぎないか!?うちの妹は!

 

 「けんじゅっ……剣術もちゃんと思えよ!大好きだろう?」

 

 「うん!大好き。お兄ちゃんと同じくらい好き!」

 

 これは喜ぶべきことなのか?俺の価値は剣術と同レベルになったよ。

 

 その後、約二時間くらいに可奈美がずっと都のことを甘え尽くした。




とじともに可奈美誕生日シーンでムッという顔を取った可奈美に惚れた。妹って最高に可愛い生き物……。(確信)
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