可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す! 作:黒崎一黒
「……すぅ……すぅ……」
「眠った妹って可愛い……」
自分の膝を可奈美に乗せられ、彼女に膝枕をする。
二時間くらいの時間内で、可奈美は妹らしく俺に甘え尽くした。それを応えるため、こっちも羞恥心を捨てて、道徳範囲内に彼女の我儘を受け止めた。
幸い、一緒にお風呂とか寝るとかの要求が出さなかった。でなければ、本当に理性が可愛すぎた妹に吹き飛ばされる。
「お疲れ、都。お前も大変だな」
「自分に部外者扱いをしないでください。お父さんのせいで、可奈美は大暴れだぞ!」
「それに関しては申し訳ない。でもこんな甘える可奈美も久々に見たじゃない?彼女も……美奈都がいなくなった日からずっと強がっているぞ。」
「そうだね……」
「…………」
けど、お前はもっと強がっていると……お父さんは自分の息子にそう言えなかった。彼は可奈美以上にお母さんのことが大好きだというのに……ずっとその涙を心の中に封じてた。
「料理は私がやる。都は可奈美のそばにいてくれ。あの子は……私よりお前のことが必要なんだから」
「納豆料理はできるの?」
「私が何年のお父さんをやっていると思っている?可奈美とお前の好みだけか得意なんだよ。」
そう言って、お父さんは厨房の方へ行った。久々彼がこの家の食事担当なんだね……前回やるのは母がまだ生きられた時だっけ?懐かしい。
「それは心強いね。で、俺の好物は?」
「和食だろう?だから、舞衣の和食だけに手放せなかったな」
「その話はもういいから!/////」
初めて料理に恋しくなるのは舞衣ちゃんの手料理。味はとても美味しい以外に、その料理は俺にあの地獄から立ち上がる勇気をくれた。
しかし、覚えていたんだ……俺の好物を。
「因みに、ケーキはーー」
「んっ〜〜、ふわぁ……」
そんな時、膝から可愛い眠い姫が長い眠いから覚めた。
「おはよう、眠い姫。」
「……おはよう……お兄ちゃん。」
まだ意識が朦朧している可奈美は実に可愛い。……いや、シスコンである俺が言えば、どんな可奈美でも可愛く見える。
小さい頃からずっと見てきた家族なんだから、彼女の可愛さは十分知っている。
「あれ……?お兄ちゃんの顔は……なんて?」
「膝の感触どうだった?」
「……………私……お兄ちゃんの膝に眠っていたの?」
「うん。可奈美の寝顔は凄く可愛くて、お兄ちゃんは可奈美成分をたっぷり満契したよ。」
「〜〜〜!!//////」
急ぎに膝から離れる可奈美。彼女の顔は真っ赤になっていた。やっぱり恥ずかしいんだ。
「お兄ちゃんの破廉恥……!//////」
理不尽。俺はただ家族の寝顔を堪能していただけ、別に変なことじゃないよね?そうだよね?
「なんて勝手に私の寝顔を見るのですか!//////うぅ〜〜!!お兄ちゃんに変な顔をしなかったよね?大丈夫よね?」
「大丈夫、大丈夫。いつも通り可愛い可奈美だよ。世界一番可愛い自慢の妹!」
なにか心配するのかわかりませんが、いつも通りに妹を褒めよ。可愛いのは事実ですから。
「うぅ〜〜お兄ちゃんはいつもそう言って……ずるいです/////」
シスコンの愛に可奈美は照れている。
彼はいつも可奈美のことを可愛い可愛いと言って、そのせいで可奈美はずっとお兄ちゃんに照れ照れ状態である。
お兄ちゃんのせいで、可奈美の目は彼以外の男性が入れなかった。何にせ、お兄ちゃんは最高のお兄ちゃんだもん。
「可奈美、おはよう。早く顔を洗おう。そろそろお前の誕生日会だ。」
そんな時、お父さんの声が厨房から伝わってきた。恐らく、可奈美の声が大き過ぎでお父さんに彼女が起きたことを伝えた。
「え……?お父さん……厨房にいたの?」
「都の代わりに私が料理をする。料理ができる前に顔を洗って来い」
「へぇ〜〜お父さんが料理なんて久々だね。いつもお兄ちゃんが忙しいお父さんの代わりにやるのに……」
「いつまでも都に家事を任せちゃだめだからね。ほら、可奈美は顔を洗いに、都は誕生日の準備を」
「は、はい!」
「了解。」
お父さんの指示で都と可奈美はそれぞれの準備を行う。
それにしても、母がいた時も両親にそう命令されたことがありますね……やっぱり家族と一緒にいると色々と思い出す。
◇
「ハッピーバースデー!」
二発のクラッカーが鳴らされ、パンッという軽快な音と紙テープが空中に舞う。
可奈美は兄の都と父の二人から盛大な誕生祝いを受けていた。
「誕生日おめでとう、可奈美」
「おめでとう、可奈美」
「うん、ありがとう。お兄ちゃん、お父さん」
クラッカー斉射を浴びた可奈美は満面の笑みで応えた。
衛藤家の食卓では、夕食後の誕生日パーティーが開かれていた。生クリームでコーティングされた円筒状のケーキ、その上面の外縁に沿う形で等間隔でイチゴが配置されている。その隙間を埋めるように十三本の小さくカラフルな蝋燭に灯された火。可奈美は願いを願った後、フーッと息を蝋燭の火に吹きかけ、消した。
因みに、納豆ご飯は大成功だ。彼女が幸せそうに食べていた顔を見て、都が今日の苦労が無駄じゃないと実感した。
「はい。じゃあこれ、お父さんからのプレゼントだ。」
お父さんは自分の椅子の下に隠していた紙袋をテーブルに置き、可奈美に差し出した。
「……なんだろう〜ドキドキする」
可奈美はわくわくと紙袋の中から包装紙とリボンでラッピングされた箱を取り出す。丁寧にそれを解き、中身を確認する。
「これは……綿棒と布?」
中にいるのはただの綿棒と綺麗な布。
「ああ……そろそろ御刀の手入れする道具も新品に変えなくちゃと思ったんだ。可奈美はずっとうちの使ってたでしょう?美奈……母の時期から使ったものだから、もう使えないと思って」
「ん〜〜確かに綿棒はもう汚れていて、手入れする時は少し迷っていますね。ありがとう、お父さん。大事にするよ」
可奈美はお父さんからのプレゼントをもらい。そうしたら、次の視線は自然に都の方へ向かう。その目は期待した目だ。
まぁ、毎年は最高のプレゼントを贈ったから、今年もきっと彼女の好みを合わせるプレゼントかなと思ったのだろう。
けど、俺よりあの二人のを優先したい。
「俺のプレゼントは後にする。その前に、これは舞衣ちゃんと美炎に渡された可奈美へのプレゼントだ。」
「二人から?」
「うん。二人は家が事情があって来なかったけど、先にプレゼントを俺に渡した。」
お父さんと同じく2つの手袋を可奈美に渡す。そして、同じ流れて解くと、
「舞衣ちゃんのクッキー!と手合わせ券!」
2つの箱の中にはクッキーと何かしらの紙と手紙。一枚の手紙の内容は『可奈美へ、誕生日おめでとう。可奈美の誕生日をお祝いに行きたいけど、うちは少し面倒ことがあって、手伝いに行かなくちゃ。可奈美の誕生日会が参加できなくて凄く残念ですが、プレゼントを用意したよ。学校に戻って、これを使ったら、何度でも可奈美と手合わせするよ。』こうって書いてある。
「美炎ちゃん……ありがとう。気持ちが嬉しいよ。」
「また二枚があるよ。」
二枚目を可奈美に渡し。可奈美はさっきのように読む。
『最後。うまく都先輩と素敵な夜を過ごしますように祈っております。一応うちは神社だから、可奈美の恋……じゃなくて、気持ちを応援しますね。』
「えっと……?どういう意味?美炎ちゃん」
最後の手紙の意味がわからない顔をした可奈美。何の応援なのか、彼女は知らない。そもそも、なんてお兄ちゃんのことを特別に指したの?
「どうしたの?可奈美」
「ううん、なんでもない。とにかく、二人の気持ちはす〜ごく嬉しいよ!」
「後、電話で感謝しよう。さて、俺も自分のプレゼントを持ってくるから、お父さんとゆっくりケーキを食べよう」
席から外して、都はこの場から立ち去る。
「………あ、…お兄ちゃん。せめてケーキを……」
「後で食べるから、先に食べて」
「……………あっ。」
都がそのまま立ち去った後、可奈美は落ち込んだ顔でケーキを見つめる。毎回はいいことを彼女ばかり押し付けて、自分には何の褒美や利益を求めていない、その自己犠牲心は妹にしては見てられない。彼は幸せすべきだと可奈美は思っていた……が、彼を縛る者はもしや自分なのかもしれない。
だって、自分はお兄ちゃんに甘える自己本位の我儘な妹だから。
「可奈美、これは都の分と貴女の分だ。彼のところへ行って来い」
ケーキを切り分けて、2つのお皿の上に乗せる2つのケーキ。可奈美のお父さんは可奈美に渡しながらそう言う。
「え……?じゃ、お父さんは?」
「私はここで片付けをする。可奈美はお兄さんの方へ行きなさい。今夜は一緒にいたかったのだろう?」
「なんて、わかるの?」
「お父さんだからわかる。さっきの願いも大体予想がついた。」
「〜〜〜〜!!?///////」
あまりの羞恥心で顔が真っ赤になった可奈美。彼女は時にわかりやすい。彼女の母のように。
「ほら、早く行け。あの子……都の方へ行け!でなければ、来年のお年玉は千円になりますよ」
「千円……!?それだけはやめてください。お父さん!!わ、わかった!すぐ行くよ!」
慌てて席から外す可奈美は急ぎにケーキ2つを持って、リビングから出ていた。
そして、部屋に静寂が訪れる。それを即座に破ったのはお父さんの大きなため息だった。
「面倒な兄妹なんですね……どっちも強がり屋さんで苦労するよ。あの二人を救える貴女もいなくなったし……」
テレビ近くにいる棚の方へ見ると、そこにいるのは彼の妻の写真。色々とだめな人妻だったが、それとも愛していた。
彼女の可愛さをちゃんと理解している異性は多分自分しかいない。何にせ、彼女にプロポーズしたのは自分だし。彼女と夫婦になる時間、子供と一緒にいる時間はとても幸せだった。
「貴女がいなくなった後。あの二人はずっとお互いのことを支えたのよ……。都がシスコンになるのも妹に執著したから。可奈美も馬鹿な兄のことを夢中になって、ずっと彼のそばにゴロゴロ回したぞ。これで彼氏がうまくできるかな?あはは……」
「…………」
「これは完全の解決策じゃないのもわかる。けど、先に逃避した私はもうあの二人のことを介入する資格がないんだ……私って駄目な父親だね。美奈都」
ずっとそのことを気にしていた可奈美たちのお父さん。彼は妻がいなくなった後は、仕事ばかりに潜り込んで、結果的に子供との関係はどんどん離れていく。都の大事な時もそばにいなくて……そのせいで、彼は辛かった、痛かった、泣きたかったけど泣けなかった。
彼にもう一度向き合わせる顔がない。だから、彼の支えになった可奈美に任せたのだ。本当に駄目な親なのね。私は。
◇
「お兄ちゃん、部屋にいる?」
可奈美は都の部屋の扉をノックする。
そうしたら、中から「可奈美?なんて来たのよ?」と返事が返ってくる。
「お兄ちゃんに話したいことがあって……入っていい?」
「どうぞ。軽く押したら、開けられるよ。」
都の返事をもらって、可奈美がそのまま入ってきた。にしても、全然防備がない扉ですね……まぁ、お兄ちゃんのことなんだから、賊が入っても即秒で制圧するのだろう。
「お邪魔します。」
部屋に入って、都は既に地面に座る状態で自分を迎える。
「ケーキが持ってきたのか……いらないと言ったのに」
「お兄ちゃんにどうしても食べさせたいから……それで、あれは?」
よく見れば、彼の隣には御刀といくつ工具がいる。それらは鍛治科の物だと推測できる。
「………千鳥の最終チェックだ。師匠の腕が安心しますが、刀匠の魂がどうしても落ち着かなくて」
そう言って、彼は急ぎに工具を片付け、御刀を鞘に収まる。そういうお兄ちゃんはちょっと可愛く見える。
「そういえば、お兄ちゃんは私の千鳥を借りて、何をしたの?私に聞かずに借りるなんて……らしくないですよ。お兄ちゃん」
「そのことについては……まずケーキを机に置いてくれ。」
可奈美に尋ねられると、都はちょっと何かを隠そうとする態度。それを当たり前に気付いた可奈美だが、彼女はお兄ちゃんを信じてケーキを机に置いた。
「可奈美、俺の誕生日プレゼントは舞衣ちゃんや美炎のような実用の物じゃないかもしれませんが、それでも受け取って欲しい」
「これは……!」
背後から隠した御刀を可奈美に見させる。それを見て、可奈美は驚く顔が隠せなかった。
御刀は前より可愛く見える。いや、主に鞘部分が凄く可愛い。
ピンク色で白花がついている鞘はとても可愛らしい。
「はい、オーダーメイドで作られた千鳥です。刀身以外は小細工で調整したので、外観だけではなく、実用性もかなり上がったと思う。」
「使ってもいい?」
「元々貴女の御刀です。どうぞ」
お兄ちゃんから御刀をもらい。可奈美は御刀を鞘から抜け出すと、次の瞬間は目が追いつけないほどの速度で綺麗な一閃を放った。
「見事な一振りです。」
「凄い……千鳥は以前より使いやすい!」
自分でも驚くくらい使い心地良い。これなら、もっと早く斬れる気がする。
「それは良かった。苦労した甲斐がありますね。」
「………お兄ちゃん。今までありがとう。」
「………うおっ!?……可奈美……急に抱きつくな」
刀を鞘に収まって、大好きな彼に感謝を伝えながら彼を抱きつく。
毎年の誕生日に彼はずっと可奈美の好みに合わせるプレゼントを贈ってくれた。時に高そうな物、時にレアなもの、時に簡単なもの。
どれもお兄ちゃんの愛がたっぷり込めていて、可奈美はとても幸せだった。もし、誕生日プレゼントランキングがあったら、お兄ちゃんは常連のランキング一位だ。
「だって、嬉しいもん〜。」
「………全く。今日は異常に甘いなあ」
優しく可奈美を撫でる。こういう尊い光景はこの兄妹にとっては日常にすぎない。
「だって、私は今日の主役だもん。」
「そうだね。もうたくさん甘やかしたが……ええ……そうですね」
何か悪夢でも見た都の顔が優れない。
酔っ払い可奈美はブラコン全開で恐ろしかった。
あれは
とても可愛けど、肉体の接触は流石に意識しちゃう。
「お兄ちゃん?何かとても疲れそうな表情ですよ?」
「大丈夫、大丈夫。酔わなければ、あんな我儘の妹は出てきません。」
「それって、私のこと?私は酔っていたっけ?」
しかも、記憶なし。以後はアルコールが含めた料理を禁じよと思っていた都。
「それより、お兄ちゃん……今晩、一緒に寝てもいい?」
「え……?」
懐の中にいる可奈美の突然の発言に反応が追いつけぬ都。そして、懐の中にいる可奈美も自分の甘え発言に恥ずかしかっている。
なんてお兄ちゃんにそんな大胆の要求をするのか、自分でもわからない。けど、今日一日は大好きなお兄ちゃんと一緒にいたい願望が強い。
それに、自分の誕生日だし。多少我儘しても許されるよね?
「私はお兄ちゃんと一緒に寝たい……昔みたいに。」
「そ、それは……」
「やっぱり駄目?」
「駄目なわけじゃないけど……可奈美はもう中学生だよ。色々とまずいのでは?」
「確かに……そうですけど////。私はお兄ちゃんなら、大丈夫……と思う/////」
「…………今日……だけだよ////」
「えへへ……ありがとう!お兄ちゃん/////大好き////」
最終的に妹の我儘に敵わない都はこうして妹と同じベッドで寝ることをした。
そして、可奈美の最後の言葉は都に聞けない音量をした。この気持ちはお兄ちゃんの前に言うのはやっぱりかなりの勇気が必要……別に告白なんかじゃない。
ただ、最近になってお兄ちゃんの前に言えなくなってきた。理由はよくわかりませんが……それでも、お兄ちゃんのことを誰よりも好きなのは確かである。
お兄ちゃんは世界一番かっこ良くて、一番強くて、一番優しくて、私のことを真面目に見るお兄ちゃんは世界一のお兄ちゃんだと自慢している。
彼以上のお兄ちゃんはいない。私のただ一人のお兄ちゃんなんです。
可奈美は都のことをどうしようもなく愛していた。その気持ちはまだ気付かれないが……彼女は既にお兄ちゃんメロメロなんです。これぞ、メインヒロイン!剣術以外にちゃんとした可愛い妹なの!