可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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次話からはサービス回と御前試合初回の戦闘。多分御前試合は2話で分ける……流石に戦闘シーンが多くて長いから、ご容赦ください。


第3話:共鳴

 

 鎌倉に出発する日ーー。

 

 すぐでも各学校の代表刀使と戦いたくて仕方ない衛藤可奈美は興奮しすぎたせいか……昨日の夜はほとんど寝ていなかった。

 

 それでも彼女は今、元気100%の状態で美濃関の制服を着替える。

 

 どんな相手と戦うのか、どんな剣技を見られるのか、どんな激戦になるのか……彼女は想像するだけで身体がうずうずしちゃう。

 

 「よし!」

 

 鏡の前に可奈美は着替えた自分を見て、満足そうに笑う。

 

 鏡に映った彼女はいつもみたいに可愛い。(シスコン)の言葉を借りると、最高に犯則レベルの可愛い妹である!

 

 「千鳥、明日はよろしくね。」

 

 制服を着替えた後、可奈美はすぐ自分の御刀千鳥を手に持って、腰あたりにつけた部分に御刀を固定する。

 

 これは御刀を便利に連れ出すための装備。正式の名前はないが……これがあると、手で持たなくて済んだ。

 

 そして、可奈美が使うその部分は兄が作ったもの。一般品より頑丈で、動きやすい点は多くの刀使からの好評(こうひょう)があったらしい。

 

 「服部先輩以外に俺の作品を超えるやつがいない!精々悔しそうな顔で使え!」っと……彼を嫌がる刀使全員に偉そうに言ってたような…。

 

 とにかく、これは美濃関随一のものだ。可奈美はこれをつけるたびに大切にするように撫でる。

 

 ちなみに、御前試合は明日から始まる。今日はただ鎌倉へ行って、そこの旅館に泊まる予定です。

 

 「さて、そろそろ行こうか」

 

 準備が終わり、可奈美が部屋から出て、そのまま出発した。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「ん?何か騒がしいな……」

 

 駅に到着してきた可奈美は自分の友達が騒いている姿を見て近付こうとした。

 

 「みんな〜〜どうしたーーえっ?」

 

 そうしたら、彼女はまず友達が囲んでいる黒い執事服の紫髪の男を目に付けた。

 

 「ん?おはよう、可奈美。」

 

 「お、お兄ちゃんーー!?」

 

 彼女はすぐその人の正体を知り、名前もつい口に漏れ出した。

 

 しかし、そこはとんでもないミスであった……。

 

 「お兄ちゃんって……可奈美のお兄さんなの!?」

 

 「うわぁ……イケメン!可奈美がこんなかっこいいお兄さんがいるとは!」

 

 「美炎、なんでさっき言わなかったの!」

 

 「………」

 

 友達たちにこの人が可奈美のお兄さんと知られて、この場にいる美炎と舞衣以外の女の子が凄く盛り上がっている。

 

 「え!?ちょっ……!」

 

 友達が盛り上がった様子を見て、可奈美の顔は赤くなっていく。

 

 本来可奈美はできた新しい友達にお兄ちゃんの存在を知られたくないつもりだ。だって凄く恥ずかしいもん!

 

 「ねえねぇ、可奈美って昔はどんな様子なの?やっぱりいつも剣を振るよね?」

 

 「剣術馬鹿だし〜〜そういえば、可奈美が大好きなものは?それとも好きなのはお兄さんの方?」

 

 「そこは一番ドキドキする問題!禁断の兄妹愛!」

 

 「三人共……!!」

 

 そこで友達にからかわれる可奈美の恥ずかしい姿に尊く感じた都はこの仕事を受けたことが良かったと思っていた。

 

 「賑やかな友達だな。」

 

 そうしたら、彼は無関係の口調でこの尊い光景を見守る。

 

 できれば、写真も撮りたい。

 

 「無関係の口にしないでください」

 

 「あはは……」

 

 舞衣と美炎はそれぞれの反応に返す。

 

 それから数分が経ち。ようやく落ち着いたところに可奈美は拗ねた顔で、頭が都に撫でられた。

 

 無論、顔も赤くて可愛い。

 

 「どう?落ち着いた?」

 

 「全然……」

 

 「まぁ、とりあえず俺の妹をからかうのがやめよう?可愛すぎで心臓が止まりそうだから」

 

 「お兄ちゃん……!」

 

 都の言動に抗議する可奈美ですが、彼に撫でられたらかなり落ち着いた様子。

 

 「予想より落ちたわね……可奈美は……」

 

 「写真撮ってもいい?可奈美がお兄さんに撫でられたその顔は尊いすぎで我慢できない!」

 

 「こんな可奈美は初めて見たのかも……」

 

 三人の名前さえも知らない友人がそれぞれの反応を示す。彼女達はいつも自分たちに見せられない可奈美の姿にドキドキさせられた。

 

 この時期に限って、可奈美は凄く乙女ぽい。

 

 「うぅ……恥ずかしい。友達に妹を愛する兄がいることがバレた。」

 

 「ふふ、いいじゃない?事実だし。それより俺たちは時間通りに来たから。早くお別れを済ませよ。」

 

 そう言い、可奈美の頭から手を離れて、都が柴田の方ヘ荷物整理の準備をする。

 

 「流石、お兄さんだね。時間の整理はしっかりしています。私も手伝います。」

 

 舞衣も時間を確認した後、彼に手伝おうと彼の後ろについていく。

 

 「あ、そういえば、はしゃぎすぎで全然時間が気付かなかった……」

 

 「可奈美!明日は必ず応援しに行くから」

 

 「頑張ってね!」

 

 「……うん!」

 

 反応が少し遅れたのか、可奈美は友達に強く頷く。

 

 「優勝……。」

 

 「え?」

 

 そして、可奈美を見送りに来た一人の美炎が笑顔で拳を可奈美の前に伸ばした。

 

 「優勝してきてよね。私に勝ったんだから。あと……楽しんできて」

 

 その顔はちっとも可奈美に負けて落ち込む様子ではなく。むしろ、爽やかな気分で自分の親友を心の底から応援し、彼女を見送るように見える。

 

 「……うん。楽しんでくる!」

 

 そんな美炎に応援されて、さっき恥ずかしい感覚が不思議となくなった。

 

 「私も応援のみんなと一緒に、このあと鎌倉に向う。一応は補差だしね。あ、だからって、私の出番とか作ったら許さないから!」

 

 「わかった!頑張る!あと、帰ってきたらまたやろうね。立ち会い!美炎ちゃんとの試合……準決勝、凄くわくわくした!」

 

 「とても凄かった……お兄ちゃんみたいに、流派に縛られない動きが突然飛び出してきて!どこにこんな技の引き出しがあるんだろう……!」

 

 美炎は美濃関の中でトップクラスの強さが持っている。もし彼女の集中力があそこで途切れなかったら……選抜試合での対決は本当にやばかった。

 

 「……っ!て、照れちゃうん、じゃん……!あーもうわかった!じゃあ再戦の約束、しよう!」

 

 そしてこの一年間、舞衣以外に彼女は可奈美のもう一人の親友となった。

 

 ライバルであり、親友でもある。

 

 そんな彼女に祝福されて、可奈美はとても嬉しかった。

 

 「うん、約束だよ!」

 

 お互いの拳をぶつかって、二人は再戦の約束を誓った。

 

 この後、可奈美達は新幹線に乗って鎌倉ヘ向かった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 「え!?お兄ちゃんは舞衣ちゃんの執事に!」

 

 新幹線の車内で都が可奈美に自分がなんてここにいるのか説明する。

 

 ちなみに舞衣は事前に知っていた。それでも彼女は都にお嬢様扱いされたことを恥ずかしがっている。

 

 いつもより優しかった彼に舞衣はいつもよりドキドキする。

 

 「うん、これは利益が十分にあるバイトだ。給料も多いし、お前たちと一緒にいられる。」

 

 「そうか……お兄ちゃんはいつものお兄ちゃんでよかった。突然執事服を着て、びっくりしたよ!」

 

 「俺はいつも俺のままだ。ただ仕事のために舞衣ちゃんのことをお嬢様と呼ぶわ」

 

 「お嬢……!」

 

 聞き慣れない呼び方が耳に入り、舞衣の顔がさらに赤くなった。本当にどうしようもなく可愛い人だね。

 

 「舞衣ちゃん、顔が真っ赤になってて凄く可愛い!お兄ちゃんもっと呼んで!」

 

 「おう!」

 

 「もう〜!二人共ッ!!」

 

 そして、ようやく恥ずかしさに耐えられない舞衣は二人にやめさせてほしいと願った。

 

 「ははは。」

 

 いつも三人のパターンに、都はたっぷりこの時間を楽しんでいた。

 

 これは彼にとって替えようがない大切の日常。

 

 この二人と一緒にいるだけで、彼はもう一生の幸福を感じた。例え世界が滅んでも、この二人と一緒なら悔いがないだろう。

 

 「そういえば、この弁当はお兄ちゃんが作ったもの?」

 

 「うん。でも昼はまだ早いから、食べちゃ駄目よ。」

 

 「……わかったよ!」

 

 可奈美がお弁当を食べたい欲望が顔に示し、都が心痛く彼女を止めようとした。

 

 正直、可奈美が毎回何か欲しいという顔が現れた時、それを見たシスコンたる都がついそれを叶えたくなっちゃう悪い癖がある。

 

 だって世界一番可愛い妹の願う顔を見て、それを実現しない兄はいない!

 

 しかし、甘やかしすぎないようにも彼女の成長にもなれる!故に妹のために都は頑張ってシスコンの一面を抑える。

 

 「……可奈美ちゃん、良かったらこれを」

 

 「舞衣ちゃんのクッキー!ありがとう!」

 

 可奈美が都に断られたそのとき、舞衣は自制のクッキーを持ち出した。

 

 可奈美は嬉しそうな笑顔で舞衣のクッキーをもらった。

 

 「舞衣お嬢様、可奈美に甘やかし過ぎ……」

 

 「お兄さんだけに言われたくないけど……」

 

 「美味しい!」

 

 舞衣のクッキーを早速食べ始めた可奈美はすぐその感想をつく。

 

 おい、俺の料理と同じレベルの反応かよ。

 

 「良かった。昨日が緊張でなかなか寝付けなくて、気が付いたら作っちゃった。」

 

 「夜に?(食べながら)」

 

 「うん。小麦粉を振ったり、記事を伸したり、オーブンで焼けていくと落ち着くんだ。」

 

 「舞衣ちゃ……お嬢様は相変わらず嫁力が高いな…」

 

 都は本気にそう思っている。彼女以上に嫁力が高い女子がいない。

 

 少なくとも、料理ができる優しい彼女は誰でも夢見る理想の嫁!しかも、胸もでかい!

 

 いや、そこはポイントではない……貧乳でも十分魅力がある。そう!可奈美の胸は小さいけど、大好き!

 

 そこは(救いがないシスコン)が保証する!反対するやつは問答無用叩き潰す!

 

 でも、舞衣と幸せになるかどうかは柳瀬グループの意思と関係ない。例え彼女はお嬢様ではないとしても普通の幸せも理想の一つだ。

 

 そう思うと、都が心の中で舞衣のその身分と身体と関係なく彼女を愛するやつの出現を祈る。

 

 都は彼女を幸せにしたい。

 

 「ありがとう。でも、お兄さんも結構高いと思うよ?その嫁力。」

 

 「そうかな?」

 

 「学食の料理よりうまい料理は流石に高級レストラン以外では見つからないと思うよ。」

 

 「わかる……!私もついお兄ちゃんの料理に魅了されていて他の料理では満足できなくなったよ〜。……呪い?」

 

 「失礼な!俺はただ可奈美のために腕を上げるだけだ。」

 

 「そういえば、お兄さんの料理は柴田さん……」

 

 「キツかった……あの鬼めぇ!」

 

 「あはは……」

 

 嫌な思いを思い返し、都は辛い顔をする。

 

 それを見て、舞衣は苦笑している。柴田さんはかなり厳しい人……特に都に対して。

 

 おそらく、都を次期任執事として育てようと思っていたのだろう。それで都の料理腕もかなり上げた。

 

 「鎌倉に着くのがあと二時間くらい?(また食べている)」

 

 「うん、新横浜の乗り換えだよ。」

 

 スマホで確認したあと、舞衣はそう答えた。

 

 「折神家で御前試合か!楽しみだな!」

 

 「可奈美ちゃんは緊張より楽しみなんだね。」

 

 「だって色んな剣術が見られるんだよ!お兄ちゃんもそう思うでしょう?」

 

 「別に……俺はただ執事の身分でお前たちと付き合ってるだけだ。お前が楽しめるなら、俺はそれでいい。」

 

 明るく顔で可奈美に向う。見た目はいつもの都だが、可奈美から見たら、都はまだ昔のような剣術への熱情が取り戻せない。

 

 小さい頃のお兄ちゃんはある時期に鹿島新当流を興味津々学んでいたのに、今のお兄ちゃんはその熱情さえも失った。

 

 「………」

 

 「まぁまぁ、鎌倉の観光地点も多くて、降りたら一緒に歩こう?」

 

 「そうだね。そうだ、またデートしよう!三人で!」

 

 「俺は執事だが……」

 

 「そこは気にしない気にしない。舞衣ちゃんも何か話しあげて」

 

 「私もお兄さんとデートしたいです……駄目でしょうか?」

 

 おい、そこはずるいぞ!照れた顔で求めるんじゃない!つい甘やかしちゃうじゃないか!

 

 「お兄ちゃんとのデートも楽しみ!」

 

 「私も。」

 

 ……………だからそんな表情で求めんな!本当に甘やかしちゃうぞ!

 

 「柴田さんや孝則おじいさんにバレたら、殺されそう……」

 

 けど、最後に都が二人の甘い要求に負けた。

 

 「やった!」

 

 「ではどこから観光するのが調べよう」

 

 そう言って、舞衣はスマホで調べる。

 

 美濃関に入った日から都はいつも二人にそうされて、楽しく過ごした。

 

 まぁ、二人はそれがいいと思えるなら、それがいいなのですが……彼女の周りにいる異性は俺しかないみたいだ。

 

 ん?待て……これってまずくない?彼女達の彼氏はどうやって探すの?

 

 可奈美達の未来を少し心配となった都。しかし、彼が気付かなかったのは、あの二人がどんな感情で自分と向き合うのか……そもそも三人はまだ学生で、その感情すらも気付いていない。

 

 「でも、やっぱり先に行きたいのは折神家!」

 

 「そうだね、先に道を探すのも明日を備えるため。」

 

 「折神家か……確かに権力では日本首相と同じレベルの古い家だよね。」

 

 「うん、当主の折神紫様も刀剣管理局の局長であり、私達五箇伝を管理しているみたい。」

 

 「つまり大物だね……」

 

 都はあまりそういう地位が高いやつが好かん。でも、羽島学長みたいないい人なら許せる。

 

 「うん、彼女は20年前の大英雄。御刀を手にすれば、今でも最強の刀使という噂だよ。」

 

 「最強か……」

 

 「二人共?」

 

 最強という名を口に繰り返してた衛藤兄妹を見て、舞衣は少し嫌な予感をしてきた……。

 

 「悪い、最強という名を聞いて身体がつい反応しちゃった。」

 

 「私も。」

 

 「………紫様に喧嘩を売っちゃ駄目だよ。」

 

 「………」

 

 「本当に喧嘩を売ってる気!?」

 

 一瞬黙った衛藤兄妹を見て、舞衣は呆れる表情になった。

 

 けど、これも仕方ないことだ。

 

 この兄妹二人は美奈都の子供。例え都が剣への熱情が失っても、最強という名を聞いてつい身体が反応する。

 

 それに小さい頃から、都はずっと信じていた。

 

 自分の母が一番強いと……。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「ひゃあ、おっきい〜!」

 

 鎌倉へ到着したあと、可奈美三人達はすぐ折神家に到着した。

 

 大きな門が構えられた屋敷の前に、三人は立っていた。建物は由緒正しき日本の武家屋敷という造りで、日本に生まれた都はそれを日本での権力の象徴みたいなものだと示した。

 

 「ここが折神家……御刀の管理を国から一任されてるお家だよね。」

 

 「流石権力者の家だよね……これくらいは嫌くらいに普通よ。」

 

 「その話は決して親衛隊の前に言っちゃ駄目だよ!」

 

 言葉が毒に入れた都に舞衣は丁寧に警告する。

 

 そうしたら、都はただ「はい、舞衣お嬢様。」と答えた。

 

 その権力者への嫌味は長い付き合いの舞衣はよくわかっているけど、今はできる限り彼に我慢してほしい。

 

 「…………?」

 

 「どうしたの?可奈美。」

 

 「可奈美ちゃん?」

 

 その時、可奈美の視線が扉から道の方へ見る。その視線を追うと、そこには一人の少女が少し離れた位置に立っていることに気付いた。

 

 「あの制服は平城学館(へいじょうがっかん)の?」

 

 舞衣が彼女の制服を見ながら呟く。

 

 緑を基調とした丈がやや長い制服、あれは平城学館の制服の特徴である。

 

 制服の外観では都が好きそうなタイプ。やっぱり日本出身の人は大和撫子みたいな風格が好き。

 

 そういえば、前から学長から聞いた話から、あそこの学長は大和撫子の人。そうなれば、彼女は悪い人ではない!という特殊偏見を持っている都である。

 

 ちなみに平城学館は奈良県にいる五箇伝の一つ訓練学校。今回の御前試合の出場校の一つだ。彼女も可奈美や舞衣と同様に御刀を持っているだとすると、出場するかもしれない相手だ。

 

 「…………」

 

 腰まで下ろした烏の濡れ羽色とも呼ぶべき黒い髪に、端正な顔立ちと感情を現していない表情。冷静で理知的な雰囲気の少女。

 

 彼女を見て、都は彼女のことを何処かて見たような感じ。けど、思い出せない。

 

 そして、彼女は無言でこっちに歩いてきた。

 

 「ね、ねぇ! あなたも明日の試合に出るの!?」

 

 すれ違い様に可奈美から声をかける

 

 「………」

 

 でも、彼女を無視した。

 

 そんな態度に都はすげぇイライラする。

 

 良くも、俺の妹を無視しようなんで……!いい度胸だ!

 

 シスコンとして、妹が無視される程度は許さない。

 

 「おい!おま……!」

 

 

 

 キィィィィ――――

 

 

 

 都はあの平城の学生に喧嘩を売ると思っている一瞬、耳障りでよく響く音が脳を反応させた。その場にいた舞衣を除く三人はそれを感じた。

 

 「……………!」

 

 「……………!」

 

 「…………………!」

 

 平城学館の少女はすぐ振り向き、御刀の柄を右手で握り、抜刀の構えを取ったのだ。それに一瞬遅れて可奈美も少女と同じように振り向き、抜刀しようとする。

 

 そして、都も反射的に柳生新陰流無手型の構えを取った。

 

 「…………………」

 

 三人共の行動は反射的なものだった上に、それ以上のおかしな出来事もなかった……あの音以外に何も起きなかったのだ。

 

 平城学館の少女は軽く可奈美と都の方へ見て、構えを解く。そして、何事もなかったかのように立ち去った。

 

 「どうしたの?可奈美ちゃん、お兄さん?」

 

 舞衣は何も感じなかったのか、それでも彼女二人の異常の行動に尋ねる。

 

 きっと何かあったのだろう。

 

 「ううん、なんでもない。」

 

 「ええ、どうやら気のせいのようだ。さぁ、行きましょう。舞衣お嬢様。」

 

 二人は同時に適当に誤魔化し、都が二人を宿の方へ連れて行く。しかし、さっきの現象で都の心中に不安と混乱が生まれていく。

 

 なんだろう……変な感じ。

 

 それに……それを反応するのは俺一人じゃなかった。可奈美とあの見覚えがありそうな少女。

 

 彼女達は自分と“同じ現象を感じた”のは間違えない。なら……共通点はなんだろう?なんで“刀使でもない俺でも感じたの”?

 

 “今回の御前試合は何か起きそうだ”。

 

 不安の勘でそう推測する都は結構当たりそうで。

 

 そうなる前に、ちゃんと準備をしないと……。




ここは補充説明です。なんで都は可奈美と姬和しか感じられない共鳴を感じたのは、実は前からは既にネタが埋めました。しかし、それだけでは説明足りませんので、あとの話で説明します。多分ゲーム内出現した新キャラ日高見さんもするのでしょう。
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