可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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前が言ってた通りに御前試合は2話で分けます。次回はアニメ第一話の最後になります。そう思うと、「やっとここまでにたどり着いた……」って感じがする。少し疲れたが、まず読者さんたちに感謝しなければならない。

読者さん達のおかけでここまでにストーリーが進められている。感想の方はもっと多く増やしたいけど……無言でこの作品を応援してくれて誠に感謝いたします!これから先にもこの作品を応援してくださいね。

それでは、どうぞ。('・ω・')


第5話:御前試合と再会

 御前試合当日ーー。

 

 

 

 「うわぁ〜………すっごい!」

 

 昨日の折神邸の前のときのように可奈美は感嘆の声を上げた。確かに驚くところだった。

 

 この場、御前試合の会場に多くの人々が集まり、歓声や応援の声が飛び交っている。その中にも各学校の選手たちもいる。

 

 ちなみに、中央は正八角形の吹き抜けのようになっており、二階の観客席には各校の応援団、下の階の大きな壇上は試合のスペースになっている。

 

 「あれが試合する人たちかぁ……うん、やっぱり強そう!」

 

 可奈美がわくわくしながら、各学校の選手達に一人ずつ視線を移していく。

 

 気持ちがわかるが、少し落ち着け。

 

 可奈美と同じく少しわくわくしている都。彼もこの場にいる選手達の気圧に気分が上がったところ。

 

 もし、これは母の血なのかな?強者への興奮感?

 

 この場にいる各学校の選手達はかなり強い。

 

 まずは京都府の綾小路武芸学舎(あやのこうじぶげいがくしゃ)。全体的に灰色で、スカートの丈の長い制服だ。代表は茶髪、黒髪の生徒の二人組。見たところ仲が良さそうだ。

 

 見た目ではかなり強いが……多分“ミルヤ”さんより弱い。

 

 ちなみにミルヤさんは鍛治科の研修で出会った綾小路武芸学舎の刀使です。見た目は灰色髪の美人スタイルの人だが、彼女は刀に関すると変態になる。(字面の意味ですよ)

 

 それでも、都は彼女に好感がある。原因は彼女が持っている刀知識が多くて、研修期間で彼女に刀のことをいっぱい教われた。

 

 しかし、やっぱり彼女は出場しないのね……。まぁ、彼女の個性を考えると、試合より刀や作戦の方が重要なのでしょう。

 

 そして、都は次の学校の選手に視線を移す。

 

 次なのは都とかなり縁が深い学院。神奈川県の鎌府女学院(れんぷじょがくいん)

 

 白のブレザーに青色の襟、同じく青色のスカートという制服。代表は長い黒髪を纏めた生徒と色素の薄い、白髪に近い生徒。

 

 ーーー沙耶香(さやか)

 

 一目で都はすぐあの白髪の少女の名前を心の中で叫んでいた。

 

 一年前と全然変わってない顔と髪。身長も層々変わってない。

 

 彼女ーー糸見沙耶香(いとみさやか)。彼女の姿を見て、都は一年前のことを思い返す。

 

 一年前、彼女を守るために刀使と大喧嘩をした。その結果は負けたが……それでも彼女と再会の約束をした。

 

 沙耶香……代表になったのか……。

 

 親が娘の成長を見たような感じて、都は泣きそうな顔であの少女を見る。

 

 あの日以来彼女は強くなり、ここまでに辿り着いた。正直今はすぐ彼女の頭を撫でて褒めてあげたい。

 

 しかし、ここで都が知らなかったのは一年前の沙耶香の強さは特に鎌府のトップに近い。つまり滅茶苦茶強いということ。

 

 そして、三番目の学校は岡山県の長船女学園(おさふねじょがくえん)。代表は桃色のツインテールの小柄な生徒と金髪ロングの生徒だ。桃色の髪の生徒は気だるそうに、金髪の生徒は対称的に陽気な素振りを披露している。

 

 それにしても、胸が大きくないか?……外国人なのかな?

 

 金髪の生徒の胸の方に視線を移す。あの大きさは舞衣より大きい。

 

 「お兄さん?」

 

 そこで、舞衣は都の視線先を感じたのか……彼女は冷たい目で都の方へ見る。言語も冷たく、殺気も感じる。

 

 怖っ!ごめん!わざじゃないです!おっぱいに視線が吸い込まれたのは男性では仕方ないことだ!

 

 そんな舞衣にビビった都はすぐ舞衣の方へ向き。

 

 「舞衣ちゃんのほうが一番スキダヨ(声震える)。」

 

 「そう?ありがとう」

 

 なぜだか、そこで照れてしまった舞衣。その笑顔は可愛いですが、さっきのは怖かった……。

 

 「あの子、やはり試合の出場者だったんだ!」

 

 可奈美の声に引き連れされて、都は可奈美の視線先を追うと、そこにいるのは昨日出会った平城学館の黒髪の少女。そして、彼女の隣にいるのは人懐っこい雰囲気の人だ。

 

 黒髪の少女……可奈美と俺と同じくあの現象を体験した女の子。あれは一体どんな現象なのかは知らんが……きっと彼女は何かを起こす。

 

 彼女を注目する都。

 

 しかし、彼がそうした原因はこれだけではない。

 

 彼は彼女から底に見えない強さを感じた。この子は強い……認めたくないが、彼女は可奈美と同じレベル……もしや、それ以上なのかもしれない。

 

 ーーー強い、こんな感じは久々。

 

 ゾクゾクした心を押さえ、都は久々興奮してきた。あれは強者への興奮感だ。

 

 「可奈美、あの子と戦うときは気をつけろ。あの子はこの場で一番強い……」

 

 「………うん!」

 

 都からの警告を受けて、可奈美は慎重に応じる。

 

 可奈美がお兄ちゃんに「相手を気をつける」という警告を受けるのは今まで一度もなかった。つまり相手は相当強い。

 

 可奈美は平城の黒髪の子を見て、一刻早くも彼女と戦いたい気分が段々と増えた。

 

 「それじゃ、二人共は頑張れよ。俺は誰よりも君たちのことを応援するつもりだ。」

 

 さっきのゾクゾク感を隠して、都は可奈美と舞衣の頭を撫でる。

 

 そうしたら、二人は少し赤い顔で都に強く頷く。

 

 「うん!お兄ちゃんはちゃんと見ててね。」

 

 「頑張るから。」

 

 「うん!それじゃ、俺は先に観客席へ回します。」

 

 大事の二人と別れ、一度外に出て、都は別の方向に向かう。確か……観客席の入り口は外に設置したような……。

 

 観客席の入り口設置に都は面倒くさい感が感じる。中にいる階段は試合の裁判の司会が通る道らしい。

 

 だから都は外で入る道を探す。

 

 「ね、そこの君。」

 

 会場を半周回ってたところ、彼はある人物に呼ばれた。

 

 いや、正確いうと声に反応し、声主の方に向かう。

 

 「俺のこと?」

 

 「そう、少し付き合ってもらえないかな?」

 

 青年……いや、中性的な顔立ちの少女というべきか。

 

 褐色の短髪にその中性的な顔立ちと凜々しい表情。顔だけ見れば男に見えるだろう。しかし、幸いのことに彼女の胸が見える。

 

 結構膨らんだ胸なので、男ではないのが確かだ。

 

 そんな彼女が都を誘う。その光景はまるで王子様が自分を迎える光景だった。

 

 うわぁ……やばっ!イケメンだ!

 

 そこまで都に讃える人が早々にいない。しかも、女性をイケメンと……これだけ見ると、あの女性はどれほどイケメンなのかわかる。

 

 「悪い、俺は早く観客席へ行かねば。王子様の誘いは断らせていただきます。」

 

 「大丈夫、僕も同じ場所を目指すから。よろしかったら、一緒に歩きましょうか?」

 

 凜々しい顔で手を都の方に差し伸ばす、この光景は言うまでもなく第三者から見ればバラ色の背景が見えそう。

 

 「…………そこまで言うなら、乗ってやるよ。」

 

 今日、都が苦手のタイプが増えた。

 

 イケメンの女性の誘いは可愛い女性の誘いより断り辛い。

 

 「ありがとう。僕の名前は獅童真希(しどうまき)。」

 

 「美濃関学院……じゃなくて、柳瀬グループの執事の衛藤 都だ。」

 

 「執事もやっているのか……凄く似合っているよ。」

 

 「それはどうも。」

 

 自分より似合う人間に褒められたのは心情には複雑。それより彼女の名前はどこから……聞いたような。

 

 そして、都は彼女と一緒に観客席の方に向かった。

 

 そこで彼も彼女が親衛隊第一席獅童真希だと思い出した。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「俺は第五席?なんの冗談?」

 

 獅童真希に特別観客席に連れられて、そこで彼女から御前試合が終わるとすぐ彼を第五席への昇進という話を聞かれた。

 

 「君は紫様に選ばれた人材だ。あなたの剣技と実力も紫様に認められたのよ。」

 

 「だからなんの冗談なんだよ!俺、刀使ではないのよ?そんな人間に親衛隊に入らせたら、折神家も色々な文句をつけられるのよ!」

 

 「………そうだね。けど君の才能が必要なんだ。さっきのことを聞いて、すぐそのリスクを察する能力は実に素晴らしいものだ。」

 

 「…………それは普通よ。それはともかく、折神家はどうする!いや……折神家がどうやるのかわかるんだけど、俺にはやりたいことがあるんだ。」

 

 そう言って、都は観客席の方へ見る。正確いうと美濃席代表の休憩区の方へ。

 

 あそこにいるのは何より大切の二人がいる。

 

 「それでも、構わない。例えあなたが昇進されても、紫様はあなたの意願を尊重する。僕もあなたがどれほどあの二人を大事しているのがわかる。」

 

 「…………例え第五席になっても俺はあの二人のことを最優先する。命令なんて聞かないよ」

 

 「……………」

 

 流石の獅童真希でも、彼の口に出した決意に黙らせた。

 

 都の決意は誰よりも強い。ただあの二人のことのために、折神家に恐れずその態度に獅童は尊重する。

 

 そして、彼女が思うんだ。

 

 もしその決意が紫様に向けば、彼は最高の親衛隊のメンバーになる。

 

 「…………なら、あの二人が卒業後、あなたの部隊に入らせたら、どうですか?」

 

 そこでもう一人の女性がこの特別観客席に入った。

 

 都がその女性を見て驚いた。

 

 「…………此花(このはな)さん!?なんて……お前は親衛隊なのか?」

 

 彼女が着ている制服が獅童真希が着ている制服と同じデザイン。それはつまり……彼女は親衛隊の一人だ。

 

 「もう知り合ってたのか?寿々花(すずか)。」

 

 「ええ、あるパーティーでたまたま。それより、さっき私の提案はいかがです?なかなかいい提案だと思うけど」

 

 完璧……いや、ほとんど返す文句がない。

 

 刀使がやっている以上に、その仕事が諦めるわけにはいかない。つまり未来がどうあれ彼女がやりたいことなんで影響しない。

 

 「いい提案だと思う。……しかし、まさか此花さんが親衛隊の者だなんて…」

 

 「気に入らないですの?」

 

 「いいえ、ただ前で見たあのドレス姿の寿々花が恋しいと思って……」

 

 確か、あのときドレスを着ている此花はとてもきれいだった。

 

 もちろん今の制服姿も素敵だと思うけど、やっぱり一番好きなのはドレス姿の彼女。

 

 「あなたは羞恥心がないですの?」

 

 僅かだが、寿々花の顔が赤くように見える。

 

 「いや、俺はただ素直に言っただけ。」

 

 「男性版の真希さんですか……」

 

 「どうしてそこで僕の名を?」

 

 「自分の胸を触って、よく考えてください。それと、そろそろ始まりますわよ。」

 

 寿々花が獅童の左に、都が獅童の右に。三人一斉に綾小路の代表と平城学館の代表が場内に入ることを注目した。

 

 これは御前試合の初回戦。しかも、ちょうど良かったのはあの二人は獅童と寿々花の後輩である。

 

 自分の後輩の表現を注目しない先輩なんでいません。

 

 「私の後輩とあなたの後輩との勝負ですね。」

 

 「……」

 

 試合に注目した獅童と都が同じ人物を見た。

 

 理由が大部に近いけど、すれ違いだ。

 

 「礼、双方構え。」

 

 司会の合図に応え、お互いが礼をした後、御刀を抜く。

 

 「小烏丸(こがらすまる)……!?」

 

 平城学館の人が抜いた御刀を見て、都が口に滑ベた言葉に注意が彼に逸らせた獅童。

 

 「知っているのか?あの刀を」

 

 「………俺は一応鍛治科の人なので、御刀に関する知識は誰にも負けない自信がある。」

 

 「そうか……頼もしい第五席だね。」

 

 「ご冗談を。」

 

 本当になんの冗談なのよ!なんであの子が持っているはずの御刀があそこに……!それとも……あの子は。

 

 都は一度あの御刀をこの目で見ていたことを獅童に教えられなかった。

 

 本能なのか、彼は他の人にあの子のことを教えたくない。

 

 お前はあの“姬和(ひより)”なの?

 

 名前が同じなら、ただの偶然。でも彼女は本人だとしたら、彼女は………。

 

 「写し。」

 

 双方が写しを使って、それぞれ流派の構えを取った。

 

 やっぱりあの子だ……十条姬和(じゅうじょうひより)だ。あの鹿島新当流は何よりの証。彼女以外の使い手はいない!

 

 姬和という平城学館の代表の構えを見て、都は一瞬確信した。

 

 これはあの子と十年以上ぶりの再会だ。

 

 「始め!」

 

 試合開始の合図。最初の数秒はお互いの出方を探る。そして、姫和が御刀を刺突の構えに変えた瞬間、彼女の身体が刹那の間に消えた。

 

 彼女は一瞬に綾小路の生徒の懐へと移動した。そのまま大きく一閃。綾小路の生徒の胴体を真っ二つに切り裂き、写シを剥がした。

 

 「勝者――平城学館、十条姫和。」

 

 勝負宣言とともに場内が大きく……主に平城学館の歓声が上がった。

 

 圧倒的、華麗とも言える試合だった。けど姬和の表情が何かおかしい。

 

 それを気付いたのがこの場には都一人だった。

 

 彼女は昔にはこういう表情ではなかった……確かに冷静で、少し冷たい子だが、あんな表情で試合に勝利したのはおかしい。そもそも、あれは対戦者を“相手にしていない”。“試合に勝つことよりも、別の目的のために戦っていたような”。

 

 姬和……この十年何か起きた……。

 

 「……結構レベルが高い迅移でしたわね。」

 

 「そうだな。小烏丸の使い手か……適合者がないだったはず」

 

 「真希さん?」

 

 「いいえ、なんでもない。それより、さっきの迅移を見たか?」

 

 獅童から質問が投げた。恐らく彼女に試されている。

 

 「見たところは何も、一瞬で試合を終わらせたのよ。確かに剣筋はきれいだけど、あれは刀使の能力さで勝負を決めたのよ。」

 

 まぁ、相手はそこそこ弱くないけど……。

 

 「そうだね、悪かった。あなたを試すような真似を」

 

 「いいえ、むしろこれは普通よ。俺のような人を親衛隊に入らせる事態で多少実力の面が心配なんでしょう。」

 

 「いい観察なんだね。」

 

 「だから普通って……。」

 

 そう、俺がすることはただ一般人の視点から考えてただけだ。特に特別のことなんじゃない。

 

 都が考えてたうちに、もうすぐ第二試合が始まり。そこで都と他の二人がこの試合を集中する。

 

 「あの子は鎌府の糸見沙耶香でしたかしら。」

 

 「ああ、そうだ、高津学長がよく自慢気に話している子だな。」

 

 「沙耶香……可奈美。」

 

 第二試合は沙耶香と可奈美との勝負。都の心境ではとても複雑。

 

 どっちでも応援したい気持ちが彼の胸の中から湧き出した。

 

 よりによって、早速あの二人が対決するとは……。

 

 「…まあ、彼女が勝つだろうけどな……」

 

 「そうですわね。任務達成率100%の子が紫様の右腕に相応しい刀使でしたわね。」

 

 そこで都と違って、親衛隊の二人は沙耶香だけを注目する。彼女はどんな任務でも達成できる優秀の刀使。前々から獅童も彼女のことを注目していた。彼女なら第六席の位置に相応しいのだろう。まぁ、自分の思いが知る寿々花の態度があまり良くないけど。

 

 彼女が入隊した後にでも寿々花をうまく説得すれば、すぐ和解するのだろう。それに、結芽とも仲良くしてもくれそうだと楽観的なことも考えてもいた獅童。

 

 「…………それはどうだろ?うちの妹を舐めんなよ。」

 

 二人の会話を聞いて、都は少しイライラの態度。しかし、その声はわざと二人に聞けないようにしてた。

 

 どっちにしろ、可奈美は負けない。

 

 「頑張れよ、二人。」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 わくわくする気持ちが止まらない。

 

 さっき第一試合を見た可奈美の身体はゾクゾクしてきた。まだ判断するのが早いが、確かにお兄ちゃんの言う通りあの子が強い。

 

 そして、目の前にいる対戦相手もきっととても強い。本能が可奈美にそう教わった。

 

 「礼、双方構え。」

 

 強者に向けたわくわくした高ぶる気分が可奈美の顔さえも示されていた。

 

 それを見て、観客席にいる都もわかる。あの子とてもわくわくした状態だ。流石、剣術馬鹿(世界一番誇る妹)

 

 「写し。」

 

 陰剣(#御方のこと)……一刀流?

 

 相手の初期構えを見て、可奈美は思わず相手の流派を推測する。

 

 「始め。」

 

 試合が始まった合図と共に、相手は凄まじい迅移を使い可奈美を襲う。

 

 迅移ーー!早い!

 

 口でも反応できない速度に可奈美はぎりぎり初撃を防げた。でも相手が流れるような怒涛の連撃で可奈美を倒そうと動く。

 

 この子強い!

 

 感想をつけながら、最低限の動きで相手の攻撃を避けて、避けられない斬撃を防げる。

 

 見るだけで可奈美の知り合いの人にヒヤヒヤさせられた激しいの攻防戦で可奈美は冷静で相手の動きを読み、対応動作を作り変えていく。

 

 ただ一方的な防衛だが、可奈美は自分の流派をうまく扱う。そして、彼女は今まで都との数百回の立ち会いで聞いたことを思い返す。

 

 「強い相手を倒すには、相手の動きをよく見ること。それは柳生新陰流の特徴だ。」

 

 「しかし、それだけでは足りない。目に頼っぱなしじゃ相手を倒せない。目が見えない状況に落ちれば、負ける。」

 

 「故に、相手の呼吸と剣が空気を裂く音もよく聞くんだ。そして、相手のこともよく感じるんだ。そうすれば、剣の先へ一歩進める!」

 

 よく見る、よく聞く!よく感じ取る!

 

 まるで踊るような動きで、相手の斬撃を何度も避けて。

 

 そして相手の一瞬の隙を突いて、下から掬い上げるような斬撃で御刀を持つ相手の左腕を斬り飛ばす。

 

 「……………あっ。」

 

 左腕が切り飛ばされて、対戦相手は思わず驚愕の声を漏れた。

 

 そして、意外な試合結果に観客は驚き、会場内は大きな歓声を上げていた。

 

 この勝利は可奈美側の人間以外に彼女を見ていない状況下の勝利である。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 「楽しかった〜。沙耶香ちゃんだっけ?今日はありがとう!凄い剣技を見れたよ!」

 

 試合終了後、可奈美は御刀を収まり、対戦相手の糸見沙耶香に楽しそうな表情を見せた。

 

 そして彼女はすぐ美濃関の休憩場に戻って、自分の親友に勝利のタッチを。

 

 けど、沙耶香はただ無口で地面に挿された御刀を抜いて鞘の中に収まる。

 

 その鞘に猫のぬいぐるみの飾りがつけていた。

 

 負けた……あの人が見えたのかな。

 

 負けたという感情に襲われて、沙耶香は凄く落ち込んでいるように見える。

 

 これであの人の期待に応えられない……。

 

 ぬいぐるみをきゅーと握って、沙耶香はこんな気持ちを抱かいて鎌府の元に戻る。

 

 今日は特に胸が痛いーー。

 

 そんな時にーー。

 

 「ん?これは?」

 

 こんな歓声に包囲された環境で誰でも気付かない何かが沙耶香の頭をぶつかった。

 

 そして、それを常人に超える反応で地面に落ちる前に手で接する。

 

 あれは小さい飴と箸だ。

 

 ん?箸?

 

 飴はともかく、箸はこの場にはいなかったはず。

 

 「ーーーあっ。」

 

 そして、沙耶香はその箸に刻んでいた小さい文字を発見した。

 

 「おつかれ、サヤカ。」と書いてある。

 

 それを見て、沙耶香は急ぎにこの会場を見回る。

 

 沙耶香は体がなぜその行動を取るのが分からない。けど、彼女はわかるんだ。これを投げた人は。

 

 そして、やっと見つけた。

 

 特別観客席に紫髪の男がいた。彼は間違えなくそこで自分を見ている。

 

 ーーーさっきの試合を見ててくれた。お疲れと言ってくれた。

 

 そこで、胸が急に熱くなり、辛くなってきた。

 

 けど沙耶香は嫌いじゃない。やっと会えたから。

 

 ーーー都。

 

 心の中に彼の名を叫んだ、そして沙耶香は初めて小さく笑った。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「…これは、また意外な結果になりましたわね。」

 

 意外な試合結果に驚いた顔が隠せない寿々花。まさか美濃関はそのような実力者があると思わなかった。

 

 それとも……彼女は衛藤 都の妹という故か?

 

 「あの子の名前は…衛藤 可奈美か……覚えておこう」

 

 「うちの妹を親衛隊に入るつもり?」

 

 さっきのおかしいの投げ動作が終わった都はある方向に向き続けて、獅童に話をかける。

 

 「それは、この大会が終わってから考える。しかし、お前の妹は凄いよ。お前の教えか?」

 

 「いや、母の。俺たちの剣技は母に鍛えられたもの。可奈美はそれを進化させたのよ。」

 

 実は都もそれを進化させ、さらなるの境界へ至った。しかし、本人はそれを認めていない。

 

 特に昔からはもう剣を手放したから。

 

 「そうか……。」と応えた獅童は勝利した美濃関の可奈美の方へ見る。

 

 第五席の妹か……仲間の家族を疑うのが良くないが、“舞草”との繋がりがないかどうか、ちゃんと調べなければ。

 

 彼女の実力はもう親衛隊に入れる資格がある。あの糸見沙耶香を倒せるほどの実力なら、親衛隊にとっては大事な戦力だ。

 

 もし彼女と舞草との繋がりがないなら、紫様に彼女の親衛隊入りを強く推薦したい。それに、彼女が入ることで、多少第五席の評価も変えられる。同じく美濃関出身の二人が親衛隊の隊員だと世間の刀使達に知られたら、例え衛藤 都は刀使じゃなくても、彼を受け入れる人間も現れるのだろう。

 

 それに、結芽も喜ぶのだろ?第五席はともかく、他の二人もかなり強いから、これで少しでも彼女の退屈が消せるかも。

 

 それから御前試合がうまく進み、途中にまた姬和の表現に驚いた三人だが。都の方はすぐその冷静さを取り戻した。

 

 彼の予測通りにあの子は問答なく可奈美の最大の対戦相手として出るのだろう。

 

 そして、その後はすぐ準決勝までに進み。同じ準決勝の美濃関同士の柳瀬 舞衣と衛藤 可奈美の試合がやって来た。




ここではご説明します。まず主人公とツンデレ代表の姬和ちゃんは昔の知り合い。小さい頃の都は美奈都に篝のところへ連れられて。そこで姬和と知り合った。二人は結構長い時間に付き合って、お互いのことをよく知っている。しかし、美奈都の死が始め、両家の交流が切断された。それ以後、都は一度も彼女と会えなくなった。
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