可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す! 作:黒崎一黒
そして、スマホゲームの方を見て、改めてあることを気が付きました。舞衣ちゃんは天使でした。
「可奈美、無事のようで何よりだ。」
青年ーー衛藤 都は安心した顔で
「お兄ちゃん、どうしてここに!?逮捕されたじゃなかったの?」
「もちろん、あんなことをやって長い時間に尋問されたが、シロだと判明されて無事に解放された。心配してくれてありがとう。」
「ーーそうか、良かった。」
安堵した表情、可奈美は兄の無事に息を吐く。
「可奈美、警戒を解けるな!」
しかし、そこには都のことを警戒し続けている姬和がいる。
「え?でも、お兄ちゃん……」
「お前、なぜ私達の居場所を知っている!それと、何しに来た!」
抜刀の構えを取り、姬和は相手を脅すよう強い敵意を示す。これは一つの心理戦法である。
相手に例え無力な人間だとしても、御刀で斬ることができることを知らせる。そうすれば相手も強引な行動を取れない。
「ーーまず、居場所から説明する。俺は可奈美との認識から彼女はちょっと正義感が強い子で、荒魂が出現したら、放っておけないという可能性が高いと推測してやってきた」
「…………そうだな。」
「二人共!?」
横目で可奈美を見て、姬和は都の推測に認めた。
本来、姬和は荒魂を他の刀使に任せているつもりだが、可奈美に無理矢理説得された。
「それから、ここに来る理由についてはただお前が折神紫を狙った理由を知りたい。」
「…………悪いが、教えることができない。」
「………信用しないのもわかる。でも俺はお前たちに手助けをしたい!」
「なぜ?お前はお前の立場をちゃんとわかっているだろう!また、あの時のようなことをすると、お前はまた折神家に疑われるよ。」
「ーー心配してくれてありがとう。けど、そんなことより妹の方が重要なんだ!」
可奈美の方へ見て、都は真面目の顔をした。
「彼女のためなら、折神家でも喧嘩を売れる覚悟がある。決して誰にも彼女を傷つけさせはしない。」
「お兄ちゃん……」
「ーーお前、狂っているのか?」
都の発言に呆れられた姬和。
彼女から見ると、きっと目の前の男は狂っているように見えるのだろう。折神家に敵を回すということはこの国全体と敵に回るということだ。
ただ妹を守る程度のことでこの国全体と敵に回すのは普通ではありえない。
「……俺はただ妹を大事したいたげの兄だ。そして、お前のことも助けてやりたい。」
「なぜーー。」
警戒がさらに上がった。
「…………可奈美はお前のことを信用しているからだよ。」
「そんな理由で……」
「ああ、だから言っただろう?妹のためになんだってやるさ」
「…………」
「姬和ちゃん、お兄ちゃんを信じよう。そこまで言うから、私達に危害を加えないよ。」
「………わかった。ひとまずお前のことを信じよう。」
構えを解け、姬和はいつもの態勢を戻す。
「ありがとう、“姬和”。早速ですが、ここから離れよう、でないと折神家ーー」
「お兄さん!下がって!」
そこで、いよいよ事態がうまく行くときに予測外の一声がこの三人の耳に入り、三人はそれぞれの反応をした。
「ーーーーッ!?」
「ーーーッ!」
「舞衣ちゃん!?」
そして、その声主は都を庇う態勢で姬和と対峙する。
「お兄さん、怪我はない?」
「舞衣様、どうして………」
舞衣は御刀を抜く状態で都を庇う。
なんて……お前はここにいるのよ。
例え携帯端末に備えられているスペクトラムファインダーを使って、この場所に荒魂が出現したことを知ったとしても、他の刀使たちよりも早く到着したということはおかしい。
もしや、彼女はこの近くにいるから?いや、でも……なんでここを知っている?
「昨日の可奈美ちゃんとの電話、その音声データを柴田さんに解析してもらったの。そして、スペクトラムファインダーでここに荒魂がいるのがわかったから。」
ーークソ爺、余計なことをしないでください……
都は心の中で先輩執事を叱っている。本来、舞衣に来て欲しくないと思ったのけれど。
「それと、お仕置きはあとですからーーそこでじっと待ってて」
「…………えっ?」
お仕置き?俺に?それとも可奈美に?
舞衣の少し怒っている様子に都は僅かの寒気を感じた。
「また、お前の知り合いか?」
「うん、舞衣ちゃんは私の親友で……」
「親友だと言うなら、なぜ御刀を向けている?」
「私は可奈美ちゃんの親友です。親友だから、可奈美ちゃんは私が助けます。」
写しを纏って、舞衣は臨戦状態だ。
「ちょっと、二人共。なんで御刀を!?」
そして、姬和も写しを使い、臨戦状態を保つ。そのせいで、この場の雰囲気がまずくなった。
「舞衣様……」
「お兄さんは黙ってて」
都を黙らせて、舞衣は可奈美の説得を始めた。
きっと彼女も可奈美と戦いたくないだろう。
「可奈美ちゃん、聞いて。私、羽島学長と約束したの。今戻れば罪が少しでも軽くなるよう全力で助けてくれるってーー」
「…………」
「可奈美、これはいい機会だ。お前は帰れ」
「そんな!姬和ちゃん……」
「ずっと考えてた、お前に迷惑をかけたくない。お前のお兄さんと友達もお前のことが心配している。」
「姬和ちゃん……」
そして、向こうもどうやら可奈美をこちらに戻らせると考えている。
でもーー。
「それと、もう一つの条件がある。十条さん、あなたも一緒に折神家に同行させてもらえます。」
舞衣の一言にそんな希望が破れられた。
「残念だが、それは協力できない。」
姬和は鹿島新当流の構えを取る。彼女はさっきより戦闘意識が高くなる。
「協力しなくてもいいです。私が力ずくであなたを制服します!」
「やってみろーー」
そして、現場での緊張の雰囲気が最高点に至る。舞衣から先攻を取った。
「舞衣様ーー!」
声が届かず、舞衣は姬和と交戦始めた。
お互いは迅移を使って、数回の攻防を行っていく。
そして、ただの数回の剣と剣のやり合いで都はあることを気付いた。十条姬和は明らかに劣勢に落ちていること。
御前試合の彼女なら、そこまで弱くないのに……もしかすると、決勝戦ときの傷はまだ治ってない?
「くっ……!」
「私はこの一年半……ううん、可奈美ちゃんと知り合った日から、ずっと可奈美ちゃんの剣を受けてきました。」
「十条さん、あなたの剣は鋭いですが、可奈美ちゃんよりまっすぐで見やすいです。それに、昨日見た剣筋はーー足りません!」
舞衣の動きがさっきより早くなり、その速度は姬和にも反応が取るのは遅れている。
しまっーー
舞衣の攻撃が姬和に届くその瞬間ーー舞衣の攻撃が弾けられた。
「ーーーッ!」
彼女の攻撃を弾けたのは可奈美。
そして、彼女はとても悲しい顔だった。
「可奈美ちゃん……なぜ?」
そして、舞衣も同じ悲しい顔だ。
それを見た都も心が痛くて仕方ない。
「舞衣ちゃん、ごめん……私はまだ帰っちゃだめ。私見たの。あのとき……姫和ちゃんが御当主様に斬りかかったとき。何もないところから二本の御刀を取り出して……そのときに、御当主様の背後に……荒魂の目がいる!」
「え……」
舞衣はその『荒魂』という単語に疑問と、驚愕、そして半信半疑といった風の表情に染められる。もちろん、都も同じ反応だ。
ご当主様は荒魂?冗談じゃない。見た目は普通の人間に見えるのよ!
けど、もしそう解釋したら姬和の行為は話が通じられる。
でも、荒魂が人間の姿にはあまりにも……。
「お前にも見えていたんだな。」
「うん、僅かの一瞬ですけど……」
「姬和、それはお前の理由なの?」
「そうだ……。信じられない話だけど、あの折神紫は大荒魂だ。」
偽りがない瞳とその口調……都にはわかる。姬和が言っていることはたぶん本当だ。
けど、よりによってあの大英雄は大荒魂とは……つまり、日本はずっと大荒魂の支配下にいるってこと?
そう思うと、気分が悪くなる。
「何を……言ってるの?可奈美ちゃん。 御当主様が荒魂だなんて……あの人は大荒魂討伐の大英雄で――」
もちろん、刀使にとってはそれはあまりにも荒繆のことだ。だって、彼女ーー折神紫は刀使達の憧れ、頂点に立つ大方だから。
「違う!」
困惑する舞衣の言葉を遮って叫ぶ姫和。
「奴は二十年前の、その討伐されたはずの大荒魂だ!」
彼女は憤りと悔しさが
「じゃあ……刀剣類管理局も、伍箇伝も……」
「ああ、荒魂に支配されている状態だ」
舞衣は未だ半信半疑の状態は解けていない。けど、さっきも言ったように、姫和が全身全霊で紫を討とうとした理由も、可奈美がここまで必死になって姫和と一緒に逃げている理由も、折神紫の強さの理由もそれを解釋したら話が通じる。
「お兄さんは……知ってたの? このこと……」
舞衣は助けを求めるかのように都に尋ねる。都は数秒黙っていたが、やがて口を開いた。
「いいえ、舞衣様と同じくさっきまでは知らなかった。」
それは本当の話だ。けど、舞衣ちゃんと違って彼は姫和が言っていたことを受け入れる。
なぜなら、姬和のその表情は……哀れくらいに助けてやりたい。
この十年間は彼女はそれを知っていて、一人で悩み続けた。そんな大事なときに……自分は彼女のそばにいなかった。
「けど、俺はそれを信じる。十条さんのその表情は何よりの証拠だ。」
「そっか……お兄さんもそう思うなら。わかった、可奈美ちゃん、行って。後のことは私がなんとかするから。」
「うん。ありがと、舞衣ちゃん!」
舞衣を諌めたところで、遠くからサイレンの音が響いてくる。刀使とノロの回収班がこの場に近づいているのだ。ならば、可奈美と姫和が今この場にいるのは危険すぎる。
「舞衣様、じきに折神家に勘づかれます。」
「う、うん。可奈美ちゃん、これ。持っていって」
舞衣はポケットからクッキーの入った袋を取り出し、可奈美に手渡す。
「これ、舞衣ちゃんのクッキー!? ありがと、後で姫和ちゃんと食べるね!」
お気に入りの舞衣の手作りクッキーにはしゃいでいる可奈美。それに対して、姫和は放り捨てていたパーカーやギターケースを拾い、逃走の準備をしていた。
「早く行くぞ。長居はまずい」
「お待ちください、“十条さん”」
「ーーおっと、これはなんだ?」
姬和は都から投げられたものをキャッチして、それを訊く。
「後ろに書いてあります。では、お気を付けて」
「…………わかった。ありがとう、あの時も助けてもらって……」
あの時……御前試合の時か。
「いいえ……お礼を言うほどの礼じゃありません。ええ、本当に……。」
悔しくて、都は拳を強く握る。
できれば、あの時のお前のそばにいたい、助けたい。
そして、姬和たちと別れを済ませた後。彼女達はすぐこの場から離れた。
「お兄さん、さっき渡したのは?」
「秘密は執事の神秘の魅力ですよ。舞衣様。」
「………そう。では次は“お仕置き”の時間ですね。」
「はい……はい?」
「お兄さんは私を騙して、一人で可奈美ちゃんたちを捜索することは私はまだ許していませんよ。」
「……………」
怖っ!御前試合より怖い!
今は笑顔だが、滅茶苦茶怖いーー!!!
「逃げることも許しませんから。」
腕が組まれて、腕は舞衣の胸に当たった。
けど、その幸せの感触は今だに感じられない。なぜなら彼女は滅茶苦茶怒っている。
そういう感触はそんな恐怖感に抑えられた。
「…………モウシワケゴザイマセン」
「謝っても、許しません♡」
この日、都はよくわかった。舞衣はこの世、一番怒っちゃいけない人間だと。
◇
「先程渋谷区代々木神園町に出現した荒魂を、衛藤可奈美、十条姫和の両名と共に討伐。しかし、あと一歩のところで取り逃がしました。報告は以上です。申し訳ございません。」
「……時間の無駄でしたわね。」
可奈美と姫和を見送った数時間後、舞衣と都は刀剣類管理局の捜査本部に戻り、今回の件の報告をしていた。
無論、本当のことを話すわけにはいかない。荒魂の討伐に向かい、確保しようとしたが逃げられたという筋書きにしておいた。報告を受けた親衛隊の此花寿々花は残念そうにため息をつく。
「居場所を特定できただけでも十分よ。二人とも休んでいて」
同じく、捜査本部のモニター席に座っていた美濃関の羽島学長からは労いの言葉を貰ったが、親衛隊の二人、真希と寿々花の顔は苦々しい。ようやく掴んだ二人の手がかりが、またなくなったのだ。まぁ、このくらいは予測済みだ。なんにせ
それにしても、逃走の翌日で早速彼女たちを見つけ出す能力は人材としては、都はかなり優秀の類だ。
「はい。では、失礼いたします。」
「待って、衛藤 都。」
「………なんでしょう?」
突然親衛隊の獅童に呼ばれ、都は彼女の方へ睨む。
そして、隣の舞衣は不安そうな顔をしてた。
「この件は紫様にご報告いたします。あなたの任職については少し待っていてくれ」
「真希さん……」
獅童はまだ都の勧誘に諦めていないようだ。そして、彼女の思いを知っていた寿々花は小さくだめ息をついた。
確かに彼は優秀の人材ですが、彼が叛逆者達を掴んでいない限り、外から彼に対する評価は変わらない。
「……わかりました。舞衣様、行きましょうか」
「う、うん!」
都と舞衣は一礼して部屋から出ようと思っていた。が、向かおうとした出口のドアがノックもなしに乱暴に開けられ、思わず足が止まる。
「何をやっている、親衛隊!!」
一人の女性が声を荒げながら入室する。紫髪に赤いスーツ、ヒールを履いているせいか結構な長身に見える。年齢は三十代半ばといったところか。
そして、何よりその高圧的な態度と口調だ。部屋中のほとんどの人間の表情が一気に嫌悪感を含んだものに変わる。
また、この“ババァ”か……。
彼女を見て、都も嫌悪感を表情に強く表した。そして、一年前の嫌な記憶も脳内に浮かべた。
一年前、彼女は沙耶香に精神的の痛みを与えた(多分)。そんな怯えた沙耶香を見つけ、都は衝動的に彼女を守ろうとしてた。
あんな小さい女の子をビビらせるのは都は許されなかった。あの時、彼女はお腹が空いているのよ!少し彼女の我が儘を聞いても良かったのに、そんな悪そうな口調で彼女をまるで道具みたいに呼び使うのは納得いかない。
「高津学長、いらしていたんですか」
真希がその女性の名前を呼ぶ。
「当然です!私は一応現場の指揮官ですから。それより、叛逆者達はまだ捕まらないですの!」
「ただ今は追跡中です。それと、紫様のご命令は親衛隊をしばらく待機ですので、今のところは指揮代理の任を」
「チェ……使えない奴らだ。」
小声で文句を口に漏いた、そんな声は都と獅童は見逃さなかった。
それでも、獅童は彼女を無視した。恐らく慣れていたのかもしれない。流石、王子様。
そして、高津学長は舞衣を一瞥すると、早足で詰め寄り問い質す。
「ん?貴様が報告にあった刀使だな!? なぜすぐに応援の要請をしなかった!」
舞衣は責めるような高津学長に気圧されてしまうが、咄嗟にそれらしい理由を述べた。
「それは……ノロの回収を優先すべきだと判断したので」
「ノロなど放置しろ!」
「………」
都は横でそれを聞いていた。もちろん、彼は“あの時”みたいに凄く怒っている。
沙耶香の件とはいい、今度はもっと大切の人が彼女にあんな態度で叱られるなんて……すぐ我慢の限界に近い。
けど、この場は羽島学長がいる。彼女の前に失礼の挙動はできない。
それと、獅童からの目線も我慢してほしいと伝わってきた。
「あろうことか、荒魂の鎮圧に協力するなど……まさか、逃亡を
「いえ……そんなことは……」
高津学長は舞衣の眼前でギラギラした目つきと罵声で彼女を威圧する。舞衣もまだ中学生の少女だ。大人から暴力的な姿勢で怒鳴られれば萎縮してしまう。
そんな怯えていた舞衣を見て、隣に我慢続けた都はもう我慢ができなくなる。
悪い、獅童さんーー“どうしても見逃せないだ”。
「そろそろいい加減にしたら、どうですか。クソババァ」
「クソッ……!?貴様……!誰とあんな口調でーーっ!?」
都は二人の間に立ち、話を中断させた。
「貴様っ!あの時の!」
そして、クソババァという良くない言葉に怒らせた高津学長は舞衣から注意を都に移した一瞬に彼を見ていて息を呑んだ。
「ああ、お久しぶりです。一年前でしたっけ?あの時はお世話になりました。」
「なんて貴様がここに!」
「この度は柳瀬舞衣様の執事を勤めさせていただいた衛藤 都と申します。それと、さっき舞衣様への無礼は執事として見逃しません。彼女に謝っていただきたい」
「なんで、私はこの小娘に謝らなければならない!彼女のせいで……待って、衛藤……貴様はあの叛逆者の親族ですね!つまり貴方と後ろにいる娘があの二人を逃したということですよね!」
「あまり舞衣様を責めないでください。舞衣様は市民の方々の安全と荒魂の再出現の危険性を踏まえた上での行動を取られたまでです。刀使としては正しい行動です。」
「正しいだと? 刀使として本当に正しい行動というのはな、紫様のために動くことだ! 貴様たちの今回の失態は明らかだろう!」
「それは理不尽な言動でございます。刀使一人と一般人一人では御前試合決勝選までに進む決勝選手の二人を制圧するには難しいかと……」
「それでも、隙をついて連絡する程度は――」
「それは俺一人の責任ということです」
「……! お兄さん!?」
隣の舞衣がようやく反応し、割って入ろうとするが、都は優しくそれを制し、話を続ける。
「俺は確かにあの逃亡者の親族です。多少に私情で彼女たちを見逃す可能性がある。実際はそうでした……俺はわざと彼女たちに人質を捉えられ、舞衣様に救援の要請を遅らせた。」
「そんなことーー」
「ですから、俺の責任です。舞衣様は何も悪くない。」
「ーーーッ!」
都の自己犠牲を見て、舞衣は苦しそうだった。
いや、彼女だけではない。親衛隊の人もそうだった。
いくら彼が怒っても、その怒りを抑えて、まず最愛の人の無罪をして欲しいという気持ちは獅童と寿々花は見てられなかった。
「そこまでにしておこう、衛藤 都と高津学長。」
「な、何をーー!」
「少し黙ってほしいです。高津学長。今すべきことは御当主紫様のために逃亡者の行方を突き止めることです。ここは貴方の喧嘩売り場じゃないですよ。」
気圧が一瞬に獅童に抑えられて、高津学長の偉そうな態度は少しでも弱くなった。
「それと、彼の説明した通りに彼が人質として捉えられて、救援要請を遅らせた。つもり、これは仕方がないことです。」
「刀使ではない人間は刀使に逆らうことができない。それはこの世の常識ですよ。」
「た、確かに……まぁ、いいわ。この度の件はなかったことにしましょう。お前ら、さっさと宿舍で待機していろ!もう要件が済んだ!」
なんてお前はすぐ偉そうな態度なの?お前のプライドはどんだけ強いんだ。
またその態度を示す高津学長を見て、都は心の中に彼女をひどく罵った。
けど、このままでは行かねぇ。
「謝り……俺の、大切な主人柳瀬舞衣様はまだ貴女の謝りを聞いてないのですけど」
「お、お兄さん。そ、それは!」
「私はなぜ謝らなきゃならない!よく聞け、あなた達は所詮刀使と一般の人間に過ぎないのだ。そして、この件はーー。」
「謝ってください……でないと、次回は一年前のような失態だけじゃ済まない。俺は徹底に貴女のプライドを踏み潰します。」
「……………っ!」
都は本気の目で高津学長のことを睨む。
それを感じ取った親衛隊の二人は何の動作もない。
それを知り、都は少し彼女たちに感謝の意をする。
「………すみません。」
「大声で!」
「ぐっ……!申し訳ありません!」
悔しそうな、屈辱に塗れた表情をされた高津学長の顔に都は満足そうに微笑む。
「……では、失礼いたします。それと、親衛隊の方々、礼を言います。」
そして、都は舞衣の手を繋く。
「気にしないで、貴方はよく耐えていましたから」
「これからのことは私達に任せましょう。」
「はい。」
その後、都と舞衣がこの場から離れていた。
「この程度で収まってよかった……」
「そうですわね。彼は拳まで震えていますわ。」
そして、この場にいる親衛隊の二人は彼がこの場で暴れなかったことによかったと思う。
特に獅童は未来の仕事仲間を傷つけたくないからだ。
◇
「………また、お仕置き?」
部屋で正座でさっきの態度と全然違う、凄くビビっている都。
彼はお仕置きされた後、もう身体がそんな怖い経験に刻まれた。
もう舞衣のお仕置きは嫌だと、彼は泣きそうな顔。
「そんなひどいことはもうしません!それより、さっきのこと……何であんな風に高津学長に反抗してたの? 私は別に……」
けど、彼女がそれを否定して、都の正面に座った。
「え?だって許さないもん。舞衣様は俺にとって何より大切の人だから」
「それは知っている。けど、お兄さんに一人で背負わせたくない。私も一緒に背負いたいだ。」
「いい?お兄さんも私にとって大事の人。だから、もう無理しないで欲しい……」
舞衣はとても心配そうな表情を都に晒した。
これは何度目だろう?ずっと彼女に心配されたばかりに……。
やっぱり、彼女はとても優しい人だ。誰よりも。
「わかったーー約束する。」
偽りの約束をして、都は舞衣を慰めるように頭をなでる。
ごめん、舞衣ちゃん。貴女達を守るにはまた多少のリスクを背負わなければならない。
--俺はもう大事なものを失うのが嫌なんだから……。
やっぱり高津学長は最高の敵だ!アニメで夜見の最後のシーンまでに、私はあの人のことが大嫌いだよ!少し可哀相だと思われるのだろうけど……舞衣と沙耶香をいじめるやつは許しません。