可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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お気に入り100人突破!読者の皆さん、誠にありがとうございます!この作品を応援してくれて、新人作家としてはこれ以上ない嬉しいことです。ここでずっと私を応援してくれた印象深い読者さんたちに感謝の意を示したいです。

夏凛さん、衛藤可奈美大好きさん、雨具さん、tatararakoさん、くろしおさん。本当にありがとうございます!無言の応援や実の助言も大変助かりました。ありがとうございます。

その中で雨具さんは特に、長くお世話になりました。この作品から始まる時に、彼はずっと私の編集長を務めておる、感想も凄く力になりました。最近はちょっとリアルの件で忙しくて、姿があまり見えませんが……それでも、彼にお世話されたことを心の底から感謝しています。これからもリアルで頑張ってくださいね、雨具さん。

最後、皆さんがこれからこの作品を引き続き応援していただけると嬉しいことです。それでは、どうぞ。


第23話:大切な人

 

 

 衛藤 都は私のお兄ちゃん。

 

 小さい頃からずっと私に優しくしてくれた、稽古も喜んで付き合ってくれたもう一人の剣術馬鹿。

 

 お母さんがまだ生きている頃はよくお兄ちゃんと一緒にお母さんへの対応策を作って、二人かかりでお母さんを倒せようとしたが、結局なんの意味もなくお母さんにボコボコされる。

 

 けど毎回私とお兄ちゃんが失敗した後、お兄ちゃんはいつも私の前に格好をつけて私の頭を優しくなでなでする。

 

 そのおかけで、危うく泣き出す私は再び元気をつけられた。よく思えば、いつもお兄ちゃんがそばにいるから、私はこうして楽しく毎日過ごしてきた。

 

 でも、あの日……お母さんがいなくなった日にそんな楽しい日々が一瞬にいなくなってしまった。

 

 「おかぁさん、なんていなくなったの?」

 

 思わず口に漏れた言葉。私は大好きなお母さんの死をわからなかった……ううん、受け入れなかった。

 

 そこで私のお兄ちゃんは私の手を繋ぎ、何も言わないまま私の頭を優しく撫でる。やがて、数分経ち、彼が私にこう言った。

 

 「かなみ、私は必ずお前を守る。だから、もう我慢しなくてもいいよ。涙が私が全部受けてやる」

 

 彼がこう言って、幼い私はつい彼に甘えた。彼の胸に飛び込んで悲しい気持ちをそのまま放った。お兄ちゃんはこうして私を抱きしめながら、私の悲しみを全部受け止めた。

 

 けど、その日からお兄ちゃんは泣くことをやめた。

 

 きっと、これは私のせいだと思う。お兄ちゃんは私を悲しませないように、自分の感情を殺し、私の何もかもを受け止めた。

 

 大好きの剣術も、驚くほどの才能、時間、体力と明るい未来も、すべて私にくれた。そんなの全然いらないのに……私は自分の欲望に従って大好きな彼にいたずらに甘えていた。

 

 私はお兄ちゃんが思うほどいい妹じゃなかった……ただ妹という身分を使って彼の関心をもらうだけ。

 

 私はかなり自分本位で冷たい内面も秘めている妹なんだ。ずっと、ずっとお兄ちゃんを独り占めていた。

 

 その後、私の生活は舞衣ちゃんと美炎ちゃんが入った。毎日はとても楽しかったけど、お兄ちゃんが彼女たちと仲良くする光景を見て、私の胸は痛くなる。

 

 私一人に向けた関心は私一人だけのものじゃなくなった。多分私は嫉妬するのかもしれない……だって、お兄ちゃんは私一人だけのお兄ちゃんなんだ!他の人のものにしちゃ嫌だ。

 

 けど、私はそれを伝える勇気がなかった……舞衣ちゃんと美炎ちゃんが凄く幸せそうに見えるから。

 

 私みたいに……“彼に救われたのかもしれない”。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「もう大丈夫ですか?カナミン」

 

 どれくらい泣いていたのか正直覚えていない。けど、身体がとても疲れた気がする。きっと力任せに泣いていたのかも。

 

 「うん、もう大丈夫だよ。」

 

 私のことを心配してくれるエレンちゃんに私は大丈夫だと伝い、嘘まみれる笑顔を作った。

 

 大丈夫なわけがない……お兄ちゃんが一人で親衛隊の人と戦った。あれは伊豆の時にギリギリで退けるレベルなのに……お兄ちゃんは写し、迅移や金剛身と八幡力がない状態で挑んだ。

 

 きっと大きな傷が負うに違いない。最低の場合は殺される、だって機動隊の人たちも容赦なく孝子さんたちに銃で撃った。なら、お兄ちゃんも……命が落とされるかもしれない。

 

 そう思うと、心が痛い……もう大事な人を失いたくない。

 

 「そうデスか?カナミンはまだ元気なさそうに見えるデスか………」

 

 「それは泣いたから、疲れたのよ……少し時間をくれれば、いつも通りで感じ!」

 

 「…………」

 

 「………姬和ちゃん。なんてそこで黙るの?それともこれはあなたのベットなの!?すみません!すぐどいてあげます。」

 

 慌てて、可奈美はベッドから離れた。

 

 けど、姬和の瞳からそんな意思が感じない。

 

 「そういえば、舞衣ちゃんは大丈夫かな?お兄ちゃんのことで、とても辛そうな顔をしたし……私が彼女を慰めーー」

 

 「もういいから、可奈美。……お前は隠すことが下手だから、強がらなくてもいい。」

 

 「え?姬和ちゃん、何言っているんですか?私は大丈夫だよ!少し休めれば……」

 

 可奈美は急ぎに舞衣のところへ向かうと、姬和に止められた。

 

 彼女はどうやら可奈美を見抜いたようだ。流石、長い間で一緒に行動した仲間と言ったところか……。

 

 「カナミン。ヒヨヨンの言う通り、強がらなくてもいいデスよ。ワタシ達は貴女の気持ちがわかっていマスから。」

 

 わかっていた?ふざけんな……私がお兄ちゃんに抱かえた感情は部外者にはわかるはずがない!

 

 「わかっています?エレンちゃん、それは違いますよ……貴女は大切な家族を失ったことがありますか!」

 

 「…………っ!?」

 

 「おい、可奈美………!言い過ぎだ!」

 

 可奈美の失言に、姬和は怒鳴した。

 

 確かに血の繋がりがない、しかも知り合ったのはこの数日間しかない人間にはそれを理解するのは難しい。

 

 しかも、可奈美は大事なお母さんを失った経験者だ。非経験者であるエレンはその家族を失う気持ちをわかるような口が良くないけど……流石に言い過ぎだ。

 

 「私は間違っていない……エレンちゃんは何も失っていないくせに、わかるような口を……!私は大事な二人の家族を失ったのよ!」

 

 「だからエレンに怒るの!?彼女はただお前のことを心配しているだけだ!お前もわかるんだろう!」

 

 「ヒヨヨン……」

 

 「わかっている!でも、エレンちゃんはわかるものか!大切な人がそばから離れた喪失感を……!」

 

 「……………それは…」

 

 可奈美の悲しげの顔に、エレンは何も返せこない。

 

 彼女はわかるんだ。可奈美が辛かっているんだ。家族を失う痛みはこの年頃の女の子にしては、あまりにも残酷なことだ。

 

 だから年長者として彼女のストレス発散を受け止めるのがエレンの役割。もし、それで可奈美が良くなれば、彼女はいくら酷く言われても構わない。

 

 「…………」

 

 エレンの意図を察した姬和が彼女を尊重して、口を閉じる。

 

 「約束……したのに、ずっと一緒で……お兄ちゃんのバカ!」

 

 涙がボロボロに地面に落ちてた可奈美。そんな弱そうな彼女は滅多に見えない。姬和でもさっきのと加えると、二回くらいにしか見えない。

 

 普段は元気で、女の子らしくて、思考があまりにも理想付きの剣術馬鹿(可奈美)だけど、こういう弱そうな一面もちゃんと持っている。

 

 彼女はいつも明るさという仮面をかぶって、自分の悲しさを隠している。それを癒やすのは都であった。

 

 彼は可奈美のすべてを引き受けた、彼女に幸せをくれた。だからいくら辛くても、彼がそばにいる限り可奈美が隠している痛みも少しでも軽くなる。

 

 けど、今は彼がいない。彼女の痛みを分け受ける対象がいなくなった。そこで彼女はこの痛みを耐えられず自己本位の一部を示した。

 

 とんでもなく我儘で冷たい内面を持つのは可奈美の正体。ずっと彼を愛していたから、彼を手放さなかった。

 

 「可奈美………お兄さんのことが好き?」

 

 「……………うん、大好き。」

 

 迷いなく可奈美はそう答えだ。好きに決まっているじゃないですか。小さい頃から、お兄ちゃんはいつも自分に目一杯の幸せをくれた、いつも傷だらけの身体で自分を守ってくれた、助けてくれた、いつも自分に優しかった。

 

 彼は可奈美の憧れの対象、一番身近いの対象。そして……彼女の初恋の対象でもある。

 

 そうか……私はお兄ちゃんのことが好きなんだ。だからそんなに辛いんだ。

 

 兄を失った上に、姬和の質問で可奈美はやっと自分が都に対する感情を気付いた。

 

 ただの兄妹愛だけではなく。可奈美は衛藤 都という男を恋にしている。

 

 けど、こんな恋は許すものなのか?血が繋がっているから、お兄ちゃんにそんな気持ちを抱いてもいいのか?

 

 ううん、今はそんなことを拘るじゃない。彼は今、生死不明の状態だ。結論を出しても意味がない。

 

 しかも、これは失ったから気付いた感情。そう思うと、もっと悲しくなる。

 

 「…………そう。なら、今は立ち上がり彼を救わなければならない!」

 

 「…………え?姬……和ちゃん?」

 

 「ヒヨヨン……?」

 

 可奈美の両手を握って、姬和は初めて真正面で彼女と向き合う気がする。今まではただ会話するために、向き合うためだった。

 

 でも、今は違う。今度は彼女の心と瞳と向き合う。

 

 「私は彼がお前を簡単に見捨てる人間には見えない。一応彼の幼馴染なんだし……彼はどんなやつなのかは私にはわかる。きっと折神本家にいると思う。」

 

 もし死なければ、きっとそこで監禁されている。むしろそう思いたい。

 

 それと、姬和個人的にも彼と色々話ししたいことがたくさんある。

 

 「折神家………」

 

 柔いの顔になった姬和を見て、可奈美は少し呆れた顔でそう呟く。

 

 「ああ……お前が前に「重そうだから、半分を持つよう」って言ったな。なら今度は私の番だ。」

 

 「お前の半分も私が持つ。だから彼を救い、“ついでに”折神紫を討つ!」

 

 「いいの……?姬和ちゃんは紫様のことを憎むじゃなかったの?」

 

 「ああ……とても憎んだ。けど、あいつはお前を悲しませて心配させたんだ。どうやってもあいつを連れて帰ってお前と舞衣の前に謝らせてやる。」

 

 大真面目に、それでいて穏やかに姫和はこう言った。照れ隠しなのか何なのか、きっと彼女なりの表現なのだろう。

 

 「………うっ……!ありがとう!姬和ちゃん!」

 

 「おい……!まぁ……今日だけは許すか」

 

 また涙が溢れ出す可奈美は姬和を強く抱き締めた。それに対して、いつもこんな行為に拒否する姬和は珍しく妥協した。

 

 たまにはあいつのように、可奈美の我儘を聞いてもやる。一応彼女より一年上なんだし。

 

 「ふふっ、ヒヨヨンは優しいだな。」

 

 「…………!?////うるさい。エレン、ここでの話は話すなよ。でなければ、斬るからな。」

 

 エレンにニヤニヤ見られて、恥ずかしくなる姬和は彼女が見たことを他の人に話すなと脅威した。

 

 「はい、地獄まで連れて行きマスから、ご安心グダサイ」

 

 少し冗談のように聞こえているが、彼女は薫よりマシだから、彼女が言わないのだろう。

 

 「………エレンちゃん、さっきのはごめん。私はエレンちゃんに酷い言葉を言っちゃった……」

 

 少し姬和の胸に泣いた後、可奈美はエレンに向かって申し訳ない表情でさっきの件で謝る。

 

 彼女はただ自分を心配しているのに、自分があんな酷いことを……。

 

 「気にしないで、カナミン。貴女はミヤミヤのことを大事にするのがわかっていマスよ。家族だもん。ワタシもグランパとパパとママのことが大好きなので、刀使をやりました。」

 

 「ワタシは家族のことを守りたいから、刀使になったのよ。別に人々を守るためやっているわけじゃないんのデス。」

 

 そう言って、エレンは珍しく苦笑った。恐らく、その単純な理由で刀使をやることをずっと気にしているだろう。

 

 多くの刀使は人々を守るために戦った。だから、大きな志望もなく家族を守ることが理由のエレンがその事をずっと気にしていたのだろう。

 

 「いいじゃないか?私は復讐のために刀使をやった。私よりお前は百倍マシだな。」

 

 「私も最初はただもっともっと色んな剣術を見たくて、手合わせしたくて、お母さんの御刀を受け継ぎたくて、お兄ちゃんの誇れになりたくて、刀使をやったのだよ。」

 

 「可奈美………お前ってやつは……私より駄目ね。」

 

 「ええ〜〜!!?」

 

 エレンを慰めるつもりの二人だが、姬和はすぐ可奈美のろくでなしの理由で呆れた。

 

 「プッ!ハハハハ……流石カナミンデスね。でも、ありがとう二人とも。」

 

 二人の反応を見て、エレンは思わず笑った。やっぱり彼女たちはそうじゃなきゃ、例えミヤミヤがいなくても、元気でいたい。

 

 「カナミン。ワタシも貴女たちの手を貸しマス。ミヤミヤもワタシの大事な友人なんデスから。」

 

 「うん!ありがとう、エレンちゃん。」

 

 「私からもお礼を言う。」

 

 「いえいえ、二人共もミヤミヤのことを大事そうに見えマスから。特にヒヨヨンは折神紫よりミヤミヤのほうが心配しそうだから。」

 

 「な………/////!?」

 

 ニヤニヤとエレンは姫和を軽くからかう。そこで顔が赤くなる姬和は急ぎにそれを反論するが、彼女の反応からはバレバレよ。

 

 ーー姬和ちゃんもお兄ちゃんのことを好きなのかな?幼馴染なんだし。そんな意識もないとは言い切れないみたいだし。

 

 姬和ちゃんはお兄ちゃんのことをどう思っているのかな……。

 

 姬和がエレンの発言に反論するところを見て、可奈美は少し不安そうな顔。だって、さっきまで可奈美は自分の恋を気付いてたから。

 

 姬和が恋のライバルになったら、その時はどうなる?

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 お兄さんは大丈夫なのかな……不安の感覚がずっと胸あたりに回っている。

 

 簡易ベッドに腰掛けていた舞衣はずっと都のことを心配している。

 

 なぜなら、孝子さんからお兄さんは再び親衛隊の燕結芽と戦った。前回はボロボロの姿で無事に戻ったみたいだけど……今回は逃げられる確率が少ない戦場で彼女を足止めをする。

 

 どう考えてもかなり無茶の行為だった。

 

 なんてお兄さんはいつも、いつもこんな無茶の行動を取るのかな?あの時は一緒に逃げられるのに……

 

 舞衣はずっと彼の行動理由を探る。けど、どう考えても答えが出ない。それところが、心臓もバクバクしている。

 

 なんでだろう……なんでこんなにドキドキするのだろう。

 

 「舞衣?大丈夫?」

 

 外から水を持ってきた沙耶香が心配そうな様子で舞衣を覗う。

 

 彼女はさっき舞衣が水が欲しいと聞いて、すぐ水を取りに行った。

 

 「沙耶香ちゃん……ありがとう、私はもう平気よ。」

 

 沙耶香からペットボトルを受け取り、舞衣は笑顔で返す。

 

 けど、その笑顔はいつもの元気がない。感情が少ない沙耶香でもわかる。舞衣は強がっている。

 

 「舞衣………都のことを心配している?」

 

 「……………うん。沙耶香ちゃんは?」

 

 「私も……でも、舞衣はずっとずっと心配している。」

 

 沙耶香は舞衣の隣に座って、舞衣の気持ちを全部察した。

 

 「うん……お兄さんは私の大事な人だから。それに、彼はずっと無理していたから、いつも無意識に心配してた。」

 

 「うん……それはわかる。都はいつも勝てないはずがない人たちに挑んだ。」

 

 沙耶香は今までの経緯を思い返す、彼は彼女のためにかなり無茶な行動をしていた。

 

 「そうだね……美濃関にでも後輩のために刀使の先輩方々にも挑んだのよ!私と可奈美ちゃんは彼を心配したけど……最後は無事に解決したのよ。」

 

 「そう………?都、凄い。」

 

 この世、刀使に挑む人間は多分彼一人しかない。

 

 「うん。それからは私達を考えて、私達を避け……あれ?」

 

 「舞衣?」

 

 舞衣のおかしいの反応に沙耶香は頭を傾いた。その様子はとても可愛い。

 

 「お兄さんが……無茶する理由って……」

 

 さっきの会話で一瞬何かを思い返した舞衣。

 

 彼女は僅かに都が戦った理由がわかった気がする。

 

 それは、彼女たちを守るために戦ったから。いつもそうでした……。いつも彼女たちのために無茶の行為を取ってしまった。

 

 誘拐の時も、御前試合の時も、可奈美たちを追うときも、結芽の一撃を止めるときも、沙耶香と舞衣を守るために燕結芽と戦ったのも舞衣たちを中心に守るためだ。

 

 だから、心臓がこんなにバクバクと加速するんだ……だって、わかるんだ。お兄さんはそういう理由でかなり無茶をしてた。

 

 いつもあんなに優しく、格好良く戦ってくれたお兄さんに舞衣は好きだ。けど、やっぱり無茶するのが受け入れない。

 

 彼女は彼が傷つけられるのが嫌いだ。して欲しくないんだ。

 

 だって……柳瀬舞衣という女の子は彼のことをーー

 

 「舞衣……もう考えた?」

 

 「え……?何?」

 

 舞衣の服を引っ張って、沙耶香は真剣で舞衣のことを見つめる。そのおかけで、舞衣は一時に現実へ戻った。

 

 「都、言ってた。ゆっくりでいいから、落ち着いて、自分がしたいことを心の中で決める……」

 

 「お兄さんが沙耶香ちゃんにそんなことを?」

 

 「うん、おかけで言えた。ちゃんと学長を拒否した……そうすると、都は私をあそこから救い出した。」

 

 「そうなんだ……」

 

 沙耶香が言っていることは舞衣が知らない。けど、彼は沙耶香に自由の選択をさせた……だから、あの時も彼女の意願を尊重して、燕結芽と戦った。

 

 「舞衣はどうしたい?」

 

 「私は………」

 

 昔、都が沙耶香に問う質問が彼女から舞衣の方へ訊く。彼女は都と接触したおかけで、ちゃんと成長した。

 

 大事なのは自分がどうしたい。他人に決めつけられるじゃなくて、自分の気持ちが一番なんだ。

 

 都は沙耶香にそう教わった。だから、沙耶香はここで温かいものをたくさん見つけた。これも都のおかけ。

 

 そして彼女は都が自分にそうしたように舞衣を助けたい。

 

 「私はお兄さんを助けたい。今まではあの人に支えられて、助けられたばっかりだったけど、今度は私がお兄さんをちゃんと助けてやりたい。お兄さんだって助けられていいんだって気づかせてあげたい!」

 

 「うん。私の剣……よかったら、使ってほしい。」

 

 舞衣のしたいことを聞いて、沙耶香は御刀を舞衣の前に示す。

 

 「沙耶香ちゃん……それって」

 

 「一緒に都を助ける。今度は私達の番。」

 

 小さく笑って、彼女の瞳から決意が感じる。

 

 彼女は戦う理由を見つけた。

 

 今度は彼女が都を助ける。

 

 「…………うん!そうだね。いつも守れられてたまるものか!一緒にお兄さん……ううん、“都くん”に教えよう。たまに助けられてもいいって」

 

 沙耶香と同じく立ち上がって、舞衣もやっと決心した。

 

 もう迷わない。

 

 ――私は大切な人を見捨てたりなんかしない。

 

 ――お兄……都くんが助けてほしいと思ったら、それだけで私は何度だってあの人を支えて、助けたい。

 

 彼が身の安全を捨てて舞衣を助けてくれても、それは命を救っているだけだ。それでは、舞衣の心が死ぬ。決して本当の幸せではない。

 

 舞衣はただ彼を助けたいわけじゃない。大切な友達と、大切な人と添い遂げたい。

 

 ――だって、私は都くんが好きだから。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「どうやら、もう大丈夫のようだね。」

 

 舞草襲撃の翌日に孝子を除いた六人の刀使は再び集合して、お互いの決意を示す。

 

 その前に、薫は他の五人の表情を一目で見た時から心が僅か安心した。

 

 どうやら一晩で問題が解決されたようだ。

 

 「うん。これも姬和ちゃんとエレンちゃんのおかけだね。」

 

 「ホぉ〜〜?ペッタンコ女のくせによくやるな。」

 

 「よし、すぐここでお前を斬る。止まるじゃないぞ、可奈美。」

 

 相変わらず薫の挑発に乗った姬和。実は彼女もこの茶番を楽しんでいるのでは?と、あの二人以外の全員がそう思った。

 

 「まぁまぁ、お兄ちゃんにも姬和ちゃんの胸が魅力があるって言ったし。落ち着いて、姬和ちゃん。」

 

 「…………次は必ず斬る。」

 

 可奈美の慰めにより、姬和はやっと御刀を鞘に収める。

 

 やっぱり前言撤回だ。この人はやる気満々だ。

 

 「サンキュ、可奈美。で、そっちはもう平気?」

 

 可奈美のおかけで事態が少し収まった。そして、薫は次に舞衣たちの方へ確認。

 

 「沙耶香ちゃんのおかけだよ。私はやりたいことでもできた。」

 

 「私も。」

 

 「相変わらず仲良いだな。ちなみに俺も何となく先輩を説得した……そこで、彼女からの頼みがあった。でも、その前に……お前たちもあるようだな。」

 

 全員が決意を満ちた目を見て、薫はまず話の主導権を彼女たちに譲る。

 

 そうしたら、可奈美から。

 

 「私はお兄ちゃんを助けたい!大好きな家族を救いたい!」

 

 「私もだよ、可奈美ちゃん。私も“都くん”を助けたい。」

 

 「舞衣ちゃん……」

 

 二人はそれぞれの決意を示した。けど、そこでエレンから疑問を投げた。

 

 「マイマイ。その“都くん”とは?いつもお兄さんじゃなかったの?」

 

 「うん、私もそろそろお兄さんから卒業したいと思って。もう彼だけを頼っちゃいけないと決めだから。それにーー彼は大切な人だから」

 

 「舞衣ちゃん……ありがとう!」

 

 「ワォ〜〜!マイマイ格好いい!」

 

 「えへへ、ちょっと恥ずかしいけど……//////」

 

 「これで、一応前へ進んだのか」

 

 「どういう意味?薫。」

 

 「なんでもない。沙耶香にはわからないことだかな。」

 

 これで一応皆の共同意識が揃ったか……こっちも都を助けたいと頼まれたからな。ねねもそう頼んだのよ……ったく、好かれているね。あのシスコンは。

 

 「皆さんはどうやら、気持ちが収まったのですね……」

 

 「朱音様!」

 

 そして、穏やかなふわふわの雰囲気になった空間で、突然朱音が入ってきた。

 

 けど、彼女の顔色からは良くないと皆はすぐそれを察した。

 

 「朱音様、どうしたの?顔色が悪いのよ……」

 

 「もしかして、酔っている?」

 

 「バカ言うな、可奈美。」

 

 「朱音様……大丈夫?」

 

 皆がそれぞれの反応で彼女を心配している。そうしたら、彼女はただ一言で「まず、奥で説明するから、こちらへ来てください」と言い。顔色からは相当良くないように見える。

 

 ーー何か悪いことでも起きたのか?

 

 全員は心を絞って、朱音についていく。

 

 そこで、彼女たちは五箇伝の美濃関と平城と長船が刀剣類管理局に強制捜査されたことを知った。

 

 舞草襲撃の悪夢がまだまだ終わっていないようだ。




やっと恋という気持ちを気付いた可奈美と舞衣。これから三人の関係はどう発展するのか……作者もちゃんと考えないと。
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