可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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結芽ーーーーーー!!!。゚(゚´Д`゚)゚。

自分が書いたとはいえ、悲しい!結芽が亡くなるのは刀使のファンとして悲しいよーーー!!!!

でも彼女が悔いがない結末を得て良かった。これは作家が彼女に唯一与えられるものだ。ずっと欲しかった……彼女が満足そうに終わるのを。


第29話:(結芽)の果て

 結芽と遭遇する一分前ーー

 

 

 「ここは折神本家なのか……」

 

 地下医療施設から出て来た都は早速着替え用の服を見つけ出す。それを着替えた。

 

 幸い折神家でもちゃんと男性服があるようで、ひとまず安心した。

 

 「それにしても、ちょっと騒がしいような……この付近に荒魂があるのか?」

 

 少し戦闘の音を聞いた都はまだ現状のことを知らずに祭殿の近くまでに行ってしまった。

 

 本来は折神家の一番奥の場所までに行くじゃなかったのが……彼は道に迷ってしまった。

 

 ここは彼がまだ来ていない場所だから、ここのルートはわからなかった。

 

 そして、彼はそこで倒れ込んだ獅童たちを見つけた。

 

 「あれは……獅童さん!…………どうやら、気絶しただけのようだな。」

 

 ひとまず息がまだあることに安心する都。

 

 しかし、親衛隊の人間がここで倒されたということは………多分理由が一つしかない。

 

 「可奈美たちはここに突入したのか……」

 

 都の知り合いの中で親衛隊を倒せる実力者は二人だけがいる。ならば、可奈美たちはここにいる可能性が高い。

 

 そして、第一席が倒されたということは、可奈美たちはもう折神紫のところへ参ったのかもしれない。

 

 「理由はどうあれ、ここは決戦のようだな。ならば、俺もここにいられないな………可奈美たちのところへーー」

 

 その時、都はなにか弱々しい気配を感じた。

 

 「………燕 結芽!」

 

 気配のところに向かうと、都は思わず彼女の名前を口に漏れた。

 

 あれはーー親衛隊第四席の燕 結芽!?なんて彼女はここに!

 

 そう、彼が気付いたのはフラフラの身体で歩いて来た薄桃色髪の結芽。

 

 折神紫以外の最強の刀使。けど、今の彼女はもう前の余裕が見えない。むしろ、死にそうな雰囲気が漂っている。

 

 「………あれ……?お………にーさん……?」

 

 どうやら、こっちの声に反応したようで彼女は都の方ヘ見た。意外……いや、もう彼女から顔の変化が見えない。

 

 「お前……その身体と血は……」

 

 そして、都は彼女の口元の血跡と血によって染まれていた制服から彼女の様子を覗う。どう見ても、あれはただの無事じゃ済まない……彼女は何か起こっているのか都は推測できない。

 

 目当ての外傷が見えない。ならば、內傷の可能性が高い………けど、刀使での戦闘はそんなダメージが喰らえないはず。

 

 「………また……きられたいの……?おにーさん?」

 

 力なきの笑い。都でもわかる。彼女は強かっていることを。

 

 ……お前は、あの子なのか。

 

 そんな強がりの彼女を見て、都は一瞬夢の中に現れた哀れな女の子を思い出した。同じ髪色、同じ辛い顔をしている、誰もいらない可憐な女の子。

 

 あれは………結芽……なのかっ!

 

 「……………ッ!」

 

 さっきの悪夢を見たような感覚がまた都を襲ってきた。あまりにもの悲しみが表情で表し、危うく涙も出そうくらい。

 

 ただ九歳という若さで御刀に認められた。そして僅かな期間で天然理心流の真髄を修得し、剣腕を振る舞った。その実力は他の追随を許さないほど卓越しており、神童と謳われるほどの天才。

 

 その話を聞きつけた綾小路の学長によって、彼女は綾小路武芸学舎中等部に飛び級で入学。後には御前試合優勝、親衛隊入りもほぼ確定していたはず。

 

 それを聞いた周りの友人やご家族は凄く喜んでいる。皆は彼女をお祝いしていて、彼女は多くの幸せに包まれていた。人生が明るくなった彼女はそのまま入学して、有望の刀使として振る舞うはずだった……。

 

 けど、入学式で謎の病気に襲われて、彼女は入院生活を余儀なくされた。病によって内臓の機能が低下、筋肉が硬直して日常生活もままならなくなった。治療方法も見つからず、彼女はベッドの上で余命一年を宣告された。

 

 そして、それを知っていた“彼女の名誉に目付けた”最低の両親は手の平を返すように貴女に関心を無くし、彼女を簡単に捨てた。こうして、彼女は数ヶ月に絶望のまま死を待ち続けていた。

 

 何というふざけった人生なんだろう……なんて一人の少女にそんな人生を過ごしなければならないのか!酷すぎないか!?

 

 その後の話は、都の推測によって加えた。

 

 恐らく彼女はノロのアンプルによって短い命が延びていた。そして彼女は親衛隊最強として、自分と四回の手合わせをした。

 

 けど、ノロの力でもその病を完治してなかった……。それどころか、ノロの力は逆に彼女を侵食した。

 

 ノロは人類が作った災い。神聖の御刀の力と正反対する力だ。今までは恐らく刀使の力でノロの力といいバランスができて、うまくこの命を救う力をコントロールができたと思う。

 

 しかし、それも彼女の身体が病気でどんどん弱くなる度にそのバランスが崩せた。

 

 ここで、都さえも知らなかったのは結芽が彼との数回の戦いに無理矢理身体を動かすことによって、症状が更に悪化されることになった。

 

 癒やされない謎の病とノロの侵食の下に……彼女はもう残す時間がないんだ。

 

 ならば、せめて……夢の中に聞き取れた願いを叶えてやりたい。

 

 「結芽………最後の試合をしよう!今度こそお前を勝つ!」

 

 溢れた涙を拭き、都は御刀を鞘から抜いて結芽と向き合う。

 

 「え………?」

 

 そうしたら、彼女は都の唐突の発言に反応が追われないようで初めての反応を示した。

 

 けど、これは彼女が望んだ選択のはず……俺は彼女の最後の相手をしてやろう。お前(燕 結芽)の最後をこの脳に焼き付かれたい!

 

 「………お前は自分の凄いところを他人に焼き付けたいじゃないの?なら、最後は俺が相手をしてやる!」

 

 「なに………を………わたし……よりよわいの……くせに……」

 

 ああ……前回の戦闘ではよくわかった。お前は最強だって知っているよ。けど、お前を超えたいという心もある。

 

 これは剣士の本能なのか、それとも小さい頃の教えなのか……俺は貴女と戦うたびに胸が熱くなる。もっと見たい、もっと追い付きたい、もっとお前が持っているすべてを見てみたい。

 

 これはただ彼女の願いを叶えたいだけじゃない。自分のためでもある……。

 

 「ああ……だから弱者最後のプライドをかけて、お前という最強を挑む!それが………俺の願いだ!」

 

 迷わず、彼女に自分の思いを伝える。無茶するなのかもしれない、バカの行為だと思われるかもしれない。けど、そうしないと彼女はこのままに終わる。それは決して嫌だ。

 

 彼女にそんな悲しい結末を迎えわせたくない!

 

 「…………いいよ。すぐ……わたし……のすごいところをみせつけるんだから」

 

 彼女の返答と共に、彼女の瞳から少しの活気さが感じられた。彼女もきっと最後は誰かと戦って、自分の強さを刻み付きたいのだろう。

 

 いいよ、お前の最後を見届けよ。この一時は俺は決して忘れない。

 

 

 

 キィィィィ――――

 

 

 

 「ーーーー!!」

 

 その時、結芽の御刀から耳障りでよく響く音が結芽の脳内で反応させた。それと共に、彼女の身体は写しが纏わされた。

 

 「にっかり青江………あなた……」

 

 自分の御刀を見て、結芽はこのような現象に不思議と思う顔だった。

 

 「…………ありがとう……私のわがままをずっと聞いてくれて」

 

 そうしたら、結芽は嬉しい顔で素直に自分の愛刀を「ありがとう」と呟いた。

 

 なんだ、そのような可愛い顔もちゃんとできたじゃん。

 

 「おにーさん、すぐ私のすごいところを貴方に見せつけるんだから!」

 

 構えをとって、結芽の動きはさっきより良くなってきた。あれは御刀の神力による、守護の力なのか?すげぇなぁ……

 

 「ああ………一緒に楽しもうね。結芽」

 

 両方はともにいい顔で向き合う。今度こそは最後の試合になる。

 

 ーー雪、もう一度俺に力を貸してくれよ。今度こそは最後だ!

 

 

 キィィィィ――――

 

 

 僅かに江雪左文字も都に反応した。

 

 それから数秒経ち。両方は共に動く、この夢のような対決がこの決戦の地に幕を挙げた。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 刀と刀との激しいぶつけ合い。結芽は肉眼が追い付けない迅移を使って、一瞬で5回の斬撃を行った。

 

 けど、その中の三回は都の刀で防げられた。

 

 「にひっ!」

 

 けど、結芽の攻撃はまだ終わらない。彼女は都を攻め続けた。

 

 もちろん、前回のように肌が斬られて赤い鮮血が傷口から流れ出したが……都はその痛みや傷口を気にせず、全力で彼女の動きを読み、防げる、避ける、反撃する。

 

 「ーーー!」

 

 けど攻撃は彼女に届かずに、都はただ一方的に防御に徹した。例え当たったとしても、それは刀以外の拳や蹴る攻撃。

 

 それを作る効果はただ一時に撃退。それに、これも相手が距離から離れるところにすぐ迅移を使って一瞬に接近されたから、この技はできるだけ回避が難しいタイミングで使うしか……。

 

 「だいぶに慣れてきたな……」

 

 結芽の背後攻撃を防げながら、都は結構楽しんでいる顔だ。

 

 僅かだが、都は彼女との戦闘で少しずつ成長してきた気がする。母もかつて都に「戦闘で成長するタイプ」だと褒められた気がする。

 

 「くっ……!結構やるね。おにーさん。」

 

 「それはどうも!」

 

 彼女を弾けて、そこで両方は再び態勢を立て直す。

 

 「おにーさん、少し本気出してもいいのかな?」

 

 「本気でかかってこいよ!最後なんだから、お前の本気を見たい!」

 

 都は不敵の微笑みで結芽を見つめる。彼女はずっと本気で攻めるじゃなかった……だって、彼女は本気を出したら、すぐこの勝ち目がない勝負を終わらせる。

 

 本当にどうしようもない優しい、残酷の子供だね。

 

 「へぇ〜〜じゃあ、本気で……行くよ!」

 

 そう言って、彼女は可奈美と戦うときに使う実力で攻めて来た。けど、都が得意なのはどんな初撃でも防げられる。

 

 「ーーー!!」

 

 「うわぁ〜!?なんちゃって……おにーさんは本当にあれが好きだね!……ぐっ!?」

 

 居合をするつもりだが、彼女に背後が回された。そこで居合のせいで大きな動きによって作られた隙だらけ都を斬る結芽。けど、そうはうまくいかない。

 

 左足が後ろの方の蹴る攻撃を結芽が刀を持ってない腕に当たって、一時に彼女の攻撃を中断にした。

 

 そして、都は急ぎに身体重心を収まり。彼女と向き合ってすぐ下段攻撃で彼女を切る。

 

 「ーーー!?」

 

 ギリギリのところに結芽は迅移で後ろの方へ退避した。

 

 「結構ギリギリだね……」

 

 「やっぱり出せるんだ。あの状態……」

 

 「これは俺の勝機だからな。けど、もっと驚くことがあるよ。」

 

 「へぇ〜〜それは楽しみだ。」

 

 小悪魔の顔を示す結芽。こういう顔は特に好きじゃないけど……彼女のそんな余裕ぶりの顔を見て、こっちも安心した。

 

 それと、さっきの一撃で超集中モードに転移した。彼女と戦うときはこのモードじゃなきゃ勝機が見えない。

 

 身体に大きな負担をかかるけど……この状態で“できることがたくさんいる”。

 

 「さてーーそろそろ、こっちも攻めるか……!」

 

 「あれは……」

 

 都の構えが僅かに変えたところを見て、結芽も結構深刻の顔に変えた。

 

 「ふっ………行くぞ。」

 

 久々の≪絶空≫を使い、先に一歩を取る都は初めて攻撃方になった。

 

 そして、都はさっき“結芽の攻撃を自分の技にして”攻撃する。

 

 「………嘘!?」

 

 もちろん、それを気付いた結芽も驚く顔しながら、攻撃を防げた。何にせ都は彼女の技を使ったのだから。

 

 「だから、言ったのだろ?驚くって」

 

 「……にひっ!やっぱり、おにーさんは面白いな!こりゃぁ!」

 

 「ぐっ……!」

 

 彼女が攻められても、それでも力尽くて都を退けた。

 

 手が痺れるほどの重攻撃……これは八幡力か?予測以上に対応しつらい能力だ。

 

 「おにーさんを相手なら……全力で行ける気がする!いいよね?おにーさん。」

 

 「ああ……もっと貴女のすごいところを見せてくださいな!」

 

 彼女の息が僅かだが、荒れになった……彼女を支える御刀の力もそろそろ限界に近い。

 

 なら、こっちは彼女の本気を耐えなければ……その終わりの時間までに耐え続けなきゃ……!

 

 「ーーーっ!」

 

 ほぼ同時に二人は動き始めた。二人は手加減なしで戦った。

 

 まず柳生新陰流で防御を固まる、たまに彼女の技をすぐ学んで使いこなし、彼女の攻撃を対応して、反撃する。

 

 2つの流派を一つの流派に融合して使いこなす絶技。これは超集中じゃなきゃ実現できない絶技である。

 

 特に、都は初めて結芽の天然理心流を使用した上で集中力が超集中の程度じゃなきゃ、うまく使いこなせない。

 

 でも、そのおかけで結芽から受けたダメージ少なくなる。どんどん彼女に追いつける。

 

 「おにーさんは別の意味で千鳥のおねーさんと同じくらい強いね!楽しいな!」

 

 跳躍、都の背中を攻撃する。けど都が先に読み取り、体術で結芽の攻撃を妨害し、それから反撃する。

 

 「俺も自分がここまでやれるとは、思わなかったよ!……やっぱり結芽はめちゃ強いな!」

 

 「当たり前じゃん!私は一番強いだし!」

 

 「そうだね……そこは同感かな!」

 

 結芽はそこまでに強いから、遥かに強いから。彼女を追いつくため、都は驚く速度で進化する。

 

 だかその代わりに、都の身体はどんどん傷が増やす。せっかく着替えた服も血によって染まれていく。

 

 手と足も戦うほど重くなる、刀を挙げると腕から悲鳴のような音が聞こえた。

 

 それでも見たい……!もっと彼女の剣を見たい!

 

 純粋で何も隠さず、この斬り合いを精一杯楽しんでいる彼女をもっと見たい!

 

 それは昔の俺がずっとお母さんと可奈美から見ていた輝く光景であった。

 

 だから、無意識に憧れていたかもしれん。

 

 可奈美とお母さんと……お前だ。結芽。

 

 剣の最高境地に至る貴女は何より輝く光なんだ。

 

 「はぁ……はぁ……はぁ……そろそろ……はぁ……終わるね。おにーさんは……もう戦えないだよね?」

 

 そして、五分ほど以上続いた激しい戦いの末、傷一つでも入れない結芽は荒れた息で、もうボロボロになった都に刀を指す。

 

 これはもう第三回目の敗北だ。結局、全力を出しても、この子を超えることができなかった……。

 

 主に彼女は刀使だから。その差は決して超えられない……ちょっと悔しい。

 

 「うっ……!」

 

 「…………最後まで付き合ってくれて、ありがとう。最後の相手はおにーさんでよかった。……私の凄いところ、全部覚えたのよね?おにーさん。」

 

 「ああ……ばっちりだ。最高に可愛かったし、強かったのよ」

 

 冗談を言うつもりで結芽の不安を振り払う。それは戦いが終わった後、俺が唯一できることだ…。

 

 「なにそれ、あはははーーうっ!!」

 

 「結芽?」

 

 突然彼女から異変が起きた。それを気付いた都はすぐ彼女に関心する。もしかしすると、また病気なのかもしれない。

 

 「………や、やめて……出てくるな!私は……最後まで……人間のままにいたい!荒魂だなんて……!」

 

 彼女はとても苦しそうに見える。何かを抑えている?

 

 彼女に近づくと、

 

 「結芽!」

 

 「こっちに来るな!でないと………うあああああああああああーーー!」

 

 彼女の瞳が一瞬に赤くなり。そして、禍々しいの何かが彼女の身体から漏れ出し、この場を支配する。

 

 「なんだ……!?あれ……!」

 

 わからない現象が目の前に起き、都は混乱と恐怖という状態に落ちてた。

 

 あれはどう見ても、いいものではない。とても禍々しいものが結芽の身体から出てきた……あれはノロなのか?何という禍々しい気配!

 

 「ぐっ………!おにーさん……逃げて……!私はもう抑えられないみたい……」

 

 「…………!」

 

 結芽は苦しそうな顔と辛そうな口で都を逃げて欲しいと願った。どうやらこれは体内にあるノロの暴走みたい。

 

 「…荒魂が……私の体が弱くなった隙を掴んで支配しようとしてた……みたい。だから、おにーさんはここから離れて!」

 

 「…………」

 

 「何をするの!?早く逃げないと……私は……」

 

 けど、その願いはどうしても聞き取れない……お前を二度と“見捨てるものか”!

 

 「結芽………こっちに全力でぶつけて来い!俺がお前を解放する。」

 

 重くなる身体を無理矢理に動かせて、居合の構えを取る。

 

 「え………?無理だよ……刀使ではない弱いおにーさんはこいつをどうしろと言うんだ……!?」

 

 「斬る。結芽、俺を信じてくれ!お前を見捨てはしない……!無理でも写しと共にあいつをぶった斬る!」

 

 「……なんて……私なんか……のために……?」

 

 子供の様に泣きじゃくりながら、この暴走の力を怯えている結芽は震えた唇でそう聞く。

 

 彼女は荒魂になるのが怖い、自我を失うのが嫌。

 

 最後までは人間のままにいたい、怪物になりたくない。

 

 けど、最も嫌なのは目の前にいるおにーさんを殺すことだ。彼は自分の願いを聞いてくれた人だ。

 

 だから、そんないいおにーさんを自分の手で殺したくない!

 

 嫌そうな表情で泣き付く結芽を見て、都はさらに決心した。

 

 ーー彼女を救うと。

 

 彼女はもう散々に見捨てられた。今更、彼女を見捨てるなんてできない……!見捨てたら、一生が後悔する!

 

 「だって、貴女は苦しそうな顔をしているから!そんな顔をしているお前を“見捨てない”!必ずお前を救う!今度こそお前を救ってみせる!」

 

 「………………………………本当に馬鹿なおにーさんだね。」

 

 “自分を見捨てない”という言葉を聞いて、結芽の口角が僅かに上げた。

 

 彼女はずっとこの言葉を待っていた。誰もいらない自分を必要だと……。

 

 「…………信じるね。おにーさん」

 

 彼女は都を信じて暴走した力を抑えるのが諦めて、こっちに突刺の構えを取る。

 

 今の燕 結芽はさっきより遥かに強い。この攻撃もきっと今までのように防ぎれない、必ず都を殺すのだろう。

 

 死の恐怖を知り、都の足と手が震えてきた。これは完全に命捨てとも言えるバカな行為だと都も自覚している。

 

 けど、やらなきゃならない……。だって、彼女は自分を信じて自分を殺しに来たのだから。

 

 そんな少女の信頼を裏切らない。彼女が受けた痛みがもう十分、寂しい気持ちも十分なのよ。

 

 だから、俺がここで彼女を受け止めるしかない……いや、しなきゃいけないのだ。

 

 そのため、超集中より強い集中力が欲しい。もっと上の段階が欲しい!

 

 集中しろ……もっと見るんだ!限界を超えた後、さらなる上にある限界を超えろ!

 

 例え身体が壊れても構わない。その禁忌の力が欲しい……彼女を守れる力を!

 

 「……………」

 

 深呼吸し、都は結芽の動きを全力で読んで、記憶にある舞衣の居合をできるだけ再現する。

 

 「いやああああぁァァァァーーー!!!」

 

 そして、もう待ちきれないようで結芽を操る化物が今まで一番早い迅移を使い、自分を殺しに来た。

 

 ………可奈美……舞衣、姬和、沙耶香、エレンさん、薫さん、お母さん……篝さん、それと雪……俺に結芽を救う勇気と力をくれ。

 

 それと、同時に大切な人たちの顔を思い付き、都は自分に襲ってくる救いたい少女に向かって、今までもない究極の一閃を放ち。

 

 その一瞬、彼の身体は白い光に包まれた。そして、無意識の中に彼は一般人の限界を超える速度で最短距離、最速の抜刀術ーー居合を放った。

 

 「ーーーー!?」

 

 結芽の身体は両断されて、写しが見事に剥がれた。

 

 ーーーバカナ、タダノニンゲンゴトキ……ワレ丿イチブヲキリハラウダト……!?

 

 それと同時に禍々しい気配が誰も聞こえない声で写しと共に消え去った。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 「あ…………」

 

 「結芽!」

 

 暴走した結芽を止まらせた後、彼女と同じく白い光が身体から消え去った都は急ぎに後ろの方へ倒れ込む弱き少女の身体を支える。

 

 「………おにーさん………けほっ…けほっ……やったわね……けほっ……ガハァ!!」

 

 自分を優しく抱かえる都を見て、結芽は小さく笑ったが、すぐ大きく喀血した。

 

 「結芽………っ!」

 

 それを見て、悲しみという感情を挟む心配する顔になる都は、彼女を止まっても、必ず起こる結末が変わらないと知った。

 

 元々、彼女の身体の中に荒魂を宿していても、病気が完治した訳ではなかった。故に、荒魂が一時に払うとはいえ、その衰弱の原因がまだ続くのだ。

 

 「そんな顔しないでよ……けほっ……けほっ……」

 

 「………結芽……!」

 

 涙がボロボロに結芽の制服に落ちていく。都は本気で結芽のことを心配していた。

 

 それで、結芽は凄く嬉しかった。だって、親衛隊のおねーさんたち以外に初めてそんなに関心されたから。

 

 「もう〜〜泣かないでよ……私を勝ったのに……」

 

 「違う!あれは……勝ったのではない!お前から一本さえも取れないのよ!」

 

 「………でも……けほっ……暴走、止めてくれたのよね?」

 

 「……それは、お前の力ではない。だから、あれはなし!」

 

 「…………けほっ……けほっ……もう〜悔しいよ……いつも心が読まれて悔しいよ……」

 

 自分の望みのすべては都が見破った。確か、荒魂の力は自分の力ではない……あくまであの力は命を延びるだけのもの。結芽は一度もその力を使うつもりがない。

 

 だって、あれは燕 結芽の本物の強さじゃないもん。

 

 「………おにーさん……私は強い?」

 

 「強いよ……いくら頑張っても追いつけないほど強かった!もう嫌でも忘れられないくらいだよ!」

 

 「…………そうか」

 

 そして、彼に覚えられて結芽も凄く嬉しい。自分の強さは誰かに覚えられるのが凄く嬉しい。

 

 「結芽……そこの木で休もん。俺もさっき力を入れ過ぎで手が疲れたよ。」

 

 「うん………」

 

 都の提案に結芽は小さく頷く。

 

 そして、弱まった結芽を抱きついて、彼は彼女を木までに運ぶ。

 

 身体が軽い……あんなに強いのに、身体はこんなに軽いんだ……。

 

 彼女の体重に都の胸がまた刺された。……こんな弱い身体で自分と戦うんだ。

 

 「………ありがとう、おにーさん。色々とありがとう……」

 

 お互いが木に背中を伏せて座ると、結芽から咳と共に話をかけた。

 

 「私は……けほっ……けほっ……おにーさんに酷いことをしちゃったのに……けほっ……けほっ……最後までに付き合ってくれてありがとう。」

 

 「………仲間だろう?俺たち。一応俺は第五席(非公認)だし。お前の面倒を最後まで見るのはこの年上の責務だ。」

 

 「………仲間……」

 

 「ああ……仲間だ。」

 

 その詞を聞いて、結芽は少し昔のことを思い返す。あれは自分が親衛隊に配属初日の話だった。

 

 あの時、ノロの力により病院から出ていた結芽は早速任職する場所折神家へ参った。そこで、彼女は数ヶ月に得ることもなかった久しぶりの太陽の暖かさ、青い綺麗な空と白い雲、静謐な空気と大きな建物に新鮮感を覚えた。

 

 世界は再び輝くなんて……綺麗だと思う彼女は折神家に探険して、色々の部屋までに行き、鎌倉の町も眺めた。最後はおむすびを作っている第三席の夜見おねーさんを見つけた。

 

 最初は試合しようと思うのだけど、すぐ彼女の美味しいおむすびに胃が征服された。その後、真希おねーさんと寿々花おねーさんが自分を迎えに来て、一緒におむすびだけが振舞われる歓迎会を参加した。

 

 あの時は幸せだった。真希おねーさんにも「同じ親衛隊の仲間として、共に頑張ろう」だと言われた。

 

 とても暖かくて、幸せだった。

 

 「………おにーさん、私の手を握っていい?」

 

 今の時間に戻り、結芽はもう大きな声が出せない声量で都に甘える。

 

 「え………?こう……?」

 

 それを一時に反応できない彼ですが、すぐ優しく握ってくれた。

 

 「うん……暖かい。ずっと握ってね……」

 

 「………うん。どんどん甘えてもいいよ。ちなみにお兄ちゃんでもーー」

 

 「絶対言わないから……けほっ……けほっ……けほっ……けほっ…!」

 

 どんどん回数が増えた咳の声。彼女の辛そうな声が何度でも聞こえた。

 

 「結芽……」

 

 それを心配する都が唯一できるのは彼女の最後を見届けることだ。

 

 何という無力な……自分なんでしょう……。

 

 「おにーさん………最後の……願いを聞いてもいい……?」

 

 「いいよ。なんだって聞いてやる。」

 

 重い気持ちで彼女の願いを聞く都。最後だから、なんでも叶えてあげる。

 

 「来世があるなら……また皆と桜を見たいな……今度はおにーさんが一緒に……」

 

 もう輝きを失った瞳に映るのは昔、親衛隊の人と一緒に花見をする光景を見れた……いつか、紫様とおねーさん達ともう一度花見をする約束を果たしたい。

 

 今度はおにーさんを加えて六人で一緒に……。

 

 「ああ……一緒だね!その時は結芽が大好きな好物を作ってあげるよ!お腹にいっぱいをするから!」

 

 切ない声と辛い気持ちで、来世があるかどうかわからない未来への約束をした。

 

 「そ………れは…………たの…………しみ……………だ………ね」

 

 「うん!その時、うちの妹もーー」

 

 どんどん遠ざかった都の声に、結芽もわかった……自分はもうすぐあの世へ行っちゃうことを。

 

 真希おねーさん……寿々花おねーさん……夜見おねーさん、それと紫様。ごめんなさい、私は先に行っちゃうね……約束守れなくてごめんなさい。

 

 けど、私はもう寂しくないのよ。だって、おにーさんは私を覚えてくれたから、私の手を握ってくれるから……私はもう一人じゃないのよ。

 

 ーー最後、おねーさんたち、おにーさんたちと出会ってよかった。結芽は幸せだよ。

 

 「…………………」

 

 「それでね、姬和が大好きなチョコミント料理も出し……たい……と………結芽?」

 

 「……………………」

 

 「チョコミントが嫌いかな?歯磨き味でも言われたし。」

 

 「…………………………」

 

 「沙耶香は貴女と友達になれると………」

 

 「…………………」

 

 「可奈美も………」

 

 「…………………」

 

 「……………っ!」

 

 もう何にも返答してくれない少女。彼女の手はもう生命の脈が感じない。温度もどんどん失われていく。

 

 「………結芽………良い夢を……!」

 

 彼女はもう動けない、呼吸も感じない、もう彼女の声が聞こえない。燕 結芽は目を閉じて、安らかに眠るように亡くなった……。

 

 ただ中学生一年生の年齢で、最強とも言える実力さを持ち。悲惨の経歴も乗り越えて、さっきまでに自分らしく生き続けてきた。

 

 これは……良い人生でも言えるのだろうか……。

 

 本来、彼女は名高い刀使として良い人生を過ごせるはず。なのに、最後は病で若く亡くなってしまった……。

 

 この世界は理不尽だと、都は再び認識した。

 

 この世界は甘くじゃありません。なぜなら、生命はいつもこんな簡単に奪われたのだから……。

 

 それは誰も止められないこの世界のルールだ。

 

 本当に残酷な世界なんだな……。




補充説明:都はここで刀使とした力を覚醒した。完全にじゃないけど……それでも、このような展開は以後の戦いのためである。

補充説明2:第21話に姬和のお父さんについて話しましたが、設定では特別祭祀機動隊に所属していたらしく姫和が小学生の時、荒魂により殉職しておりました。……この作品ではこのことを無かったことにします。
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