可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す! 作:黒崎一黒
そして、昨日は刀使の日!刀使のファンとして本当にめでたいことです。これから先はもっと心入りに書きますので、何どうぞよろしくお願いします。
次回からは波瀾篇の始まる予定です。
折神家におけるタギツヒメとの最終決戦から数日後。
世界を救う英雄たち六人は刀剣類管理局御用達の病院に入院していた。とは言っても、肉体に直接的なダメージを受けたわけではないため、疲労回復や精密検査という目的で身を置いているだけだ。来週には全員退院できると聞いているが……彼女たちはある人のことを心配している。
“彼”は彼女たちと違って、ある理由で別の病院へ送り込んだ。もちろん、これも朱音様の指示であるから、心配はならないと思うけど。それでも…彼の安否をずっと心配している。
「お兄ちゃんは大丈夫かな……」
「朱音様から命の別状がないと聞かれているけど、やっぱり都くんのことが心配です。」
「都……」
「お前ら、そんな顔をしない。彼はきっと大丈夫だ。」
「そう言っているけど、ヒヨヨンの目はすごく泳いているよ」
「私もミヤミヤのことが心配デス。あの時見た傷が大変そうに見えるカラ」
「ね……」
病院近くにいる健身用の地区に可奈美たち六人と一匹の荒魂が彼のことを心配している。一人はそう見えないけど、実際も心配している。
何にせ、彼がひどく怪我されてもここの病院では高レベルの医療技術が備えているため、わざわざ別の病院に行く必要がない。
ならば、何かしらの理由で彼を転移させた。
「やっぱりお兄ちゃんの居場所を朱音様に聞いてくる!」
「そうだね!やっぱりそうするしかない!」
「落ち着け、お前ら。朱音様は刀剣類管理局の代理局長に選抜されていた以上、そういう余る時間がない。」
「それは……」
薫にそう言われて、全員は落ち込んでいるように見える。これだけを見てみると、あやつは相当に彼女たちに好かれている。
この中の三人は彼にとんでもない好意を抱かえている。
「………とりあえず、朱音様からの連絡を待つしか。彼女も都に悪気がしないと思う。ひとまず、これをやる」
薫から直接に携帯のメール画面を他のみんなを見せる。
「薫、これは?」
これを見て、姬和から尋ねる。
「皆は彼の連絡先があるだろう?彼に元気をつけられる言葉でも彼に伝えば、きっといつか俺たちの前に現れるだろう」
「ワオォ!いいアイディアですネ!」
「確かにいいかも!」
「うん、きっと可奈美のために戻ってくるだろう」
「メールはどうやって使うの?」
「私が教えてあげるから、沙耶香ちゃんは携帯を出して」
五人は薫の提案に賛成し、早速携帯のメール画面を開いて何かを書くのか考え込む。
「なかなか難しいな……」
「ね……?」
提案者である薫は軽く内容を書こうと思ったのだけど、いざの時になかなか書けられない。
エレンも結構悩んでいる顔。
沙耶香は舞衣にメールの使い方を教われている。
姬和は重そうな表情で考え込む。
可奈美は一時に何かを書こうと決めた様子だけど、すぐ悩む顔に戻った。
「都のやつは一体俺たちに何の仕掛けをかけたのか?ねねはわかる?」
「ね?」
「お前に聞く俺は馬鹿だった」
「ねねっ!?」
この後、二時間をかけても、全員はずっと携帯を見つめていた。彼に元気をつける言葉はなかなか決められないものだった。
◇
「此花さん。俺、退院したいです」
あの戦いで唯一ひどい傷を負った衛藤 都は刀剣類管理局下にある病院の病室内で、ある理由で彼と同じ病室にいる元親衛隊の此花寿々花に文句を言う。
因みに彼女は髪を下ろした状態で、病衣に身を包まれた格好だ。
「それは駄目です。あんな酷い怪我を負ったのに、目が覚めたらすぐ妹たちのところへ助太刀をした。その結果、貴方の怪我がさらに悪化してしまいましたわ。完全に治るまではここで大人しく傷を癒やしてください」
そうしたら、すぐ撃ち返された。
「それはそうだけど……ここで退屈なのよ。剣も没収されたし……つまんない」
「それは当然です。傷を癒やすには安らかな療養が必要ですよ。妹さんもきっとそう思っているのですわ」
「うっ……ずるいです」
因みに、ただの数日に寿々花はどうやって都を制圧する方法を見つけ出した。
これで、都が苦手な人はもう一人増えた。
幸い、相手は寿々花だから、それはいいですけど……。
「それより、結芽との話はまだ聞きませんわね」
「…………」
その時、唐突に彼女からあの少女の名前が出した。その名前を聞いた隙に、都の顔は曇っているように見えた。
いつ、彼女にそんなことを聞かれると予測していた。けど、実際に聞かれると、胸が辛くなる。
寿々花もそんな彼の変化を察し「すみません、少し意地悪しすぎた」と謝ったが、数秒後に彼からも小さい声で彼女に謝る。
「ごめんなさい、此花さん。」
「なんて、そこで謝るですの?貴方は彼女に酷いことでもしたのかしら?」
「はい、したのです。彼女を見殺したのです。」
寿々花の意地悪な言い方に都は罪人のような言い方で返す。
「…………」
それを聞いて、寿々花が沈黙に入った。けど、そのせいで、都に余計の罪悪感を与えた。
彼は自分の無力に憎んだ。一人の少女の命を救えない自分を憎んだ。
「あの時、俺はいたずらに彼女と剣の立ち合いをした。できるだけ、彼女を悔いがない結末に迎えさせたいと思っていたが。ーー結局、俺は彼女を救うことを諦めて、彼女を見殺した。」
「…………」
「俺を憎んでもいい。此花さん。俺は貴女たち親衛隊大事な一員を見殺した……本当にごめんなさい!」
本心を込めた言葉。都は顔すらも寿々花の方に向けない。
きっと彼女は凄く怒っている顔でこっちに睨んでいるのだろう。それもそうだ、自分はあの可愛い少女を見殺したのだから。
「はぁ……貴方って人は、いつも自己責めが強いですの?道理で柳瀬さんは貴方を手放せたくないですわ……」
けど、そこで予測外の反応を取ってしまった寿々花は駄目息をついた。
「此花さん?」
やっと彼女の方向に向く都。こんな反応は予測外だ。
「衛藤 都、よく聞いて。結芽は最後までは幸せな顔でしたわよ。貴方が彼女の最後を見届けた者として、彼女はきっと満足だと思うわ」
「でも……彼女は死んーー」
「あれは病気、貴方はお医者ではありません。そもそも、あれは癒やされるはずがない病気です。我々もノロの力を借りて、彼女が無事だと思っていましたわ」
そう言って、寿々花も辛そうな表情を示した。
「けど、最後は病気に敵わなかった。ノロの力さえも彼女を救えなかった……私達も彼女に何もさしあげなかった……けど、貴方は違います。貴方は彼女の最後に幸せを与えたのよ。」
「俺が結芽に……」
「ええ…ですから。貴方に数えきれない感謝の意をこの胸に抱かえています。大事な妹を助けてくれてありがとうございます。“都さん”」
辛い表情から満開の花が咲いたような微笑み。彼女は心の底から都を感謝している。
そして、そんな彼女の微笑みで都はドキドキさせられた。
あまりにも心が綺麗な人でした。外見だけではなく、心も凄く綺麗。
「…………名前通りか。流石お嬢様//////」
顔が赤くなった都は少し彼女から視線を逸らす。これ以上見てみると、熱でも出てくる気がする。
「なんの事ですの?」
都の言語に理解していない寿々花。
「此花さんは名前の二つの花のように綺麗な人だと思ってた。凄く綺麗だった//////」
「な………!?///////」
そして、都の不意の言語に顔が真っ赤になった寿々花。彼女はこんなロマンチックの褒め方で胸がドキドキさせられた。
本来、こういう言葉は社交パーティーで何度も聞かされて慣れてしまいましたが、彼の口から出てくると、心臓がなぜかバクバクと加速した。
「…………貴方って、偶に無神経ですわね//////こういう褒め言葉は容易く女性の前に言うじゃないわよ//////」
「え、なんて?俺は本心のままに言うけど」
「………男性版の真希さんか……危うく忘れましたわ」
恥ずかしい顔でそう呟く寿々花。
彼女はすごく可愛く見えるのですが、呟いた言葉は意味不明。
しばらくすると、寿々花は咳払いをして気持ちを落ち着かせてから(実際に落ち着けているかはわからない)都に向かって真面目な顔で話す。
「都さん、貴方を慕う女性が二人くらいにいますから。こういう言葉は今後とも控えていただきたい」
「俺に慕われる女性?ご冗談を。俺はモテ男ではないです。美濃関でも女性に嫌われていますよ(一部は自業自得)。」
「なら、衛藤可奈美さんと柳瀬舞衣さんは?彼女たちは貴方に明確な好意を抱いているはずですわ」
あの二人の名前を聞いて、都の心は一瞬加速した。あの二人は彼にとって何より大事な存在。時おり彼女たちにドキドキさせられる。
都は何回の死ぬ直前の体験でこの感情を気付いているが、ずっと知らないふりをした。
「あれは俺を大切にする好意ですよ。ずっと一緒にいるから」
「本当にそう思っていらっしゃるの?」
「うん。俺のような男に恋をしても幸せにならない。可奈美は実の妹、俺とはありえないですよ。舞衣ちゃんもお嬢様だから、妹に夢中するバカには似合わない」
そうだ。それが俺の言い訳だ。
彼女たちは最高の女の子だから、俺のような者には似合わない。
「なら、貴方は彼女たちのことをどう思います?」
「命を替えても、お守りしたい大事な人。最近はちょっと増えているけど。……結芽の件でもいい、姬和の件でもある、沙耶香も放っておけないくらいに可愛かったから助けてあげたい。俺は彼女たちと知り合ってから、守りたい、助けてやりたいという欲がどんどん増えてきた。欲まみれなのかな?俺」
苦笑し、都は自覚がある。自分のこういう思いはただの傲慢だ。
弱いのくせに、守りたい者を増やすというのは傲慢の一つだ。欲深いのよ。
「そんなことがないですわ。これも貴方が彼女たちを大切にする証です。良いことです。ですがーー」
「これは程々にしていただきたい。無理は禁物です。あまり人に心配をかけるのは良くないことですわ」
「でも、そうしないと、守れるはずのものは……」
「………全く、ますます真希さんに似ていますね。貴方は」
小さい駄目息をついて、寿々花はベッドから降りて都のところに歩いてきた。
別に彼女は傷があるから、ここで療養じゃないらしい。他の理由でここにいる。
「一人で背負うつもり?」
都の前に来て、両手を胸に組んでる寿々花。上から目線をこっちに見下ろしている寿々花は少し魅力的だった。
「一人……じゃないけど。無理をするよ。」
「あら?誰と一緒に?」
意外な返答に、寿々花はちょっと驚きながらそう聞く。
「全員と一緒に。あの日のことは朱音様から聞きました。六人は俺を救うために、折神家に突入してきた。その話を聞いて、俺の命は俺だけのものじゃなくなる気がしてきた。」
「……俺なんかのために、危険を犯して折神家と喧嘩を売った。」
「なんかじゃないですわ……。彼女が危険を犯しても貴方を救いたいということは既に貴方が彼女たちにどれほど重要なのは示したのですわ。わかりましたか?」
「はい……」
軽く頷いて、都は寿々花の言葉が理解した。
自分がいつの間に、彼女たちに大切されていた。そのことに都はとても嬉しかった。
だって、誰かに大切されたということは自分が相手にどれほどの価値があることを示す。
薫さんもエレンさんも俺のことを大切にしてくれたのか……交流が長くないのに、俺のことを友達だと思ってくれた。
本当にありがとう、二人共。
「…………それと、私にもその仲間の列に入れさせていただけますでしょうか?私も貴方の力になりたいですわ。これも一つの恩返しですわ。」
「いいの?」
「元とはいえ、貴方は第五席。先輩としては後輩の世話をするのは私の責務ですから」
花のような笑顔をする寿々花。
彼女は本当にどうしようもない魅力が満ちている女の子。見ているだけで、自分はこんな人と一緒にいることがいいのかを迷います。
「………ありがとうございます?此花先輩」
「寿々花っていいわよ。私も都さんと呼ぶから」
「………それは、少し時間をください。いきなり距離が縮まるとは、心の準備が……////////」
「なんて、そこで逆に照れているのかしら?全く、可愛い後輩ですね。」
「うっ……///////」
小さく甘い笑顔に都はこの人のことが苦手だ。心がつい彼女に奪われるから。
そういえば、彼女は俺より年下だと聞きました。見た目は俺より頼れる女性だと思うけどね。
◇
「やはり、この御刀はもう主がいるようですね。」
折神家急襲作戦からの一週間後、フリードマンは原宿から刀剣類管理局の局長室に戻って、その報告を行う。
「そうですか……やっぱりこれは……」
「ああ……間違えなく、刀使の歴史の中でも前代未聞の大事件だ。」
そして、彼の報告の対象はこの数日に刀剣類管理局局長代理として選抜された折神朱音。彼女は横浜港の一件以来、英雄たちを送り出す功績として、民間人に認められて、刀剣類管理局代理局長の位までに至ったのだけど。
ほぼは内閣官房派の人間たちに強制されて、その鎌倉特別危険廃棄物漏出事件の責任者としてこの事件を解決させると押さえられた。
この後のマスコミから迫る悪意が満ちる問題も答えなければならない。ただ若い年で政治の闇を無理矢理受けさせられた朱音にフリードマンは心が痛む。
故に、できるだけ彼女を支えなければならない。幸い舞草の平穏派は朱音様のために、各地の荒魂を討伐や情報収集を行っている。
その中にもいくつの人材も見つけた。一人は特に情報収集や整理能力の腕が上手くて、真庭部長に重用された。
さて、そろそろ本題に戻り。フリードマンは朱音の指示で都が持っている御刀を刀剣類管理局に返すという命令を受け、まず御刀の保養を送るつもりだが、その途中に不思議のことが発見された。
それは、持ち主がないはずの御刀には既に持ち主があることに発見された。
さらに、竹島 雅の報告によると、この御刀は誕生されたばかりに所属する刀使はいないはず。
今この段階でこれを使うのは英雄様ーー衛藤 都しかいないらしい。ならば、この御刀の持ち主の可能性は一つしかない。
「史上初の男性刀使がこの敏感のタイミングで誕生された。」
「………まさか、都さんは御刀に選ばれるとは……本来、これは女性しか選べられない力なんですが……」
フリードマンの推測を聞いて、朱音は重そうな表情でこの発見されたばかりの事実に向かう。
彼の出現は意外だった。彼女たちにとっても、この国にとっても、彼の出現は紛れなく歴史に記録される。
刀使の歴史は400年から始まり(実際、この前にも刀使がいるけど、正式に刀使と呼ぶのは400年前から)。今のところは男の刀使は現れていない。
故に、人々は刀使が女の子しかないという基本常識に脳内に刻んでいた。けど、衛藤 都の出現にこの常識が大きく変わるかも。
刀使はもう女性だけのものではなくなり、男性にもなれる。
これを機に男性が刀使になる流行れが国の中に起きてしまうかもしれない。そんな時はきっと大きいな争いが起きるに違いない。
主に、男性と刀使の争いが現れる。この国は長年の間に男性はずっと女性に頭が上がらないという現状に落ちている。もし、彼らに自分でも希望があると信じていたら、その時は人間と刀使の争いが拡大される。
故に、フリードマンはこの敏感のタイミングだと言った。
それを知っていた朱音もこのことに沈黙している。本来は喜ばしいことですが、彼の出現によってさらなるの争いが起こるかもしれない。
「それについては我々もわからないままだったが、この件はできるだけ隠しておきたいです。朱音様」
「そうですね……少なくとも、タギツヒメが各地に分裂されたノロを先に回収してもらえなければ、それと“三女神”のこともきちんと考えなければ……」
フリードマンの提案に頷く朱音。今のところは彼のことを隠したほうがいい。
けど、そこで逆に英雄たちが余計に彼のことを心配させる。特に一人は彼の妹。
「フリードマンさん……衛藤さんのこと。妹の方はどうしましょうか?」
「可奈美くんのことは私にも悩んでいますね。何にせ、彼はもう彼女たちにとって替えようがない存在になっている。我が孫娘も彼のことを気に入っているみたいだし……」
二人は沈黙していく。
衛藤 都はまだまだ学生の歳。普段は妹思い、仲間思いのいい人。舞草にいる時、彼も皆と仲良くしているように見えた。朱音も彼から少しの快楽がもらった。
そんないい人に荒魂のような扱いしたくない。
「とりあえず、彼が出院できるまでに観察しましょう。今は三女神のことを集中しなければ」
「はい……わかりました。それと、御刀のことはーー」
「真庭部長に託します。念の為、刀剣類管理局に置かないほうがいい。」
「わかりました。ご報告お疲れ様です。」
「貴女こそ、あまり無理しないほうがいい。我々舞草はまだ貴女が必要です。」
「はい」
報告が終わり、フリードマンはこの部屋から出ていた。
「お姉さん……私はこれからはどうしましょうか」
不意に本心が口にうっかり漏れた朱音。彼女の顔はとても疲れたように見えた。
都は史上初の男性刀使だと発見されたけど、立場として女性だらけの刀使世界ではかなりやばいです。彼の出現によって刀使の世界が大きく変わる。果たして、この先、彼はどう向かうべきなのか?