可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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なんか……早苗と都がイチャイチャする回になりましたね……。ただ早苗の可愛さを読者さんたちにわからせたいだけだったが……少しやりすぎましたかね?


第34話:妹がいない四ヶ月

 

 

 二週間前ほどーー

 

 

 三ヶ月続けていた病院生活から離脱した都は真庭本部長直々の指示によって各地に飛ばされて、刀使たちの指揮という役割を取る。

 

 本来はずっと病院に監禁されたままだけど、寿々花の推薦によって、やっと認められて外に放り出された。

 

 これも元親衛隊軍師の此花寿々花の名声によるもの。本当に、この三ヶ月間ずっと彼女に世話された。

 

 いつかこの恩を返さなければならないと出院してから、都は文句言わずに各地の任務を果たしていく。

 

 そして、彼は今日もある任務を見事にこなした。

 

 「これで一応任務を完了と言ったところか……にしても、荒魂の出現がこんなに頻繁になっているとは……やっぱりあの決戦は関東だけではなく近畿地区も影響されたのか……」

 

 衛藤 都は撤収作業をしている刀使たちを見守りながら奈良市最近出現率が普通ではない量の荒魂出現に深く考え込む。

 

 今だに控える範囲内で対処できるですが……数がもっと増えば、ただ平城の刀使たちだけでは食いきれなくなる。

 

 本来、自分も刀使たちの負担を下げるために参戦したいところだけど、本部長に禁じられた。理由もちゃんとわかっているつもり。

 

 自分は異常の存在。史上初の男性刀使として誕生した自分は刀剣類管理局を攻撃している議会の汚い人たちに利用されるかもしれない。

 

 特に鎌倉特別危険廃棄物漏出問題以来、女性の刀使は世間に不信用された。理由は大層に予想がつけられる。何にせ、問題は折神家からだ。

 

 あの日、タギツヒメは折神家を中心にして関東一帯に荒魂を雨のように降り注いた。つまり、この災害は折神家からの物。

 

 政府も特に刀剣類管理局を目障りと見ているのだろう。理由も予想がつける。権利が持ちすぎた組織が国の脅威になる。だから、彼らは次々と朱音様達を攻め続けていた。

 

 本当に嫌な国なのね………。

 

 さて、本題に戻り。俺という男性刀使という存在は恐らく新たな争いの種になる。なぜって?それは女性たちは不信用されたから、男性の方が信用できるなんて馬鹿な理由。

 

 まぁ、仕方ないよね。この国は特に20年前から腐っているから。大荒魂の誕生も彼らにも手を貸している。たとえ、それは不本意だけと。

 

 とりあえず、俺は真庭本部長の指示で各地で刀使たちを指揮していて、功績を積み上げるところ。

 

 これも一つの策だ。俺という存在が刀剣類管理局のために必死に働いた姿を世間に見せつけて、“男性である俺”が最初から刀剣類管理局の側だったことを判明する。

 

 そうすれば、俺の正体がバレ、利用されようとしても争いも最低限に抑えられる。ちなみにこの策を作ったのはフリードマンさん。流石、舞草の軍師さん(勝手に名付けた都)。

 

 「……今、未来のことを考えても仕方ない。俺もそろそろ戻って、次の任務を待機するか」

 

 「今日はお疲れ様です。衛藤隊長!」

 

 余計な心配をやめて、都は寮に戻って待機すると……唐突に、誰かに呼ばれた気がしてきた。

 

 そっちへ向くと、そちらにいるのは灰色ショット髪の女の子。彼女の制服からは平城の人であることを判明する。

 

 そして、彼女は元気よく笑顔で都に向かう。

 

 「おぅ、お前もお疲れ。確か、名前は岩倉さんだっけ?」

 

 「はい!岩倉(いわくら)早苗(さなえ)です。名前覚えてくれてありがとうございます。」

 

 「それは大袈裟だ……」

 

 「いいえ、隊長がこっちに転移した数日に誰の名前をよく覚えていないと、皆はよく文句を言いました!ですから、隊長さんに覚えられて嬉しいです。」

 

 そういえば、俺はクラスメイトの名前もしっかり覚えていないなぁ……まぁ、重要じゃないから、覚えないのも仕方ない。

 

 「それは岩倉さんの剣筋があまり綺麗なので、つい見惚れちゃったのかも」

 

 「隊長は剣術に詳しいですか?」

 

 「うん。だから岩倉さんの綺麗な剣筋を見て、つい見惚れた。」

 

 「なるほど。だから、腰に刀がついているのですね。けど、その刀は御刀ですよね?それと、それは私達がつけていた御刀固定装置ですよね?」

 

 彼女の視線は都の腰部位に移す。そこには刀を固定する装置と御刀がある。

 

 「うん、俺は鍛治科出身だから、御刀を便利に持ち出すため、これを作っちゃった。それと、御刀については機密ですから、気にしないでくれ」

 

 「わかりました。鍛治科出身ということは美濃関の方だよね?なら、隊長はもしや衛藤可奈美さんのご親族ですか?」

 

 「うん、あの英雄のお兄さんなんだよ。」

 

 気分が高ぶる早苗、彼女の目はキラキラしているのが一目でわかる。何にせ、可奈美は大荒魂を倒した大英雄だから。

 

 それと、苗字も特に隠していないから、バレるのも予想中だ。それに、隠す理由もなかったし。

 

 「凄いです!まさか、衛藤さんのお兄さんがうちらの隊長だなんて……私は今日のことを絶対忘れません!」

 

 「ハハハ、興奮しすぎるな。俺は妹と違って、全然凄い人じゃないですよ。」

 

 自嘲するような行為を取る都。彼は自分と妹の距離を知っている。

 

 彼女は英雄、自分はただ彼女のような名声がない兄。ならば、両者の差はもうわかるんだよな?有名になったのは妹、俺はただの兄だ。

 

 「いいえ、衛藤隊長は凄い人なんです!」

 

 「岩倉?」

 

 都に不意に近づき、彼女は真面目な目で彼を見つめる。

 

 「貴方の指揮下で動くのは不思議にすごく安心します。ですから、皆はいつもよりやる気を出して荒魂と戦っていました。これも、衛藤隊長が私達を見守っているからだ。」

 

 「岩倉……」

 

 「ですから、もっと自信を持ってください。私は衛藤隊長に自信があります!」

 

 早苗からの優しい微笑み。少し心が暖めされた気がする。彼女はきっと舞衣たちと同じいい女の子なんだろうね。

 

 こういう人の心を温める笑顔はその証拠だ。

 

 「俺はただ精一杯誰も怪我されたくないと思っているだけだ。……でも、ありがとう。岩倉」

 

 「どういたしまして、衛藤隊長。」

 

 照れ隠しなのか、都は彼女から視線を逸らす。ただ一週間の付き合いなのに、自己が部隊の隊員に認められたとは……素直に嬉しい。

 

 「それより、衛藤隊長はこれから寮で待機ですか?」

 

 「ああ……そのつもりだ。次の指示が来るまでに、ここで滞在するつもり。」

 

 「なら、私は隊長の部屋に行ってもいいですか?」

 

 「はぁ?」

 

 唐突、彼女にそんな話を聞かれて、都は呆れた反応だ。

 

 部屋?女の子が男の部屋に?なぜ!?

 

 内心で慌て始めた都。彼は一応異性を気にしている頃の男の子ですから、女性にそう聞かれていくら鈍感でもそういうの気にしている。

 

 「衛藤隊長は出撃以外にずっと一人で過ごしましたわね?私達はまだ隊長のことがよく知りませんから……隊長が異動になるまでに、私は隊長のことをもっと知りたいです!」

 

 「………な、なるほど‼(汗)」

 

 「……?」

 

 少し勘違いしている自分をぶん殴りたい。

 

 彼女の瞳はとても純粋、真っ直ぐで、少し可奈美と似ているが、似てない女の子。

 

 しかもまだまだ中学生なので、男性に対する異性意識はまだ強くなってない(身近い異性を標準)から、岩倉がこういう提案を出したと思う……多分。

 

 「………なんでもない、俺の部屋に来てもいい。言っておくけど、つまらないのよ。俺の部屋。」

 

 「あ、はい!ありがとうございます!」

 

 笑顔で元気よく答える早苗。彼女の元気さはとても魅力的だった。

 

 その後、軽く報告を本部へ送り出して、早苗と一緒に平城学館に戻る。

 

 ちなみに、平城の五条学長は今頃にいないみたい。姬和もある理由で学館にいない状態。

 

 あれからの四ヶ月後、姬和はどうなっているのかな?母の仇を取った彼女は今頃何をしているのだろう?

 

 学館に戻る道中に都はずっと姬和のことを考えていた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「ここが衛藤隊長の部屋ですか?なんか普通だね。」

 

 都の部屋に到着した早苗は早速その感想を述べた。

 

 「短期で滞在するつもりなので、部屋は元のままにしている。それでも、雑乱に過ぎないように、最低限の掃除も行っている。」

 

 御刀を床の間に置いていく。平城の宿はすべて和式をメインにする設計だらしい。最初はここに来るときはびっくりしたのだけど、ここの生徒は特に慣れていた。

 

 それと、早苗も寮に住んでいる者だらしい。

 

 「さぁ、適度に座っていい。俺は晩ごはんを作る。」

 

 「は、はい!って、衛藤隊長は料理できますか!?」

 

 少し口を開いて、早苗は立ったまま驚く反応だ。

 

 「うん、前からは妹のために料理の腕を上げたのよ。男が料理をするのはそんなにおかしいですか?」

 

 「いいえ!ただ衛藤隊長のために自分の手料理を振る舞うと思って、食材を自室から連れてきたのだけど……」

 

 彼女は苦笑しながら、手に持つ袋を見せつける。あの中にいるのは食材だったのか……。

 

 それにしても、俺のために料理を作る女の子か……舞衣ちゃんの次に彼女は二番目。その気持ちが素直に嬉しい。

 

 「ごめんなさい、余計のことをしちゃって……」

 

 「………いや、せっかくだから、晩ごはんは岩倉に任せる」

 

 「え?それって……」

 

 「二回言わせるな。俺の晩ごはんはお前に任せたぞ」

 

 「………はい!」

 

 故に、俺はその気持ちを踏み潰さないため、彼女に晩ごはんの役割を任せた。せっかくの気持ちだから、尊重したいんだ。

 

 結果として、彼女はとても嬉しそうな表情で食材を連れて、すぐ台所の方へ移動した。

 

 やっぱり女の子は笑ったほうが可愛いと都は再び認識した。

 

 それにしても、部屋の中に台所を設置するのは中々の出来事だな。平城の学長も結構変わった人だね。

 

 「さて、料理を待つ間にこれをやろうか」

 

 そう思って、料理を待つ間に都は床の間に置いた御刀を持ち出し、鞘から抜け出す。

 

 「…………」

 

 全集中に至らぬ程度の力で、御刀を感じ取る。

 

 そして、白い光が一時に自分の身を纏ったが、すぐ消し去る。

 

 「やっぱり写しは一時だけに使うか……普通の刀使のようにならないのかな」

 

 御刀を見て、都はブツブツと分析する。今のところは彼が刀使だけど、道半端の刀使だ。

 

 何にせ、写しを一瞬しか使えないのはこの国には彼一人。理屈は知らないが、これはまだ御刀が完全に認められないと直感が彼にそう教わった。

 

 ちなみに、フリードマン博士に実験された結果に俺はどうやら連続写しを貼り直しても刀使たちのように疲れがないらしい。

 

 写しが物理的に剥がれなければ、基本的に好きなだけ写しを貼り直すが可能だ。

 

 ただ、一回写しが剥がれる実験で俺はすぐ立てられないような状態に落ちてしまった。

 

 フリードマン博士から解析すると、多分これは訓練不足だからだ。何にせ、俺は刀使になったばかりに刀使たちの訓練なんて一度も受けたことがない。

 

 身体の方はまだこの力を慣れていないから、加えて俺は文字通り途中半端の刀使なんだ。

 

 御刀を鞘に収めて、床の間に置き戻す。これ以上試しても無駄だと思う。

 

 「………やっぱり、追いつくのが大変だな。」

 

 男性刀使になる以上、できる限り可奈美たちのように写しを長く維持したい。そうすれば、彼女たちと一緒に戦える。

 

 「この先の道もまだまだ長い……現在の俺は可奈美達に何かをあげられるのか……正直迷っちゃうわね。」

 

 自分の無力さにずっと悩み続ける都。彼は四ヶ月間、最愛の妹と舞衣と姬和と色んな仲間たちのことを思いながら、自分が何かをできるか悩み続けた。

 

 そして結芽から学んだ(#実際は記憶で剣技を再現と本から彼女の剣技を自分の剣に溶け込む)剣技でどれくらいことをできるか……。

 

 「衛藤隊長、大変お待たせしました。」

 

 しばらくの時間を経つと、早苗は台所からうどん料理を持ってきました。

 

 「うどん料理か……久々だな」

 

 「はい、これは私の好物ですが……衛藤隊長にも気に入ったら、嬉しいです//////」

 

 うどん料理を都の前に置いていく早苗は丸トレーで赤くなる顔を隠す。

 

 その仕草はとても可愛くて、彼も思わずドキドキした。何より、彼女の平城の制服エプロン姿も彼女と凄く似合っている。

 

 「お、おう//////それより、お前の分は?」

 

 「あ……そうだった!衛藤隊長に早く食べさせたくて、つい……すぐ持ってきます!///////」

 

 自分の分を思い返し、また台所の方へ戻っていく早苗。

 

 本当に何なの?外観は普通なのに、可愛すぎだろう。何度も早苗の可愛いところにドキドキされた都はその感想を心の中に述べた。

 

 今日からは正式に認識するなのに、都はもう彼女の良さをよくわかった気がする。彼女を嫁だったら、きっと死ぬほど幸せだろう。

 

 それから、早苗が自分の分を用意した後。二人は「いただきます」と言い、水沢という名前のうどんを楽しく食べ始めた。

 

 味の方は結構美味しかった。流石、彼女がお勧めの食物と言ったところ。

 

 「えっと……味はどうですか?」

 

 「お前の好物になる原因がわかるほどに美味しかった。後はレシピもコピーさせてください。妹達にもこれを食べさせたいから」

 

 「………ふふっ、衛藤隊長は本当に妹思いのお兄さんなんですね。わかりました、後はレシピを教えます。」

 

 「助かる。」

 

 お互いが仲良く笑い合う。こうして二人は楽しい食事を過ごした。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 「馬庭念流か……」

 

 「はい、まだまだ勉強中なんですけど……」

 

 食事が終わり、食器も洗ったところに二人は軽く雑談してから、いつの間にお互いの流派を語る。

 

 にしても、距離近くない?

 

 都は隣に無防備で座っている早苗を気にしている。信頼されていたのは嬉しいことだが、女の子が男の部屋ではもう少し警戒した方がいい。

 

 特に早苗は可愛い女の子。顔立ち、個性、仕草が可愛くて仕方ない。身体の方は豊かのタイプではないが、それでも十分に男を興奮させられる魅力がある。

 

 まぁ、都は手を出さないけど。彼女は姬和の友達であり、部隊の隊員でもあるからだ。

 

 「道理で俺の目を惹きつけますね。貴女の流派は主に足で力を出し、最速の速度で飛んできた矢を斬り落とすだと本で読みました。」

 

 「私の剣はそんな大層なことじゃないですよ〜〜!!まだまだ途中半端ですし」

 

 謙虚、それとも自信がないなのか。彼女は苦笑いながら、自分の御刀を優しく撫でる。

 

 「十条さんにも遥かに届かないですし。御前試合で綾小路の人と相打ちなので、初戦であっさり淘汰されたのです。」

 

 「御前試合に出たのか……気付かれなかった。」

 

 四ヶ月前の御前試合の時、注意は完全に可奈美たちに視線が奪われた。

 

 「あはは……私って十条さんより存在感が薄いだからね。彼女は強い、遥かに強い………ううん、違う。きっと彼女が十分頑張ったから、あんなに強いんだ。」

 

 「毎日遅くまで、ずっと一人で稽古していて、真面目で鍛錬を積み重ねる。それは彼女の強さなんだから、私も頑張って彼女の隣に立てるように剣の腕を上がろうとしたのですが……結局、このざまなんだよね。」

 

 再び苦笑している彼女、顔からは少し寂しく感じる。

 

 「私は十条さんに何もしていなかった。御前試合決勝戦の時もただ見るだけで……」

 

 この子は俺と少し似ているね。俺も姬和の大事な時に助けられなくて、ずっと悔やんでいた。彼女の幼馴染なのに……。

 

 「誰もあの場でこうなるだよ。あまり気にするな」

 

 「あっ、……衛藤隊長は優しいですね。」

 

 「惚れたのか?」

 

 「少しだけ/////」

 

 「…………////////」

 

 冗談を言うつもり都ですが、早速彼女にドキドキさせられた。本当に油断ができない魅力がある人なんですね。

 

 因みに、彼女の頭を撫でた。感触は最高でした。

 

 「そういえば、衛藤隊長も同じなんですね……?」

 

 「何か?」

 

 「衛藤可奈美さんが十条さんと逃走しているときも、私と同じ不安なんですよね?」

 

 ああ、確かに不安でしたね。けど、そんなことより行動を出すほうがいいと判断したから、こうしていい思い出がたくさんできちゃいます。

 

 可奈美、舞衣ちゃん、沙耶香、薫さん、エレンさん、朱音様、結芽などの大切な方々と出会った。そして、寿々花と仲良くできた。

 

 再び自分の人生を幸せだったと感じた。

 

 「もちろん、不安なんだよ。けど、そんなことより俺は妹たちを手助けるために、真っ先に行動を出したから、たくさんの出会いがあった。」

 

 「………そう。ちょっと羨ましいな。隊長さんに」

 

 羨ましい目線を都の方に投げた早苗。彼女は即座に行動を出せなかった人間だから、実の行動を出した人間にそんな目線なんだろう。

 

 「代償がデカかったのよ。親衛隊と三回の死に合いの困境から乗り越えたから、今の出会いがいる……そうだろう?結芽」

 

 自分の御刀の鞘につけていたいちご大福ネコを見て、都はあの少女のことを思い返した。

 

 自分の人生最も重要な目標(好敵手)、史上最年少の天才少女。彼女のおかけで、剣への熱意も取り戻した。

 

 これも自分が天然理心流を真面目に学んだ理由。彼女の流派を使って、彼女の凄さをこの世に知らせよ。彼女ができなかったことを俺が受け継ぐ。

 

 しっかり見ていたのか?結芽。

 

 「なんか、衛藤隊長は本当に色々あった気がする。」

 

 「そうだね……話せば、長くなるけど。聞いてくれる?」

 

 「もちろん!私は最初それを狙ってやってきました。」

 

 「よしよし、お茶を入れたら話そう。」

 

 「私も手伝います。」

 

 都がお茶入れようとするが、早苗も立ち上がって一緒にお茶を入れる作業に入る。

 

 彼女の手付きが繊細で、手慣れている。

 

 「なんか、岩倉はいい嫁さんになりそうだな。」

 

 「え!?////////」

 

 都の不意の言葉に顔が真っ赤になった早苗。そして、これを作る張本人はまだ自覚なし。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 「…………すぅ……すぅ……」

 

 少女の寝息が耳近くに響いていく。

 

 14歳未成年の少女の匂いと柔らかい身体はどんどん俺の理性を奪っていく。

 

 いつの間に、彼女ーー岩倉早苗は無防備で都の隣に眠ってしまった。

 

 一応彼女を自分のベットに運ぶつもりだが、色々まずいからやめた。

 

 岩倉早苗は魅力がある女の子。都は何度も彼女のせいでドキドキしてしまった。

 

 そして、今も彼女の寝息と匂いと肩だけの接触でドキドキしたのだ。

 

 「これは流石にまずいよな。でも彼女を起こすのも可哀相だし……」

 

 「………すぅ……すぅ……」

 

 横目で彼女の寝顔を覗く、とても穏やかな可愛い寝顔でした。

 

 こんな顔を見てみると、なんか舞草に行く時に見た光景を思い返した。

 

 あの時の沙耶香と舞衣は本当に可愛くて、尊く見える。そういえば、あの二人は今頃に何をしているのかな?忙しすぎで体調が崩れなければいいのだけど。

 

 「ん…?」

 

 その時、都の携帯端末に電話が入った。こんな朝早い時間は誰だろう、と発信者の名前を確認すると、『柴田さん(クソおじい)』とあった。

 

 柴田さん?三ヶ月ぶりに本部長以外の電話が意外に彼だった。なんて、今更彼から電話を?自分はもう柳瀬家の執事ではないのに……。

 

 とにかく電話に出よう。そうしなければわからない。応答のアイコンに触れ、端末を耳に当てる。

 

 「もしもし、柴田さん?お久しぶりです。」

 

 『久しぶりだな。最近はどうでしたか?刀剣類管理局の下で働くのが気持ちよかったのかな?』

 

 こいつ、なんて俺が刀剣類管理局の下で働くことを知っているんだ?

 

 「ああ……少しブラックのところがある場所なんですが、礼儀なんて気にしなくやっていいから、結構気持ちがいい職場でした……多分。」

 

 真庭本部長は労働基準法が知らない人らしい。出院してからはずっと各地で指揮をしていて、休める時間もほどんといなかった。

 

 よく計算したら、休める時間は最大一晩の時間しかない。そこは唯一救えるところなんですね。

 

 休めず働くよりマシだ。

 

 『それは良かった。けど、こっちには悪いお知らせがあります。もしかしたら、貴方はこっちに戻ってくるのかもしれない。』

 

 「どういうこと?」

 

 『実は旦那さんがーー』

 

 




この後の予想もみんなさんがついたと思いますが、柴田さんの連絡があって、都は柳瀬の事情を早く知ることができました。ちなみにアニメ第十四話、舞衣の両親たちはいつも国外で仕事をしているから、家に帰ることはほどんといなくて……これだけ見ると、どれだけ忙しいのもわかるように見えます。

それと、ここでは一応都のために、オリジナル新章を用意しましたけど、メインストーリーを長く放置するのも良くないので……新章のことは別の機会で投稿いたします。

新章のことについて、舞台は奈良市。そして、長編に作る予定という考慮で時間シリーズは同じですが、波瀾篇としばらく切り離します。



ちなみに今話に登場したいちご大福のあれは都の手製といつもの。彼も小さい頃あれが好きなので、ファンでした。現在あれを持っているのは沙耶香と都と獅童真希。
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