可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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今話が相当重要の話なので、細かく書きました。

正直のところ、作家はけっこう薫というキャラの人物設定が好きです。個性は超面白いはともかく、彼女の家族背景があまりにも特殊しすぎで、彼女が他の刀使より特別の認識が持っていた。それについて、今話が説明する。


第40話:荒魂と人の狭間

 俺はこの世、一番おかしいの刀使だと自覚していた。いや……むしろ、うち(益子家)はおかしかったのかもしれない。

 

 刀使でありながら、荒魂と一緒だとは頭がおかしすぎた。俺は反抗期の時もそう思っていた。

 

 荒魂は悪。人に危害する怪物。仲良くなどはありえない。

 

 しかし、ねねのやつはいつも俺がピンチの時に助けてくれた。文句言わずに……いや、そもそも言葉が通じないからわからんが……それでも俺にはわかる。ねねは悪いやつじゃないんだ。

 

 弱いくせに、力がないくせに、簡単にやられるくせに、それでもねねは当時暗い森に迷う小さい子供(オレ)を見捨てなかった。

 

 お前に散々小石を投げたのに、酷いことをたくさん言ったのに、お前の警告一つも耳に入れなかったのに、お前を化物だと見ていたのに……。

 

 それでもねねはそばにいてくれた、膝のかすり傷も舐めてくれた。

 

 なんてお前は人類と仲良くしようとしたんだ?怪物らしく俺たちを傷つければいいのに……なんでお前(ねね)はいつも俺の隣にいたのだ?なんで俺の小さいヒーローになるんだ。

 

 いや……ねねに答えを求めるのは仕方ない。あやつは荒魂、俺たち人類の複雑の思考を理解しかねない……いや、それも違う。あやつもあやつのペースで少しずつ俺たちに近づこうとしてたんだ。

 

 この四百年はずっとそうでした。人類と生活するために、あやつは無害の生物になり。俺、俺たち益子家を守り続けた。

 

 それは使命なのかは知らんが、いつの間にねねは俺の大切なペットになった。

 

 その後、俺はよくねねを連れ出し、一緒に遊んでた。しかし、俺はまだ他の刀使がねねのことをどう見るのか考えていなかった……。

 

 

 

 

 

 

 「益子さん、なんで荒魂を連れてくるの!?早く捨てなさい!」

 

 「これから荒魂と戦うのに、そんな人と協力なんてできないよ!万か一その荒魂が私たちを攻撃したら、どうする!?」

 

 「そうです。これだって、何時私達に危害を加えるか分からないし……」

 

 薫は正式に長船女学園に入学し、刀使となった頃。

 

 他の刀使から、ねねへの批判が薫の耳に良く聞こえるようになっていた。

 

 これが現実。荒魂を心の底から敵だと認識している正常の刀使の反応。

 

 皆はねねの存在を拒否した。

 

 「……ねねは俺達に危害を加えたりなんか絶対しない!!よく考えろ!こんなエロい荒魂はおっぱいに突っ込む以外に何か出来るか!?こんな無害の生物はなんてお前らがこんなに怯えているんだ。ねねは友達なんだよ!」

 

 クラスを決める際、それを言われることが多く、その度に反論し、よく教室を飛び出していた。そのせいでよくババァ……真庭学長に面倒を見られた。

 

 だが、その度俺は後悔はしていなかったと学長に言い伝えた。

 

 彼女等はねねのことを何も分かっていないだけだ。ちゃんとこいつを分かれば、きっとこいつの良さがわかるはず。

 

 ううん、頭が硬い連中にはきちんとわからせてやるしかない。

 

 何を言われようが貫くだけ、それが益子の……いや、益子薫の生き方。考えて斬る、ということ。

 

 俺はねねと一緒に過ごしたい。誰か反対しようとも、俺は必ずねねを守る。

 

 あやつはもう十分俺を守ったから。今度は俺が守る番なんだ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「へいへい、沙耶香ビビってる〜?」

 

 挑発しか思わない挑発発言。

 

 薫は卓球のラケットを叩きながら、挑発の顔と手付きで沙耶香を嘲笑う。

 

 でも悪意のもんではないから、別に嫌いじゃないが……どうして卓球を?

 

 現在全員は隊長命令でお風呂のあとは卓球場に参った。そこで薫はラケットを持って沙耶香を指名して挑む。

 

 何挑むって?卓球だよ。

 

 「糸見さん、ファイト!」

 

 「隊長なんでやっちゃえ!」

 

 そして、何かなんだか皆のテジョン超高い。副隊長も何にも口出さない。

 

 「えっと……なんで卓球?」

 

 「どうも何も、温泉といえば卓球だろうか」

 

 「そうなの?」

 

 都は遊びなんて精通しないから、わからない顔で他の隊員に尋ねる。

 

 「そうですよ!ここ最近隊長はずっと卓球熱心で……できれば、その熱意を任務に置いていれば……」

 

 「全くだ。」

 

 「あはは……」

 

 なんか薫はすげぇ隊員たちに迷惑かけたよ。彼女は怠け者だと知っているが、そこまでか……。

 

 「薫、今は任務中。」

 

 「真面目か!?バカヤロウ!遊びと休みも任務のうちだ!!」

 

 「説得力があるな……流石隊長。」

 

 「そうですね……毎回はその言い訳を」

 

 「だめな一面は逆に尊敬します!」

 

 尊敬すんな。ダメ人間になっちゃうじゃない。

 

 「ねねっ!」

 

 「ねね?」

 

 その時、ねねは沙耶香の肩に乗せた。

 

 「ねっ!ねっ!ねっ!」

 

 「こう?」

 

 そうしたら、ねねはしっぽを右から左に振り回す。この様子はどうやら沙耶香に卓球のやり方を教えようとしてた。

 

 「ふっふっふぅ!ねねが居たところで貴様は所詮遊びの素人!本気の遊びというものを教えてくれる!」

 

 「おい、あいつはフラグを立ったぞ。」

 

 「はい、流れるように立ってますね。」

 

 「はっ、はっ、はっ!行くぜ!沙耶香!」

 

 大笑いした薫はまだフラグが立てたことを気付かずにボールを空に軽く投げ上げて、発球姿勢を取る。

 

 沙耶香も迎撃態勢で薫の初攻撃を待機する。

 

 「キエーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後ーーフラグは見事に回収された。

 

 「勝者、糸見沙耶香!」

 

 沙耶香は見事勝利した。

 

 「糸見さん、すごい!」

 

 その勝利に盛り上がる隊員たち。

 

 「意外に体力がないですね。薫さん」

 

 「はぁ……はぁ……はぁ……薬丸自顕流(やくまるじげんりゅう)は一撃仕留める瞬発力があると……いいん……だ……はぁ……はぁ……」

 

 その逆方向に荒息を取り疲れた薫。彼女の敗因はただのフラグだけではなく、体力不足も主の敗因である。

 

 「これもこの流派の弱点であるな……とりあえず、服をちゃんと着ろよ。見どころが困る。」

 

 「おや?興奮したの?衛藤 都」

 

 「ただみとめないから、勘違いすんな」

 

 「ちェ……」

 

 なんでそこでつまらなさそうな表情なんだよ!俺は姬和のように軽くからかわないよ。

 

 「……あっ。いいことを思いついた!ここで待ってろ!沙耶香!」

 

 何か思い浮かぶ薫は早速この部屋から去った。最後は沙耶香の名前を口に出したということはまた何かをやらかすに違いない。

 

 とりあえず、しばらく沙耶香の頭をなでなで褒めよう。

 

 彼女は初めてやるのに、結構上手にやりました。これは褒めるしかないよね?

 

 さらに数分後。俺は少し沙耶香と卓球を遊んだら、薫は大笑いを挟んで復讐のため、戻ってきた。

 

 「ハッハッハッ!御刀さえいれば、お前のような小鬼(ごっこ)は敵じゃね!」

 

 彼女の手に持っているのは彼女の御刀である。

 

 「汚い……」

 

 「「卑怯……!」」

 

 「逆の意味で尊敬します!」

 

 「糸見さん、ファイト!」

 

 「下剋上よ!」

 

 「部屋を壊さないでくださいね。」

 

 薫の卑怯行為に都と平城の者はこのような汚い行為に認めない。流石の遊びで神力を使うのがないわ。

 

 因みに、副隊長は冷たい口調……もう薫のことを諦めたのかな?

 

 とにかくだ。薫は最低の人間である。

 

 「ねっ!」

 

 「うん、頑張る。」

 

 「いい度胸だ。覚悟しやがれ!」

 

 おい、完全に悪人顔になったよ。薫。

 

 「あ……そういえば、あの御刀の身長はかなり長いだっけ?狭いところに振ったら大変そう……」

 

 

 ドンーー。

 

 

 言ってる途端、薫は御刀を振ると、御刀は天井を破れ、そのままに挿した。

 

 「…………あっ。」

 

 全員は一気に同じ反応。

 

 「隊長……」

 

 「はい!」

 

 そうしたら、桐生副隊長は数秒後に薫を睨みつけ、薫はすぐ身体がビクッと正座する。

 

 「本部長に報告しますね。」

 

 「はぁ…!?なにとぞお慈悲を!」

 

 なんだ……この短い茶番は。

 

 薫が土下座する様子を見て、都はかなり呆れた様子。

 

 さっきから彼女は何やってんだよ。

 

 「ねっ!」

 

 「こう?」

 

 「ねねっ!」

 

 その一方、沙耶香とねねは勝利にお互いの手をキャッチする。実に微笑ましい光景だった。

 

 ーーどうやら、うまく行ったみたいだね。

 

 その光景を見たのは都だけではなく、薫も少し沙耶香たちの方向に微笑む。

 

 実は彼女最初の目的はこれだ。沙耶香とねねとの仲が良くなることは彼女の狙いだった。

 

 だからこういうふざけた茶番を演じた。効果は絶好調らしい。

 

 ーーこれでねねの友達も増えて、沙耶香も一人の友達が増えた。これで良いんだよね。

 

 ねねの本質を分かる者が増えれば、ねねに対する偏見を持つやつが減る。結構大変だった道だけど、薫は理解者が増えることにとても嬉しかった。

 

 ーーんっ……?

 

 「ねねっ!」

 

 「おい、また俺の頭を……。そんなに心地よいなのか?」

 

 「ねへぇ〜〜」

 

 ねねが都の頭の上に飛んで、そこで身体を伏せる。表情からは気持ち良さそう。

 

 「ねねは都に懐いている。」

 

 「そうだね。別に仲良いことでもしてないのに、変なやつだな。ふふっ……」

 

 「…………ふっ。」

 

 ーーなんだ……すっかりねねと馴染んでいたじゃないか。

 

 ねねが都に懐いて光景を見て、薫は少し安心した。

 

 これで二人共はねねの友達になった。とてもめでたいことだ。

 

 ーー本当に良かったな、ねね。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 綾小路武芸学舎ーー裏山にて。

 

 

 

 相楽学長は朝っぱから花を持て、誰かを弔する。

 

 彼女は毎回時間が空いたら、必ずこの地に参って、少数の人間しか覚えられない彼女を弔する。

 

 しかし、そちらには先客があるようだ。

 

 「皐月夜見……」

 

 先客を見て、相楽学長は思わず彼女の名前を口に漏れた。

 

 元親衛隊の一員にして、彼女(あの少女)の先輩でもある。

 

 「……………」

 

 見た様子では彼女もあの少女を弔する。普段感情すらも感じていないのに……意外に情がある人なのね。

 

 「………」

 

 相楽学長は花を墓の前に置いて、夜見の隣に両手を合わせて弔する。その墓は「燕 家」両字が書いてある。

 

 言うまでもない。これは親衛隊第四席燕 結芽の墓だ。

 

 彼女が死んだあと、親族がない故、相楽学長は彼女がかつてここで通学するこの学舎の裏山で墓を作ってきました。

 

 せめてここで安らかに眠ってほしいと彼女は祈っていた。

 

 「相楽学長、燕さんはきっと幸福でした」

 

 数分に至る沈黙が経ち。皐月夜見は唐突に相楽学長に話をかけた。

 

 彼女にしては珍しい挙動だ。

 

 「雅から聞きました。燕さんは最後までに幸せだったと……」

 

 「そうなのか……」

 

 夜見の話に少し癒やされた相楽学長。彼女はずっと結芽が幸せにしてほしいと願っていた。だから、彼女にノロを与えた。

 

 なのに、ノロさえも彼女を救えなかった。

 

 「はい……燕さんは最後まで刀使らしく戦った。これも親衛隊に入ることができなかったあの方のおかけ……彼は燕さんに良い結末を贈れました。」

 

 「衛藤 都か。」

 

 「はい……あの場は敵同士なのに、彼は燕さんを救うことを選んだ。私たち三人より燕さんの近くにいました。」

 

 「……いつか彼に燕さんを救うことに感謝しなければなりません。ですが、私達はまだ敵同士……刀剣類管理局の一員である以上、私の敵、あの大方の敵、“姫”の敵です。」

 

 僅かたが、彼女の瞳は少し何か悲しむような感情が感じた。

 

 「お前はどうなの?皐月夜見。紫がいない以上、お前はなんのために動く」

 

 「例え紫様が居られないだとも、私の忠義は変わりません。」

 

 忠義か……誰への忠義なんでしょうか。雪那(ゆきな)?それとも姫?どっちなんでしょうか。

 

 「そういえば、姫はどうしている?」

 

 「またふらりと、いず何処かに」

 

 「自由の人だな」

 

 「はい。いつか飽きたら、この世を“本格的に滅ぶでしょう”」

 

 「…………」

 

 “それまでにはまだ時間がありそうだね”。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 「ねねっ!ねねっ!ねっ〜〜ねね!」

 

 翌日、また捜査を再開した薫たちは二つのチームに分けた。簡単に言うと、都と薫と沙耶香は同じチーム。

 

 そして、ずっと都の頭にいるねねはなぜか調子がいいみたいだ。

 

 このまま荒魂を見つかるといいなと思っていた彼。

 

 「気のせいか、俺よりねねは都の方を懐いている。」

 

 都と沙耶香の後ろに歩く薫。彼女は体力が少ないため、彼女を後ろの方に置く。

 

 そして彼女は朝っぱから都がねねに懐かれた光景を見て、少しヤキモチになった。

 

 「気のせいですよ。ねねはただもっと高い景色を見たくて俺の頭にいるのよ……多分。」

 

 「待ってこら、お前は俺をちびと言うのか?」

 

 「いいじゃないか?小さくて可愛いですよ。薫さんは」

 

 まぁ、そのだるい性格のせいで台無しだけど。

 

 「………よくない!俺も時おり身長のせいで子供扱いされたよ!まぁ……無料の食い物超美味しいだけと」

 

 こいつ、少し黙ってもらいません?口を出したら、その可愛さが台無しされちゃうから。

 

 「二人共、今は、任務に集中」

 

 「いつでも集中しているよ。」

 

 「あーもー、沙耶香は真面目だな」

 

 前を歩く沙耶香は立ち止まり、薫と都の方を振り返って言う。常に冷静沈着、与えられた任務は忠実にこなす沙耶香と無気力さを体現したような薫と外見は気楽ですが実は周囲の警戒を怠けず都。

 

 三者異なるモチベーションの差はもはや語るべくもなかった。

 

 「ねねっ!」

 

 そんなところに、都の頭上に乗るねねは突然足を踏み切り、沙耶香の肩に乗り移った。

 

 「ねね?」

 

 「ねねぇ……」

 

 「? どうしたの、ねね……?」

 

 ねねは、沙耶香の肩の上に乗ったまま顔を綻ばせる。今度はねねが沙耶香を懐いている。

 

 「ほら、俺だけではないですよ。」

 

 「はあ……ほんと、同じ真面目系でもエターナル・ヒヨヨン・ザ・ナイペッタンならからかったりできんのになぁ……」

 

 任務に真面目な都と沙耶香を見て、ここにはいない姫和の存在に嘆く薫。

 

 彼女は、その薄い胸元についてイジり倒す度に期待通りの反応を返してくれるのだ。やはり、会話での掛け合いを楽しめる相手でなければ面白くない。元は変人(シスコン)に期待しているのに、彼は妹以外のことになると意外に真面目な優秀の人材だった。

 

 「あ、そうだ。この写真を……」

 

 「薫さん?」

 

 薫が唐突に携帯で沙耶香と彼女の肩に乗るねねの二人の様子を正面から携帯端末のカメラで撮影するところを見て、都は好奇心で薫の隣に移って覗く。

 

 そうしたら、薫はメッセージアプリを立ち上げて姫和に対して送る文面を入力し始めた。

 

 「『ねねが沙耶香になついた。つまり、沙耶香はヒヨヨンのホライズン胸より未来があるみたいだぞ☆』……送信っと」

 

 ついでに今し方撮影した画像も添付し、文章を送信した。どんな返しが来るかワクワクしていた薫に、直ぐ様姫和からの返信が届いた。

 

 『しょうちしたきさまはきる』

 

 漢字変換も句読点もない簡素なものだが、それゆえに彼女の怒りがひしひしと伝わってくるのがわかる。因みに、薫が送信してから返信が来るまで、その間わずか1秒程度。

 

 うわぁ……怖っ。美炎でもそんな短期間で返信できなかったのに……。

 

 姬和の怒りを確実に感じた都はちょっとビビってきた。彼女が元気していたのは嬉しいが、彼女を怒らせちゃだめだとも理解してきた。

 

 「やっぱこうでないとなー!」

 

 そして、姬和の反応に楽しむ薫。彼女は本当に命知らずの勇者だ。逆の意味で彼女のことを尊敬します。

 

 「ねねっ?」

 

 薫が姫和とのやりとりに楽しむところで、沙耶香の肩に乗るねねが何やら茂みの方を指差した。

 

 「ねね、どうしたの?」

 

 「何か感じたのか?」

 

 「荒魂か?」

 

 三人がそれぞれの反応にしていると、ねねが示した茂みからガサッと何か動く音が聞こえた。

 

 「ようやくお出ましか」

 

 「……」

 

 薫と沙耶香と都は三人とも抜刀し、茂みの奥に注意を集中させる。もしや、荒魂なのかもしれない。

 

 それと、都は二人と一緒にそうする必要がなかったが、この場にいる二人は幸い自分の秘密を知る人間であるゆえ、刀使としたの力がこの場で出せる。

 

 まぁ、このメンバーなら負けないのだろう。タギツヒメ戦より厳しい戦いがないだろうよ。

 

 やがて、茂みに潜む荒魂の姿が明らかになり……

 

 「へ?」

 

 「え……?」

 

 なりはしたが、その姿は敵と評するにはあまりにも小さく可愛らしいものだった。

 

 「……これが荒魂?」

 

 予測より遥かに外れて、都はその可愛らしいものを見て呆れた反応。

 

 あれの大きさはねねと同程度。外形はリスに近く、とてもではないが凶悪な荒魂には見えないし、敵意も感じられない。遅れて反応したスペクトラムファインダーの通知音も馬鹿らしく聞こえてしまった。

 

 「こいつか、この辺りを騒がせてる荒魂って。スペクトラムファインダーどころか、ねねでも察知できないわけか」

 

 「熊を何匹殺したとは思えないな」

 

 「またそれを信じていたのか!?」

 

 「ええ、何事も自らの目で判断するものなんで、てっきり大きなやつかと。」

 

 薫は都にツッコムと同時に心の奥が安心もした。こんな荒魂なら脅威にならないだろう。これ以上人里に下りてこなければ特に問題はないしな。

 

 「さて、さっさと山奥に返して――」

 

 だが、薫の横を風のように駆け抜ける一人の影があった。沙耶香だ。




ここでは少しアニメ第五話で話した薫とねねの過去について話します。今作では伊豆の戦いを書いていなかったゆえ、それらの話が出てこなかったけど、今話で少し話します。
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