可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す! 作:黒崎一黒
市ヶ谷方面高速道路にて、白い車が走っていた。その中に乗るのは刀剣類管理局の代理局長とその護衛たち。
静かな車内で四人は沈黙を保ち、都は朱音の隣に座っており、窓側の景色を見る。
そして、発車してから一時間後、可奈美は我慢できず朱音に今日の任務について訊く。
昨日は唐突朱音に頼まれて、全然理由を聞いていませんでした。
「あの、防衛省での護衛って、一体何かあるのですか?」
「これから、とある重要の相手を面会します。」
「重要の相手?」
「はい。とても、とても重要の相手です。正直のところ、何か起こっても不思議ではない……だから、貴女たちに同行してもらいたいです。」
可奈美の質問に答える朱音は目を細く。彼女の手は少し震えたように見える。
「私たちは役に立てるのでしょうか?」
「“貴女たちでなければ“駄目”なのです。」
「私達って……まさか……」
何かを気付いて、姬和は自分の御刀に視線を向ける。“つまりそういうこと”……。
「あそこにはタギツヒメと関わる存在があるでしょうか?」
「………!」
俺の発言に姬和と可奈美は共に驚いた表情。そして朱音はただ「流石です。」と褒める。
その後、しばらく沈黙が行い。朱音はあれ以後に何も言わなかった。
一体、この先は何かを待つのだろ……。
◇
しばらくの時間を経つと、市ヶ谷防衛省に到着した。
外だけではなく、中にも多くの軍人が厳重の警備を行う。
日本の一大事なところとはいえ、このような警備は異常だ。
何かを防げたいのか?しかも、刀使もいる……。
数が少ないが、所属分別なしの刀使が軍人さんたちと同じく警備をしている。
思っていた以上に異常だね……気を引き締めないと。
「お待ちしておりました。代理局長。」
車が止まり、車内から降りたら、すぐ二人の政府らしい人がお迎えた。
「そちらの方々は英雄様方なんですね。お会いできて光栄です。」
一人の男は笑顔をする。その顔はなんかムカつく……そういう偉いさんを作った偽の笑みが嫌いだ。
「そちらの方は?」
「衛藤 都と申す者です。彼も私の護衛です。」
「英雄様のご親族ですか……刀使ではないのに、護衛という重大の任を……」
「…………」
もう一人の男は少し、都をなめた口で呟くと、可奈美と姬和二人は不愉快な表情をになっている。
だが、それは一歩先に二人の前に立つ彼に止められた。
「はい、この度は刀使たちの指揮者として朱音様の護衛を務めた衛藤 都と申す者です。まだまだ不束者ですが、何卒よろしくお願いします。」
「ふん……自分は織田孝雄と申します。」
織田孝雄……つまり防衛省事務次官か。テレビで名前くらいは知っていた。
「………それは御刀だよね?」
都の腰につけた御刀を睨むと、都はただ平然の微笑みで答える。
「護身用のものです。銃より剣のほうが使い慣れているのです。」
「御刀には刀使しか配属されない物だと聞きましたけど?」
「それは昔の旧観念ですね。御刀の力が刀使しか引き出せないから御刀を持っていても、それはただの日本刀に過ぎません。そして、俺も正式の刀剣類管理局の者でしたので、いつ身が狙われるかはわかりません……このように朱音様を護衛するのも彼女を狙う人間もいるだろ」
「元々この仕事はいつも命の危機が関われているのですから、それくらいの護身はお許しください」
最後は身を下げる。一応朱音代理局長もいるから、管理局の顔を泥まみれには行きません。
「……思っていた以上大した男だな。代理局長は良い口論が優れる者がお持ちですね。よろしかったら、彼を防衛省に譲ってもらいませんか?」
「彼に過大の評価をありがとうございます。ですが、彼は我々大事な一員ですので、彼を譲る気がありません。」
「そうでしたか。とても残念だ……」
事務次官は少し残念そうな顔を示す。彼は政治才能を持つ娘がいるけど、個性はちょっと衝動的なものなので、できれば継承人(もちろん、日本の憲法に従う)はもっと冷静な人に任せたい。
「それじゃ、改めて管理局の方々に歓迎する。お待ちしておりますぞ」
「こちらこそ、防衛省がこの度の面会の許可を通してくださって、本当にありがとうございます。」
「いえいえ、中にいる“ヒメ”もそろそろ刀使の代表たちと話したいと仰っていました。」
その後、彼は暫く朱音と表面話をしてたら、部下たちと一緒に朱音様たちを中へと連れていた。
そして、中にはすごく広い空間だった。もし、ここはゲームならボス戦の戦場でも思われるほどの広さ。
それにしても……中にも軍人がいるのか。しかも、刀使もいた。
「なんかビリビリしているね……」
周りには銃を装備する軍人たちがたくさんいる。可奈美は多分初めてこんなたくさんの軍人さんを見たことで心がビリビリしている。
まぁ、気持ちがわからなくもないが……こういう場所は平民風情の俺たちには見慣れない景色であり、一生接するはずがない場所でもある。
にしても、これほどの警備……俺でも手が折れるぜ。連発ができる銃はやはり刀より強い武器だ。
「…………あっ!」
「…………孝子さんと聡美さんだ!」
そんな時、可奈美たちの視線先が見知りの人物たちがそこにいた。
「お久しぶりだね。衛藤、十条……そして、都くんも無事でよかった。」
目の前にいるのはかつて舞草の拠点でお世話された先輩方々。
「お前たちは、なんてここに?」
「昨日つけて配属されたんだ。それにしても、お前たち二人が来るのを大概予想がつくけど、都くんも来るのが驚いたよ。」
「五ヶ月ぶりに格好良くなったわね。美濃関の制服凄く似合っているよ。」
「ありがとうございます。」
都に優しく微笑む聡美さん。彼女は相変わらず舞衣ちゃんと同じ雰囲気が発散していますね……。とはいえ、舞衣ちゃんは一番なんだから。
「聡美、少し控えろよ。」
「あら?そうでしたわね。」
孝子さんに注意されずつ、聡美が都の後ろにいる二人の顔を少し覗くと、意味深の笑顔でそう言う。
なんか舞草の時もそうされる気がする。何なの?
「それより、貴女たちは気をつけてね。」
「中にいる者はこれほどの警備がいても足りないくらいだよ。」
「それって……つまり」
唾を飲んで、都たちは孝子さんたちと短い会話をしたあと、すぐ防衛省の一番奥のところへ行った。そんなところで事務次官が「ここから先は、貴方たちしか入らない神聖な場所。」と言い、外で待ってた。
なんか胸が騒いているな。
扉の前に都の胸が騒ぐ。今更気付いたけど、この中に何か不思議なものがいる。
◇
都、可奈美、姬和及び朱音合計四人が中に入る。室内の空間には真っ白しか言えない光景だった。そして、その中心にいるのは長い階段がある祭壇のような物が建てられていて、何とも言えない荘厳さが溢れる。
ただ見るだけで神聖感が感じ取れる。それにしても、なんか御刀も妙に騒ぐな。
この空間に入ってから、雪はずっと自分しか聞こえない音が鳴いた。何かと反応したのか?
キィィィィ――――。
そんな時に他の二人の御刀も雪と同じく反応し、共鳴の音が脳内に響いた。
「………!」
「…………っ!」
無意識に抜刀の予備行動を行う二人は神社の方へ向く。もちろん、彼も戦闘態勢に入った。
「三人共、構えを解けてください」
「………え?」
「どういうことだ?朱音様。」
しかし、そこで朱音は構えを解けるという命令をくださった。それを理解不能の三人が朱音の方へ一瞬に見たが、すぐ祭壇の方へ向く。
あの中には何かいる。しかも御刀も反応する存在。
「拝観を賜り、光栄でございます。“タギツヒメ”」
タギツヒメ!?
その名を聞いた三人は同じ驚く反応。何にせ、タギツヒメはこの三人に縁が深い大荒魂。仇の敵とも言えるほどの存在。
まさか、彼女はずっとここにいる!?いや……別人だろ。朱音様の反応によると、犯人側のタギツヒメではなく、別のタギツヒメ………?
「その名前を指すものが別にいる。」
そうしたら、祭壇の奥から女の声がこの空間に響く。その声に全く怯えてない朱音は発音を失う都たちに代わって、もう一人のタギツヒメと会話する。
「では、なんと?」
「タキリヒメと呼ぶことをさし許す。」
「承知しました。では、私はーー」
「折神朱音、そして、衛藤可奈美、十条姬和、衛藤 都。」
「………!」
朱音が自己紹介を行う前に、タキリヒメが先にこの四人の名前を口に出した。
事前に俺たちのことを知っているのか……流石、神というべきか。いや、折神紫に通じて、俺たちのことを知っているかもしれない。どっちにしろ、彼女は間違えなく人智を超える存在である。
「タキリヒメ、直接に伺いいたします。貴女は我々に仇なす者でしょうか」
「質問は許さぬ」
「…………」
一瞬身体が何かに抑えられた。これは圧力……彼女……神からの圧力だ。
「“イチキシマヒメ”を我に差し出せ。お前たちの手にあることはわかっている。」
イチキシマヒメ?もう一人のタギツヒメってこと……?
次々に出る情報を脳内で整理する都。彼はどんな状況でも冷静に分析できるが……彼女から発散する圧力は凄まじいものでして、危うく思考が中断されるところ。
そして、姬和にも同じくイチキシマヒメという言葉が気になる。二人目のタギツヒメからもう一人の名前を聞くと、イチキシマヒメもタギツヒメの一つであることを薄々察した。
「人にとって真の災いがタギツヒメ。そして、イチキシマヒメの理想に人は耐えられぬ。」
「………故に、貴女に従えと?」
「我はタキリヒメ。霧に迷う人に導く神。人よ、我はお前たち人に最良の価値を持ったらそう」
最良の価値か……人の価値は神に決められるものじゃない。神の時代は既に終わっているんだ。
拳を握り締めて、都は朱音の前に立つ。
「最良の価値?ただの大荒魂が我々に価値を与えるのですか?お前は人類のことを憎まないのか?」
「お兄ちゃん……!?」
「都さん……!その口は……」
都の不敬の発言に朱音と可奈美は慌てた反応。彼はまた上の者に恐れぬ態度を示した。
「………人。さっき、質問を許さぬと言っていたな。」
「ああ……言ったな。けど、一方的の交渉は面白くないんで、俺が相手をしてやる。」
「神と取り引きとは……命知らずに」
さっきより圧力がさらに強くなったが、都は勇敢で……いや、命知らずに立ち向かう。
「どうだろ?俺は別に命知らずなんじゃない。ただ“お前が我々と顔を会わず”に一方的の交渉は気に食わないのよ……そもそも、あれは交渉なんじゃない!」
「…………」
「交渉したいなら、あの祭壇から出ろ!そうしたら、大人しくお前の要求を考えてやれ」
「都さん……それは」
朱音は都の不敬の態度に頭がフラフラしてきた。相手は確かに大荒魂だけど、神でもある。その点は少し大人しくしていれば、よかったのに……。
「………タギツヒメは既に力を得ているはず。時間は限られている。」
「だからこそ、会えて対策を整えましょう。貴女も彼女と会いたくないでしょう?」
「…………不思議な人。が、おまえの提案を乗りませぬ。ここから去れ」
「………返答を待ってます。」
ここまでだと判断し、彼女に礼をする彼。
今のところは神に強引する手段がない。例えここで戦っても、勝機がいくらあるかもわからない。
故にここは仕方なく引いた方が良いと思う。
それから三人に向かうと、そこにいるのは呆れた三人。
まぁ……あれだね。神に喧嘩を売ったんだ、俺は。
多少自分のご無礼に自覚がある都。神に対するその態度は自然に良くない。だが、これも相手が悪いじゃない?お前らもそう思うよね?
その後は朱音様に滅茶苦茶叱られた……。
◇
タギツヒメはあの夜、隠世に送られる運命から逃れるため、体内の荒魂を関東一帯に注いた。けど、それはあくまで付き物でした。
彼女が分けるのは三体の分身。人に仇なす神タギツヒメ、人を支配する神タキリヒメ、自らの理想が人は耐えられぬ神イチキシマヒメ。
荒神が三体に分けて、それぞれ自分の意識に動く。朱音様の口によると、これは分ける前より超危険な状態。
まぁ、それも心得ている。世界を滅ぼせるラスボスが三体にいた。そういうリスクの下にこの国はいつ滅ぼされても不思議ではない窮地に落ちている。
それを管理するため、政府の人は手に入れたタキリヒメをあのように祀っている。けど、彼女は人間の話を聞かずに人を支配しようと思っていた。
なら、彼女は一体過去の神々と何が差があるのでしょうか?
過去の神々も人類の全てを飼い慣らすように管理・支配してた。そういう支配の下、人が神になる伝承も少数あるが、不幸の伝承もたくさんあった。
神のわがままと愛は人には耐えられぬ。だから、人は神と別れようとした。そういう恐怖支配では誰の心も買えない。
そしてタキリヒメと言う支配は……おそらく荒魂も含まれているだろ…。荒魂と人を家畜のように管理・支配するのは、多分タキリヒメにとって、最も理想とする世界なんだろ……。
それじゃ、誰とも幸福にならない。そういう独裁支配は認めない。
それと、一応なぜ彼女はタギツヒメのような行動を出せない理由を探っているか……出た結論はタギツヒメは三体の中に一番強いと三体はお互いが敵同士ということ。
政府もタキリヒメを他の二体への切り札として使うつもりなんでしょうか。けど、あの籠城じゃ、いつかタギツヒメに攻め入れられる。
そして、最後の一体はどうやら朱音様たちの手にあり。彼女は絶対安全なところに隠されているが……慎重な俺としては一度確認しておかないと、安心ができない。
何にせ、敵はあのタギツヒメだ。決して油断ならないやつだ。
しかも、二天一流への対策もまだ完成していないし。唯一考えた対策は学んだ流派をもっと精進しないといけない。
「にしては、あの技はまだ名前がないんだね。」
自室のベットの上に横になる都は今日が得た情報を整理しながら、今後ともどう動くかを考えている。
そして、自然に必殺技でも呼べるあの技のことを思い出した。あの技はかつて結芽との決戦で使った強力の融合技。最後は負けたが、それでもあの技のおかけで彼女と楽しい時間を過ごした。
二つの流派を一つにする絶技。それが自分や可奈美しか使えない技である。……いや、多分可奈美が大部分は柳生新陰流をメインするだろ。
彼女は自分と違って、お母さんから伝わった流派を真剣に鍛えて上げるつもり。
そして自分は結芽との一戦後、天然理心流をかなりの練度に上がることにした。そのおかけで、二つの流派をどっちでも使いこなせた。
それでも可奈美に勝つ気味がない……自分の妹は今どれほど強いのが、兄としてはよくわかっている。
「さて、名前はどれにしようか……」
名前をつける話を戻るか。とりあえず……格好いい名前を。
コンコンーー。
そんな時に扉が叩かれた。
誰だろう?こんな時間?
現在時刻はまだ夜になってないけど、それでも自分に来客とは……珍しい。
「お兄ちゃん、いる?」
あれ、可奈美?
まさかこの時間で俺の部屋に……とはいえ、これは借りた部屋だ。鎌府に滞在する期間で自由に使っていいって本部長はそう言ってた。
まぁ、当初の五条学長も俺が平城に滞在するときも、部屋を借りた。
美濃関のように男性の部屋がないけど、泊まるだけなら使ってもいいって。本当にいい学長なのね……女子だらけの学校で俺のような男性を暮らせるとは。
さて、本題に戻る。まさか、可奈美は俺の部屋の前に来るとは……。
「どうしたの?可奈美」
「少しお兄ちゃんと相談したいことがあるのだけど……入ってもいい?」
相談したい……防衛省のことか。まぁ、きっと迷うよね。
「いいよ。入ってくれ」
気軽に自分の妹を室内に入らせた。とはいえ、俺の部屋は男らしくない部屋だ。滞在している期間はあまり後この部屋を使う刀使たちに迷惑をかけたくないため、部屋はほどんと元のままだった。
でもそのせいなのか……平城にいた頃は隊のみんなによく部屋を使われた。早苗もよく部屋で料理をする。
本当に男性との距離を遠慮しない女の子たちだね…。
「お邪魔しま……って普通!」
はい、ツッコミありがとう。
可奈美が部屋に入ると、早速このほとんど装飾がない部屋をツッコミ。
「これはお兄ちゃんの部屋なの!?家より酷い!」
「どうせ長期に滞在しないから、部屋を元のままにしたほうが次の使用者にも使いやすい。」
「でも、お兄ちゃんはつまらなくないか?」
「雪がいるから、つまらなくもない」
「雪?」
「俺の御刀の愛称だ。全名は
「………お兄ちゃんは刀使になったことは本当なのね…」
「意外しないのね……」
「前からは薫ちゃんから聞いたから」
薫か……まぁ、別に可奈美に知られるのは悪いことじゃない。
「そういえば、お茶は何にする?相談したいことがあったから、お茶しながら話そう。」
「じゃ、リンゴ!」
「わかった。用意するからベットで座ってくれ」
「うん!」
こうして俺はお茶の用意をする。可奈美は俺のベットで俺を待っている。
………後でちゃんとベットを洗おう……妹の味がするベットは夜に眠れない効果がある(妹の味に眠れないバカ兄)。
それから、数分後に俺は熱いリンゴお茶を可奈美に渡す。
「熱いから気をつけろよ。」
「うん、お兄ちゃん。ありがとう////」
両手でコップを受け取る可奈美は湯気のせいなのか、顔が少し赤い……多分湯気のせいと思う(鈍感)。
「それで、相談したいことはなんだ?」
「…………お兄ちゃん、私たちのしたことで無駄だったのかな?」
そう言い、ベットに座る彼女は凄く落ち込んだ表情。いや、迷う顔だった。
「どうしてそう思うの?」
「だって、前より混乱した状況になっちゃって……なんだがわかんなってきた。」
まぁ、結論だけを見れば、確かになあ。あの時、姬和を救わなかったら、タギツヒメは今頃隠世に封印されると思う。
関東一帯は今のような大量な荒魂がいなくなるし、日本は三体の大荒魂の脅威に脅かされることもない。まさに平和のエンドだ。
けど、その代わりに姬和もこっちの世界に戻れなくなる。そんな日々は俺には耐えられん……ううん、俺だけではなく、皆も、可奈美も……。
「じゃ、可奈美はあの時、姬和のことを見捨てられる?」
「それはない!絶対に見捨てない!」
「なら、それでいいじゃん。俺もきっとあの子のことを見捨てることができない。可奈美は間違ってないよ。」
「…………そうかな」
まだ元気がつけられないのか……。
「可奈美、よく考えて動くんだよ。」
「え……?/////」
彼女の頭を優しく撫でる。
「これはある友人が俺に教わった大事な教えなんだ。何かをする前に、まず考える。それでも、答えが出さなかったら、戦ってわかるんだ。」
「それって……」
「俺もまだまだ道中だ。今でも結構悩むんだよ。だから、俺も自分の成すべきことを一生懸命考える。」
「お兄ちゃんも……」
ああ……刀使になったこそ、悩むんだ。力が得るから、できることが増えたから、それで今の自分は可奈美たちのためにどれほど役に立てるのか。
それは俺の課題。元一般人、可愛い妹のお兄ちゃんとして俺もこれから先に進む道を見つけないと。
「うん、だから一緒に考えよう。悩むのも修業の一つなんだよ。」
「…………うん、わかった。お兄ちゃんと一緒ならきっとうまくいけるよ!ありがとう、お兄ちゃん」
少し明るくなる笑顔を見て、俺は彼女の役に立てることに良かったと思う。今の俺でも彼女の背中を押せられる。
「なんか、いつもお兄ちゃんに助けられたばかりだね。」
彼女は苦笑し、スッスッとお茶を飲む。そのたびに赤くなるほっぺは可奈美の可愛さを増えてて、どうしようもなくそんな彼女に、にやけてしまう。
「そんなことはない。俺も可奈美に一杯助けてもらったよ。鎌倉特別危険廃棄物漏出問題の夜は特に……可奈美がいないと、俺は特にタギツヒメに殺されるかもしれない。」
「えへへ……あの時は無心というか、無意識というか…。自分でもよくわからないだけど……お兄ちゃんと姬和ちゃんを守ることができてよかった。」
「ああ……そうだね。」
あの時は本当に可奈美がいなかったら、自分と姬和は特にこの世にいない……ううん、この世界自体もいなくなるかもしれない。
毎回ピンチの時、可奈美は何度も奇跡を起こした。お母さんの剣術を見事使うことも、写しが剥がれても姬和を助けに行けたことも、自分の生きる意味になったことも……。全てが可奈美が引き起こした“希望”だ。
そんな輝く希望に助けられたばかりなのは他ではない、俺だ。
お前がいたからこそ、今の俺がいる。大事な妹のためなら、俺はなんだってやる。
「そういえば、お兄ちゃんはあの時タギツヒメと戦ったわね?あの時からはもう刀使になったの?」
「うん?ああ……結芽との戦いで覚醒したみたい。今は一瞬しかこの能力を使えないけどね……」
「あの結芽ちゃんと……戦うんだ。やっぱりお兄ちゃんは強いよ。あんな強い子に勝てるなんて……」
「勝てないよ……一度も。今の俺じゃ多分全力の彼女と引き分けかな?結構ギリギリの戦いと予想したけど。あの子はとても強いんだ……母ほどになるとかは知らないけど。」
「そうか……私は彼女ともう一勝負をしたいなぁ〜〜」
可奈美はブツブツとそう呟いて、天井を見る。けど、それはもう叶えられない願いなんだ……。
いなくなった人間を蘇る方法はどこにもない。例え、タギツヒメの力でもあの子を病から救えないんだ。
結局、神を名乗る大荒魂もただ荒魂。命を救う力がない、ただ人類を支配するだけの力。だから、止められる。
万能ではない以上、彼女はきっと弱点がある。それを探せば、神さえも人間に殺せられる。
ーー俺は神を殺す。大事な物を守るためなら、神だって殺す。
とじとも最新ストーリーを進んだら、段々カナヤマヒメの恐ろしさを知った……暴走している美炎がめちゃ強かった。
閑話:可奈美の運動ジャージが来ませんでした……やっぱりそれは平城限定かな?(清香が出た)