可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す! 作:黒崎一黒
作家はここのところ、そろそろ他のオリキャラ(竹島雅)たちに良い出番を書きたいのですが……それはなかなか。決して彼女たちの設定がまだ完成していないではなく、ただ出すタイミングはまだまだなところなんですので彼女がなぜジョルさんのような裏社会の人間を雇うの読者たちも長くお待ちしていただきたいのです。
そして、これは元々とじとものネタなのかもしれませんが……美炎さんの出番は今作では一番不潤だと気がしました。波瀾篇に入っても、彼女はセリフすらもない……本当にすみませんでした。
ー市ヶ谷防衛省ー
当事者しか知らず、綾小路での惨劇が起こした日から数日の間が経った。
管理局はこの間に防衛省の警備を強化した一方、タキリヒメとの交渉回数も増やした。
そんなある日ーー。
「近衛隊ですか。……はい、わかりました。こちらもすぐ緊急用の対策を行います。それじゃ」
本部からの連絡を聞き取れた後、都は電話を切る。
現在彼は本部からの指示で、しばらく市ヶ谷防衛省方面の刀使部隊の主力部隊隊長を務めている。とはいえ、この部隊にはただ六人しかいない。
それでも戦力としては親衛隊に負けないほどの強さが持っていますから、彼も結構の荷が持っている。
「………近衛隊か」
通信を切った後、彼は思わず口でさっき電話で聞いた話を呟く。
本部からの話によると、綾小路側は近衛隊という部隊ができていた。そして、その近衛隊はタギツヒメを守るために存在する親衛隊に似たようなものだ。
負傷していたミルヤからの情報にもよると、近衛隊はノロを投与している強化刀使。その正式名称は冥加刀使。
さらに、敵側から確認できた注意すべき人物の中で元親衛隊の皐月夜見がいる。彼女の能力は寿々花とミルヤからも確認できた。
非常に面倒な能力なので、例え一流の刀使でも彼女と一対一で対抗できない。
どうやら今の事態は予想以上にまずくなってきました。
「都……隊長、お帰り」
「都くん、お疲れ様。どう?本部からの連絡は」
本部からの連絡の後、都は敵の侵入用道で警備中の舞衣と沙耶香のところに戻る。
そして二人は都の姿を見て、彼に話をかける。
「少し大きなことを起きてしまった。あとで総司令の寿々花とその対策を作りますから、舞衣ちゃんと沙耶香はそのまま警備してくれ」
「はい!」
「了解。隊長。」
二人はそれぞれで都に返答する。しかし、そこで都は沙耶香の返答に少し意見がある。
「沙耶香。都でいい。俺は今度お前らの隊長だけど、隊長より名前が呼ばれるのが好きなんだ」
「……うん、わかった。都」
うん、やっぱり沙耶香にそう呼ばれるのが凄く気持ちいい。何というか……親しい感じ?
最近俺の名前を直接呼ぶ女の子も増えていたからな。でも、やっぱりこの六人の方が一番気分がいい。
特に舞衣ちゃんに「都くん」と親しく呼ばれることに、心が素直に嬉しい。
彼女のことが好きだから、恋人みたいに親しくされて喜んでいたことは別に変ではないですよね?
それに、彼女と恋人になる夢くらいを見るのもなんか許される気がする。
なぜならーー
想うだけならば、罪ではないのだ。
「都。」
「ん?どうしたの、沙耶香。」
また夢を見る都に、唐突に沙耶香は彼の名前を呼ぶ。それを気づいて、都は彼女に振り返る。
「都は来ると思う?タギツヒメ」
「……それは来るだろ。そのために俺たちはここにいるのだ。」
「じゃ、またあの時みたいな戦いが……」
沙耶香は御刀を抜刀する前の構え。本来ここは覚悟を決めたシーンなのですが、沙耶香の表情は少し迷っているように見える。
タギツヒメと戦うのを嫌なのか?沙耶香。
「沙耶香ちゃん、はい。」
「……うむっ!?」
都は沙耶香にどう返答するのか、考えている途中に舞衣はクッキーを沙耶香の口に塞がる。
それをちょっとびっくりした沙耶香ですが、すぐ左手でクッキーを支えて、もぐもぐと食べる。
そのような可愛い沙耶香を見て、舞衣は優しく微笑む。
「紫様のところから戻ってきた可奈美ちゃんと姬和ちゃんと都くんが言ったでしょう?確かに、タギツヒメはノロを吸収した分に強くなったけど、また対処が可能性だって」
「まぁ、そのために俺たちはここにいるからな」
舞衣の言葉に頷く都。
対処が可能だから、ここにいたという訳。紫様も勝てない戦をしない主義だと思う。
「うん……」
「まだ気になることがあるの?」
まだ迷っている沙耶香に聞く舞衣。
しばらくこの場を彼女に任せた方が良かったのかも。
「タキリヒメとイチキシマヒメが味方になれば、タギツヒメと対話できる?」
「え……?」
「薫が言ってた。戦う前に、よく考えろって」
なるほど……。俺だけではなく、沙耶香もちゃんと考えたのね。
「なんて頭を撫でるの?」
「なんてかな?ふふっ」
沙耶香の頭を優しく撫でる舞衣。こういう光景はちょっとだけ尊く見える。
「でも……本当にそれができれば、戦わずに済むかもしれないね。」
「舞衣ちゃん……」
「もちろん、理想すぎるのも良くないね。私もわかっている……この世は甘くないって」
そう言い、舞衣は苦笑う表情をした。
彼女も五ヶ月前に起きたあの事件からこの世はどれほど理不尽なのか、良く身体に刻んでいた。
ただ中学生なのに、この世界の理不尽を知るのは、やはり何かの間違えだ。
以前の自分……ううん、今の自分でも舞衣ちゃんを永遠の夢見る少女にいたい。
辛いことは全部俺が何とかする。二人はただ幸せを堪能すればいい。
それが俺の願いなんだ……。
「それでもお前たちは夢を見る資格がある。夢を見るのは悪いことではない」
「あっ……///////」
「あっ……///////」
同時に二人の頭を優しく撫でる都。
都にそうされた二人も同時に顔が赤くなって、とても可愛く見える。
「夢と希望があったこそ、人は前ヘ進む力が生み出せる。沙耶香の言ってたことも本当に起きたらいいなって俺もそう思っていた。少なくとも、タギツヒメ以外の二人の女神にね。」
「都……」
「タギツヒメは無理と思うけど、他の二人の女神なら、まだ味方になる可能性が残っている。その可能性がゼロじゃない限り、俺は諦めない」
「都くん……」
「………」
「少し理想過ぎませんかね?ちょっと馬鹿みたいだね、私」
苦笑いながら、都は手を二人の頭から離れる。少し甘く言い過ぎだようだ……。
「ううん、そんなことがない。私はそういう都くんのことが好きだから/////」
「私も、そういう都が好き。」
「………!//////」
二人に同時に告白されて、胸がちょっとドキドキする。もちろん、彼もこれが本物の告白ではないだとわかっているが……それでもドキドキする。
二人は彼にとって勿体無いくらいに最高の女の子。可奈美と姬和がまだ逃亡していた時、この二人に力強く抱きしめられて大事されていた。
特に沙耶香は汚い自分を受け入れたのだ。今でも沙耶香のことを感謝している。
「そ、そう……ありがとう/////」
少し恥ずかしい反応をする彼。けど彼の目の前にいる舞衣もかなり恥ずかしがっている。
感情が表情に表していないが、実際彼女もドキドキしているんだ。
何にせ、彼に好きと言った。
これはもはや告白と言える愛の言葉なのですが、鈍感の彼は当然、彼女の気持ちを気付くわけがない。
それでも、舞衣の心臓が凄くバクバクと動いている。彼のことが大好きなんだから、好きという気持ちが欲望に変わって強く思っている。
彼とキスしたい、デートしたい、手を繋ぎたい、恋人らしく付き合いたい。それらは舞衣がずっと都にしたかったことだ。
でも、今は……そうする場合ではない。タギツヒメという脅威がある現在では、彼の注意を逸すわけには行かない。
彼は強い。何度でも自分やみんなのことを助けた。
タギツヒメと戦うには、彼の力が必要だ。だから、彼の目を自分に留まるだけじゃなく、その力でみんなを助けてもらいたい。
ーーそして、今度は私が彼を支える番だ。
そんな思いを抱かえて、舞衣は自分の幸せより彼を支えることに決めた。
◇
「近衛隊か……」
「ノロを投与するなんて……何かをお考えですか、綾小路の学長は……!」
昼頃に、都は親衛隊用の拠点でコンビニの弁当を食べながら、この話を進む。
そうしたら、二人はとても怒っている反応を示した。まぁ、ノロは親衛隊たちにどれだけ苦しみを与えるのもわかる。
結芽もその力で苦しむんだ。そんな彼女を解放するため、俺も死ぬ覚悟で無理やり彼女を止めたからな。
「いや、多分彼女は悪くないと思う。……ちょっと二人に言い辛い話がありますが」
「なんですの?」
「そんなに言いにくいことなのか?」
「ええ、とても……ね。何せ、この件は親衛隊第三席、皐月夜見と関わっていたのですから」
「…………!」
夜見の名前が都の口から出てくると、二人は共に驚く顔。そこで彼は一旦彼女たちを落ち着かせてから、その説明を行う。
木寅ミルヤの証言から聞くと、皐月夜見は綾小路の刀使たちを斬った。しかも、生身で斬る。
ミルヤも昨夜で彼女に襲われた。そして同じ綾小路の仲間に助けられて、刀剣類管理局にこの報告を行った。
今だに生存する綾小路の人間は木寅ミルヤとその仲間とノロの適合率が低い生徒たち。他の生徒多分はもう……近衛隊に入れさせた可能性が高い。
山城由依と鈴本葉菜も多分……いいえ、ミルヤに衝撃を与えないため、ここで彼女たちの無事を祈ろう。
とにかく、都は聞いた情報を隠せず、親衛隊の二人にそう伝えた。
「夜見さん……」
「夜見………」
その話を聞いていた彼女たちはとても悲しい顔をしている。多分、皐月さんがこんなひどいことをしていたから、そんなに悲しむのだろう。
これも彼女たちが皐月さんのことをどれほど重視する証である。
ならばーー
「ひとまず、攻められた時に近衛隊のこととタギツヒメのことは調査隊と俺たちに任せましょう。皐月夜見はお二人に頼みます。」
ーー皐月さんのことを彼女と関わり深い二人に任せた方がいい。
「それって……」
「二人の方が彼女のことをよく知っています。なら、彼女のことを二人に頼んだ方が効率がよく、二人にも集中し易くなるでしょう?」
「すまん……僕たちのことを考慮してもらって…」
申し訳ない顔をしていた獅童。本来はここで親衛隊仲間が一緒に戦うつもりだけど、流石に夜見のことを放ってはおけない。
夜見はかつて親衛隊の一員だ。同じ親衛隊の一員として放ってるわけにはいかない。特に彼女の歩く道がずれ始めたから、手遅れる前に正したい。
それに、全面的なことを考えると彼女はきっと遠いところで荒魂を使って刀使に妨害する。荒魂が現れたら、刀使も荒魂を退治するために動かなければなりません。
何にせ、荒魂を退治するのが刀使しかいない。軍隊の人たちはどれほどの重火力武器を持っていても荒魂には一切ダメージが通用しない。
軍の人たちはせいぜい時間稼ぎしかできない。時間が経てば経つほど、被害も増やす一方。
しかも無尽蔵の荒魂の群れは、刀使たちにも荷が重すぎるのだ。いくら斬っても、荒魂の数も減らない。
人類の歴史も大人数で少人数の国を滅ぼすことがよくある。
つまり荒魂を生産する皐月夜見を倒さない限り、いずれ刀使たちも数の暴力に抑えられる。
ならば、この問題を解決するために誰か彼女を倒しに行かなければならない。
つまり都の言うとおりに、ここは戦力を分散し、彼女を倒す。
だか、戦力を現状的には分散するのも良くないことだ。特に近衛隊は強化された刀使だと聞いた。
ならば、ここでは彼女を良く理解している親衛隊の二人に頼んだ方が最適な方法。
これが良い策だと思ったが……結局一番重い荷を彼と衛藤たちに任せた。
「いいえ、これは一番適切な策なのですから、謝らないでください。それに、彼女と色々話したいことがあるだろう?」
「確かにそうですか……本当にすみません。
「いいえ、気にしないでください。俺は親衛隊の新人後輩ですから、少しだけ二人の前にも格好もつけたいのです。それにタキリヒメの護衛は二人を除いても、平城、鎌府、長船三校の総力と調査隊と可奈美たちがいます。総力戦ではこっちが絶対有利なのだ!」
近衛隊の戦力はまだ底知れませんが……こっちも結構手慣れた刀使もいるので、多分なんとかなるはず。
「うん……そうだね。僕たちも夜見を倒した後、すぐ戻って加勢するよ」
「それは助かる。」
「うまく行けば、夜見も親衛隊に戻るかもしれない。そうなった時、親衛隊全員が再び揃えます。四人ではなく、今度は五人で」
「でも、きっとうまくいけないわね。タギツヒメ側に立つ時点で」
「あれだけやったのですから……」
タギツヒメのために、人を斬ったのだ。あの一線を超えた人の説得は決して易いことではない。
「それでも夜見は僕らの仲間だ。例え彼女は敵だとしても、僕は……」
寿々花と都はあれだけ言ったけど、獅童の瞳はまた仲間を連れて帰る決意が感じた。
「ならば、絶対に連れて帰るわよ。親衛隊第一席。」
「ああ……絶対に夜見をこっちに連れて帰るよ。寿々花、一緒に頑張ろう!」
「ええ、当然ですわ。」
「………」
やっぱりこの二人の絆が深いよな。改めて見ると。
「なにぼっとしているですの?都くんもこっちに来て」
「え……?な、なに?」
突然寿々花に引っ張られて、都は二人の近くに来た。
「貴方も私たちの一員ですから、除外された風にしないでいただきたいですわ。そうですね?真希さん。」
「うん、色々助けられたし。結芽の件も、僕を寿々花のところに連れ戻すことも、恩に着るよ。衛藤 都。」
「そんな大層なことをしてないですよ。俺は」
「それでも私たちをこういう風に集まることは、貴方のおかけでも言えますわ」
二人にそう感謝されて、ちょっと恥ずかしい。俺はただやれることをやっただけだ…。
「だから、貴方は私たち親衛隊欠けようがない大事な仲間なんです。」
「うん、僕もそう思う。改めて、これからも頼りするよ。都」
「いいえ、こちらこそ。」
二人に仲間されたことに、都の心が少し花のように咲かせた。
仲間……仲間かーー少し胸が暖かくなった気がするよ。本当に。
◇
真白の部屋、その中心に建ていた木造の神社。都たちは再びここに参って、タキリヒメとの交渉を始める。
そして四人の中で一番年長の朱音は先にタキリヒメと交渉する。
「今一度お願い上がりました。お力を貸しお願いませんか?」
「…………」
「タギツヒメに対し、我らの共闘が叶えば、それ即ち、人と荒魂の共存という貴女の願いに近づくための第一歩となりましょう。」
「不遜。」
「………!!」
ただ一言で、四人は初回より強烈な圧に抑えた。
この言葉からの意味によると、神が人の言動に少し怒っているように感じた。
「我がお前たち人に求めるのは、共闘ではなく“隷属”。」
「…………」
「イチキシマヒメを差し出せ。さすれば、我が庇護下で生きることを許そう」
「それを共存と言うの?完全に主人と家畜の関係じゃないか!」
「然り。人という未熟な種は所詮虫や獣と同じ。それを我が良い方向に導いてこそ、真の共存とも言えよう」
「共存という言葉を調べて来い!」
神の言葉に毎回ムカつく男性、衛藤 都は今回も我慢できずに神へ反論する。
それを毎回その不遜な言葉に、はらはらする朱音。いくら説教でも、都は相変わらずその態度でタキリヒメと接する。
「相変わらず不遜な態度ですな。我を恐れぬ人よ」
「不遜というのはお前のことだ!ずっと俺たちと向き合わず、対面もせず、対話すらも成立していないじゃないか!」
「我は神。神如く我はなぜ人と平等に対話するのか……これは傲慢だ。人よ」
「完全に見下されている………これだから、お偉いさんが嫌いなんだよ!!」
「都、ここまでです。これ以上はもう話す意味がない。」
都はそろそろキレたところ、姬和は彼を止めに行った。
「姬和……まだ諦めではーー」
「いいえ、さっきは確信した。こいつも所詮は、タギツヒメと同じ荒魂だ。共に有るなど、叶わないのです。」
「………………」
さっきの会話から確かに姬和の言う通り。人を平等的に見ない者は、もう交渉する意味がない。
自分もそろそろ諦めたいところだが、タキリヒメはタギツヒメと何か違うと薄々と察した。
数回に渡ってやっと気付いたことなんだけど、これは可奈美が言ってた違和感なのかな?
「………あの、タキリヒメさん。私と剣の立ち合いしませんか?」
その時、唐突に可奈美はタキリヒメにそんなお願いをした。
「なっ…!可奈美、お前こんな時まで、何を……」
「…………」
もちろん、可奈美の唐突の発言に呆れた三人なんですが……都は何となく可奈美の行動に共感した。
彼女を小さい頃から見守っている兄として、時々彼女の唐突な言動や行動にびっくりされたことがありますが、そういう可奈美こそ何かをできるという直感が都にそう伝う。
「ほう……何のつもりだ、千鳥よ?」
「さっき、お兄ちゃんの言う通り。あなたは一度も私達を見てない。直視さえも……それじゃ、お互い歩み寄ることもできません。」
「それで………、その………、お互いによく見れば、人間のことも、荒魂のことも、よく知り合えるんじゃないかなあって………」
「それには、正面から御刀を合わせての立ち合いが一番手っ取り早いと?」
「うん…………」
軽く応じた可奈美。
彼女はタキリヒメに会う初日の夜に俺の教えをちゃんと吸収してから、その結論を出した。
本当に立派になったな、うちの妹は。
「お兄ちゃん……?」
「そういうことで、彼女の願いを聞いてくれる?タキリヒメ」
妹の頭を優しく撫でながら、都はそんな妹に誇っている。
「ふん、兄妹ともがくだらぬ考えだな。もう、よい。…………下がれ」
ーーしかし、そこにいるのは、衛藤兄妹を見下しているタキリヒメだった。
補充説明:前回の話に登場するオリキャラの名前を書き間違えました!ジョニさんじゃなくて、ジョルさんだった!
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