可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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今回の話は少し短いですが……。基本、原作通りこの戦いは決して勝利とは言えない敗戦です。

因みに前半は可奈美とタキリヒメが手合わせた部分です。後半はアニメ18話の最後です。


第56話:敗北と悲鳴。

 「あ、ありがとうございます!何だか、あなたのことを見えた気がします!」

 

 時は戻り、可奈美はねねのお呼びで防衛省本庁舎最深部へ行ってしまいました。そこで彼女は正体を現したタキリヒメに会えて、お互いは剣で通じ合った。

 

 「我は、初めからここにいる。」

 

 「そ、そうじゃなくて!ええと、ええと……何かあなたの剣は穏やかな海みたいだなあ………って」

 

 「………海?」

 

 可奈美が口に出した感想がわからないと頭を傾くタキリヒメ。

 

 元々剣でどうやってわかり合えるのがわからないから、こうやって試しに彼女(人間)と立ち合うことにするのはタキリヒメの意図だ。

 

 これもわけがあって、彼女にこうさせたのだ。

 

 「はい!大きくて広くて、何もかも受け入れるような感覚です!上手く言えないだけど……それこそ、人間も荒魂も受け入れる海!……っていう感じ」

 

 「…………ふぅ。」

 

 「あ、あの……、タキリヒメさん!私の剣は……私はどんな風に見えますか?」

 

 少しわくわく期待している表情をしていた可奈美。彼女もタキリヒメと同じ自分がどんな風に見えたのを気にしている。

 

 正直、彼女のことは今でもよくわからない。だけど彼女から、確かに何かの可能性を感じた。

 

 「千鳥の娘。そうだね、貴様はーー」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 夜、七時四十五分。

 

 

 

 

 

 市ヶ谷襲撃が起きてから、もう半時刻以上に過ぎ、各地で奮戦していた刀使たちのおかけ、荒魂による被害は何とか最小限までに抑えた。

 

 加えて皐月夜見の撃退により、戦況も少々好転になった。

 

 けど、防衛省内部は近衛隊の突撃によって酷い被害が出来ていてしまった。

 

 刀使だけではなく、自衛隊の隊員たちも酷く斬られて、いつも命が落とされそうな危険性がある。

 

 どっちか勝っても、管理局は間違いなく社会に責任を問われるのだろう。けど、その前に彼女たちの戦いがまだまだ続いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 ー織田防衛省 本庁舎ー

 

 

 

 「なんてタギツヒメがこの中にいる!」

 

 姬和から迫ってくる質問。

 

 なぜなら、彼女たちはずっと正門で近衛隊の人たちと戦っていた。タギツヒメがこの中に入れる隙間がないはずだ。

 

 「都くんはタギツヒメと……戦っている?」

 

 「おい、都!無事か?」

 

 「ミヤミヤ、大丈夫デスか!?」

 

 「都……!」

 

 そして、薫たちはすぐ都へ心配をかけた。

 

 彼はタギツヒメと剣でお互いに向き合ってる。つまりこの二人は今戦っているに違いない。

 

 「俺は大丈夫だ!そっちの戦闘はまだ終わってないのか!」

 

 「無茶を言うな!この人たちは滅茶苦茶しぶといのよ!」

 

 「そうデース!とてもしぶとくて、ずっと決着をつけられないのデース。」

 

 そこまで強いなのか……近衛隊は。

 

 「都はタギツヒメと戦っている。すぐ助けに……うっ!」

 

 「ヒメのところに行かせません!」

 

 沙耶香が迅移で都のそばに行くとき、彼女の相手に止められた。幸い沙耶香はその攻撃を防げた。

 

 「こっちもだよ。ヒメの邪魔にさせません!」

 

 近衛隊全員は同じことを言って、可奈美たちの足を止めらせた。

 

 「歩ちゃん!行かせて!私はお兄ちゃんを助けたい!」

 

 「駄目です。衛藤さんはずっと私と手合わせしなきゃ!もっと衛藤さんの強さを私に見せてください!」

 

 「歩ちゃん……」

 

 可奈美は悲しげな顔で歩っていう女の子を見る。どうやら彼女と知り合いのようだ。

 

 「どうやら、邪魔が入れないようだな。またやるつもりか、衛藤 都」

 

 「ああ……そのつもりだ。」

 

 「ふん、これは貴様の返事か……良かろう」

 

 可奈美たちの介入が不可能だと知り、タギツヒメと都はそれぞれの構えを取る。

 

 「お兄ちゃん!」

 

 「おい!都!」

 

 「都くん!」

 

 「チェ……!」

 

 「ミヤミヤ……!」

 

 「…………!」

 

 都が一人でタギツヒメと戦う姿を見て、全員は彼のことを凄く心配している。

 

 あれほど恐ろしい敵は、彼一人では太刀打ちできない。彼自身や彼女たちもよくわかっている。

 

 このままじゃ、都がいずれタギツヒメに殺される。

 

 「さぁ、行くぞ」

 

 「…………」

 

 二人は同時に迅移を使い、お互いに刀で斬り合う。その時ーー

 

 「久しいな、タギツヒメ。」

 

 一つの声で、タギツヒメの方は急に後方へと跳躍し、都との距離を開けた。

 

 「え……」

 

 タギツヒメの唐突の動きに一時におかしいと思った都。そこで、かなり距離を開けたタギツヒメは口角を上げて笑った。

 

 「まさか自ら迎えするとは……驚いたぞ。我が分け身よ。」

 

 「タキリヒメ!」

 

 タギツヒメの次に可奈美が驚いた声を上げた。その口に出された名前は最近聞き慣れた名前だ。

 

 タキリヒメ……!?なんでこんな場所に!

 

 都が視線をタキリヒメらしい人物の方へ向くと、そちらにいるのはイチキシマヒメと同じ真っ白の女性だ。

 

 しかし彼女と違い、外観は大人ぽい女性だ。……というか、外見は折神紫とちょっと似てる。

 

 「……………」

 

 この人がタキリヒメ……?意外に美人スタイルだな。

 

 「…………」

 

 「……?」

 

 なんか、さっきタキリヒメが一瞬でこっちを見て笑った気がしてきた。いや……気のせいなのかな?

 

 「………」

 

 「……っ!」

 

 タギツヒメの方向にタキリヒメは突然迅移を使い、タギツヒメに強力な突刺攻撃で彼女の身体を貫く。

 

 「これが貴様の答えか……」

 

 しかし、タギツヒメはただ平然そうな表情で自分を貫くタキリヒメにこう応じる。

 

 「人の可能性……失うには惜しいと判断したまで」

 

 「愚か!」

 

 一旦距離を離れ、二人の大荒魂がそのまま対戦し始めた。

 

 「これはどういうこと……なんで、いきなり戦い始めた?」

 

 二人の唐突の対戦で一時に呆れた都。そして可奈美たちもそんな二人の戦いにただ見るしかない。

 

 「………!」

 

 「…………」

 

 「……………っ!」

 

 しかし、時間が経てば経つほど、タキリヒメがどんどん劣勢になっていく。

 

 最初、両方が互角に戦っていたのですが、タキリヒメはなぜかタギツヒメに抑えられている。これはお互いのノロの量の差なのか?それとも別の理由?

 

 「タキリヒメ!」

 

 「はぁ!」

 

 可奈美がタキリヒメを助けようとした時、歩はそんな可奈美を止めさせた。

 

 「どいて、歩ちゃん!」

 

 「やっと一緒に戦えるんですよ?衛藤さんの剣に、私、やっと届いたのですよ!」

 

 「ぐっ……!歩ちゃん……」

 

 「さぁ、もっと戦いましょう!衛藤さん!」

 

 彼女は狂気になる程の執着に可奈美はとても悲しい表情。こんなの、可奈美が知る自分を憧れている内里 歩じゃない。

 

 「おい!邪魔するではない!」

 

 「行かせませんよ〜〜十条姬和。貴女の相手は私だけなんだから!」

 

 「しぶとい!」

 

 そして可奈美だけではなく、みんなも近衛隊の人たちに足止めされた。

 

 現場に唯一動けるのは都だけだった……。

 

 「………クソ!」

 

 迅移を使い、都は両手が斬り落とされたタキリヒメに助太刀をする。

 

 「はぁ!!」

 

 刀と刀とぶつけ合う綺麗な音が響く。都はタキリヒメがタギツヒメに刺される前にタギツヒメを斬る。

 

 「衛藤 都……なんて……」

 

 「また貴様か……我の間を邪魔するではない!」

 

 「悪い。タキリヒメを守るのは俺の任務なんですから!少し付き合え!この野郎!」

 

 いくつかの御刀と御刀がぶつけ合う音が響き。都は再びタギツヒメと再戦する。

 

 彼女の動きを最大限までに読んで予測する。そこで対応によって流派を切り替える!

 

 「はぁ!」

 

 「ちぇ……」

 

 都の斬撃を避けたタギツヒメは彼の隙を見つけ、そこに突刺すると彼は再びタイ捨流を応用して攻撃の軌跡を変える。

 

 だが、そこでタギツヒメはもう一振りの攻撃をする。

 

 「…………ぐっ!」

 

 しかし彼はその攻撃を避けて、素手でタギツヒメの左腕を強く叩く。彼女の御刀はそのまま叩き落とされた。

 

 「はぁ!」

 

 「ちぇ……!」

 

 一瞬、隙がバラされたタギツヒメに刀を振り下ろす。

 

 そこで彼女は迅移で後ろへと回避する。

 

 「貴様は実に目障りの虫だ。何度も何度も人間の分際で我に命の危機を感じさせた。」

 

 タギツヒメはこう言いながら、落ちた御刀を隠世から再召喚する。流石に反則だな……あれは。

 

 にしても、さっきの一瞬の連鎖の動きだけでかなりの集中力を使っちゃった……。でも未来視から逃れるためなら、これくらいの消秏が必要だ。

 

 「あはは、……だから、言ったろう?未来視は弱点があるんだ。お前は万能の神ではない。」

 

 「………千鳥と小烏丸以外の最大の脅威か。認めよ、貴様は早めに排除すべき虫だ!」

 

 「………っ!」

 

 都を脅威だと見た彼女がもっと高段階の迅移で都を一瞬に近づいて、そのままに斬る。

 

 都も迅移で回避するところだが……。

 

 「ぐっ……!」

 

 斬られた。

 

 彼女の迅移はこっちより早く……ううん、都が使った迅移はあくまで最低段階の迅移だ。

 

 迅移の加速は写しが貼る状態で迅移を段階的に加速するもの。しかし、都は写しを一時しか使わないものだから、使う迅移は第一段階に止まった。

 

 故に速度的には、都が負けた。

 

 「うぐっ…!」

 

 幸い、写しが貼っているから剥がれただけで肉体に何の影響もなかった。

 

 でも剥がれた副作用が大きく、彼は一時に力を失われて後ろに転んでしまった。

 

 「さぁ、終わりにしよう」

 

 上段切りの構え、タギツヒメはさっき言ったとおりに都を斬り殺そうとする。

 

 「ぐっ……!」

 

 身体を動かそうとするが、身体が動けない……!写しが剥がれた影響か!

 

 「お兄ちゃん!」

 

 「「「都!」」」(姬和、沙耶香、薫)

 

 「都くん!」

 

 「ミヤミヤ!」

 

 みんなが心配する声を聞こえた。

 

 可奈美たちが動けなくなる都を心配しながら、近衛隊の攻撃を耐え続ける。

 

 特に可奈美と舞衣は泣き出しそうな声で、聞いただけで心がとても痛い。

 

 ぐっ………!ここまでか……!

 

 ーーごめん、みんな……!ごめん、可奈美、舞衣ちゃん、そして姬和!

 

 心の中で最も大切な三人に謝って、都は自分に襲ってきた無情の刃に大傷が負われる覚悟ができた。

 

 しかし、そこでとある人影が刃と都の間に介入して、都を庇う形でタギツヒメの斬撃を受け取った。

 

 「え……?」

 

 「ほぅ……」

 

 予測外の介入に都、及びタギツヒメもかなり驚いた反応。……いや、この場にいる可奈美たちもあの人が都を庇うなんて思わなかった。

 

 「本来であれば、我らの間には差がない。だが、人如きを必要とした貴様と、不要とした我……それがこの結果だ。“タキリヒメ”。」

 

 「……………」

 

 都を庇う白い女性、タキリヒメは致命傷を負った。彼女は都を庇う形でタギツヒメを睨む。

 

 「な…なんて……」

 

 タキリヒメの後ろ姿を見て、都は震えた唇で彼女に訊く。彼は彼女が自分を庇うのを予想しなかった。

 

 なんて俺を庇うの……?そんな理由がなかったはず。なんて?

 

 「………無事か?」

 

 「え……?」

 

 一瞬、彼女からかけてきた関心の言葉を理解できなかった都は、すぐ答えていなかった。

 

 「くはっ……!!」

 

 次の瞬間、彼女の身体がタギツヒメの無情の御刀に貫かれた。

 

 「あ………」

 

 彼女が貫かれたと共に、思わず驚愕の声を上げた。

 

 「さぁ、我が身へと還れ」

 

 彼女がこう言って、タキリヒメと接吻という行為を行う。しかし、それは決して人が知る接吻ではない。

 

 恐らくこれは吸収なのでしょう……。

 

 「………ふっ」

 

 接吻行為が終え、タギツヒメはタキリヒメを貫く刃を抜き、彼女の顔面にさらに一閃で斬る。

 

 「タキリヒメ!」

 

 彼女が無力で地面に倒れた光景を見て、俺はやっと反応を取り戻して急ぎに弱き彼女を抱きつく。

 

 そしてさっきの斬撃によって、彼女の顔面につけた仮面も崩れて彼女の素顔はやっと見れた。

 

 「ああ……そんな顔をしていたのか、若き鳥よ。」

 

 「タキリヒメ……!」

 

 都はとても悲しそうな顔でタキリヒメに向く。彼女の身体を支える手も震えている。

 

 これは二度目……ううん、“三度目”。人が自分の前に死ぬのを……。

 

 「どこまでも……飛ぶ姿が見えた……」

 

 彼女が悲しむ都の顔を見て、さっき見た光景を呟く。

 

 彼は千鳥の娘と同じように、空へ高く飛ぶ鳥。

 

 さっきタギツヒメとの戦いを見届けたタキリヒメは、都から人という新たな可能性を見つけた。

 

 神すらも恐れず、さらなる高みへと飛ぶ鳥。それがタキリヒメが衛藤兄妹から見出した人という新たな可能性だ。

 

 だから、彼が斬られるときに彼を守ろうとした。彼ならこの先にもっと飛べるよう、彼女はそう信じて自己犠牲した。

 

 「人よ、飛べ………速く………高く……遠く………」

 

 最後の言葉と共に、彼女は光の粒となり、身体が消えていた。

 

 「………っ!」

 

 手から感じた彼女の重量感が感じなくなり、都は再び喪失感という感覚を覚えてた。

 

 別にタキリヒメと仲良くわけじゃない。けど、すごく……悲しい。

 

 人の命がなくなるのを感じた一瞬、何かを失う感覚はとても悲しくて怖い。

 

 お母さんも自分の前に亡くなって動けなくなった。その日以来、俺は何かを失うことにずっと恐れていた。

 

 だから可奈美たちと結芽のことをそんな一生懸命していた。ずっと何かを失われぬように命を懸けた。

 

 「タキリヒメ………」

 

 口から漏れたのは彼女の名前。

 

 ほぼ全員……ううん、可奈美たちもタキリヒメのことを何となく悲しいという気持ちになった。

 

 彼女は都を救ってから亡くなった。ある意味で彼女はいいことをしたから、最後の死に方はとても有意味でした。

 

 「心地良し。」

 

 そこで彼女を殺したタギツヒメは今の空気を読めずに取り戻した力を楽しんでいる。

 

 

 

 “そんなやり取りを取る彼女はどうしても許さない”。

 

 

 

 「………タギツヒメ……」

 

 「…………タキリヒメの仇を討つのか?それは無理だ。我はもう半分の力を取り戻した。」

 

 立ち上がって、構えを取る都にタギツヒメは舐めた口でこう言う。

 

 今のタギツヒメは自分のことを無敵の神だと思っていた。

 

 しかし、都はそれを冷静に思考する余裕がなくなった。彼は怒りによって理性が完全に消えなくなった。

 

 自分の前に彼女の命を奪うタギツヒメのことが断じて許さない。

 

 周りの姬和たちの警告も聞こえなくなる。今、考えられるのはタギツヒメを斬るのみ。

 

 「タギツヒメーーー!!!!!!」

 

 迅移を使い、都は自分の全力を持ってタギツヒメヘ最強の一閃を放つ。

 

 「愚か……死ね。」

 

 「ごっ……がはっ……」

 

 しかし、神の前に何もかも無意味であった。

 

 いくら努力しても、いくら強くなっても、いくら自らの限界を超えようとしても……あの(タギツヒメ)の前では全てが無意味と化した。

 

 大量な赤い鮮血と共に都は糸が切られた人形みたいに地面に倒れた。

 

 赤い鮮血が喉からせり上がって口から吐き出される。

 

 彼を中心に彼の血が床に流れ広げる。

 

 「おに………………ちゃ………ん?」

 

 「み…………や…………こ………くん?」

 

 「………………」

 

 「ああぁぁぁ………!!」

 

 「……………都……おい!嘘だろ!」

 

 「………ミヤミヤ………!!」

 

 それと共に起きるのはーー。

 

 「いやあぁぁぁぁーーーー!!」

 

 少女たちの悲鳴と絶望だ。




とじとものイベント『結芽の帰郷』のストーリーを見ると、新たな事実にびっくりしました。それでも作家は今作の設定について変わるつもりがありません。

(何せ、今作は二次創作された刀使の巫女世界線だ。)

そしてTwitterのとじとも公告から新たなカチャのお知らせを見たら、いよいよ半荒魂化の美炎の絵が出ていた。これからはどんな発展になるのかな?
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