可奈美のお兄ちゃんは妹のために最強の剣士に目指す!   作:黒崎一黒

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前回に続き、今回の内容は主にねねの話をします。当初、アニメ第18話ねねの過去シーンを見たらすごく好きで、何度もみました。そしていつかこういう話を執筆したいと思っていた。

まぁ……相変わらずその神シーンをうまく書けるか凄く不安だけど、それでもねねちゃんを愛する気持ちが変わらないです。


第57話:古き約束

 「さて、邪魔虫もいなくなった。次はお前たちだ。」

 

 御刀を大きく振って、その上についた血を振り落とすタギツヒメ。

 

 彼女は彼を斬り殺した後、次の標的を可奈美たちに決めた。

 

 「お兄ちゃん……そんな……」

 

 血泊に倒れていた都を見て、可奈美の精神がすり減らしていき、遂には嗚咽混じりに声を上げ、止めとこなく涙が溢れさせ、心が張り裂けていった。

 

 結局、彼女は何もできなかった――――。

 

 一度も大好きなお兄ちゃんを守れなかった。彼に伝えたいことも、感謝の意も、何も伝えなかった。

 

 自分とお兄ちゃんなら、どんな困難でも乗り越えられるという考え方が甘かった。

 

 お兄ちゃんは死なない、当たり前のように自分のそばにいると勝手にそう思っていた。

 

 本当に甘かった……衛藤可奈美という女の子は本当に甘くて馬鹿な小娘だ。

 

 そんなだから、大好きな彼は自分の前に命が奪われた。そして、自分は永遠に彼という兄を失った。

 

 可奈美は力が抜け、ただ膝を地面につけて咽び泣いていた。

 

 「都くん……うぅ…!」

 

 舞衣も同じく膝が崩れて咽び泣いた。

 

 大好きな人が死んだ。

 

 自分が彼を守れなかった。

 

 心の中で彼を守ると誓ったのに……まだ自分の気持ちを彼に伝えていないのに……どうしてこんな結果になってしまった。

 

 「……なんて……なんて……お前も!」

 

 可奈美と同じ、自分の考えの甘さにすごく後悔していた姬和。こういう結果は特に予測がついたのに……それでも彼が死なないと信じ続けていた。

 

 だって、彼は御前試合の日からずっと危険を犯して彼女を助けた。あの決戦の夜もただ一人で自分を助け、折神紫に取り憑いたタギツヒメと戦った。

 

 自分が迷った時も、自分の迷いを振り払うように優しく自分の道を示していた。

 

 いつの間にか、姬和は彼のことを頼ってしまった。彼がそばにいると、不思議と安心する。

 

 だがその甘えた結果、彼は死んだ。

 

 もし自分が彼をこっちの世界に迎え入れなかったら、彼がこういう結末になれないはず。

 

 母と同じ、彼は大荒魂に命が奪われた。

 

 許せない………よくも私のそばから最も大事な二人を奪った!

 

 許せない!絶対に許せない!!

 

 「おい!ペッタン女!何をする気だ!」

 

 姬和がタギツヒメに向かい、突刺の構えをする様子に薫は嫌な予感がする。

 

 きっと彼女は都の仇を取るつもりだ。

 

 「ヒヨヨン、やるのデスか?」

 

 「ああ……私はタギツヒメを殺す!都の仇を取る!」

 

 「姬和ちゃん……私も一緒でいい?私もお兄ちゃんの仇を取りたい」

 

 大切なものが奪われた可奈美は、姬和の行動に賛同する。

 

 「おい!可奈美!正気か!?あいつは前より強くなったのよ!気持ちがすごくわかるけど、落ち着け!」

 

 姬和の話を聞いた可奈美は泣くのをやめて、同じ御刀をタギツヒメに向かう。今はとても悲しいけど、タギツヒメに復讐する気持ちの方が強かった。

 

 彼女はお兄ちゃんを自分のそばから奪ったタギツヒメのことを許せない。もちろん、タキリヒメの分の気持ちも含めている。

 

 けど、何より大好きな人が殺された怒りはこの年頃の女の子にとって簡単に操るものじゃなかった。元々彼女たちは薫のような特に世間に洗練された内が大人ぽくじゃなかった。

 

 「舞衣!彼女たちを止めろ!このままじゃ死に損ーー」

 

 「二人だけに任せられない。私も都くんの仇を取ります。」

 

 「なーーー!?」

 

 可奈美と姬和に感化されたのか、或いは都が殺された怒りなのか、舞衣も徐々に正気を失って、二人の提案に賛同した。

 

 「舞衣………」

 

 沙耶香は怒りに取り憑かれた舞衣を見て、悲しい顔になっている。

 

 都を失ったことで彼女の胸もとても痛くて仕方ない。けど、舞衣はきっともっと悲しい。だから彼の仇を取ることに沙耶香は止められない。

 

 「薫、ごめんなさい。ワタシもカナミンたちを放っておけないのデス。」

 

 「エレン……お前……」

 

 そしてエレンは可奈美たちだけに任せられなく、タギツヒメに刀を向けた。彼女はあくまで可奈美たちに死なせたくないから、できる限り彼女たちの勝算を増やしたいということ。

 

 もちろん、彼女の瞳から涙らしいものが見えた。彼女も都のことに泣いていた。

 

 「クソたれか!」

 

 薫はなぜかこっちに動きがない近衛隊のことを無視して、可奈美たちと共に戦うことを選んだ。例え都の仇を取れなくでも、せめて可奈美たちの生還率を上がりたい。

 

 あいつが最も大切にしていた三人を守るのは自分……ううん、あいつの友達とした最後の義務だ。

 

 「私もやる!舞衣を一人にしない!」

 

 「沙耶香ちゃん。ありがとう。」

 

 舞衣が沙耶香も都の仇を取りたいから、仲間入れると思っていて彼女に感謝する。が、沙耶香はただ薫とエレンと同じ、舞衣たちだけをあの化物と戦わせたくない。

 

 「………これは面白い。お前たち、手を出すじゃない。彼女たちは我の力を試す獲物だ。」

 

 「はい!」

 

 近衛隊はタギツヒメの命令を聞いて、全員は出口の方に移動し、逃亡ルートを封鎖する。

 

 「さぁ、あの夜の再戦を始めようか」

 

 「貴女を殺す!」

 

 「今度こそ、お前を殺す!」

 

 「都くんの仇を!」

 

 可奈美たちは一気にタギツヒメを攻めていく。六人は成長していた実力と息が合わせた完璧の連携攻撃でタギツヒメを攻撃する。

 

 しかしーー。

 

 「うっ……!」

 

 「ぐっ……かあ!」

 

 「ぐっ……!」

 

 「……やあっ!」

 

 「がっ……!」

 

 「がはぁ……!」

 

 タギツヒメはただ一瞬で圧倒的な力で六人を瞬殺した。

 

 「ふむ……なかなかに馴染むな」

 

 自分の圧倒的な実力さに満足しそうなタギツヒメ。彼女は以前より遙かに強くなった。

 

 「クソ……!何なの、この強さは!」

 

 「鎌倉の夜より遥かに……」

 

 「S装備を装着したとはいえ、全く歯が立たなかった……」

 

 「バケモンすぎだろ……」

 

 「カナミンとヒヨヨンも倒された……うっ、写しはもう……」

 

 地面に倒れていた六人。彼女たちはタギツヒメの動きを全く見えなかった。ううん、対応ができなかった。

 

 「あははは!刀使たちよ、この愚かな男の仇を討てなかったことに悔しかろう?すまぬ、我は強すぎた」

 

 自分の強さに自慢するタギツヒメ。彼女は恐れるものがいなくなったことに喜んでいる。

 

 「クソ……!」

 

 ほぼ全員はタギツヒメのでかくなった態度にむかついた。そして姬和、舞衣、可奈美たち三人は特に悔しかった。

 

 都の仇を討てなかったことに彼女たちは自分の弱さに憎んでいる。

 

 “彼女たちが弱いから、都は殺された”。

 

 お兄ちゃん……私はやはり何もできない妹です。お兄ちゃんの仇さえも討てなかったなんで……私って本当に駄目な妹です。

 

 小さい頃からずっとお兄ちゃんの後ろに隠れていて、お兄ちゃんに守られたばかり。私、何一つもお兄ちゃんにしてあげられなかった!

 

 何か大荒魂を倒した英雄よ!自分の家族さえも守られなかった私は英雄に名乗る資格がない!

 

 結局、私の剣はお兄ちゃんに越えられなかった。

 

 “私は彼に甘えすぎたのだ”。

 

 

 「さて………我に刃向かう羽虫どもをいかに潰してやるか」

 

 「…………ねっ!」

 

 薫たちに一歩一歩っと近づくタギツヒメ。彼女はそろそろ目障りの薫たちを排除しようとする。

 

 そして現場でタキリヒメの指示で姿を隠していたねねは都を殺したタギツヒメが今度薫たちの方に歩く姿を見て、古い記憶が記憶の奥から再び浮かび上げた。

 

 ーーあれは奇跡とも言える、人との古い約束だった。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 時、遥か400年ほど前。

 

 

 

 

 我々は人によって母と強制的に分離されたいらない子達。

 

 捨てられた我々は本能的に集結し、融合する。やがて、我々はさらなるの知能と力を得た。

 

 その時、体内に生み出されたのは人への憎しみ、憎悪、怒りという感情だった。そんな感情に支配された我々は人への復讐を選んだ。

 

 里を焼き尽くし、視界に入れた人間を殺す。ただいたずら大暴れる。

 

 これは我々を無理矢理母から離させる悪人たちへの報いだ。

 

 精々後悔するがいい、死んでもらうといい!

 

 「グオォォォォォーー!!」

 

 大型荒魂からの咆哮。その咆哮に含めるのは人類への憎悪と怒りだ。

 

 「ふん、派手にやってくれるじゃねーか。荒魂野郎。」

 

 そんな巨大な怪物の前に巫女服の女性が恐れずに超でかい刀を持って怪物の前に現れた。

 

 彼女の名前は益子玲子。代々この地を守る益子家の現当主である。

 

 「益子の縄張りで、でけえツラしてんじゃねぞ、荒魂野郎!どぉりゃあぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 「グオォォォォォーー!!」

 

 我々を殺すための巫女か。我々の復讐に邪魔すんじゃねー!

 

 双方が戦い始め。この対決は数十分以上に続けた。

 

 やがて、荒魂の腹が御刀に刺されて重傷を受けた。

 

 そして刀使の方は少し疲れただけ。武器が手にない以上、荒魂に反抗する力がないはず。

 

 この機に荒魂は玲子を攻撃するつもりですが、御刀に刺された影響が大きくて、しばらく身動きが取れない。

 

 ここまでか……我々はここで消滅されるのか?

 

 既に結果を見てしまった荒魂は生きる希望を捨てた。動けない自分に対し、また動ける相手にどうしようもない。

 

 故に荒魂は大人しく自らの死を待つ。

 

 「はぁ……はぁ……荒魂のくせに、手こずらせやがって……。ふふっ……暴れたきゃ相手になってやるからよ。」

 

 「ねー…………?」

 

 「………また、やろーぜ?」

 

 しかし、玲子は笑顔でねねに友好の手を差し伸べた。

 

 この人間、何言ってんだ?我々を殺せぬか?

 

 「さぁ、御刀を返せ。お前も疲れたろ?とっと山へと戻りな」

 

 「ねー………」

 

 「またやりたいなら、オレとやろう?いつでも相手をしてやるから」

 

 彼女がこう言って、荒魂の腹に刺さる御刀を抜き出す。その後、彼女は自分を殺せずに自分を見逃した。

 

 なぜ彼女は人類の敵である自分たちを見逃していたのかわからないだけど、我々に傷を癒やしす時間をくれたのがありがたいことだ。

 

 それ以後、その荒魂は毎度に傷を癒やして人の里に降りて里のことを襲撃する。そのたびに彼女及び彼女の子孫たちと殺し合い続けてきて、それから数百年の歳月があっという間に過ぎてしまった。

 

 いつの間に荒魂は彼女(益子)たちとただの殺し合う敵関係じゃなくなった。我々はライバルであり、友達であり、やがて我々は彼女たちと家族になりました。

 

 同じ屋根下で暮らしたり、昼寝にしたり、食事をしたり、お風呂にしたり、遊ぶなど荒魂にとってありえない生活ですが……我々はとても“楽しかった”。

 

 「ねー!」

 

 「どう?美味しい?」

 

 「ねー!」

 

 「そうか、いい子だね。ねねは」

 

 「ねねっ!」

 

 いつの間に荒魂の体内に存在していた穢れが消えされ、本来持つべく知能も何処かに消えた。こうして荒魂はねねという知能と元の自我がない無害な荒魂になった。

 

 自我がなくなったけど、これでこの人たちと末永く暮らせられる。これはねねという荒魂の選択だ。

 

 人と暮らせるために、ねねは荒魂をやめた。ペットになってもいい、この人たちと一緒にいられるならそれでいい。

 

 「ねね、数カ月後に私の娘もこの家に誕生されます。小さい私を守るように、あの子も守ってね。」

 

 「ねっねっ、ねね!」

 

 まるで私に任せようと示す自分の胸を叩くねね。そんな小さいな守護獣に益子の刀使は優しく微笑んでねねの頭を撫でる。

 

 「じゃ、任せだよ。小さい騎士(ナイト)さん。」

 

 それから数カ月後、益子家は新たな子供が生まれた。彼女の泣き声はとても大きくて、ねねはすぐ心配で彼女のそばに行く。

 

 「ねね!ねね!」

 

 「あぁ……?」

 

 「ねね!」

 

 ーー泣かないで、私がそばに付いていくから、もう泣かないで。っとねねがベットにいる赤ちゃんにそう言った。

 

 「あはっ、はははははっ」

 

 やがて、彼女は安心したように笑う。

 

 そんな笑顔、ねねはもうたくさん見てました。この者たちの笑顔を見ると、ねねも嬉しくなる。

 

 ここから先、長くでもこの者たちの笑顔を守り続ける。だって、自分は彼女たちの守護獣なんだから。

 

 ーーだから、死なせない。

 

 例え元の化物の姿に戻っても、この者たち………薫を守る。

 

 そう決意し、ねねは体内に消えたはずの穢れを呼び帰る。再び災厄の獣の姿に返った。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 時に戻り。現在ーー

 

 

 

 

 「グオォォォォォーー!!」

 

 咆哮と共に、ねねは元の荒魂姿を取り戻した。

 

 「ホぉ……これはタキリヒメ記憶にあったあれか……」

 

 少し驚いたタギツヒメは冷静な態度でねねの方に見る。まさか、これほどの荒魂が人に飼われるとは……。

 

 「グオォォォォォーー!!」

 

 「大型だと!?みんな、気をつけーーひゃあぁァァァ!!」

 

 しっぽで近衛隊たちが一掃されて、写しも剥がれた。

 

 「ねねちゃん……」

 

 「ねね……」

 

 可奈美たちは信じられない顔で怪物になったねねの方を見つめていた。あんなに可愛く小さいねねがあんな禍々しい姿になるなんて……。

 

 「グオォォォォォーー!!」

 

 「ふん、我を抗るのか?」

 

 ねねの一撃を軽く防ぎ止めたタギツヒメ。彼女にとってこれくらいの攻撃は大した程度ではない。

 

 故に、タギツヒメはねねの攻撃を弾けて、一旦距離を取る。

 

 しかし、ねねは攻撃を中断せずにいたずらタギツヒメを攻撃する。

 

 「生意気な荒魂よ。誰か主人なのか、教えてやる!」

 

 ねねの攻撃を躱して、神速で何度もねねの身体を斬り刻む。

 

 「グオォォォォォーー!!」

 

 ねねの叫びは痛みによって辛そうに聞こえた。ねねは一方的にタギツヒメに何度も斬られた。

 

 「おい……やめろ……!」

 

 その光景を目に焼き付く薫は、これ以上ねねが傷つけられることに耐えられない。

 

 これ以上ねねを傷つけないで!お願いだから!やめろー!

 

 「グオォォォォォーー!!」

 

 「まだ倒れないのか。あの愚かな男と同じ痛みが知れず愚かな荒魂よ!」

 

 再び痛みで叫んだねね。ねねの苦しそうな姿を見て、この場にいる可奈美たちも心が辛く願う。

 

 ーーもうこれ以上、ねねを傷つけないで、もう戦わないでと願い続けた彼女たち。

 

 やがて、ねねは力尽きで倒れた。

 

 タギツヒメも攻撃を止めて、ボロボロになったねねの頭を踏んで嘲笑う。

 

 「所詮この程度の荒魂……。だが、主である我の前ではすべてが無駄だ。ペットはペットらしく我の前に平伏せ」

 

 「ねー………」

 

 「ねねちゃん………」

 

 「ねね………」

 

 ねねがタギツヒメに踏まれて、可奈美たちはもちろんそんな行為をするタギツヒメを許さない。

 

 しかし、身体が動けない以上、助けはできない。例え止めに行くとしても、ただやられる一方だ。

 

 「さて、我が元に戻れ。我に不從する者には用がない。」

 

 そう言って、タギツヒメはねねからノロを奪おうとする。

 

 「おい……!やめろ……!!」

 

 その光景を見て、大きく叫ぶ薫。

 

 しかし、タギツヒメはそんな彼女の声を無視して、ねねからノロを奪おうとする。

 

 「……俺のそばからあいつを奪わないで……!お願い!ねねを……見逃して……!」

 

 心の底からそうお願いする薫。彼女は嗚咽混じりに声を上げ、止めとこなく涙がボコボコと地面に落ちた。

 

 彼女はねねという大切なペットを失いたくない。ねねは小さい頃からずっと自分を守ってくれた初めての友達、家族なんだから。

 

 だから薫は何度も叫んで願っていた。

 

 誰かねねを助けて!誰でもいいから、あの子を守ってくれ!

 

 

 

 ーーそして、その願いは確かに“誰か”に届いた。




原作と同じねねは元の姿に戻ったとしても、史上最強の大荒魂と呼ばれたタギツヒメに敵わなかった。
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