気が付くと私は此処にいた。
理由はわからない。少し濡れた髪を静かに触れる。
私が私である証拠。でも名前は思い出せない。
今これを読んでる貴方は私の名前を知っているのでしょう?
私は立ち上がった。髪の毛についてた水滴が頬を流れる。
小さく驚きそうになる。
私は飲み物が空になった缶を見つけた。水滴がついてたという事は先ほどまで
入っていたのだろうか。
周りには誰もいない。ネオン灯は電気が消えている。
そうか、今は昼間か。消えてるのは当たり前か。
私は静かに笑う。こうやって笑うのは久しぶりだろうか。
と思ったけどネオン灯に写った自分はどこかぎこちなくていやだ。
私は何も持たず歩いた。目的はない。
自分の記憶を頼りに進む。290秒ぐらい歩いた。
殺風景が続いてて少し休憩しようと思った時だった。
ヘッドホンを見つけた。不思議な事にそのヘッドホンは袋に入ったまま放置されていた。
誰かが置き忘れたのだろうか。
「そのヘッドホンは君のだよ。」
突然声が聞こえてびっくりするけど誰もいない。
「いらないの?なら壊したって問題ないよね。」
続いて声が聞こえる。私はヘッドホンからこの声が聞こえてきてる事にやっと気が付いた。
私は思わず声をあげる。
「貴方は誰なの?」
するとヘッドホンが震えた。
「ひゃっ、そこにいるのね。私の名前はルミアシス。待ってて今そちらに向かうわ。」
私はルミアシスと名乗る人を待つべきなのだろうか。
私は先ほども言った通り自分の名前すら思い出せない。
もしルミアシスに名前を聞かれたらどうしようか。
私は何と名乗ればいいのだろう?
そしてルミアシスを信用してもいいのだろうか。
私はヘッドホンを袋から出した。恐る恐るヘッドホンを耳に当てるがノイズ音だけしか聞こえない。
私はとりあえずルミアシスを待つ事にした。太陽が雲に隠れそうに待った時誰かが来た。
「私はルミアシスと申します。お迎えに参りました。」
自らをルミアシスと名乗った青年は方に猟に使いそうな銃を肩にかけていた。
私は影を見た時から物陰に隠れていた。
ルミアシスは本当に信用してもいいのだろうか。
出る機会を考えていた。
手に持ってたヘッドホンがノイズ音を放つ。
私はヘッドホンを置き耳をふさぐ。
するとノイズ音とともに人の音声が入っているのに私は気が付いた。
「今この世界には狼と赤ずきんと猟師がいる。赤ずきんは自らの正体、そして誰が狼と猟師なのかは知らない。狼と猟師は自らの正体のみ知ってる。ただし、例外が此処に存在する。」
それだけ言うとヘッドホンはノイズ音すら聞こえなくなった。
私は恐怖を覚えた。これから始まる物語は赤ずきんと狼と猟師の物語である。