聖也side
俺は土御門聖也だ。6歳だ。
俺の家は土御門家って いう陰陽師の世界の中での名家の分家である。
……本家と同じ名字だけど混乱するなよ。
それで、俺には双子の弟がいる。名前は春虎。 今はこいつと本家の屋敷に向かっている。
「にしても,ここは不便だよなあバスが1時間に1 本しか来ないなんて。都会育ちの俺にはキツいっ つーの」
「??兄ちゃんってずっと田舎暮らしだよね?」 「えっ?あ,ああ。そうだよ」
「変な兄ちゃん」
あっぶねー。つい前の世界での感覚でいたわ。
実は俺には誰にも言ってない秘密がある。 それは、俺が転生者であることだ。
「兄ちゃん,屋敷が見えてきたよ。早く行こう」
「おう!」
そう言って俺達は走って屋敷に向かっていると 「春虎君~,聖也君~」
と門の前で叫んでいる。
俺達は門までつくと
「よっ。夏目!」
「こんにちは。夏目ちゃん!」
俺、春虎の順で挨拶をする。
「こんにちは。春虎君,聖也君」
そう言って笑顔で挨拶しているこの少女は土御門 夏目。土御門家本家の一人娘である。
「夏目とも合流したことだし,今日は何して遊ぶ か?」
俺がそう言うと
「俺,かくれんぼやりたい!」
春虎がそう提案してきた。
その時,夏目の体がピクッと反応したような気が したが,気のせいだろう。
「鬼は夏目ちゃんね!よーい,スタート!」
春虎が話を勝手に進めていった。
「春虎!勝手に始めんなよ!」
そう言って春虎の後を追った。
ふと,後ろを振り返ると夏目がただ立ち尽くして いた。
夏目side
私は今、幼馴染みの春虎君と聖也君と家の庭の山
で,かくれんぼをしています。
正直,この山は好きではありません。
何故なら,何かが私を見ているような気がするの です。
二人はあっというまに何処かに行ってしまいました。
「グスッ,グスッ,怖いよ。春虎君,聖也君」
私はただ泣くことしかできませんでした。
聖也side
かくれんぼが開始してから1時間。
夏目がいっこうに来ない。
「何かあったのか?」
俺はそう思い,山の入り口まで戻ってみた。
戻ってみると,夏目が一人で泣いていた。
「どうしたんだ,夏目?」
俺は急いで夏目の元に駆け寄った。
「せ,聖也君?聖也君!」
夏目は俺が来たことで安心したのか,
俺に抱き付いていて大声で泣き出した。
そして,しばらくの間俺は夏目を抱き締めてい た。
夏目が落ち着いたのを確認してから聞いてみた。
「何があったんだ,夏目?」
「な,何かが私を見てるの」
あー,そういうことか,見鬼だから見えてしまっ てるのか。
「大丈夫だ,夏目。お前に手を出そうとした奴がいたら,守ってやる。だから,安心しろ」
俺はまた夏目を優しく抱き締めた。
「じゃあ,私の『しきがみ』になってくれます か?」
「『しきがみ』?」
「はい。私の側にいて,ずっと守ってくれること
です」
あー,あれね。思い出したわ。
「嫌…でしょうか?」
夏目は目を涙目にして上目づかいで訴えてきた。 こんなの断れないでしょ。断る気もないけど。 「わかった。俺が夏目の側にずっと居てやる。」
そう言うと,夏目の顔が明るくなった。
「約束ですよ。絶対ですよ」
そして俺らは指切りげんまんをした。
この時俺は誓った。決してこれから夏目を悲しませないと。
そして,月日が流れ……
今日は中学校の卒業式だった。そして俺は今,本家に向かっていた。
本家に行くと,夏目が待っていた。
「約束…覚えてくれてたんですね」
「ああ。あの時誓ったからな」
そう,俺は誓ったのだ。
「何を誓ったのですか?」
「お前を決して悲しませないとな」
夏目が頬を赤く染めてうつむく。
「夏目!俺をお前の式神にしてくれ!」
夏目は少し涙を浮かべながらも
「はい!」
と元気よく返事をした。
こうして俺は夏目の式神となり,陰陽塾に赴くこ とになった。
これから起きる出来事を知らずに……
何とか作り上げました。
次回は聖也と夏目の陰陽塾入学編です!
お楽しみに!
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