この作品はスパイク・チュンソフト社の作品『ダンガンロンパ』及び『スーパーダンガンロンパ2』、『ニューダンガンロンパV3』のオリジナルキャラクターを使用した二次創作作品です(創作論破とも)。
それらの作品のネタバレ要素が含まれる可能性があります、それらの事が許容できるという方は、どうぞ先へお進みください。
また、文章やトリック等は素人の腕前そのものなので、大目に見てくれると嬉しいです。
では、どうぞ!
第1章-第1話- 1日目・2日目前半
ダンガンロンパ-Lost Believe- chapter1
"幸福と不幸のパラダイス"
〇
《食堂》
『はっはっは! 諸君、よくぞ集まってくれたね!』
枢木が突如僕らに『食堂へ集まって』と一斉メールを送信した、どうやらこの電子手帳割とハイテクなようで、生徒間であるならば、メールでやり取りする事も可能なようだった、電話はできなかったが。
『それで……情報バカ。この私を呼び出すとは、いったいどういう要件ですか?』
『(フッ) そのソフィアちゃんの冷たい口調は、相変わらずのようだね』
『む……さっきから情報バカだの失礼だな君は! まぁいい、よくぞ聞け! この私、【超高校級の情報屋】の解析力を存分に振るった結果……今私達が置かれている状況を即座に解析することに成功したのだよ!』
『そ、それは凄い事だけど……』
確かにそれは凄い快挙だ、だが僕達が置かれている状況といえば、『閉じ込められている事』『誰かを殺さなければ、出る事は出来ない』という事以外に何があるというのか……。
『むっ……貴様ら信用してないな!』
『的を射た発言をしていないからな。信用できる筈もないだろう』
『"殺しあえ"って言われた後に、誰かを信用するというのが可笑しいんじゃないの?』
『村戸さん……門目さん……』
『えっと……お、俺は皆の事信頼しているからな! なんたって、【超高校級の信者】だから!』
僕だって、誰を信用すればいいのかわからない、そもそも誰かを信用しなければというのが間違いなのだろうか?
それに……神楽君と枢木君は凄いな、こんな状況でも、あんなにポジティブにふるまえるんだから。
『多恵、さっきも言ったけど難しい事は何もわかんないからー? とりあえず枢木っちが言いたい事をさっさと言えばいいよー?』
『多恵さんの言う通りですわね、まぁ青空さんと紬さんがまだ来ていないようですが……もしかしたら、既にどちらかが殺されているのかも』
『そ、そんな事……!』
『ないと言い切れます?』
ソフィアが鋭いまなざしを、僕にぶつける。あの眼は、僕ら全員を敵視又は軽蔑している眼に他ならなかった。
『……す、すいません』
『ふぅ、許しを請うのなら、行動で示してくださる?』
そういって、ソフィアさんはそっぽ向いてしまった。
『むう……まぁとりあえず、自分が調べて分かった事を言おうじゃないか!』
枢木君が言ったのは次の通りだった。
・今現在僕らが行ける場所は1階の一部の範囲。
・窓や扉は全部硬い鋼で作られた板が取り付けられており、出る事は出来ない。
・浴室は現在使用不可能。
・監視カメラがついていない部屋はない。
・資料室においてあった資料は、どれも重要な手がかりにはなり得なかったが、所々本が抜き取られている箇所もあった。
つまり、結局新しい事は何もわからなかった。
『えーお風呂使えないのー!?』
『仕方ないよ……それより、抜き取られている箇所っていうのは……』
『それがさっぱりでね……きっとこの学園に関わる重要な何かに違いはないだろうね、おそらくは……真実とか』
『真実……』
この学園の真実を知れば、モノクマを倒し、皆揃って学園を出る事ができるのだろうか? 先ほどからそういう考えが脳裏をよぎる。
『枢木君』
『なんだね?』
『今は……君が一番の希望かもしれない、もしこの学園の真実が分かれば、きっと皆揃って出られるかもしれないんだ』
『……成程、それは確かにいい案かもしれないね』
『帰れるの? 家の猫30匹と再会できるの?』
『帰れる手がかりがあるというのなら、私も協力しない意味はないですけど?』
『うんうん、私も手伝うよ!』
僕のその言葉だけで、皆の絶望した表情が次第に明るく変化していった。皆での協力……そして、彼の情報収集能力があれば、きっと出られる。
なんだか……そんな気がした。
〇
『……こんな所で何してるの?』
『ちっ……テメェか』
皆と別れ、一人廊下を散策していると、紬君に出くわした。あまり遭遇したくはなかったけど。
『見ての通りだ、脱出口を探している』
『出られないって言うのに?』
『はっ、そう見えるだけだろ。こういう密室には、必ず一つ脱出口が残ってるんだぜ? 鼠の穴や古びた壁……それらすべては、俺にとっちゃ脱出口だ』
『さすが……【超高校級の脱獄犯】って呼ばれる事はあるね』
『テメェも……皆からたいそう信頼されているようじゃねぇか、【超高校級の姉御肌】さんよ』
『当たり前のことをしているだけだよ』
口は悪いが、根っこから悪い子ってわけじゃなさそうだ。本当に悪い子なら、私の言葉なんてお構いなしに全力で殴ってくる筈だから。
私は……そういう人間を何度も見てきたからわかるんだ。
『それで……手がかりとかは見つけれたの?』
『いんや……バカかってレベルで、壁には傷も穴もねぇ。こりゃぁ、今まで脱獄してきた場所よりも、一番難関かもしれないなっ、面白れぇ』
紬君が自身の親指をペロっとなめながらそう呟く。彼の様子を見てみると、何やら今の状況を楽しんでるんじゃないかって思えてくる。
モノクマも、今私達がこうやって足掻いてる様子を見て、楽しんでいるんだろう。それを想像すると、激しい怒りがこみあげてくる、一発殴らないと気が済まない……みたいな。
その時だった、私と紬君の電子手帳に一通のメールが届いた。
"至急、食堂に集まってくれ。全員だ! -枢木"
枢木君からの招集メールだった。
『あぁ? これメールもできんのかよ、くそっ』
『……どうする?』
『行くかよ。俺は脱出口探しで忙しいんだっ。テメェが言って来いよ。それで、知った事を全部俺に教えろ』
『やけに命令口調じゃん』
『俺が命令する奴はこの世にテメェしかいねぇよ。さっさと言ってこいや』
『ぷっあははっ、ツンデレって奴? 似合わないよ、あはは』
『チッ、うるせぇ! とっとと行けや!』
『ふふっ、はーいっ』
何だか、嬉しい気持ちになった。
〇
キーン、コーン、カーン、コーン
その時、学園内にチャイムが響き渡り、あの忌々しい声が語りだした。
『えー、校内放送です。午後10時になったため、只今から夜時間となります。食堂は封鎖されますので、ご注意ください! それと、校則も少し追加されているから、確認しておいてね! それでは、おやすみなさーい」
電子手帳に書いてあった校則の通り、夜時間が始まった。僕は、自分の部屋のベッドに腰掛ける。その時、何度今の状況が夢であってほしいと思ったんだろう。
外に出たい……でも、皆を殺したくない……様々な感情が入り混じって、どうにかなってしまいそうだった。
『あ、そうだ、校則……増えたんだっけ』
僕は、電子手帳を起動し、校則の欄を確認してみた。
1.生徒達はこの学園内で共同生活を行うこと。共同生活の期限は無期限。
2.夜10時から朝7時までを『夜時間』として扱います。夜時間は立ち入り禁止の区域がある為注意すること。
3.就寝は学園内の寮部屋に設けられた個室のみ可能。他の場所での故意の就寝は居眠りとみなし禁止とします。
4.学園長であるモノクマへの暴力を禁止します。監視カメラの破壊を禁止します。
5.仲間の誰かを殺したクロは『帰還』することができます。ただし、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
6.電子手帳に貸し借りを禁止します。
7.学園内で殺人が起こった場合、生存者による全員参加の学校裁判が行われます。
8.学級裁判で正しいクロを指摘できた場合、クロのみが処刑されます。
9.指摘できなかった場合、クロ以外の全員が処刑されます。その場合、クロだけが卒業し、学園から脱出、卒業することができる。
10.一人が一度に殺せるのは2人まで。
だいぶ更新されたな……と思った。
『クロは……おそらく犯人の事なんだろうな……でも、学級裁判……それに処刑って』
無茶苦茶じゃないか……僕はそう思った、だけど殺しを行わなければ、そんな悲しい事は起きないだろうと自分に言い聞かせた。
『……寝よう』
ベッドへ横になり、静かに目をつむる。明日全員無事でいられますように……そういう願いを込めながら。
〇
──2日目
キーンコーンカーンコーン
『オマエラ、7時になりました、朝です、今日も元気に頑張りましょう』
忌々しい声の朝合図で僕は目が覚める、こんな状況なのに僕はぐっすり眠ってしまったようだ。
『……そうだっ、皆は……』
僕は部屋を飛び出し、皆がいるであろう食堂へと駆け出した。
《食堂》
『皆、無事1?』
僕は食堂へ駆け出すと、青空姉が一人厨房にこもっていた。
『あ、佐藤君、おはよー』
『そ、青空姉? 何やってるの?』
『何って……皆の朝食作ってるの』
『青空姉が?』
よくよく臭いをかいでいると、確かに厨房から卵焼きのいい匂いがする。その美味しそうな匂いを嗅いでいると、肩にかかっていた力が一気に抜けた。
『とりあえず……皆無事だといいけど』
『ですね……』
そうだ、もしかしたら僕達15人のうち誰かが殺されているかもしれない……。そんな不安を募らせながら、椅子に座り祈っていると、次第に皆が食堂に集まりだした。
『ナニコレ、いい匂い! あ、青空姉が作ってるの?』
『ほーっ……この我のために作ってくれるなんて……嬉しい日もあるもんだ!』
最初にやってきたのは村戸と枢木だった。この二人は、意外にも起床時間はしっかり守る真面目な性格組だった。
『お腹すいたぁ~。あ、佐藤君、今日眠れた?』
『う、うん、意外にもぐっすり……』
『そう、私は全然寝れなかったよ、もしかしたら……自分が殺されるんじゃないかと思って……ベッドに模擬刀仕込んじゃった……』
『はっはっは! 用心深いなぁ君は!』
『そういう枢木君は元気だね……』
『あぁ! 朝は気持ちいいからな!』
枢木君もこんな元気に挨拶してくれているけど……この元気は果たして彼の本当の気持ちなのだろうか……彼も、不安で仕方ないはずだ。それでも……僕と村戸さんは、その元気に救われていた。
『あ、卵焼きもうすぐだから、待ってね』
『はーい!』
村戸が勢いよく返事すると、ドタドタと神楽君が駆け込み、その後に落ち着いた様子で志津さんがやってきた。
『み、皆ッ! よ、よかった……無事だったんだね、モノクマに殺されてると思ったよ』
『どうしてモノクマ?』
『だ、だって皆が殺しをするはずないもんね……だから、もし誰かが死ぬのならモノクマに殺された以外ありえないもん』
『神楽、少しは落ち着きなさいよ』
『し、志津姉さん……』
『ははは……でも、心配になるのもわかるよ。僕らだって、心配したんだから』
『うん……あ、倉家姉弟、卵焼き食べる?』
『あ、勿論食べるよ!』
『じゃぁ、私はお茶を入れましょう』
神楽君と志津さんは無事だった……昨日であったばっかだけど、この二人は本当に仲が凄く良い。この二人のどちらか……いや、または両方が欠けるなんて、想像したくない。
『ごめんごめん……猫にご飯あげてたから、心配かけちゃったね……』
『(フッ) 僕の子猫ちゃんは、この場に集まってくるからね』
『いやー! 僕のプロデュースするアイドルの事を考えてたら、寝れなくってね……寝過ごしてしまったよ!』
『……ゥス』
急にぞろぞろやってきたが、睦月さんに工藤君、そして緑川君に紬君がやってきた。……あ、そういえば。
『紬君、青空姉』
『ん?』『アァ?』
『昨日、2人とも、どこ行ってたの?』
『んー』『……』
『内緒っ』『教えるかよバーカ』
なんか軽くあしらわれたような気がする……一体何があったというんだ?
気になって仕方がない……が、内緒なら無理に聞く必要もないだろう。
『そう……でも心配してたんだからね』
『あー、ごめんごめん』
『ちっ』
知らぬ間に、紬君と青空姉の距離が縮まってるように見える、それを見た僕は何だか嬉しい気持ちになった。
こんな楽しい雰囲気なんだ……きっと、殺しなんて起きる筈がない……例え、どんなことがあったとしても……。
そう……思っていた。