……そして、ゆっくりと目の前の扉が開いた、そう……地獄への入り口とも思える扉が。
その先は一つの裁判場のような空間だった、円形に並べられた証言台、そして奥には、モノクマが座るであろう玉座? 的な椅子が置かれていた。
『オマエラ! 準備が出来たなら、自分の名前が書かれた席につきなさーい!』
『ッチ……趣味悪ィ場所だぜ』
『(フッ) 低民の顔より醜い場所だね』
『罵倒なのかわからない……』
席は時計回りに僕、村戸さん、門目くん、青空姉、枢木君、松丸さん、工藤くん、夢喰さん、紬くん、志津さん、神楽くん、浦川さん、緑川くん、睦月さん、ソフィアさんの順に並んでいた。だが……睦月さんはもういない……その代わりに。
睦月さんの顔が映った白黒の写真に、赤いペンキでバツ印が書かれた……遺影? のような物が置かれていた。
『おい、何だあれは、この場に的を射ていない物があるぞ?』
『あ、悪趣味ってレベルじゃないぞ!? アイドルのステージにだって、あんなものない!』
『あったらダメでしょ!?』
『うぷぷぷ……だって、死んじゃったからって、仲間ハズレはダメでしょう?』
『……くっ』
『はーい! うんうん、全員席についたね? じゃぁさっそくやっていこうかな! ドッキドキで、ワックワクな学級裁判を!!』
コトダマ一覧
【モノクマファイル(1)】
被害者は【超高校級の飼育係】の睦月 穂香。
死体発見場所は、女性大浴場。
死亡推定時刻は、午前7:02分頃
死因は、頭部を何回も殴られた事による出血死。
頭部以外にも、身体には何個か殴られたような後がある。
【浴場の掃除】
午前6:00にしっかり掃除している。
その代わり様から見るに、念入りに掃除はしているようだ。
【男子浴場の様子】
掃除されいたため非常にきれいだった。
だが所々水滴や、濡れている部分も存在した。
【浴場の仕切り】
男子浴場と女子浴場は隣接している。
壁には当然仕切りがあるが、登ればそこには人一人通れるだけの穴が開いている。
だが登るのは至難の業だろうが。
【濡れたタオル】
男子浴場のゴミ箱に入れてあったタオル。
念入りに絞られて水分もほとんど残っていない。
【男性陣のアリバイ】
僕と枢木君は男子脱衣所にいたから、おそらく犯行は不可能。
そのほかは寝ていた。
【浴場について】
脱衣所及び浴場には、監視カメラはついていない。
校則に何も記載はない事から、女子更衣室には誰でも立ち入る事ができた。
【女性陣のアリバイ】
私と多恵ちゃんは女子脱衣所にいたから、おそらく犯行は不可能。
そのほかは寝ていた。
【女性浴場の様子】
掃除されている為なのか非常にきれいな様子であった。
【凶器について】
ファイルと死体から見て、凶器はハンマー等の鈍器、もしくは棒状の硬い物。
ただし、凶器は現場には存在しなかった。
【橙色の塗料】
睦月さんの服と血に付着していた橙色の塗料。
インクとは少し違う感じだ。
【夜時間の封鎖場所】
現時点では、夜時間になると食堂と大浴場が封鎖される。
【枢木君の調査】
橙色の塗料の正体は蛍光塗料だった。
彼の情報なら確かだろう。
【睦月さんの部屋の状況】
部屋に争った形跡はない、侵入した痕跡も同様。
【猫】
睦月さんの部屋にいた猫。
彼女の才能にぴったりともいえる
【焼却炉】
現在に至るまで、一度も使用された痕跡はなかった。
【掃除当番】
焼却炉にはシャッターが閉じられていて、掃除当番以外使用できなかった。
ちなみに掃除当番は、工藤君だ。
学級裁判開廷!
村戸『裁判っていっても……何を言い出せばいいのかな?』
緑川『こういう時は、せーので指を刺すのが先決じゃないか!?』
神楽『そ、それに賛成だ、僕はみんなを信じるよ!?』
茅野『いや……さすがに運はダメでしょ?』
枢木『あぁそうだ! ここは一つ……今回の事件の主題についてから話そうではないか!』
そういって、枢木君は手に持っていた電子手帳からモノクマファイルを取り出した。
枢木『これだ!!』
ソフィア『そうですね、こんなくだらない茶番をしている間があったら、そういうのを読んで場を静かにさせるのが先決ですね』
志津『ふふ、賑やかなのは好きですけどね』
夢喰『……うるさいから……さっさと読んで』
枢木『あぁわかった! では請謁ながらこの我が読んでやろう!』
枢木『被害者は【超高校級の飼育係】である睦月 穂香。死体発見現場は女性大浴場。死亡推定時刻は、午前7:02頃。死因は頭部を何回も殴られたことによる出血死だな。そして頭部以外にも数個殴られたような痕がある……だったな!!』
松丸『ダメ……思い出すだけで吐きそう……』
茅野『お、落ち着いて……』
工藤『(フッ) 死因も書かれているのなら、分かりやすいね……なら、凶器について話会おうじゃないか』
佐藤『うん、そうだね……それじゃぁ、始めようか!』
議論開始!
松丸『凶器っていっても……何で殺されたのでしょう』
門目『そんな物がわかるのか?』
緑川『頭部には何回も殴られたような後があったんだよね……』
夢喰『身体にも……傷はあるよ……だったら……拳で何回も殴られたーとかはどうなのさ……』
枢木『ふむ……力が強い人ならありえるな!! 何回も殴って出血させる……アニメでもドラマでもよくある展開だ!!』
コトダマ【凶器について】→拳で何回も殴られたー
『それは違うと思うよ……ッ!』
論破
佐藤『夢喰さん……それはたぶん違うと思う……』
夢喰『なんで……?』
佐藤『ファイルと死体を見て、傷の形状からハンマーとか棒状の硬い物で殴られたと推測できるんだ……枢木君、あの後ずっと死体見てたからわかるよね?』
枢木『ふむ……確かにそうだった……というより、拳で殴られた……っていうのはアニメやドラマの話で現実味はないな! さすがは【超高校級の空想家】だ!!』
佐藤『ほめてるのかなそれ』
ソフィア『つまり……何か道具を使ったという事は確実なのですね……』
門目『身体を殴ったのは……もしかしたら、拳で殴ったと思わせる為か? そういうのなら、的を射ているが』
佐藤『そもそも、拳で殴ったのなら、血がついちゃうでしょ……?』
『……それって、どうなのかな?』
佐藤『え?』
反論
佐藤『青空姉……どういうこと?』
茅野『うん……さっき、拳で殴ったのなら、血が出るって話だよ……ちょっと考えが浅いんじゃないかなって』
松丸『浅い? どういうことー? 青空姉ー!』
ソフィア『そうですね……教えてほしいところです』
茅野『じゃぁ、ちょっと反論させてもらうよ』
―反論ショーダウン―
茅野『つまり……拳で殴っても血がついても問題ない場合を考えるんだよ』
佐藤『つかなかった場合?』
門目『どういうことだ?』
茅野『うん……人間だれだって、手や拳に血がついたら洗い流すでしょ? つまり、そういうことなんじゃないかな』
ソフィア『成程……念入りに洗っておけば問題ないと?』
緑川『つまりはッ、洗面台とかを使えば楽勝という事だねっ!』
門目『確かに、的は射ているな』
いや……それはおかしいよ!
コトダマ【モノクマファイル(1)】→手や拳に血がついたら洗い流すでしょ?
『その反論、僕が斬るよ!』
論破
佐藤『青空姉、さすがにそれはおかしいよ』
茅野『え? どうして……?』
佐藤『だって、僕達が死体を発見したのは午前7:02……そしてその後に皆が来たから、落とすまでの時間はなかったと思うよ?』
茅野『成程……でも、案外早く落ちた可能性は?』
佐藤『それもあるけど……洗っていたのなら、誰かその音は聞こえるはずだよ、ほら……あそこって結構音響いていたよね』
―回想―
〇
『すご──いっ、凄いよ青空姉、広いッ、広いよッ! こんな広い浴室見た事ない!!』
『はいはい……少し待ってって……』
〇
青空姉と松丸さんの声が聞こえる。
『おん? 向こうも来たか?』
『(フッ) 楽しそうな声じゃないか……癒し効果倍増ってところかい?』
『おい佐藤、覗きなんて的を射ていない事するなよ』
『誰が!?』
―回想終わり―
枢木『あぁ昨日風呂に入った時ですな! 女子の声が確かに響いてましたな!』
茅野『え!? 響いてたの!?』
ソフィア『そういえば……男子の声も少し聞こえていたような気がしますね』
緑川『ま、まぁその話は置いておこうよ!』
紬『アァ、あのクソみたいな一件か』
佐藤『まぁまぁ……つまり、音が聞こえなかったってことは、洗っていたってことは考えられないんだ』
茅野『成程……うん、納得したよ』
村戸『じゃぁ、次の議論にいこっか!』
議論開始!
緑川『でも……次の疑問ってなんなんだ?』
ソフィア『……そうね、どのようにして事件が起きたか……が一番いいのかもしれませんね、そこから凶器が分かるかもしれませんし』
茅野『死亡推定時刻から、事件は朝時間に行われたってことになるよね』
志津『成程……では、夜時間は誰も行動できなかった、という事になりますね』
紬『アァ? だったら答えは簡単じゃねぇかよォ』
枢木『ム!? 簡単とはどういうことだね?』
紬『ッチ、わからねぇのかよ。つまりだ、朝時間になった時に起きていた奴……そして、女子浴場にいた奴……それが、今一番明確になってる奴……茅野と松丸の中に犯人がいるってことだよ!』
茅野『私!?』
松丸『私も違うに決まってるでしょー!』
コトダマ【女性陣のアリバイ】→茅野と松丸の中に犯人がいる
『それは違うよっ!』
論破
紬『何が違うってんだ、あたりめぇの事じゃねぇかよぉ』
佐藤『確かに青空姉と松丸さんはその時朝風呂のために浴場へ来ていた……だけど、訪れたのは恐らく午前7:03ぐらいだったんだ……』
緑川『な、何か証拠でもあるんですか!?』
神楽『ぼ、僕は信じてるからね??』
枢木『ムッ! それは可笑しいぞ、何故なら……そのアリバイは我らが保証しているからな!』
佐藤『うん……それが保証できる物……それは……』
コトダマ【男性陣のアリバイ】
『これだ!』
佐藤『僕達も、その時一緒に朝風呂に来ていたんだ……』
枢木『そうだな! そして、朝風呂に行くとき、佐藤君の準備で1分くらいは時間を使っていたはず……つまり! どうあがいても犯行時刻の午前7:02当たりには2人はいけないという事だ! もちろん、我らも殺してなんかいないぞ!』
紬『……ッチ、確実な証拠じゃねぇじゃねぇかよ……』
村戸『でもでも、死体発見アナウンスがしたとき、佐藤君と枢木君は、青空ちゃんと松丸ちゃんの声に釣られて大浴場に駆け付けたんだよね……なら、信ぴょう性も出るんじゃないかな』
佐藤『そうだよ……それに……寝ていたというアリバイが嘘になる可能性がある……だって、夜時間に廊下を出歩けないなんて校則はないし……』
ソフィア『確かにありませんね……ですが、出歩けないなんて事が本当にあるのですか? 例えば、モノクマが監視していて、出歩いていた者を射殺とか……』
佐藤『それはあり得ないよ……何故なら……』
コトダマ【夜時間の封鎖場所】
『これだ!』
佐藤『モノクマ本人が言っていたんだ……夜時間に封鎖されるのは食堂と大浴場だけ……廊下を出歩けないなら、扉をそもそも開けなくすればいいしね……出来るかはわからないけど、こんな物を企画するぐらいなんだ……やってもおかしくないよ』
門目『そうなのか、クマ野郎』
モノクマ『クマ野郎じゃなーい! でも、確かにボクはそう言ったよ?』
松丸『つまり公認ってことだー!』
志津『では……茅野さんと松丸さん、そして佐藤さんと枢木さんは犯人ではないという過程で話を進めましょうか?』
夢喰『それでもいいけど……疑問がある……夜時間に出歩いたとするよ……? どうやって犯人と睦月は大浴場にいったの……、眠いんだから喋らせないでよ、イライラする……』
確かに……それについては考察するしかない……。
あのモノクマの事だ……朝時間開始の7:00きっかりに開放するんだろう……。
それと同時に入るには……。
閃きアナグラム!
考えるんだ……僕のくだらないと思っていた空想で……。
チ カ ク デ マ ッ テ イ タ
成程!
【近くで待っていた】
『これだ!』
佐藤『きっと犯人と睦月さんは、大浴場が解放されるまで、近くで待っていたんだよ……』
茅野『待っていた……?』
ソフィア『成程、いわゆる待ち伏せって奴ですか?』
佐藤『例えば……午前6:55当たりに、大浴場の入り口近くまで行き、モノクマが解放しているのかはわからないけど、7:00の解放と同時に、大浴場に入り、犯行に及んだ……これなら、問題ないと思うよ……』
志津『確かに……それなら午前7:02に殺せるかもしれませんね』
工藤『(フッ) さすがは【超高校級の空想家】……現実味がいい推理をするね』
夢喰『キーパーソン……(グットサイン)……もう安心だから寝るね……』
緑川『この場で!? それに校則違反だよ!?』
紬『ッチ、だったら次の問題に行くぞ!』
議論開始!
紬『次に解決するべき問題……』
緑川『そうだね……どうやって睦月さんと犯人が大浴場に入ったかはわかったから……次は犯人がどう睦月さんを呼び出したか……だな!』
工藤『(フッ) ここは無難に……無理やり拉致して連れ去った……それが無難じゃないかい?』
松丸『拉致したって……絶対ヤバい奴じゃん!?』
ソフィア『その方法も考えられますが……もう一つ、手紙、または口頭で呼び出した……それも考えられますが?』
神楽『あっ、ドラマとかでよくある奴だ!!』
コトダマ【睦月さんの部屋の状況】 → 手紙、または口頭で呼び出した
『うん、僕もそうだと思う』
同意
佐藤『部屋には争った形跡はなかった……だから、拉致とかは考えられない。そうなると、手紙や口頭で呼び出したのが正しいと思えるんだ』
ソフィア『成程……ですが、手紙とかはどこにも見つかりませんでしたわね……』
紬『犯人が持ち去ったんじゃねーの?』
茅野『え? でもそれじゃぁ、処分しちゃってるでしょ……』
緑川『成程、じゃぁもう見つけようがないってことじゃん!?』
門目『そういうことだな……たく、振出に戻っちまったってわけだ……』
村戸『でもでも、紙を処分するような場所ってあった?』
茅野『焼却炉ぐらいじゃないかな……』
紬『だったら、そこで燃やしたんだろ、いちいち言わせんな』
コトダマ【焼却炉】
『それは違うよ!』
佐藤『焼却炉って……一度も使用された痕跡がなかったんでしょ?』
ソフィア『えぇ……シャッターも閉じられていましたから』
工藤『(フッ) ちゃんと僕達が確認したからね』
枢木『はっはっは! 我が死体を調べている間に、よく調べた物だ!』
神楽『何で上から目線なんだ?』
茅野『ま、まぁまぁ……これで呼び出し方法もわかった……曖昧なのは凶器……そして完全に分からないのは、あの現場と状況から、どうやって犯行を犯したとかじゃない?』
松丸『青空姉にさんせー! それについて話会おう!』
門目『そうだな……ファイルだけじゃ、わからないからな』
議論開始!
茅野『犯行時刻が午前7:02……そして、私達が来た時間を午前7:04と仮定すると……私達が来た頃には多分、犯人はまだ現場にいたってことだよね』
紬『はぁ!? 現場っつーたら、女子浴場だろ?』
ソフィア『きっと……女子浴場から何らかの方法で脱したのでしょう……』
松丸『えぇ、そんな方法があるんですか!?』
門目『そんな的を射た事があるはずもなかろう……そうなると、茅野か松丸の自作自演も考えられる……共犯って可能性もあり得るだろう? まさか……女子浴場からバレずに抜け出せる穴があるなんて、言うんじゃないだろうな? 』
茅野『そ、そんな……』
松丸『だから違うってばー! さっきの議論聞いてなかったの!?』
神楽『排水溝って言わないでよね? まったく……』
いや違う……確か一つあったんだ……。
コトダマ【浴場の仕切り】 → 女子浴場からバレずに抜け出せる穴があるなんて、言うんじゃないだろうな?
『それは違うよ!』
論破
佐藤『いや……門目君、一つだけあったんじゃないかな……その方法が……』
門目『なんだと?』
枢木『はっはっは! ……え?』
緑川『ま……まさか……』
佐藤『そう……あの浴場にあった仕切りだよ……あそこから抜ければ、男子更衣室に行くことはできる筈だよ……』
茅野『つまり……犯人は殺した後、男子更衣室に移動したって事!?』
村戸『た、確かに身長が高い人なら、ジャンプしていけそうだけど……』
『zz……はっ、おっとっと……ごめん……寝たいし……早く終わらせたいから……間違いは指摘していっちゃうよ』
反論
佐藤『夢喰さん?』
夢喰『だって……おかしいじゃん……その意見……』
志津『おかしい……とは?』
夢喰『眠いし……簡単にしか説明しないよ……』
―反論ショーダウン―
夢喰『あの高さの仕切りを掴んだと言えど……多少の助走はいる筈でしょ……』
佐藤『う、うん……175cm越えなら助走なしでもジャンプしていけなくはなさそうだけど……いたっけ?』
夢喰『近いのはいるんじゃない……でも……そんな高身長……わからないよ……』
門目『俺は173cmだ……見た感じだとこの中なら一番大きい……』
佐藤『じゃぁ……届かない……でも、助走してジャンプすればいいんじゃないか!』
夢喰『それがおかしいんだよ……うぅ~……最後まで私に言わせないでよ……つまりだよ、助走なんかしたら足元滑らせちゃうじゃんってことだよ……助走に加えジャンプならなおさらだよ……』
嫌……滑る可能性なんてない!
コトダマ【女性浴場の様子】→ 助走なんかしたら足元滑らせちゃうじゃん
『その反論、僕が斬るよ!』
論破
佐藤『いや……その可能性は絶対にないんだ』
夢喰『なんで……』
茅野『あ、そういえば……あの時、夢喰ちゃん脱衣所にいたから知らなかったんだ……』
ソフィア『そういえば……私達が浴場を捜査していた時、浴場には水滴一つないほど綺麗でしたね……』
佐藤『そう、だから滑る可能性なんてないんだ……』
夢喰『……納得』
松丸『夢喰ちゃんが頑張って発言したー!』
門目『うたた寝しているとはいえ……話は聞いているんだこいつは……まったく、的を射ていない理論だ』
夢喰『寝てる時に授業の話聞いていないと……成績……落ちる……zz』
緑川『いや寝るなよ!?』
工藤『(フッ) まさに……ゴーマイウェイ……だね』
枢木『ふむ……では皆に一つ質問してもいいかね?』
佐藤『何?』
茅野『うん?』
枢木『仮にそうやって男子風呂に移動したとしよう! しかしその超えた先は……そう浴槽だ! 着水の音はゆっくり入れば問題ない……身長が165cm以上あれば最小限にとどめられるだろう……ではその先はどうするのだ? 浴槽から出てそのまま歩いてしまえば、足跡とかついてバレるではないか!』
佐藤『……それについても、目星がついているよ』
枢木『ほう、教えてくれたまえ!』
犯人が足跡をつけずに、最小限の水滴や痕跡で扉に向かった方法……それは……。
コトダマ【濡れたタオル】
『これだよ!』
佐藤『僕の想像になるけど……犯人はタオルを使ったんじゃないかな』
枢木『タオルだと!?』
村戸『タオルでどうやって扉に向かったの?』
ソフィア『成程……つまり、浴槽から出るまえに床にタオルを敷いてその上に足を乗せる……。そしてタオルの両端を掴んで、ぴょんぴょんっと飛びながら扉へと向かった……。茅野さんの松丸さんの叫び声が聞こえた数秒後に出てしまえば、佐藤君と枢木君に見つかる事もない……そういうことが言いたいのでしょう?』
神楽『あ、荒業すぎるな……でも、僕は信じるよ! その案に賛成! ……ってね』
門目『そうすれば最小限の水滴や濡れで済むうえに……しぼって捨てれば問題ないと……』
佐藤『うん……それに、それをやったっていう証拠は他にもあるんだ』
枢木『ほうほう!? それはなんだね!』
コトダマ【男子浴場の様子】
『これだよ!』
佐藤『男子浴場を捜査したときにあった水滴……床の水滴や濡れている場所は一部だったんだ……それも、入ってすぐに気づく……壁の所にある浴槽付近』
茅野『成程……そういうことなら納得がいくよ』
工藤『まったく……凄い事を考える物だ……』
松丸『考えた人天才だねー!』
ソフィア『頭が切れるのは確かでしょうね……知識のある者、事務作業が得意な人……おっと、たくさんいましたわね。まぁ、それで犯人扱いするのもどうかと思いますが……』
佐藤『だね……これで、犯行手順は完全に把握できたね……』
紬『へっ……じゃぁ後は……犯人と凶器だなァ!!』
村戸『クライマックス……犯人がルアーにつっかかってる状態ってことかな?』
議論開始!
紬『あとは凶器と犯人だなァ!』
茅野『犯人は後……凶器について考えようよ……』
ソフィア『凶器はハンマー等の鈍器……または棒状の硬い物……でしたわね』
工藤『(フッ) ではそれに該当する物が凶器という事だね』
門目『最初にやった議論から、拳等による素手での殺しではない事は確かなんだよな?』
志津『ええ……それは確かですわ』
緑川『え? ……じゃぁつまりさ……もう凶器の手がかりってなにも残ってないんじゃないかな』
松丸『お、お手上げってことー!?』
いや……まだあれがある……!
コトダマ【橙色の塗料】→ もう凶器の手がかりってなにも残ってない
『それは違うと思うよ!』
論破
緑川『違うって、何がだい?』
佐藤『思い出してみてよ……特に死体を調査した人は……睦月さんに服についていた橙色の塗料の事をね』
ソフィア『そういえば……死体と睦月さんに似つかわしくない塗料がありましたね』
工藤『(フッ) ならば……その正体を突き止めればいいじゃないか』
枢木『ふむ……それなら確か……』
茅野『知っているの!?』
佐藤『うん……あの時、枢木君が調べていたんだ……』
松丸『さっすが情報君ー! 頼りになるなー!』
緑川『じゃぁなんだい……その蛍光塗料の正体を調べれば、犯人がわかるってことだね! 一体何の物だったんだい?』
……うん? 待って……?
……ふむ。
コトダマ → 【枢木君の調査】
『それは違うよ!!』『おかしいじゃないか!!』
論破
緑川『え? 何? 何が違うっていうんだい?』
佐藤『……枢木君、気づいたよね』
枢木『はっはっは……勿論だよ』
茅野『2人とも……?』
ソフィア『……成程、察しはしましたが、一応説明してくださる?』
佐藤『うん……緑川君……どうして、橙色の塗料が、蛍光塗料だってわかったの?』
緑川『……え?』
枢木『我らは確か……橙色の塗料……しかいってないね。インクだったかもしれないじゃないか』
夢喰『……おー……確かに』
緑川『え、えーっと……捜査をしていた時に、光ってるのを見てさ、蛍光塗料かな~って思ったんだけど』
ソフィア『操作の時、電気はついていたわよ? ただの橙色の塗料にしか思えなかった筈』
枢木『我は成分解析をした結果分かったが……何故専用器具も持っていない君が理解することができたのだ!』
緑川『え、えーっと……それはぁ~……』
村戸『でもさでもさ、蛍光塗料だったとしてもさ……何で服についちゃったのかな』
緑川『そうだよ……勘で当てちゃってもいいじゃないか!』
枢木『ふむ……それもそうだ……』
……睦月さんの服についた橙色の蛍光塗料……これが凶器になりうるとしたならば……。
きっと……それを使った鈍器があるはずだ……。
思いつけ……空想で……例え現実味を帯びていなくても……。
閃きアナグラム
空想を回転させろ……そしてつなげるんだ!
サ イ リ ウ ム ラ イ ト
成程!
【サイリウムライト】
『これだ!!』
佐藤『きっと犯人は、サイリウムライトを使ったんだ!』
ソフィア『サイリウムライト……ですか?』
緑川『なっ……』
茅野『サイリウムライト……確かライブとかに使うアレだよね……あんなもの、どうやって……』
枢木『ふっふっふ……ならば我が説明しよう……サイリウムライトは素手で強い力を与えないと折れない物だってある……無暗に折れないように……ね、それを何個も何個も頭に殴れば……それは痛いじゃすまないだろうねぇ……。さしずめ、1個で2、3回殴れたはずだね』
ソフィア『確かに……【超高校級のプロデューサー】である彼ならば……無数のサイリウムライトを持っていてもおかしくなさそうね』
夢喰『無限の……サイリウムライト……』
神楽『どっかで聞いたような……』
志津『……反論は、ございますか?』
緑川『……あるかだって……? はは……』
緑川『あるに決まっているだろう!!! 』
緑川君は突如席を強くたたいて叫んだ。
反論
緑川『あんたら……確かに僕は【超高校級のプロデューサー】だ!! 無数のサイリウムライトならたくさん常備しているさ! けどなぁ、それをこの学園生活に持ってくる奴なんているわけがないだろう!!!』
佐藤『いや……持ってくる事は出来た筈だ……』
緑川『無理だね! 実際に僕はもってきていないんだ!! それに……アンタらも、自分の才能に関係ある物を持ってきていないだろうが!!』
佐藤『……!』
コトダマ【猫】→アンタらも、自分の才能に関係ある物を持ってきていない
佐藤『その反論、僕が斬るよ!!』
論破
佐藤『ねぇ緑川君……僕と茅野さん……紬君と松丸さんは、捜査の時、睦月さんの部屋にいったんだ……そこには何があったと思う?』
緑川『……知らないよ! 何があったの!』
紬『……猫だよ』
緑川『は?』
茅野『睦月さんが……飼っていた猫だよ……』
松丸『にゃんにゃん泣いてた……』
緑川『猫……?』
佐藤『睦月さんが毎日のように言っていた猫だよ……餌をあげないととか……言っていたよね』
茅野『可哀そうに……』
紬『そりゃ、主人がいなくなっちまったんだからよぉ……』
緑川『……ぁ、違う、僕は、僕は!』
佐藤『緑川君、今から事件の全貌を離すよ、反論があったら言って……でも、現実味は強いよ!』
クライマックス推理
頭の中に描いた事件の全貌を、ここで全て吐き出すんだ。
Act1
事件が起きたのは、午前7:00の朝時間から午前7:02の間……。
モノクマの手動か、自動解放かは不明だけど、午前7:00の朝時間
つまり、浴場の解放と同時に、睦月さんと犯人は一緒に入ったんだ。
その理由はずばり、犯人に口頭か手紙で呼ばれたんだろう。
そして睦月さんが浴場の中に入った瞬間に、犯人はそこを襲った。
Act2
犯人が使った道具は『サイリウムライト』だった。
1回殴っただけでは撲殺なんてできないだろうが、犯人はそれを無数に持っていたんだと思う。
それも、とびっきり硬い奴を。
それで何回も殴り、やがて睦月さんは息絶えた。
こうして、撲殺することができたんだ。
だが、この時『サイリウムライト』が割れた拍子に出てきた蛍光塗料が睦月さんの服にかかってしまった。
犯人は『サイリウムライト』の断片は拾う事ができても、蛍光塗料は取る事ができなかったんだ。
Act3
しかし、ここで誤算が生じた。
後は普通に帰ればよかったのだが、青空姉と松丸さんが女子更衣室にやってきた。
ここで普通に帰ってしまえば、自分が殺した事なんて簡単にバレてしまう。
そこで犯人は考えた、それは……浴室の仕切りの上にあいた大きな穴から、隣の男子更衣室に移動すればいいのだと。
幸い、床に水滴はついていなかったから、滑りやすくはなかった。だから、助走をつけてジャンプし、仕切りの上を掴むことができたんだ。
そうして、男子更衣室に移動することができた。
Act4
そして、男子更衣室に移動するというアドリブをしたことによって、犯人はどうやって男子更衣室に戻ろうか考えた。
普通に戻れば当然床がびしょ濡れになり、怪しまれてしまう。
そこで犯人が取り出したのは、手持ちのタオルだった。
犯人はそのタオルに足を乗せ、ぴょんぴょんと飛び跳ねるようにして移動し、多少の濡れで更衣室の所まで行くことができた。
後は僕と枢木君が出た所を見計らい、更衣室に入って、足を拭きゴミ箱にタオルを捨てる。
さすがに『サイリウムライト』は捨てる事ができなかったんだろうけど……。
そして何食わぬ顔で僕達と合流すれば、今回の事件の完成ってわけだ。
佐藤『これが事件の真相だよ、そうだよね……。緑川 慎二君!』
緑川『……くっ、まだ認めないッ! 何故女子更衣室に男子が入れたんだ! 確かに? 手紙で呼べばいいんだろうけど……普通に女子更衣室なんかに男子が入ったら、校則違反なり監視カメラが反応したりするでしょうが!』
茅野『……いや』
コトダマ【浴場について】 → 普通に女子更衣室なんかに男子が入ったら、校則違反なり監視カメラが反応したりする
『それは違うよ!』『それは違うッ!』
論破
佐藤『……浴場や更衣室には、監視カメラなんてついてないんだよ』
茅野『それに……校則にも入っちゃダメなんて書いてない。そうだよね、モノクマ』
モノクマ『はいっ! そうで~す』
緑川『いや……違う……違う!』
ソフィア『でしたら……モノクマ、緑川君のゴミ箱を持ってきてくれませんか?』
モノクマ『何で僕がそんなことをしなくちゃいけないのさ!!』
枢木『はっはっは! 君しか学園内を自由に移動できなかったからね!』
工藤『(フッ) そういえばあの時、まともに他生徒の個室を調べる事ができなかったね……』
茅野『被害者の部屋は重要そうだからわかるけど、犯人の部屋なんて分かりっこないもんね……』
緑川『くっ……くそ……僕はッ!! 僕はッ!』
紬『処分したなんて理屈は無しだぜぇ? 議論で行ったよなぁ、焼却炉は使われた痕跡がなかったってな!』
松丸『もし仮にライトや手紙が入っていて……他にライトを壊した……または、別の人に手紙を送った……だったら、誰に送ったものなのか教えてもらおう!!』
神楽『認めたくない……裏切りたくないけど……もう……ッ!!』
志津『神楽、この投票は多数決です、無理に投票しなくてもいいのですよ……』
モノクマ『うぷぷぷぷ……クロが決まったようだね! それじゃぁ、投票タイムといこっかー! 必ず一人一票! 誰かに投票するんだね!』
自分の席に取り付けられたボタンを見る……押したくなんかない……でも……。
佐藤『ごめん』
モノクマ『ではでは、結果発表ー! 今回クロになったのはー……!!』
皆の目の前に巨大なスロットマシーンが下りてくる、そして僕達の顔が描かれたスロットが回転を開始する。
早く回転しだしたスロットは次第にどんどん動きを停止していき……一つの顔を映し出した。
当然……緑川君の顔だった。
クロの正解をまるで祝うかのように、五月蠅いファンファーレが鳴り響き、スロットマシーンから、大量のメダルが降ってきた。
……正解だった。
僕達はその光景を見て、拳の握りしめる事しかできなかった。
学級裁判閉廷!
・生徒名簿
【超高校級の空想家】佐藤 尊
【超高校級の釣人】 村戸 加奈
【超高校級の射手】門目 佳次
【超高校級の姉御肌】 茅野 青空
【超高校級の情報屋】枢木 誠
【超高校級の歌手】松丸 多恵
【超高校級のナルシスト】工藤 佐助
【超高校級の睡魔】夢喰 夏帆
【超高校級の脱獄犯】紬 大河
【超高校級の茶道家】倉家 志津
【超高校級の信者】倉家 神楽
【超高校級の絵師】浦川 瑠璃
【超高校級のプロデューサー】緑川 慎二
【超高校級の飼育係】睦月 穂香
【超高校級のバイオリニスト】ソフィア・クラウディア
残る生存者 14人