<イッセーside>
「これで全部よね、あなた?」
「ああ、そうだな。 母さん。」
荷物を段ボールに詰め終わって引っ越しの業者に荷物を運んでもらい
引っ越し作業は終わったようだ。
俺はそうではないが…
「じゃねー…イッセーくん。 今まで楽しかったわ。」
「なんだろうな…子供のいない私達にとっては君は実の息子以上だったけど…いざお別れともなると寂しい気はするが…元気でな。」
両親は俺の手を取り最後の別れと挨拶をしてくれた。
両親いやもう他人以下だけど… これでいいんだ。
そして、二人は新しい土地を求め住んでいた家を後にし俺の前から去っていく。
その後、俺の後ろには銀髪のメイド服を着たグラマーな体系の超爆乳美女が立っていた。
「イッセー様、今日から身の周りのお世話をさせて頂くグレイフィアと申します。 よろしくお願いします。」
「グレイフィアさんですね。 こちらこそ、よろしくお願いします。」
何故こうなったのかと言うとそれは…
「それじゃ、さっそくあなたを眷属に…『但し』…?」
「ただし、条件があります。」
これはとても重要な事だからいつも以上に真剣にならねば。
「条件?」
「俺の両親の記憶を操作して、俺の記憶だけ抹消して、どこか別の安全な所へ移住させて下さい。」
「!」
内容に着いていけてなかったかリアス先輩は返答
「いや、それなら大丈夫よ… あなたの身の安全と御家族に危険はないから…」
「何を確証に証明できるんですか?」
「え?」
唐突に先輩の返答に追撃をかける。
「自分の領地で堕天使が好き勝手に暴れ、人が襲われてから現れて… それで対処出来てると言えますか?」
「そっ…それは……」
「そんな人が領主やってて、そんな町で両親を住まわしていられるとでも?」
俺の質問に返す言葉が思い付かないようでリアス先輩は戸惑い
「それには私も同感ですね。」
ソーナ先輩も眼鏡をクイッと上げ追い討ちをかけるように
「リアス、あなたは駒王町の領主としては落第ですよ。 イッセーくんの言う通り彼の御両親は移住されるべきですよ。」
「ソーナまで…」
「もし、彼の存在を邪魔に思われたら御両親に危険が及びますよ。」
ソーナ先輩はいつにも増してリアス先輩をせめる
眷属の介入ができなかった腹癒せかな…
「も~う、二人で私をなんだと! 少しは領主である私を立てようと思わないの?」
「「いいや、全然!」」
二人で言葉を揃えるとリアス先輩にドストライク
先輩は胸に何か突き刺さったようで床に膝を着き沈黙ししばらくして納得したらしい。
「それじゃ、あなたの条件は飲むことにするけど…本当にいいのかしら? 御両親から記憶を抹消だなんて?」
「構いません…」
異世界で子供を戦争で亡くしたあの顔を思い出しても胸くそ悪くなるだけだ。
せめて両親にはなにも知らさずに平和な一生を送ってもらいたい
息子が異世界で数年もの間
苦境な人生だったなどと口が裂けても言えない…
そうして、オカ研とソーナ先輩の見守る中
椅子に座りリアス先輩がチェスの『兵士』の駒らしき物を出して言う。
「それじゃ、この『イーヴィル・ピース』であなたを悪魔に転生させるわね。」
なにやら儀式的なものが始まるが…なにも起こらない。
「リアス先輩、何も起きませんけど?」
「駒が足りないのね。 人によっては力の大きさに比例して駒の数を増やさなくてはならないから。」
そして、2つ3つ…と増やしては7つでもダメ。
…最後の駒8つでもダメ。
リアス先輩は勿論、オカ研のメンバーはひどく驚愕
これにはさすがのソーナ先輩も無言
比例というか…イレギュラーなのかね?
俺って…
「ん~…困ったわね。 8つでもダメとなるとさすがに…あっ! そうだわ!」
リアス先輩は何か思い付いた化のように耳に小型の魔法陣らしき物を当てて誰かと連絡を取る様子
悪魔は魔力を使うらしいけどソーナ先輩もそうなのかさっきの水もそうみたいだし
「お待たせ、なんとかなりそうだわ!」
リアス先輩はなにかしらの対応を取ったらしいが何なのか?
次の瞬間、床に紅い魔法陣が出現し光と共にリアス先輩と同じ紅い髪の色をした男性が現れる。
「やあ~、リアス。」
「お兄様。」
「!」
突然現れた謎の男は微笑みながら先輩が『お兄様』と呼ぶがこの二人は兄妹か?
しかし、…リアス先輩以外は皆床に膝まづいている。
「イッセーくん、前にも話しましたがこの方はリアスのお兄様で現魔王のサーゼクス・ルシファー様ですよ。 あなたも敬礼を…」
そうだった。
…この人が先輩を甘やかして育てたという一人か…なるほど。
まあこの世界の悪魔のトップだから仕方ないか…っと立ち上がって
「初めまして、俺は兵藤一誠と申します。 この度、妹さんの『兵士』になることになりました。 よろしくお願いします。」
「いや、畏まる必要は無いよ。 気楽に行こうね。」
なんか魔王的に上から目線を想像してたがイメージが違う。
まあ、あっちの世界の王や王族とは違うし良いか…
「それでリアス、彼を転生されるのに駒が足りないと聞いたが?」
「そうなんです…私の持つ『兵士』の駒8つ使っても何の反応も無くて…?」
先輩が駒を魔王の前に出して見せると二人は無言で沈黙
「…たしかに駒8つ使用して転生出来ないなどは前代未聞だな?」
「それで悪魔の駒の中での
『ミューテーション・ピース』なんだそれ?
「本気なのリアス? いくらなんでもそれは?」
ソーナ先輩は血相を変えリアス先輩に駆け寄る。
「リアス、落ち着くんだ! 彼を眷属に欲しいのはわかるがいくらなんでも今のお前では…その実力が…」
実力?なるほど…
主であるリアス先輩の力を俺が凌駕してしまっているせいか…
「お兄様…皆の前でそんな事を言わなくても…」
「リアス! これは兄としてではなく魔王として言っているんだ!」
ほぅ~甘やかしているとは思っていたがやはり魔王だな。
常に周りに啓発を促すソーナ先輩に続く信頼できそうな人だな。
サーゼクスさんがこちらへ来る。
「やあ~、挨拶が遅れたね。 私は魔王サーゼクス・ルシファーだ。 いつも妹がお世話になっているね。」
随分、礼儀正しいじゃない。
本当にこの二人兄妹か?
出来の良い兄と出来の悪い妹
「リアスに君が『異世界』で魔法を収得したと報告があったのだが本当かね?」
「本当です! 信じられなければ、実際に見て判断して下さい。」
「勿論だ!」
魔王サーゼクスさんの前で火水雷風土光闇魔法
それと無属性魔法の『ゲート』を使って昨夜の公園に移動して証明して見せた。
さすがに一度に体験した結果
「い~や~! 魔王である私ですらド肝を抜かれた気分だよ…。 これほどなんでも出来るとなると『変異の駒』といえど転生出来るかどうかだ?」
やっぱり転生は無理か…
「お兄様、何か策は無いんですか?」
「…良し、試しみよう!」
サーゼクスはなにやらコソコソとテーブルに赤い駒を並べた。
「お兄様…こんなに変異の駒をどうするつもりですか?」
「決まっているだろ! 一か八か物は試しだ!」
二人は俺の前に対面し駒へ魔力を送り譲渡しているのか?
なるほど…リアス先輩の足りない魔力を魔王であるサーゼクスさんが補っているのか…
しかし、いくら妹がかわいいからといって過保護過ぎるだろ。
それから変異の駒を使用して1つじゃダメ…2つでもダメ……そして、結局
複数ものミューテーション・ピースを使用しようやく転生出来たものの二人は…
「「ゼエー…ゼエー…」」
ソファーに悶えかかり息を荒らげるが相等しんどそうだ。
俺ってそんなにイレギュラーなのかな?
「まさかここまでとは…予想外だった…しかし、何はともあれこれで君は晴れてリアスの眷属の仲間入りだ。」
「色々とありがとうございました。」
サーゼクスさんにお礼を言い頭を下げる。
「いいんだよ。 この度は妹の眷属なってくれて兄として色々大変になるかもしれないがリアスのことを頼むよ。」
やはり兄だから妹の尻拭いを今までしていたから察してくれるのか。
「お兄様まで…私がそんなに信用出来ないのですか?」
良いところを全部兄に持っていかれるリアス先輩…嫉妬が空回りしているのだろうか
「あの~サーゼクスさん、ちょっと…」
「ん? なんだね?」
サーゼクスさんに告げ口をするため
二人で隅に移動する。
「失礼を承知でお聞きしますがサーゼクスさんから見てリアス先輩が領主にふさわしいとお思いですか?」
「いいや、残念だがリアスの管理のやり方は杜撰すぎる。 私は兄である前に魔王だから悪魔の評価としてリアスには及第点はあげられないな?」
兄である前に魔王か…
大変とはいっても甘やかして育てた結果でしょ…
今さらだとは思うが…
「これからは俺がリアス先輩を領主として指導するつもりですが許可は頂けますか?」
「勿論だよ! 私にも責任が無いわけじゃないからね。 仕方ないから多少の事には目をつぶるよ。」
互いに手を取り誓いを立てる。
「他に私に出来る事があればなんでも言ってくれ。 …力になろう!」
「それじゃ…」
異世界で英雄とまで呼ばれたイッセーを転生させるには、ミューテーション・ピースしかないと思いギャスパーは不在とご了承下さい。
実際、男の娘というキャラはよくわからないので書けません。