【依存】から始まるヒーローアカデミア   作:さかなのねごと

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31.少女、福岡へ。

 

 指名云々の説明を受け、ヒーロー名を決めてから、1週間。職場体験の日がやって来た。コスチュームの入ったケースを持ち、駅に集まったわたしたちをぐるっと見渡し、相澤先生が口を開く。

 

「コスチューム持ったな。本来ならおまえたちは公共の場じゃ着用禁止の身だ。落としたりするなよ」

「はーい!!」

「“はい”、だ。伸ばすな芦戸。くれぐれも先方に失礼のないように! じゃあ行け」

 

 その声を皮切りに、みんながそれぞれの方向へ歩いていく。

 

「楽しみだなぁ!」

 

 声を弾ませたのは透ちゃんだろう。その声も遠く、行き交う人々の波の向こうへ消えていった。駅内にはたくさんの人がいて、その中には「雄英生だ」とこちらをしげしげと見ている人もいる。

 

(……やっぱり、目立つなあ)

 

 ぎゅっとケースの持ち手を握り締めた時、とん、と軽い足音が目の前からした。緑がかった長い黒髪が揺れて、梅雨ちゃんがわたしを見つめていた。

 

愛依(あい)ちゃんはホークスの事務所だったわね」

「うん、だから九州方面。梅雨ちゃんはセルキー事務所だよね? 海難救助や海上保安を中心に活動している……」

「ええそうよ。私も将来は水難に携わるヒーローになりたいと思っているから」

 

 そこで梅雨ちゃんはいつものように口許に指を当てて、けろりと微笑んだ。

 

「愛依ちゃん、よかったわね」

「え?」

「ホークスのところに行けて。目標だったのでしょう?」

「! ……うんっ」

 

 そうだ、初めてUSJに行く時に話したんだった。“わたしとホークスは全然違うけど、ああなりたいって思ってる”って。

 

「……少しでもあの人に近付けるように、頑張ってくるね」

 

 ああなりたい。彼のようになりたい。

 傍にいられる貴重な時間だ。ひとつひとつを糧にしないと。

 そう意気込むわたしを見て、梅雨ちゃんはひとつ瞬き。そうして苦笑混じりに息をついた。

 

「気負い過ぎてはいけないけれど、頑張ろうとする愛依ちゃんは素敵ね」

 

 仕方ないわね、と言わんばかりの声色は、優しい。

 

「梅雨ちゃん……」

「それぞれの場所だけれど、お互い、頑張りましょうね」

「うん……!」

 

 あの雨の日。情けない姿を見せたわたしを、優しく心配して、励ましてくれた。そんな梅雨ちゃんの気持ちが嬉しくて、わたしは頬が緩むのを止められない。

 こんな風に友達に思いやってもらえるというのは、未だに慣れない。慣れる日は永遠に来ないんじゃないかってぐらい、胸がいっぱいになって、あたたかくなる。前に進む力が湧いてくる。

 

(……あの人も、そうだったらいいのに)

 

 梅雨ちゃんを見送って、わたしは視線を彼に向けた。彼──飯田くんは緑谷くんと麗日さんと向き合っている。

 

「……飯田くん、」

 

 眉を下げて、心配を目に滲ませて、緑谷くんが口を開く。

 

「……本当にどうしようもなくなったら、言ってね。

 ……友達だろ」

 

 緑谷くんの隣では麗日さんがこくこくと頷いている。2人ともよく飯田くんと一緒に過ごしているだけあって、飯田くんのことを深く気に掛けている。飯田くんはこの数日、無口ながら気丈に、“いつもと同じように”振る舞っていたけれど、本当は大丈夫なんかじゃないって2人はきっと気付いている。

 友達からの心配は、嬉しい。心があたたかくなる。……それでも、 

 

「──ああ。」

 

 飯田くんは、何も言わなかった。

 何かを堪えるような硬い笑みを浮かべて、緑谷くんたちに背を向けて歩き出した。

 

 ……飯田くんは、大丈夫だろうか。胸元を握り締める。

 彼が職場体験先に選んだのは“保須市”にあるヒーロー事務所だそうだ。何故そこを選んだのか──その意図を察することはできたし、心配もしている。それでも所詮あの人の傷を治せなかったわたしなんかが何かを言うなんてとてもじゃないけどできなかった。

 それに、わたしだってきっと、飯田くんと同じだから──

 

空中(そらなか)

 

 呼び掛けに、知らず俯いていた顔を上げる。そこに立っていた人物は、親指で電光掲示板を指差しながらわたしに告げた。

 

「新幹線の時間が迫っている。行くぞ」

「う、ん、わかった。ありがとう、常闇くん」

 

 頷いて、先導する常闇くんに着いて歩く。

 常闇踏陰くん──同じA組のクラスメイトで、体育祭3位入賞の実力者──今日からわたしは1週間、彼と一緒にホークスの元で職場体験に臨む。

 

 

 

「あの、訊いてもいいかな」

「なんだ?」

「常闇くんは、どうしてホークスの事務所を選んだの?」

 

 静岡県から博多駅までざっと4時間半。到着する頃には昼を過ぎるということで、わたしたちは新幹線内で簡単に昼食を済ますことにした。一通り食べ終えて一息ついて、わたしは気になっていたことを常闇くんに尋ねる。彼はああ、とひとつ頷いて答えてくれた。

 

「ヒーローとなるべく己を高めるには、より高みを見る必要があると感じたのでな。No.3ヒーローから指名が来ていたのは驚いたが、渡りに船ということで乗らせてもらった」

 

 静かな声色の中に、隠しきれない高揚と決意がある。その気持ちはよくわかるからわたしも頷いた。わたしへの指名は……公安からの指示だけれど、それでも嬉しいことに変わりはなかったから。

 

「うん、頑張ろうね。……そうだ常闇くん、よかったらこれ」

「? これは?」

「ホークス事務所が担当している地区全域の地図だよ。地域名とか、知っておいた方が何かと便利かなって」

 

 ホークスの活動は担当地区のパトロールが中心になっていると聞く。事務所で電話を待つだけではなくて、街中に姿を見せることで(ヴィラン)犯罪を抑止する狙いもあるのだとか。

 

(きっと、日がな1日飛び回ってるんだろうなあ)

 

 軽薄そうでいて、その実誰よりも理想が高く、真面目で、自他共に厳しいところがある人だから、ヒーロー活動に妥協を許さないんだろう。そんなホークスを思っていると、知らず知らずのうちに口許が緩んでいたらしい。常闇くんは赤い目をゆっくりと瞬かせた後、フッと笑った。

 

「空中、嬉しそうだな」

「え……そ、そうかな」

「ああ、これからに期待しているのが見てとれる」

「期待……そう、かも。……あああ浮かれちゃ駄目なのに」

「ム? いや、ただ浮かれてるというわけでもないだろう。ヒーロー活動に必要な物の準備もしているのだから」

 

 頑張らなきゃ、という気持ちと、ホークスの元で学べるという嬉しさが胸の中で混ざりあって、いっぱいになって、何だか変なテンションになっているのかもしれない。常闇くんはフォローしてくれているけれど、やっぱりわたし、ふわふわしてる。もっとしっかりしないと。

 

「地図、感謝する。有り難く受け取ろう。

 ……空中、お前に負けぬよう、俺も邁進してみせよう」

 

 だから、そんな風に対等みたい(・・・・・)に扱われるのは違う気がして、わたしは慌てて首を横に振った。

 

「そんな、わたしなんか全然……常闇くんやホークス、サイドキックの皆さんの足を引っ張らないよう、頑張るね」

 

「? ……ああ」

 

 少し引っ掛かったように首を傾げながらも、常闇くんは頷いてくれた。

 

 

 

 

 

 博多駅はとてもとても大きな駅だった。人の波を遮らないよう、少し早足で改札へと向かう。ビジネススーツを着込んだ会社員らしき人たちに、今日はお出かけだろうか、お洒落なワンピースを身に付けたお姉さんたち。さまざまな人が行き来しているのは、この駅が交通の便もいいし、たくさんのお店が建ち並ぶ駅ビル街でもあるからだろう。

 改札を抜けてしばらく歩けば、街路樹が点在する駅前広場に出た。道路の向こう側には背の高いビル郡が並び、やっぱり都会なんだなあと改めて息をこぼした。

 

「はー……すごい人だね」

「やはり栄えているな。こういう都市部は犯罪数も多いと聞く」

「うん確かに……これだけ人が多いと、どうしてもそうなっちゃうだろうね」

 

 常闇くんの言葉に頷きながら思う。……そんな街でヒーローをやるって、どんな感じなんだろう、と。

 脳裏に彼を思い浮かべながら、鞄からメモ帳を取り出した。ぱらぱらと捲って、目当てのメモを探り当てる。

 

「……うん、とりあえずバスターミナルに向かおうか。そこの15番線から出るバスに乗ったら……」

 

 メモの内容を確認していたから、わたしは俯いていた。

 だから気付くのに遅れた。──炸裂するような、光に。

 

「キャアァァァァァ!!!」

 

「……、っえ!?」

「空中、向こうだ!」

 

 響いた轟音。地を揺らす衝撃。視界の外れでカッと広がった光。一拍置いて聞こえてきた悲鳴。それらの情報を繋げるより先に、駆け出した常闇くんを追い掛けるように、わたしも走り出していた。悲鳴を上げて逃げて行く人の波に逆らうように、爆音が聞こえてきた地点に向けて走る。

 駅前広場の外れ。ジュースの自動販売機とベンチが幾つか並んでいるそこを中心に、何人かの人が遠巻きに輪になって固まっていた。その人混みに紛れて様子を窺おうとすると、押し殺した泣き声が聞こえてきた。4、5歳ぐらいだろうか。小さな女の子が、コンクリートにへたり込んで泣いている。

 

「……どうしたの? 何があったの?」

「ぅ、ぐっ、おかあざん、おがあざんがぁ……っ!」

 

 かがみ込んで背中を擦ると、大きな目からぼたぼた涙を流しながら、その子は訴えるように口にした。震える手が、人混みの中心部分を指差す。いち早くそちらを確認した常闇くんは、眉間に皺を寄せて目を細めた。

 

「常闇くん、」

「……女性が1人、拳銃を持った男の足元で倒れている」

「……!」

 

 それを聞いた瞬間、女の子の体が震えて、ぼろりと大粒の涙が溢れた。……常闇くんの言う“女性”がこの女の子の“お母さん”なのだとわかって、わたしは歯噛みする。女の子を宥めるように抱き締めながら、考えを巡らせた。

 

「おいヒーローは!? まだか!!?」

 

 男を取り囲んでいる人たちがそんな声を上げているのだから、ヒーローは現着していない。それでもあんな大騒ぎを起こしたのだから、駆け付けるまでそう時間は掛からないだろう。だとすれば、今は男を刺激しないよう、待つしか──

 

「さっき通報したから、もうヒーローが来る!! アホなことすんな!!」

 

「! 待っ……」

 

 まずい、と思ったその瞬間、男が顔を上げた。ぐるんと白眼が剥いて、噛み締めた口許には泡が浮いている。明らかに常軌を逸しているとわかるその男は、言葉にならない呻き声を上げて拳銃を握り締めた。ダァン!!と轟く発砲音と共に、コンクリートが割れて破片が飛び散る。

 それと同時にコンクリートがぼこりと隆起した。まるで生き物のように蠢いて、観衆の足元が盛り上がる。わあ、と悲鳴を上げて転がり体勢を崩す人の向こうで、コンクリートが波打ち──倒れていた女性が空中に打ち上げられているのが見えた。

 

 スローモーションのように、それはゆっくりと見えた。

 打ち上げられた衝撃に顔を歪ませる女性。

 女性の腕から流れる血。

 沸騰した水のようにボコボコと無数の凹凸をつくるコンクリート。……もしも女性があのまま落ちてしまえば、骨折はおろか、それ以上の大怪我は免れないだろうと、そのこともわかってしまった。

 

 この思考が何秒の間だったのかはわからないけれど、

 ──気付いた時、わたしは既に背中の羽根を飛ばしていた。

 

黒影(ダークシャドウ)ッ!!」

 

 常闇くんも女性を救けるべく自身の影を飛ばす。

 常闇くんと黒影(ダークシャドウ)の黒に、わたしの白。2つの色は立ち塞がるコンクリートを避けて空を進み、投げ出された女性の元へと向かう。

 

 けれど彼女には届かなかった。

 届いたのは、青空によく映える、真っ赤な色。

 

 

「はーい、そこまで」

 

 

 呑気そうな声とは裏腹に、そこからは一瞬だった。

 落ちそうになっていた女性を受け止める。(ヴィラン)の持っていた拳銃を弾き、それを拾い上げる。動揺した(ヴィラン)に羽根の弾丸を喰らわせ昏倒させ、がくりと力の抜けた身体を持ち上げ拘束する。──それらはすべて、宙を舞う赤い羽根によって一瞬で成されたことだった。こんなにもたくさんの羽根を同時に、速く、精密に操れる人を、わたしは1人しか知らない。

 

「ホークス……」

 

 わたしの呟きは、わあっと湧き上がった歓声に掻き消された。(ヴィラン)が昏倒したことによって隆起していたコンクリートも元に戻り、空から降り立ったホークスに、人々が笑顔を向ける。

 

「ホークス! よう来てくれたな!」

「さっすが【速すぎる男】! (ヴィラン)なんて一瞬たい!」

「いやいやー……遅くなってすんませんね。あっ、そこ! (ヴィラン)を護送するまでは近付かないで待っててくださいね」

 

 わいわい、がやがや。歓喜の声が広がっていく中で、ホークスは事後処理をしようとしているのだろう。そんな声を羽根が拾う。

 その横をすり抜けるように、女の子が走っていった。赤い羽根によって地面に優しく降ろされた女性の元へ。おかあさんの元へ。

 

「おかあさん、おかあさんっ!!」

「……ああ……よかった……怪我は? 無い……?」

「ないもん! ないっ! ……でもおかあさんがぁ……っ」

 

 女性の右肩はあの(ヴィラン)の拳銃で撃たれたのだろう傷があった。血が流れるその肩を左手で押さえながら、女性は大丈夫よと笑ってみせる。その額には脂汗が滲んでいて、きっと痛みは相当なものだろう。でも“お母さん”は笑っている。我が子を安心させるために。

 

「……おねえちゃん?」

「? あなたは……」

「……今からのこと、どうか、秘密にしてください」

 

 そんな様子を見ていたら、見ているだけではいられなかった。わたしは女の子の隣で膝をつき、女性の右肩に触れる。ぬるりと指先で感じる血の感触に目を瞑り、エネルギーを注ぎ込んだ。治癒の感覚からして、銃弾は貫通している。だからそのまま破かれた血管を、筋肉を、皮膚を再生していく。目を開けると、完治した傷跡が見えた。そして目を真ん丸にしている母子の姿。

 

「すごっ、」

「しー、だよ。……ごめんね、できる?」

「……!」

 

 大声を上げかけた女の子を制すると、女の子はわたしと同じように口許に人差し指を立て、こくこくと頷いてくれた。それから周りをきょろきょろと見渡した後、わたしに耳打ちする。

 

「おねえちゃん、ありがとう……っ」

 

 耳元を擽るような、それでも嬉しさが溢れるような声に、わたしも頬が緩んでしまう。

 ……でもこれは、本当は駄目なこと。いけないこと、だ。

 

「人として、困った人を見捨てず助けることができるのは、いいことだね」

 

「でもヒーローの卵としては減点だよ。理由はわかる?」

 

 そう、背後に降り立った──ホークスの言葉通り、わたしのこれは“減点対象”なのだ。ゆっくりと振り返ると、ホークスは静かに笑ってこちらを見下ろしている。こちらを、見定めるかのような(・・・・・・・・・)目で。

 

「……超常黎明期、世の中に“個性”が溢れて、それによる犯罪が増加した。犯罪係数の増加、治安の悪化──国家は“個性”の使用を制度化することで、それを食い止めようとした。社会の平穏のため、特別に“個性”を使うことを許された存在、それが、」

「【ヒーロー】。うん、よくわかってるね」

 

 にこ、と笑うけれど、目は笑っていない。

 

「まだ仮免も取っていない君たちは、監督者もなしに公の場で“個性”を使うことは許されない。わかるね?」

「……はい……申し訳、ありませんでした」

 

 ホークスの言葉は、正しい。頭を下げるわたしの隣で、常闇くんが進み出た。

 

「お言葉ですが、ホークス。申し上げたき儀がある」

「っ、常闇くんっ?」

「おや、なにかな?」

 

 常闇くんの声が明らかに怒りを孕んでいたから、わたしは慌てて常闇くんを、ホークスを見た。それなのにホークスは面白そうに目を細めるばかりで、常闇くんの眉間に皺が寄る。

 

「空中が女性を治癒しなければ、女性の痛みは続いていた。治癒したことが間違いだとは、思えません」

「“個性”の種類で特別扱いをしては、社会を乱すよ」

 

 正論だ。それは常闇くんもわかっているのだろう、ぐっと悔しそうに口をつぐんだ。そんな彼をどこか嬉しそうに見つめてから、ホークスは笑みを消した。

 

「でも君の言うことは一理あるね。怪我を負わせたままなんて許されない……もっと言えば、そもそも怪我を負わせてはいけない」

 

 すっと目を細めて、ホークスは口にする。

 

「そしてその責任は、君たちではなく、ヒーローにある」

 

 ホークスはわたしたちの会話を見守っていた親子に向き合った。座り込んだままのお母さんと、寄り添う女の子に目線を合わせるように膝をついて、……頭を下げた。

 

「救助が遅くなってしまい、怪我を負わせてしまったこと、申し訳ありません」

 

 呆気に取られたように言葉を失っていた女性は、下げられたホークスの頭を見て、ハッとして首を横に振った。

 

「そんな……! あの(ヴィラン)はいきなり発砲してきたんです。ホークスが謝る必要はありませんよ。間に合うはずがないんですから」

「それでも、ですよ。……この書類を持って警察へ届けてください。(ヴィラン)被害保険が降りますんで」

 

 さらりと署名を入れた書類を渡し、お辞儀をしながら去っていく親子を見送る。そんなホークスの横顔は、微笑みながらも、苦しそうだった。まるで、救けられなかったことを悔やんでいるみたいに。

 あの女性の言う通りならば、女性が撃たれるより先にヒーローが駆け付けることなんて不可能だ。予知でもしないかぎり、あの女性を救けることはできない。不可能だ。なのに、

 

「……ヒーローは、全部、背負わなくちゃいけないの……?」

 

 こぼれた疑問に、ホークスは、“ヒーロー”は頷いた。

 

「そうだよ」

 

 へらりと笑う、その裏に、どんな覚悟を抱えているの。

 

「遅くなったし、ゴタゴタに巻き込んじゃってごめんね。

 俺はホークス。ようこそ、歓迎するよ──雄英生」

 

 よく知っているはずの人が、どこか遠くに感じる。そんな不安を掻き消すために、わたしは、胸元を強く握り締めた。

 

 

31.少女、福岡へ。

 

 


 

 福岡へ、ホークスの元での職場体験が始まりました!原作ではホークスが何でもかんでも解決してしまうため「特に何も」なかった常闇くんですが、この物語ではオリ主ともども事件に関わります。そのため常闇くんのイベントが前倒しになるというか、若干の常闇くん強化が入ります。ご了承ください。

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