▽前回の簡単なあらすじ
・AFOによる
・両手両足の爪と指、左目、翼を失う。
・AFOがその時の音声を記者会見の場に流して、更なるヒーローへの信頼の失墜を狙ったが、意地で何でもないように振る舞う。
・自分の痛みよりも未来よりも、ホークスの方がずっとずっと大切。
・ボロボロのままAFOによって死柄木たち
・今度は死柄木による“話し合い”がスタートしそう。
橙色は、夕焼けを想起させる。あたたかさと寂しさが同居する複雑な色。明るいはずなのに闇の到来を感じさせる色。相反する2つの概念が雑ざり合う“誰そ彼”の色──そうした照明の色が、わたしたちの頭上に降り注いでいる。
「じゃあ爆豪くんよ。もう一度、
わたしの首を4本指で掴みながら、死柄木弔はそんなことを言った。耳元を暗い嗤い声が伝う。きっと、わたしの背後で唇を吊り上げているのだろう。わたしを人質にして、爆豪くんを追い詰めようとしている──
「ば、くご、っ」
「おっと、」
そんなことはさせないと、身動ぐことすら許されない。
「動くと危ないぞ。……なァ?」
その
「……なァにが望みだ」
「言ったろ? 話し合いだよ」
「随分ヤサシー言葉を使うんだな。ヘドが出るわ」
「こんな状況だってのにまぁ強気だねぇ」
「やっぱ馬鹿だろこいつ」
「懐柔されたフリすらできねぇもんな」
肩をすくめながら会話を交わす、シルクハットの男と継ぎ接ぎの男。彼らの言葉の意味を図りかねていると、そんなわたしの戸惑いに気づいたのか女の子がとととと小走りで寄ってきた。セーラー服にカーディガン姿の、女の子。
「あのねあのね! さっき、弔くんがバクゴーくんを誘ってたんですよ!
「……は……?」
「けどバクゴーくん、ダメだって。断られちゃったんです」
女の子はにんまり笑っている。その顔立ちは可愛いといって差し支えないはずなのに、……どうしてこんなにも、笑顔が、怖い。
「
「……わ、たし、は、」
「……むう。愛依ちゃんも断ったんですねぇ」
ん、と彼女は両手を広げた。それを見た死柄木は溜め息をひとつ吐いた後、無造作にわたしを投げて寄越した。力の入らないわたしはされるがまま、女の子の腕の中に収まる。
「なんで? ネエネエ、なんでぇ?」
女の子はぎゅうっとわたしを抱き締めた。今のわたしは血でどろどろに汚れているのにそんなこと気にした様子もなく、……むしろ、
「なんで
心底愛おしそうに頬ずりされながら、
心底不思議そうに尋ねられる。
「
何故、
……そんなの考えるまでもなく
どうしてこの人は、そんなことを訊くのだろう。
どうして、……どうして、本当に当然のこと、だったら、
──どうして
「……オイ、羽根! 余計なこと考えてんじゃねェぞ」
その声に、はっと我に返る。瞬きしたわたしの右目に映るのは、唸るように眉間に皺を寄せる爆豪くんと、そんな彼にやれやれと肩をすくめてみせる死柄木弔。
「余計なことって随分な物言いだなぁ。そこの……空中サンだったか? は、“問い”について考えてくれていたのによ」
「……ハッ、“問い”だァ? くっだらねぇ」
「くだらないかどうかは人それぞれだ。……なァ?」
死柄木が、こちらを向く。顔を覆う手から覗く目が、橙の照明を得てぎらついた。
「さっきの記者会見で流れた君の言葉、俺たちも聞いていたよ。『もうこれ以上ヒーローに背負わせないでほしい』って」
「……からかう、つもり、ですか」
「まさか! 俺はむしろ心から同意したんだ!」
「……同意?」
「そうさ、」
現代ヒーローは堅っ苦しいよなァ?
そんなことを善意ぶった声色で宣う、彼の演説は続く。
「ヒーローは何にも悪くない。ただすこーし対応がズレてただけ。なのにメディアは、民衆は、ひとつのミスをまるで鬼の首を取ったように責め立てる」
「……あなたたち
「そうだよ。でも君も見たはずだ。あの記者会見で雄英に攻撃していたのは、
反論しなければいけない。いけない、のに、
「この社会は、ヒーローの間違いを、弱さを許さない」
その言葉が、胸の内に入り込んで、刺してくる。
黙り込んでしまったわたしに気をよくしたのか、死柄木は両手を広げた。饒舌に声が弾む。
「重荷はぜーんぶヒーローにおっかぶせてればいい。そうして優しく易しく守られた民衆は、腐ったミカンみたいになっちまった。脆くて柔くて、甘ったるくて汚い。そしてその堕落は次から次へと侵食して、ついには段ボールにまで穴を開ける」
……ああ、駄目だ、わたし。想像してしまっている。
あの人はきっと、みんなを救おうと手を伸ばす。どれだけ責められても、どれだけ詰られても、どれだけ、手や翼を汚しても──きっと立ち止まれずに誰かを救おうとするだろう。
それできっと、誰かは救われる。社会は救われる。
……でも、あの人は?
「だから、
社会と
「……上手いこと言ったつもりか? 笑わせやがる」
それまでゆらゆらぐらぐら揺れていたわたしの思考が、ぴたりと動きを止めた。そうさせるような芯の強さが、その声にはあった。
「結局この社会が気に入らねーから一緒にブッ壊しましょうってことだろ? 『嫌がらせしてえから仲間になってください』だろ!?」
爆豪くんが、声を張る。それは口が悪くて、粗暴で。でも決してそれだけではない。
「何度言われたって答えは同じだ。わからねーなら何べんだって言ってやる!」
それは、まるで、
まるで、強敵に向かって恐れず吼え立てるような、
まるで、自分の弱さや迷いを打ち砕かんとするような、
まるで、
「俺は、
そんな決意の姿を、わたしは目の当たりにした。
「誰が何言ってこようが、
死柄木は、ヒーローが民衆や社会を弱くしたのだという。確かにその通りなのかもしれない。すべてを否定することは、わたしにはできない。
でもきっと、それだけじゃないはずだ。
だってこんなにも、オールマイトという存在が、爆豪くんを強くしているのだから。
「……あーあ、まァた振り出しか。やってらんねェな」
「慣れねェことするからだろ」
「言葉で説得なんて明らか配役ミスだしな」
「弔くんへったくそですもんねぇ」
「うるせェぞイカれ野郎ども」
爆豪くんの熱意とは裏腹に、死柄木は冷めきった声と目で頭を振った。ガリガリと首を掻き毟る音が、朗らかに嘲弄する会話が、染み着いたバーの静寂を乱す。
「はーーー……ったく、穏便に済ませようと思ってたのにコレだ」
要求を突っぱねたわたしたちに対し、これから、彼ら
「でも、なァ? 君らが意固地だから、仕方ねェよな?」
固唾を飲んで身構えるわたしに、死柄木は嗤いかけた。口の端が、まるで三日月のように吊り上がる。
「オイ、」
「ええー」
死柄木に手招きされて、女の子が口を尖らせる。わたしを抱き締めたままの腕に、ぎゅっと力がこもった。
それは何というか、誰かを身を呈して庇うとか、そんなものではなくて。……お気に入りのおもちゃを捕られないよう腕の中に閉じ込めるような、そんな幼さがあった。
そんな幼い仕草で、彼女は首を傾げる。
「愛依ちゃん、壊しちゃうんですか?」
「そりゃ爆豪くん次第だな」
ひゅっと浅く息を飲む。そんなわたしの緊張なんか知ったことではないようで、彼らはのんびり、何でもないように会話をしてから顔を上げた。
じいっと、2対の赤い目が、爆豪くんを射る。
「じゃあ爆豪くんよ。ここにいるクラスメイトの命を救いたきゃ、代わりに誰か1人を殺してこい」
「…………アタマ沸いてんのか?」
ハッと、嘲るように返答した爆豪くんだけれど、その声に先程までの精彩は無い。それがわかっているのか、死柄木は上機嫌で肩を震わせている。
「ああ、抵抗あるか? じゃあ別に一般市民じゃなくて
「ま……まっ、て。なにを、しようと、」
「もし仮に、このまま苦渋の決断の果てに人を殺したとしたら、爆豪くんは世間からどう見られると思う?」
口を挟んだわたしにも、死柄木は機嫌を損ねない。そればかりか、狼狽えるわたしを見て、よりもっと愉快そうに口許を歪ませる。
「言葉巧みに
間違っても、“悲劇のヒーロー”とはならない。なれない」
死柄木の言葉は続く。
この超常社会への歪な確信と、諦念と、憎悪を以て。
「だってこの社会が望むのは“完全無欠のヒーロー”だ。腐りきった民衆は輝かしいヒーローの間違いも弱さも許さない」
「そんな、……どうしてそんなことを、」
「無理やりにでも
人を殺した、という既成事実を以て、爆豪くんの未来を壊そうとしている。それがわたしという
「さァ、選べよ爆豪くん」
でも、……それでも。
わたしはゆっくりと口を開いて、笑って、みせた。
「このままクラスメイトを見殺しにして、塵となって崩れ落ちるのを見るか。どこぞの屑を
どうにもならない現状でも、“大丈夫”という確信があった。
「普段から『死ね』だの『殺す』だの言ってるだろ? 有言実行、させてやるよ」
その死柄木の言葉を最後に、すべての音が途絶えた。誰も何も喋らず、事の成り行きを見守っている。爆豪くんの頬を伝って、顎から汗がぽつりと落ちる。その音さえ聞こえてきそうな静寂の中で、
「……ふふ、」
わたしの笑い声が、やけに大きく響いた。
「……やっぱり、爆豪くん……その口の悪さは、これから何とかしないと、だね」
「……うるせェ」
こんな時まで、口が悪いのは相変わらずだ。思わず苦笑が溢れる。“黙ってろ”と言わんばかりに死柄木が首を締めてきたけれど、呼吸が苦しいだけ。“大丈夫”。
「……迷うこと、ない、でしょう。……あなたは、きっと、正しいことを選べる」
“大丈夫”だから、伝えなきゃ。間違えちゃ駄目だよって。
「……うるせェっつってんだろ」
「爆豪くん、……わかってる、でしょう?」
死柄木の言いなりに誰かを殺せば、爆豪くんの未来を閉ざす。憧れを汚す。いや、そもそもの話、わたしたちはヒーロー候補生。善人だろうが悪人だろうが、その命を奪ってはならない。
選択肢なんかひとつしかない。
わかってる。だからわたしは全部、覚悟できてる。
……爆豪くんだって、わかってるはずなのに、
「黙ァってろ!!」
なのに彼は、吼える。目を剥いて、歯を剥き出しにして、荒々しいその顔は“まるで
それでもその在り方は、
「ごちゃごちゃくだらねーこと言ってねぇで、逃げ出すことだけ考えてろや!! ──
どうにもならない現状だとしても、諦めない。悪足掻きと言われようと、生き汚いと言われようと、完全勝利を諦めない。その赤い眼差しは鋭く輝いている。
(……ああ、まるで、閃光みたい)
眩しいなあ、と目を細める。もう目を開けていられるのも僅かの間だろう。さっきから首元に痛みが走っている。ぴし、ぱし、とひび割れる音が聞こえている。首を伝って頭が崩壊するのが先か、身体が崩壊するのが先か、なんて、ぼうっとした頭で考えた。
ぼうっとした、頭で、
(ごめんなさい、……)
啓悟くん、と。
さいごに呼び掛けた、その時。
「どーもォ、ピザーラ神野店です──」
え、と目を見開いたその時。その瞬間、
──バーのレンガ造りの壁が、轟音と共に
ごうっと巻き起こった粉塵に思わず目を閉じる。目蓋の向こうから、色んな声や音が聞こえてきた。
「何だァ!?」
「、黒霧! ゲート……!」
誰かの驚く声。咄嗟に指示を飛ばすけれど、何かに口をつぐんだらしい死柄木の声。しゅるると何かが伸びる音。
「木ィ!? んなもん、」
「──逸んなよ」
継ぎ接ぎ男の、途切れた声。打撃音。それを為したのであろう誰かの、……おじいさんの声。
「大人しくしといた方が……身のためだぜ」
壁の大破から始まって、たった数秒。その数秒の間にあまりにも多くの出来事が起きたのだろう。女の子と死柄木の手から離れて床に投げ出されたわたしには、何が起きたのかさっぱりだ。
「さすが若手実力派だシンリンカムイ!!」
何も、わからない。でもひとつだけわかる。
「そして目にも止まらぬ古豪グラントリノ!!」
声が聞こえる。あの人の到来を告げる。
「もう逃げられんぞ
USJの時も、I・アイランドの時もそうだった。
いつだって彼は、光のようだ。
「我々が、来た!!!」
オールマイト。No.1ヒーロー。
この左目はもう光を映さないはずなのに、
それでも
「オールマイト……!! あの会見後に……まさかタイミングを合わせて……!」
シルクハットの男が動揺に声を揺らしている。それを聞きながらわたしは腕に力を込めて上体を起こそうとした。右目をゆっくり開けると、まだぼんやりとした視界の中でもよく映える、赤、黄、青。オールマイトのヒーローコスチュームに、薄く唇を開いた。
「おーる”、まい”、と……?」
「空中!! てめェ喋んな動くな!」
「空中少女!!!」
わたしの喉から溢れた声に、爆豪くんが、オールマイトが駆け寄ってきた。わたしの前に片膝をつく。筋骨隆々の腕が、そうっと、壊れ物を扱うようにわたしを抱えた。
「……なんという、ことだ」
絞り出すような声。義憤と悲嘆に声が掠れている。
そんな風に思わないでほしくて首を横に振ったけれど、見上げるオールマイトの表情は晴れない。むしろ、眉を寄せて、音がしそうなくらい歯を噛み締めている。わたしなんかより、苦しそうに顔を歪めている。
「すまない、すまない……! 救けが、遅れて……!」
そんな表情のまま、青い瞳が決意に洗われ、輝く。
「もう決して、これ以上、君を傷つけさせはしない!!」
(──ああ、)
……ああ、不思議。
死柄木が『ヒーローがみんなを弱くする』って言っていたこと、確かにと、思ってしまった。
だってわたし、今、生きられるんだって安心してる。
死んでも“大丈夫”って塗り固めていた虚勢が、溶けて、
──“生きたい”って、泣き叫びたくなる。
「! これは……!」
胸が、身体が、熱くなる。
だってそうだ。炎が注がれて、光と熱が生まれたの。
生きられるって希望を見てしまった。
“生きたい”って、願ってしまった。
生きて、また、……ホークスに、会いたい。
「……【治癒】、か……!?」
彼の活躍を目にしたい。
この足で歩いていきたい。彼に追い付きたい。
彼と手を繋ぎたい。大切なものを繋ぎ止めていたい。
この背の翼で、飛んでいきたいの。
次から次へと生まれてくる願いと同じに、
目が、足が、手が、指が、──翼が、戻っていく。
「……、……え……」
ふと我に返って、目を開ける。両目が、ある。足も、手も、両の指も爪も、翼も。
視線を巡らせると、色んな人と目があった。信じられない、といった様子で目を見開く
「空中、てめェ……!」
「……ば、くご、くん……わた、し、……っ」
「空中少女!!」
隣にいる爆豪くんの姿を認めると同時に、気が抜けたのか、自分の身体から力が抜けた。ぐらりと傾いだわたしを、逞しい腕が受け止める。
身体が、熱い。しんどい。だるい。ぜいぜいと木霊する自分の息が煩わしい。……ぼんやりと白く霞む視界の中に、わたしを心配そうに覗き込む彼の姿が見えた。
「おーる、まいと、せんせ……」
「……ありがとう。君を、救ってくれて」
オールマイトが、そうっとわたしを抱き寄せる。その手が震えているのは、きっと、わたしの勘違いではないのだろう。
「君を救えなかった私たち大人の不甲斐なさを、許さなくていい。本当に、よく、よく、頑張った……!」
「ああ……だが、もう大丈夫。ピザーラ神野店は俺たちだけじゃない」
オールマイトに続いた声の主は、しゅるりとドアの隙間を縫ってバーに入り込んだ。紙のように薄く伸ばされた身体──“個性”【紙肢】を持つ忍者ヒーロー・エッジショット。
彼が後ろ手にバーの扉を開けると、フルフェイスヘルメットと銃を構えた機動隊が雪崩れ込んできた。彼らは一糸乱れぬ動きで整列し、
「外はあのエンデヴァーをはじめ、手練れのヒーローと警察が包囲している」
もう逃げ場は無いぞと、念を押すようにエッジショットが鋭い目で射る。それに悔しそうに顔を歪める
「爆豪少年も怖かったろうに……よく耐えた! ごめんな……もう大丈夫だ少年!」
「こっ……怖くねーよ! ヨユーだクソッ!!」
相変わらずの意地っ張りと口の悪さだけれど、先程までの強張りが緩んでいるのは爆豪くんの口許を見たら一目瞭然だろう。圧倒的な分の悪さが、ヒーローの登場で逆転した。
……そう確信できるこの空気を、重い溜め息が揺らす。
「……ハァ、何の茶番だ。ほんっと、くだらねぇな」
そう吐き捨てた死柄木は、その目をぎらつかせた。
「せっかく色々こねくり回してたのに……何そっちから来てくれてんだラスボス……仕方ない……黒霧、持ってこれるだけ持ってこい!!」
「! 駄目……!」
死柄木の口振りから、黒霧を使って脳無を呼び出そうとしているのがわかった。しかもそれが複数体用意されているのだと知って、わたしは思わず声を上げる。
けれど。けれどオールマイトは大丈夫と言わんばかりにわたしの肩を優しく叩いた。意図がわからず振り仰ぐと、彼は茶目っ気たっぷりに微笑んで「Shhh!」と人差し指を立ててみせた。
「…………、……は……?」
わけがわからないのは、わたしだけではないようで。
ぽつりと呟いた死柄木もまた、信じられないと言わんばかりに目を見開いた。沈黙がこの場を満たす。──待てども待てども、脳無がやってこない。
「……ッオイ、黒霧!」
「すみません死柄木弔……所定の位置にあるはずの脳無が……ない……!」
黒霧の声に焦りが滲み、金色の目が動揺したように歪む。
「やはり君はまだまだ青二才だ! 死柄木!」
そうして声を放つ。
物語の終わりを決定づけるかのような、強い声で。
「
少年少女の魂を、
警察のたゆまぬ捜査を、
そして、──我々の、怒りを!!」
それは、守られるわたしたちにとっては未来を照らしてくれる光だ。行く末を照らしてくれる、揺るぎない光。
「おいたが過ぎたな!! ここで終わりだ死柄木弔!!」
でも同時に、夜の世界で生きるものたちにとっては、その光は強すぎるのだろうとわかった。だって今、彼らは一様に顔を歪めている。眩しそうに、煩わしそうに、苦しそうに。“救い”とは一番遠い表情をしている。
それでも光から目を逸らそうとしない。死柄木の充血した赤い目は、真っ向からオールマイトを捉えている。
「──ハ、」
歪な三日月が嗤う。
まだこの夜が、終わらない。
63.少女、弱くなる。
久しぶりの更新ですね!!ご無沙汰してます!!毎度毎度遅筆で申し訳ありません。読んでくださる方、待っていてくださった方に多大な感謝を申し上げます。
本当は今回で神野編終幕まで持っていきたかったのに無理でした。次回こそは終わらせるつもりなのでご容赦ください。
話は変わりますが本日5月9日を以てこのSSが1周年を迎えました!こんな遅筆で稚拙なSSが1年も続けられたのは本当に読んでくださる皆様方のおかげです。いつも閲覧、お気に入り登録、評価、誤字報告等々に元気を貰っています。本当に励みになります。ありがとうございます!
これからも自分のペースで頑張っていこうと思います。よろしければ次回も読んでいただければ嬉しいです。