「ねぇ
インターン。それは一般的に職業体験制度としてのインターンシップを指す。特定の職の経験を積むために企業や組織で労働に従事する期間──けれどこの流れで告げられた“インターン”とはもっと特別な意味を持つのだろう。だってミリオ先輩の目は、強い意志を以て煌めいている。
「……インターン、というのは」
「
「はい」
「ヒーローインターンってのは、それの本格版なんだよね!」
ミリオ先輩は笑顔のまま続ける。曰く、ヒーローという仕事をお客として“体験”する職場体験とは異なり、仮免を取得したことによりより本格的・長期的にヒーロー活動をするのだそうで。
「現場でしか得られない経験は、絶対に、君たちの糧になる」
確信めいた強い声で、そう言い切る。はじめは訝しげに眉を潜めていた物間くんもいつの間にか、青い目を開いて真摯に聞き入っている。
わたしだって、そうだ。目の前に示された強くなるための道に、手を伸ばさずにはいられない。先輩にもっと詳しいことを訊こうと口を開いた──そのときだった。
「、ミリオ、それは……!」
通形先輩の腕を掴んだのは天喰先輩だった。彼は焦ったように眉を寄せ、声を揺らしている。けれどそんな彼とは裏腹に、通形先輩は落ち着き払って頷いた。
「うん、黙ってろって話だったよね」
「“黙ってろ”って、いうのは……」
「……へえ、ヒーローインターンのこと、僕ら1年には口外するなってことですか」
「それは……、」
天喰先輩は気まずそうに視線を移ろわせて俯いた。否定は、しない。彼ははっきりと口にしなかったけれど、その沈黙は何より雄弁だ。
「……わたしのせい、ですね」
USJ、林間合宿、そして神野に、果ては仮免試験。それらの騒動を経て雄英に向けられた目は未だ厳しい。そんな状況で渦中の1年生を送り出すことはできなかったのだろう。
……先生方に心労を掛け、1年生の成長の機会を奪ってしまった。そのことを思えば、俯きたくなってしまうけれど。
「それは違うよ。空中さん」
その声に顔を上げれば、つぶらな瞳がわたしを真っ直ぐ見つめていた。口許の笑顔は引き結ばれ、ただ真摯な眼差しがわたしに注がれる。
「誰かのせいってワケじゃない。君たちを守るためだよ」
両肩に置かれた手は、温かかった。そうして彼はぱちんとウインク。ただ庇護する優しさだけでなく、明るい茶目っ気と、揺るぎない確信を織り混ぜた眼差し。
「でも君は、どうやらそこで大人しくしてるってタイプじゃなさそうだって、俺は思ったんだよね」
「、……はい」
“その通りです”、と続けたわたしに、通形先輩はまるで太陽のように笑った。
「駄目だ。許可できん」
「……、」
通形先輩たちと別れて向かった職員室で待ち受けていたのは、相澤先生のきっぱりとした言葉だった。……すんなり上手くいくとはハナから思っていない。呼吸を整えて、向き直る。
「わたしたちの身の安全を、慮ってくださっていることはわかります。わたしは林間合宿や神野に引き続き、仮免試験でも
「迷惑じゃない」
つらつら続く言葉を遮り、先生はわたしを見据える。
「迷惑じゃない。そこだけは履き違えるな」
長い黒髪から覗く目は、声は、静かだ。けれどそこに揺るぎない意志を感じて、思わずわたしは胸元を握り締めた。気圧されたのだ。
「そもそもインターンは正規のカリキュラムとは違い、生徒の自主性によるものだ。無理に受けずとも支障はない」
「……自主性によるのであれば、わたしも、」
「雄英が何度も襲撃されて、
“おまえならわかるだろう”、なんて先生は言わない。けれどわたしの脳裏には仮免試験の一件が浮かんでいた。公安や数多のヒーローが集う試験場に潜り込んでみせたあの人──トガヒミコは潜伏・奇襲に特化している。
……彼女と相対して、その奇襲を受けたわたしが、“問題ない”なんて言うことはできない。先生の言うリスクをはね除けて、説得しなければならないのに。
「それは、……確かに、そうかもしれませんが……」
焦りがわたしの舌をまごつかせる。対する相澤先生はつと目をすがめて、それから口を開いた。
「塚内警部にグラントリノを中心に組まれた
「プッシーキャッツも、ですか?」
「ラグドールの“個性”【サーチ】は、一度補足したものの弱点や居場所を見透せる。その情報をマンダレイの【テレパス】で伝達、ピクシーボブの【土流】による地形変化で追い込み、虎が組み付き捕える」
捕物にも優れた“個性”でありチームだと、相澤先生は続ける。一切の淀みなく紡がれる言葉は、まるで流れる水のようだった。わたしの意固地をほどいて、押し流さんとするような。
「実際のヒーローの現場で積める経験は、確かに貴重だ。おまえたちを更に成長させてくれるだろう。……だが今すぐじゃなくていい」
先生の目が、据わっている。欠片の揺らぎもなく。
「彼らが
──わたしに、“今は諦めろ”と、諭している。
「……相澤、先生、」
──どうする。どうしたら、
もし
だから、その間は守ってもらうの?
たくさんの人たちに、先生に、ヒーローたちに、
……ホークスに?
「……相澤先生のお考えはよくわかりました」
閉じていた目蓋をゆっくりと開けて、相澤先生を見つめ返す。視線が、ぶつかる。その眼差しは強いけれど、決してわたしを責めているわけではないことはわかった。
わかっている。相澤先生はわたしを心配してくださっている。守ろうとして、くださっているのだと。
「すみません。……けれどわたしは、理解はできても納得はできない」
「空中、」
「わたしは」
「……わたしは、守られるばかりのヒーローになりたくありません」
逸る呼吸を努めて整えて、わたしは口を開いた。脳裏にはあの夏の日々が浮かんでいる。
「夏休みに行ったI・アイランドで、わたしはある
“従順に翼を畳んで檻に入れば、優しく囲ってやる。”
“おまえはただ、目の前に連れてこられる人間を治癒していればいい。数多の苦痛を癒すヒーローになればいい。”
“他には何も、考えなくていい。”
わたしはそれを、反吐が出ると一蹴した。けれど出来たことと言えばそれだけだ。金属の鞭に捕らえられて、ただ不格好に身を捩らせていただけ。
そうしてホークスに救けられるまで、何もできなかった。
「
「守られることが不満か? 自分の不得手を他者と補い合う、そういうヒーローの在り方もある」
「……、確かに、そうです。けれど、」
先生の言うことは尤もだ。けれどここで頷くわけにはいかないから、努めて声を張って、わたしは言い募る。
「後方にはリカバリーガールがいてくださる。だからこそわたしは、また違うかたちのヒーローとして在りたいと思っています」
脳裏に浮かぶのは夏の日。あの神野の暗い夜。あの瓦礫と化した街で、わたしはどうあったら、より多くの人を救けることができたのか。
「この治癒と【翼】を以て、もっと速く、誰の元へも駆けつけられるヒーローになりたい。もっともっと、早く、……みんなの傷を癒すことのできるヒーローに、なりたいんです」
救けを求める人は、危機の最中で待っている。
たとえ交通機関の全てが絶たれても、危険な戦闘に道を塞がれたとしても、わたしが【翼】を以て空を行けば。
それが出来ていたのなら、きっとこの手は、もっと多くの命を救えていた。
「仮免の時も、【前に進みたい】とわたしは言いました。
今も変わらず、同じ気持ちです」
緩く開いた手を見つめ、決意とともに握る。そうして視線を先生に戻した。この手を伸ばす決意と、冷えきった血液の感触を、わたしは忘れられない。……忘れない。忘れては、いけないから。
「できることは全て、やっていきたい。わたしの出来得る全てで強くなっていきたいんです。
だから、どうか。──どうか、」
相澤先生の眼差しは、依然として静かだ。からからに乾いた喉をぐっと引き締めて、深く深く頭を下げる。
「お願いします、相澤先生。……インターンを許可してください」
そうして沙汰を待つ間、しんと沈黙が垂れ込めた。職員室にいる他の先生方も固唾を飲んでいるようだ。窺うような沈黙の中──微かな布ずれの音を羽根が拾い上げた。相澤先生が、小さく息を吐く。
「……空中、おまえの思いや熱意はわかった」
“だが──”
先生はそう続けたかったのだろう、そんな気配がして、わたしは焦りとともに胸元を握り締めた。ここで折れてはいけない。先生の優しさを、思いを、説得しなければいけない。これで足りないならもっと言葉と行動を尽くさなければと、わたしは慌てて顔を上げる。
「少しお待ちいただけますか? イレイザーヘッド」
そんなときだった。涼やかな声が後方から割って入って、わたしは驚きに振り返る。そんなわたしの肩に手を置いて、
「……真っ向からなんて、馬鹿なのかな?」
小首を傾げた拍子に、その金髪がさらりと流れる。
「……物間くん……?」
「感情論だけで先生を捩じ伏せようだなんて、随分と浅はかだね」
物間くんは青い目をすがめる。そうして口の端を持ち上げて、呆れたように肩を竦めた。
「先生方が僕らを守ろうとする気持ちに、真っ向から勝てると思ってるんだ?」
「……それは、」
口ごもるわたしに“ほんと馬鹿だね”と薄く笑って、彼は続ける。
「君は交渉というものを知らないらしい」
そうして彼はわたしを追い越し、相澤先生の前に進み出た。すらりと背筋を伸ばし、両腕を広げる。それはまるでステージに立つ演者のように、彼はすらすらと語り出した。
「ねえイレイザーヘッド。要は僕たち学生に、
「ああ」
「であれば。
「……!」
「……確かにな」
物間くんの提案に相澤先生は頷く。ゆらりと黒髪が揺れて、その隙間から覗く目が物間くんを射た。
「だがそうまでして、インターンに今行く必要があるのかどうかは疑問が残る」
「なるほど? 確かにわざわざ事務所に負担を掛けるでなく、雄英でコツコツ真摯に学ぶことは僕らの糧になる。むしろそっちの方が何のトラブルもなく真面目に強くなっていける。素晴らしいことですよね」
「!? っちょ……、」
彼はどっちの味方をしてくれるつもりなのか。このまま相澤先生に同意するつもりなのかと慌てるわたしを見もせずに、彼は手で制した。彼の涼やかな視線は、依然として相澤先生に向かっている。
「ですがイレイザーヘッド。残念ながら彼女はそれで満足しないらしい。もっともっと、と、貪欲にすべての経験を糧にして、“更に向こうへ”強くなろうとしている」
物間くんはわたしを、見もしない。
それでも彼の背中に、言葉に、手の震えが収まっていくのがわかった。
「僕には正直、理解できないですよ。トラブルばかり起こして不相応な目立ち方をする者がやたらと持ち上げられるのは理解できない。……できなかった」
物間くんはやれやれと言わんばかりに首を振って、それからゆっくりと顔を上げた。その表情は、わたしのいる位置からはわからないけれど、
「……そういえばイレイザーヘッド先生。あなたは、体育祭の騎馬戦での実況で仰有っていましたよね」
彼の声ががらりと色を変える。低く、刺すような、氷柱のような声色。その雰囲気にこくりと唾を飲みながら、わたしはいつかの時を想起した。
雄英体育祭。その第二種目として行われた騎馬戦。それぞれの選手がチームで騎馬を組み、“個性”を駆使して鉢巻を奪い合ったあの時。B組の男の子たちと騎馬を組んでいた物間くんは、第一種目では
『単純なんだよ──A組』
けれどそこで、爆豪くんは諦めなかった。残り僅かな時間の中、【爆破】を駆使して飛んで、挑みかかり、奪われた鉢巻を奪い返していた。これで予選突破は確実──守りに入って堅実にいってもいいところを、けれど爆豪くんは吼えた。
『まだだ!!!』
『完膚なきまでの1位なんだよ取るのは!!』
そうして彼は、自分のチームである切島くんや芦戸さん、瀬呂くんを鼓舞し、更に物間くんに挑みかかった。そのままでも予選は突破できるのに、逆に反撃に遭って鉢巻を奪われる可能性だってあるのに、だ。
『……常にトップを狙う者と、
ただ、ただ。勝利をひたむきに見据えて戦う。
そんな爆豪くんたちを見て、相澤先生はぼそりと呟いた。
『その執念を、考慮していなかったことだな』
「
物間くんは、笑ったようだった。そんな声をしていた。
「なるほどなるほど! 確かにあの爆豪くんと僕は違う。イレイザー先生、あなたの仰有る通りですよ」
手を打ち鳴らして笑う。その声音は明るくはっきりしていたけれど、その心情まで明るいとは言い難いだろう。
だってすぐにその芝居がかった笑みは鳴りを潜め、痛いほどの沈黙が流れた。凪いで、どこかひりついてさえいる空気を、物間くんの声が震わす。
「……けれど僕だって、上を目指してないとは言ってない」
淡々とした声の底に、隠しきれない熱がある。
きっとこれはわたしの勘違いではないだろう。そう確信するだけの感情の一端に触れた気がして、わたしは震える指先を握り込んだ。そんな有り様のわたしとは裏腹に、物間くんは堂々としている。しゃんと背筋を伸ばし、真っ直ぐ先生に向き合って。
「あなたがそうまで“貪欲になれ”と仰有るのなら、僕らが喰らう糧を用意していただけると嬉しいですね」
そうして物間くんが口にした言葉を、相澤先生は目を閉じて受け止めた。しばらくの黙考の後、ゆっくり目蓋を押し上げる。
「……強いヒーローに、なるため、か」
「……、先生?」
伏せがちの黒い目が、ゆらりと揺らめく。それは思案の海に沈んでいるようにも、どこか遠い、いつかの時を見つめているようにも思えた。遠い、いつかの、
けれどそれもしばらくして、先生の視線はわたしたちに戻った。彼はひとつ微かな溜め息をついて、自身の黒髪をがしがしとかき混ぜる。
「……インターン受け入れの実績が多い事務所に依頼する。その方向で職員会議に議題を挙げる」
「! ありがとうございます……!」
「礼は要らん。まだ承認されるかどうかも決まっていない」
「いいえ、
「……喰えない奴だな」
「褒め言葉ですねェ!」
くわッと笑う物間くんと頭を下げるわたしに、「はよ行け」と相澤先生は手を振った。半眼になったその目は、どこか疲れたように見えて。
「……相澤先生、あの、す……」
「謝るな」
わたしの我儘で、心労を掛けてしまったのだ。そのことについて謝ろうとするわたしを見抜いたのか、先んじて先生は口を開いた。口を結ぶわたしを見て、彼は目を細める。
「空中、……おまえが謝る必要もないんだ」
先生の声が、あまりに柔らかく響いたから、わたしは返すべき言葉を見つけられなかった。沈黙して立ち尽くすわたしの腕を、同じく黙したままの物間くんが引く。
そうして職員室を辞した彼はわたしの腕を離して歩き出したから、わたしはその背中に呼び掛けた。
「……あの、物間くん、ありがとう」
昼休みの終わり。遠くの教室や中庭からは賑やかな声が聞こえてくるけれど、この廊下は人通りが少なく静まり返っていた。小走りで駆け寄る足音さえ、わたしの小さな声さえ、やけに大きく響く。
「わたし1人では、きっと相澤先生を説得できなかったから。……本当にありが、」
「ちょっと自惚れが過ぎるんじゃないのかなァ!?」
「えっ」
だから、物間くんのその声は余計に大きく響き渡った。びっくりして声を裏返すわたしを見て、彼は不服そうに鼻を鳴らす。
「君のために言ったんじゃないからね。勝手に履き違えないでくれる?」
「え、と……」
混乱する思考を紐解いて、彼の言葉の意味を辿る。相澤先生を説得してくれたのは、わたしのためじゃない。インターンに行けるように交渉してくれたのは、わたしのためではなくて……、
「……じゃあ物間くんも、インターンに行くつもりなの?」
彼は何も答えずに肩を竦めた。けれどそれが“肯定”を示していることはわかる気がして、わたしはどうしてと問いかけた。どうして。物間くんなら、こんなリスクもあるような真似は嫌がるだろうに。
そう問いかけたわたしに、物間くんは眉間に皺を寄せた。面倒そうな、面白くなさそうなその表情のまま、彼は言う。
「夏休みのあの一件で、こんなにも社会が荒れている今、渦中にある雄英生が街中でインターン生として活動する。そのリスクがわからない君じゃないだろ?」
「……うん」
頷くと、彼はふっと眦を緩めた。
“しょうがないやつ”、と言いたげに。
「それでも君は“行く”って言うんだ。全く本当に、理解しがたい」
まるで眩しいものを見つめたみたいに目を細めて、彼はふいっと視線を逸らした。その背中をしばらく見つめてから、わたしは追い掛ける。隣に並んで歩き始めた。
「だいたいね、ハイリスク過ぎるんだよ」
「うん」
「雄英でも十分な学びがある。それの何が不満?」
「不満じゃないよ。でももっと、色んな経験を積みたい」
「貪欲すぎて呆れるぜ」
「ふふ、うん」
「……何をにこにこしてるんだか」
「だって、物間くんもなんでしょう?」
隣で歩く彼を見上げて、わたしは嬉しくなって笑う。
「わたしとあなたで、行き先は一緒じゃないかもしれない。経験できることだってきっと違う。けれど、そういうことじゃなくって、」
何が物間くんの考えを変えたのかはわからない。
それでも少しずつ何かが変わろうとしている。ゆっくりと、少しずつ、彼も前に進もうとしている。
それがどうしようもなく、心強くて嬉しかったのだ。
「一緒に頑張って、強くなろうね」
だから頬をゆるゆるさせるわたしに、物間くんはまたも眉間に皺を寄せた。面倒そうに、面白くなさげに、くしゃりと口許を歪ませる。
「……ハーーーーーーァ、」
「深い溜め息」
「誰かさんの考えなしっぷりに頭が痛くなってるのさ」
「ひどいなあ」
“べつに君のためじゃない”と彼は言うし、実際そうなのだと思う。けれど頑張っている人の存在は、確かにわたしの力になるから。
「やっぱり言っておきたいな、……本当にありがとうね」
「君のためじゃないって言ったろ」
「うん、わかってる」
「……何その顔」
ふすふす笑うわたしに、ハァ、と溜め息を吐く物間くん。そんなちぐはぐで穏やかな昼下がりに、微かな音が割り入った。その振動を辿った物間くんが、わたしを見る。
「君のスマホ鳴ってるけど」
「ほんとだ、ちょっとごめん……」
断りを入れてスマホを取り出すと、その画面に表示されていたのは見知った、けれど意外な人の名前だった。驚きに息を飲んで、一拍置いてその電話を取る。
「……、もしもし」
《突然連絡してすまない。今少し話せるか》
「はい、大丈夫です……
最上
普段はI・アイランドで研究に明け暮れている多忙な人だ。そんな博士が、何の用事で電話を掛けてきたのか。
《明日は土曜日で、雄英も午後から授業はない。それに間違いないな?》
「え? は、はい、そうですが」
《ならいい》
「“ならいい”……? ええと、それは、」
《あっ、最上博士! お電話中ですか?》
何の用事か。何らかの異常事態が起きたのか。身構えていたわたしに対し、博士は至ってマイペースに疑問を解決してしまったようだ。戸惑うわたしを他所に、電話の向こうで話は進んでいく。
《ちょうどいい。詳しいことはおまえから話しておけ》
《えっ? 構いませんけど博士は?》
《用事》
「あ、あの……?」
《あっ、ごめんなさい! 愛依さん、久しぶりね!》
「! メリッサさん……!」
お久しぶりです、と返せば、電話越しに嬉しそうな声がころころ転がった。メリッサ・シールドさん。世界的な“個性”科学者の一人・デヴィット・シールド博士の一人娘。彼女もまた夏休みに起きたI・アイランドの事件で知り合った一人だ。……お父さんが事件の責任を取り警察に出頭してから、最上博士の研究室に入ったと聞いていたけれど……うん、声を聞く限りは元気そうだ。ほっと安堵の息をつく。
《あ、そうそう。さっき最上博士が言ってた“詳しいこと”っていうのはね……》
彼女はふふ、と笑う。はじめはないしょ話をするように密やかだった声が、次第に抑えきれない喜びに合わせて明るく弾んだ。
《明日、私と最上博士でそちらのアカデミー……雄英高校に行くことになったの!》
「……え?」
そんなことがあった翌日。午前中の授業を終えたわたしたちは寮の談話室にいた。ある人はそわそわと、ある人はわくわくと来訪者を待ちわびていた、そんな時。
「! デクくん! みんな!」
「メリッサさん!」
「わぁ、お久しぶりです!」
「お元気そうで何よりですわ」
「「メリッサさん相変わらずお綺麗で!」」
「こいつらうっさ……」
「オイてめェら離せやゴラ……!!」
「おうこういう時はにこやかでいた方がいいと思うぜ!」
「爆豪には無理なんじゃねぇか?」
「ンだ半分野郎が喧嘩売ってンのか!!」
「どうどう! どーうどう! んもう! 静粛にしたまえ!」
あの事件で深く関わった緑谷くんをはじめ、お茶子ちゃんや耳郎さん、八百万さん、飯田くんに轟くん、峰田くん……そっぽを向いた爆豪くんは上鳴くんと切島くんによって両サイドから腕を掴まれているけれど、それでもみんな再会を喜んで笑顔がほころんでいる。……いやまぁ若干1名の表情や態度はアレだけれど、メリッサさんも嬉しそうだ。
彼らを遠巻きに見守っていたその時、羽根がひとつの足音を拾い上げた。真っ直ぐこちらに向かってくるその人に、常闇くんと並んで向き直る。
「空中、常闇」
「最上博士! お久しぶりです」
「息災そうで何より」
「まぁな。じゃあ早速本題に入るが……」
彼は手に持っていたアタッシュケースを床に置き、そのバックルを外した。中に入っていたのは4本の細長い機械……例えるならカメラを固定する三脚が一番近いだろうか。けれど三本の脚部にはそれぞれを繋ぐように円形の機構がついていて、博士が何か操作すると仄かに光り、ふわりと宙に浮き上がった。何だ何だと見守っていたみんなの目がワアッと輝く。
「飛んだァ!」
「スゲー飛んだ! プロペラとかないけど飛んだ!」
「飛行モービルの応用だ」
「ファン⚫ルだコレ!」
「は? 漏斗? 何を言っている?」
「多分博士の言う
わたしがこそっと言えば、博士は納得しきらない顔でひとまずは頷いてくれた。そしてまた手元のデバイスを操作、すると──浮き上がった四本の機械から光が放たれ、結ばれ、光壁をなし──その内部にいた常闇くんの周囲がふっと暗くなった。まるで光の全てが、闇に呑まれて消えたみたいに。
「オーッ! ココ暗クテイーナ! フミカゲ!」
「なんと……なんと深い闇の帳! 博士、これは……!」
「お前が夏に注文していた品だ。原理としては熱帯雨林に生息するアゲハチョウの一種トリバネチョウの鱗粉を参考にしている。彼の鱗粉は重なることで六角形のハニカム構造をしたミクロサイズの模様を作り出し太陽光はそのハニカム構造によって屈折して黒い色素まで伝えられ吸収されるちなみに液体……水の屈折率は1.3なのに対しトリバネチョウの鱗粉の屈折率は1.6と更に高く色素が光を最大限に吸収できる最適な設計をしているんだがそのハニカム構造を機械から照射される光のパターンで再現することに成功したそこに既存の終幕を再利用し」
「ええとつまり?」
「太陽光を遮断することで光壁内部を暗闇にする」
すげェ、と半ば呆然と零れた誰かの呟きにただ同意した。こくこくと頷きながらわたしは、常闇くんにデバイスの操作方法を教えているらしい博士に目を留める。
博士は何でもないように原理を説明してくれたけれど、太陽光を吸収する光壁を作る、だなんて彼のI・アイランドの誇る研究者といえど容易ではないことだろう。それでもこちらのニーズに合わせて約束を果たしてくれた、……そのことが常闇くんも嬉しいんだろう、彼はいつもは落ち着いた目をキラキラさせて、そのデバイスを掲げてみせる。
「
「相変わらず常闇の厨二センス尖ってんね~」
「中二……? お前たち高校1年生じゃなかったか?」
「いやそういうのじゃなくって概念とかそういうのですよ」
「なァ空中、博士って意外と天然系?」
「かもしれない……」
笑う芦戸さんに「は?概念?」と眉を寄せている最上博士は至極真面目にわかってないみたいだ。瀬呂くんの言う“天然系”というやつなのかもしれないなあとか、そういう物事には疎い方なのかなあとか、そんなことを思って苦笑を浮かべていたその時。
「オイ空中」
「はいっ!? っえ、……え!?」
わたしに向かって唐突に投げられたアタッシュケースを慌てて受け取り、視線で促されるままに開ける。そこに入っていたのは、
「ゴーグル……?」
わたしがヒーロースーツを着る際、いつも着けているのと同じデザインのゴーグルだった。それがどうして、と戸惑いながらも言われるままに着けてみたわたしに、最上博士は続ける。
「蟀谷辺りのボタンを押してみろ」
「ボタン……? ……っわ!」
視界がぎゅん!と飛んでいったような感覚。気づいた時にはわたしの右目は遠くのキッチンにある冷蔵庫、そこに貼られたマグネットの模様を間近で見つめていた。まるでライフルスコープのように、遠くの物を見通して。
「この前の電話の際、羽根で狙撃をする技を編み出したと言ってたろ。それに合わせてスコープモードも搭載してみた。ボタン横のダイヤルで倍率が操作できる」
「あ……ありがとうございます!」
多忙な人なのに、あんな電話での会話を覚えてくれていたのだ。驚きと喜びに声を上擦らせるわたしだけれど、最上博士は至ってクールだ。「よし」と真顔で頷いたと思えば──踵を返す。
「じゃあ僕は行く」
「え、もうですか?」
「お茶を淹れます。如何ですか」
「折角だが遠慮しよう。僕が何故、クッッッソ面倒臭い手続きをしてまでI・アイランドを出てこの雄英まで来たかわかるか?」
「え?」
「イ レ イ ザ ー へ ッ ド に 会 う た め だ !!!」
「えっ」
彼は意気込むようにネクタイをきつく締めた。……そういえば今日彼は以前会った時のラフな格好と白衣ではなく、きちっとスーツを着込んでいたけれど、そういう理由だったのか。彼が相澤先生のフォロワーだということを知っていたわたしと常闇くんでさえ呆気に取られているのだから、初見のみんなもこのテンションの上がりように目を点にしている。
「というわけで面会の時刻に遅れては敵わんからな。僕は行く。後はメリッサ、好きにしろ」
「はーい。行ってらっしゃい」
けれど唐突な博士の行動は慣れっこなのか、メリッサさんは朗らかに笑って手を振った。そのまま足早に寮を出ていった博士の後ろ姿を見送ってからわたしたちに向き直る。そこには笑みが浮かんでいた。
「博士はあまり多くを語る人じゃないんだけどね、I・アイランドでのこと、みんなにすごく感謝してるの。……ふふ、もちろん私も!」
「メリッサさん……」
緑谷くんの脳裏にはデヴィット・シールド博士のことが浮かんでいるのだろう、何か言いたげにしていたけれど、それをメリッサさんは明るい目で制した。ゆっくりと瞬きすると、金色の長い睫毛がきらりと光る。そうして彼女はにっこり、あたたかく微笑んだ。
「改めてお礼がしたくて、でも私たちに出来ることは限られていて……だから今日は雄英に来たの。みんなのサポートアイテムの開発に、少しでもアドバイスできたらと思ってるわ」
「い、いいんですか」
「心配されるよりも、“ありがとう”の言葉が聞きたいな」
「! っありがとうございます!」
「ええ!」
少しおどけたようにウインクして、満足そうに眼鏡の奥の目を光らせて、メリッサさんは緑谷くんたちと笑い合う。みんなも嬉しさと期待にワアッと歓声を上げて──
「何ですか何ですかベイビーの時間ですか!?」
「わあ!?」
──曰く、「
「とにもかくにも葉隠さんは、スーツね。裸じゃダメよ、危ないわ」
「はい……」
「いやそりゃそう」
「至極真っ当な意見」
「オイオイオイそれじゃロマンがフッ」
「峰 田 ち ゃ ん ?」
「ほんと懲りないな峰田くん……」
パァンッと唸った梅雨ちゃんの舌ビンタに転がっていく峰田くんに苦笑してから、わたしはワイワイと賑やかな談話室を見渡した。あの後「なんか騒がしいようだねェ!?」と飛び込ん……寮にやって来た物間くんやB組のみんなも一緒になって、それぞれあれがいいこれがいいと意見を交わし合っている。
「ううん……そりゃ私もスーツ着た方が安全だって思うんですけど、【透明化】の“個性”を活かすにはどうしたらいいのかなって」
「それなら葉隠さんの細胞……毛髪なんかいいわね。そこから作られた特別な繊維を使って作るといいわ。“個性”に呼応してスーツも透明になるはずよ。提携しているサポート会社に相談してみて」
「おお……!」
「ケロ……じゃあ私もそうすべきかしら」
「梅雨ちゃんの【保護色】の精度、上がりそうやね!」
「青山も相談しといたらー?」
「ノン! 僕のヒーロースーツやサポートベルトは優秀だからね! 手を加えなくてもFantastiqueだから⭐」
「でもお腹痛くなっちゃうでしょ?」
「まあ……“個性”が強すぎて身体に負担が掛かってるのかしら? そのベルトで軽減してるなら……後は出力や飛距離を節約する方向に調整してもいいかもしれないわね」
「ありがとうマドモアゼル⭐」
「う~ん……【キノコ】の胞子をもっと遠くまで飛ばせれば、もっともーっと世界をキノコまみれにできるノコ?」
「今以上にブッパしていくつもりか小森……」
「ならもっと銃砲をでッッかくしましょう!! バズーカみたいに!!」
「この“!”が常時2つ付いてるみたいなテンションすげーな」
「えー? いかつくなっちゃうのはきのこのイメージに合わないかもだしなぁ」
「大丈夫です!! でっかいベイビーも可愛いですよ!!」
「この人話ちゃんと聞いてるんか?」
「でけェ……キノコだってェ!?」
「最低」
「ん」
「そろそろマジでやめといた方がいいぜ峰田」
「せめてTPOな? B組女子にドン引きされてっぞ」
「日和ってんじゃねェぞ!? 何のためにここにいんだよ!」
「いやサポートアイテム相談のためだって」
「フフフ!! その小さな紫の人! その髪いいですねいいですね!! ひとたびくっつけば1日は取れないんですって!? 捕縛用ベイビーに活用できるやもしれません!!」
「オイオイオイオイラの玉でベイビー作るとかそれセクハッギャアアアアアア!!?」
「ヒェ……捥いでる捥いでるべりべりいってる」
「素材剥ぎ取られてるみてーだ」
「因果応報」
「ん」
……まあ一部大惨事が起きてるみたいだけど特に問題はないだろうなと判断して、わたしは苦笑を溢した。今床に倒れた峰田くんだって、さっきもっと【もぎもぎ】の飛距離を伸ばすにはどうすればいいかメリッサさんや緑谷くんと相談できていたし。うん、ヨシ!
他にもお茶子ちゃんは、宇宙飛行士が緊急時の移動に使用する小型推進装置を持ったら空中での行動に幅が出るんじゃないのか、とか。爆豪くんはニトログリセリンの汗を貯めれば貯めるほど【爆破】が強化されるのだから、籠手に限らず汗を貯め置ける機構を着けたらいいのでは、とか。色んな話し合いが活発にされているのを見やって、知らず知らずのうちにわたしの口許には笑みが浮かんでいた。
「何だか嬉しそうじゃん、空中」
「! 拳藤さん」
そんな時、談話室端のソファーに腰掛けていたわたしの元に拳藤さんがやって来た。彼女はにこりと「隣いい?」と笑ったので、わたしはもちろんと頷く。隣り合って座った彼女に、改めて視線を合わせた。
「うん、何だか楽しいというか……嬉しくて」
「嬉しい?」
「こういう……みんなで強くなるために話し合って考えを出し合うの、なんかいいなって思って」
「だよなァ!! こういうのってなんかいいよな!!」
「わっ」
ばすん!という音と同時に身体が少し浮く。何かと思って見てみれば、拳藤さんとは反対側の隣に鉄哲くんが腰掛けていた。彼は大きな声でニカッと笑う。
「ありがとな、空中!」
「……? わたしは何もしてないよ」
「まぁあんたはそう言うんだろうけどさ」
苦笑する気配がして、わたしは鉄哲くんから拳藤さんへ視線を戻す。
「……空中の頑張りが、伝播していったんだよ」
振り返ったその先で、拳藤さんが笑っていた。エメラルドみたいな緑の目を、柔らかに細めて。
「拳藤さん……?」
「物間とさ、相澤先生を説得したんだって?」
「う、ん。そう、インターンの件で。物間くんに助けてもらったんだ」
「その助けるってのも結構びっくりしたんだよ。ほらあいつ、堅実に確実にやりたがるっていうか、リスキーなことは避けたがるし、この時期でのインターンは行きたくなさそうだったから」
「確かにそんなこと言ってたな……」
「目に浮かぶよ」
同意するように頷いて、けどね、と拳藤さんは続ける。
「でもそんな物間が昨日言ってたんだ。“僕はインターンに行くつもりだ”って」
彼女が言うには、昨日物間くんは夜、寮の談話室にB組のみんなを集めて話をしたそうだ。1年生に口封じされていたインターンのこと。相澤先生を説得して行ける可能性が出てきたこと。少なくとも空中
「“いや別に? A組の奴がどうしようと僕の知ったこっちゃないんだけどね? でも彼女が経験して僕が経験してないことが増えるっていうのも癪にさわるからさァ!!”……とかなんとかぐちゃぐちゃ言ってたけどよォ、
それってつまり、空中に影響受けて物間も“頑張ろう”って思ったってことだろ?」
相変わらずひねくれた、素直じゃない言い分だ。……それでも物間くんが前に進もう、頑張ろうと思ってくれたんだということが改めてわかって、わたしは震えそうだった言葉を飲み込んだ。代わりにそうなのかな、と呟けば、そうだろ!!と鉄哲くんの声が返ってくる。
「物間の奴、“まァ僕は行くけど君らは無理しなくていいよ!”とか何とか抜かしてくれやがったからな! 俺も負けちゃらんねェ!!」
「また鉄哲はすーぐ熱くなる」
“個性”【スティール】で鉄化した両手を打ち鳴らすと、ゴギン!!と硬い轟音が響き渡る。その様を半眼で見やって、けれどすぐ拳藤さんは表情を変えた。ふっと笑って、わたしに向かってウインクひとつ。
「でもインターン、私も頑張るよ。負けないくらいにね!」
「! わ、わたしも……!」
「オウ!! その意気だぜ拳藤!! 空中!!」
ソファーで隣り合って、握り拳をぶつけ合っていたわたしたちが賑やかだったからか、とととと小森さんが駆け寄ってきた。その後ろには取蔭さんも笑っている。
「へぇ~! じゃあ空中はまたホークスのとこに行くノコ?」
「へっ」
小森さんが小首を傾げると、そのミディアムボブがさらりと揺れる。その拍子に覗いた彼女の目があまりにきらきらしていたから、わたしは何だかびっくりして声を詰まらせた。
「どう、だろう? 職場体験が終わった時は“インターンにもまたおいで”って言ってもらえたけど……」
「いいなぁ! 羨ましいノコっ。
ねぇねぇ空中、ホークスの写真とか貰えたりする?」
「写真? ええと、写真は……」
矢継ぎ早に尋ねてくる小森さんに答えながら、小森さん何だか楽しそうだな、なんてわたしはぼんやり思っていた。小森さんもこの会が楽しくて嬉しいのかな、なんて、ただそんなことを考えていたから。
「相変わらずきのこ、ホークスのこと好きだねぇ」
だから。
取蔭さんがふと溢した声に、わたしは呆然と呟いた。
「……す、き?」
すき。……好き。その意味はわたしだって当然知っている。聞いたことだってある。使ったことだって、当たり前のように。
それなのにどうして、こんなにもわたしは硬直してしまっているのだろう。思考も口も止まって、返すべき言葉を紡げずにいる。
「え……、と……、」
纏まらない思考が、蟠って喉に詰まるような。
そんな息苦しさが、拭えずにいる。
「いや空中、そんなマジ顔で聞く話じゃないって! きのこがホークスのファンってだけだってば。黒色も安心しなよね」
「ぇっ、いゃ、べっ、俺は別に……」
「? 黒色なァに? 聞こえないけど」
「ぃっ、や、何も……」
取蔭さんがケラケラ笑って、黒色くんがぴゃっと肩を跳ねさせて、小森さんが詰め寄っていくのを遠目に見守りながら、やっとわたしは詰めていた呼吸をほどいた。ゆったりと吐き出した息は、安堵が色濃く滲み出ていて。
「……?」
「……空中、大丈夫?」
「どうしたァ? 腹でも痛くなったんか?」
「いやこの流れでなんでそうなる……」
両サイドから拳藤さんが、鉄哲くんがわたしの顔を覗き込んでくる。2人ともそれぞれの言葉と表情で、けれどどちらも心配してくれているんだということが伝わって、わたしは笑った。
「大丈夫だよ、ありがとう」
──“何でもないよ”、と、そう言って笑ったのだ。
82.少女、インターンに向けて。
明けましておめでとうございます。弊ssを読んでくださる皆様におかれましてはいつも大変お世話になっております。今年もよろしくお願いいたします。(更新遅くなりまして本当にすみません)(白目)今年はもうちょっとだけでも更新スピード上げたいですね……
今回は比較的B組の面々と会話できて嬉しかったです。特に物間くんに相澤先生への直談判に協力してもらう流れは以前から考えていたことなので書けてホクホクしています。弊オリ主は神野で身体的被害を受けていますので、相澤先生もちょっとやそっとのことでインターンへのゴーサインは出さないだろうなと思いまして。この辺の心情も次々回に予定している大人視点回で書きたいです。
これまでわりと原作沿いで進んできた弊ssですが、少しずつ原作バイバイの時間が近づいてきました。ラグドール健在のプッシーキャッツや、インターンに向かうA組及びB組の子たちなど、小さな変化が連なって大きな変化に繋がっていけたらなあなんて思ってます。またよろしければ次回も読んでくださるととっても嬉しいです!ありがとうございました!