「よし。これで完璧」
「補給終わったのディボス船長? それじゃあ海に出て海軍相手に盗みをしに行くのね? オッケー、任せて! あのゲキマズの悪魔の実を食べてパワーアップしたモニカ様の実力を見せてあげるわ!」
「いや、行かないけど」
「………へ?」
つい先日に悪魔の実を食べて能力者となったこともあってハイテンションのモニカにディボスが即答すると、彼女は一気に惚けた表情となって呟いた。
「え? 海、行かないの? 何で?」
「何でって、せっかくリゾートに来たんだから少しくらい遊んだ方がいいだろ?」
「リゾート?」
今ディボス達が来ているのは
「〜〜〜! 分かったわよ! とりあえず今は私もリゾート地で目一杯遊ぶわよ! 私の実力を見せるのはその後!」
「分かった分かった。それじゃあ皆、行こうか?」
ディボスはそう言うとアマゾース姉妹とモニカを連れてシールス号を出ると、まずはどこに遊びに行こうかと考える。しかしその時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「お〜い! ディボス〜!」
ディボス達が声が聞こえてきた方を見るとそこには、先日知り合った麦わら帽子をかぶった海賊の青年ルフィと、その仲間達がこちらに向かって走ってきていた。
「あれは……ルフィか? アイツら、なんて格好をしているんだ?」
こちらに向かって来るルフィ達の姿を見てディボスが思わず呟いた。
ルフィは以前会った時と同じ服装なのだが、ゾロとウソップは「ワノ国」の式典とかで着られる着物を着ており、ナミは純白のウエディングドレス、そして見覚えのない金髪の青年は白のタキシードを着ていた。まるで仮装大会のような姿であるが、彼らは全員必死な表情をしており、遊びに来たわけではないようだった。
「なあ、ディボス! 俺達、海に出たいんだ! お前達の船に乗せてくれ!」
「はい?」
ディボス達の前にやって来たルフィは開口一番にそう言い、それを聞いたディボスは首を傾げた。
「海に出たいって……? 自分達の船があるだろ? それに乗っていけば……」
「だから! 盗まれたんだよ! 俺達の船が!」
『『ハァ!?』』
ディボスの言葉を遮ってルフィが大声を出し、これにはディボスだけでなく他の仲間達も同時に驚きの声を上げた。
ルフィの話を聞くと、彼らもディボス達と同じくこの島のリゾート地に遊びに来ていたのだが、海水浴をしている最中に何者かに自分達の船、ゴーイングメリー号を盗まれてしまったらしい。そしてゾロ達の格好が以前と違うのは、ゴーイングメリー号を盗まれた時ルフィ以外は全員水着で、代えの服を探したが見つかったのは結婚式場の貸衣装だけだったからだとか。
「ね、ねぇ、ディボス船長……」
それまでずっと無言でディボスとルフィのやり取りを聞いていたモニカが震える声でディボスに話しかける。
「ん? どうした、モニカ?」
「ディボス船長ってばルフィ達の知り合いだったの?」
「え? ああ、まあな。少し前に知りあって……」
「ディボス船長!」
ディボスの言葉の途中で感極まった表情となったモニカが彼に抱きつく。
「私! ディボス船長に拾われて本当に良かった! まさかこんな早くに原作キャラ、しかも主役に会えるだなんて! 私、ディボス船長に永遠の忠誠をここに誓うわ!」
「お、おう? それってどういう「死ねコラ! 羨まし過ぎるんだよ、このクソ野郎っ!」グボホォッ!?」
いきなり抱きついてきたモニカの言葉にディボスが戸惑いながら何かを言おうとした時、白いタキシードを着た青年サンジの蹴りがディボスの顔に炸裂して彼を吹き飛ばした。
「聞いたぜ……! 乗組員が全員綺麗なレディー達で男はお前一人なんだってなぁ……! 男の夢であるハーレムを実現するとは大した野郎じゃねぇか、このクソ野郎。お前だけはこの俺……がっ!?」
「何やってんだこのアホコック!?」
「駄目じゃない! いきなり蹴ったりしちゃ!」
「船に乗せてもらえなくなるだろうが!?」
どうやらサンジはディボスの船が彼以外全員女性のハーレム状態だと聞いて、嫉妬による八つ当たりでディボスを蹴り飛ばしたようだ。しかしサンジはまだ気が収まらず、すでに気絶しているディボスを親の仇でも見るような目で睨みつけ更なる追撃を加えようとしたところでゾロ、ナミ、ウソップの三人に取り押さえられた。そしてその数分後……。
「もう知るか! お前達なんか絶対船に乗せてやらん!」
「そんなこと言わないでくれよ〜。なぁ、頼むよ〜」
気絶から目を覚ましたディボスは怒りの表情で言い、ルフィが困った表情となって手を合わせて頼むのであった。