突然なんでもできるようになった結果wwwww 作:geeeee
激臭さんが俺のことを歓迎してくれたからか、うめいているギャラリーたちもより一層声を上げて俺のことを歓迎してくれる。
まぁ実際は激臭さんのうんこスメールヴォイスで苦しんでいるだけだろうが。
かわいそうに。
「これをつけなさい。あなたも闘士と成るのよ」
激臭さんが空のベッドの上にある、ギャラリーたちが頭につけているのと同じものを持って俺に手渡した。
ピラミッドを2つに切ったような見た目をしている。
ご丁寧にブロックの模様が一つ一つ描かれていてこだわりを感じられる。
色は赤茶色だ。よく言えばレンガのようで悪く言えば赤痢カラー。
ギャラリーの皆様はレインボーなパステルカラーなのに俺だけこの色か。
薄々感づいてはいたが、俺もこれをつけなければいけないようだ。
うめいているギャラリーたちを見ると渋ってしまいそうになるが、俺には能力があるから大丈夫だと自分に言い聞かせる。
言われたとおりにそれを着けようとすると、激臭さんがベッドに座って横をポンポンと叩く。
なんだろうか。もしかして添い寝してくれるのか。
少し照れながら激臭さんの隣に座る。
加齢臭がキツイ。オバさんみたいな匂いで萎える。
香水ぐらいつけたらどうだ。
いや、みんなうんこ臭がきつすぎて加齢臭に気づかないのか。
もしかしたら自分でも気づいていないのかもしれない。
能力は適用範囲がおかしかったりするので自分に影響するものはあまり使いたくない。
うんこ臭を遮断したのはこの匂いを出す人が激臭さんしかいないと思ったからだ。
だけど加齢臭はオジさん・オバさん臭であり、この匂いで中年或いは老年がいることを把握できる。
俺は遮断するか悩んだ末に加齢臭もカットすることにした。
嗅覚障害になりそうだから仕方がない。
やはり遮断してよかった。
これで激臭さんは俺の中では美人さんになるのだ。
憂いがなくなった結果その美貌を楽しめるのはいいことだ。
「何をしているの。そこに寝なさい」
激臭さんが何かを話すたびにうめき声がひどくなるのはシュールだ。
なんとも言えない気分になる。
どうやら隣に座るのは不正解だったようだ。
激臭さんが激臭であるがゆえに俺も少しアグレッシブになってしまった。
ベッドに横になってピラミッドを頭に被せる。
深いヘルメットのようになっていて、奥まで被ると目が隠れる。
その時突然感触が変わって頭やら目やらをぬるいスライムのようなものが覆い始めた。
感触が気持ち悪い。目を閉じようとするも閉じれず、開いたままの眼球にまとわりつき始めて怖気がする。
スライムが真っ白に光りだした。眩しい。
するとファーンっていう音とともに特殊部隊情報部という文字が浮かび上がった。
教育番組みたいなノリに困惑する。
「みなさんこんにちは。今日はティルスの歴史について紹介していきます」
突然始まったな。可愛らしい声だ。
「始まりは16世紀。我がティルス領は始めはマダンという1つの地域国家でした。土地や資源が豊かなマダンはすぐに世界の中心となり人類の進歩をリードしていったのです」
「しかし結界石が枯渇することによってマダンは崩壊してしまいました。そして今は異民族による不当な支配が行われています」
「異民族はティルス人を迫害し虐殺し浄化していきました」
「これらが当時の映像です」
双子の少女が犯されている。
テロップから判断すると犯しているやつはキンディ人のようだ。
少女たちの肌には根性焼きの跡があり、今もまたタバコを吸いながら犯しているキンディ人が肌にタバコを押し付けた。
飽きたのか今度は鉄パイプを持ってきて少女に突っ込んだ。
少女が泣き叫ぶのをみてもうひとりの少女も泣き出す。
地獄だ。最低だ。人間のやることとは思えない。
最後にもうひとりの少女の顔を思い切り踏みつけて次の映像に移った。
幼い子どもが異民族によっていたぶられている。
これは顔つきからしてコラウ人だろうか。
拘束された幼児に生きたまま刃をいれてコラウ人は笑っている。
絶叫がもの悲しい。怒りを覚える。
見ていられない。目を塞ぎたいのに塞げない。
皮膚を完全に剥がれたあたりから幼児は声をあげなくなった。
そして最後に首に刃を入れたところでまた次の映像に移った。
今度は妊娠した女性のお腹を異民族が蹴り飛ばして笑っている。
こいつは独特の服装からテノチ教徒だと分かった。
泣きながらお腹を抱える女性を蹴りつけている。
すぐそばでティルス人の男の頭が見えた。
生首の状態で転がっている。目はえぐられていて血の涙を流しているようだ。
憎らしい。テノチ教徒はなんて野蛮で残酷なんだろうか。
そういった地獄のような映像を何百種類と見せられ続けた。
俺は異民族への敵愾心が膨れ上がってどうにかなりそうだ。
「この程度は1例に過ぎません。異民族の虐殺によってティルス領以外のティルス人は99%以上が消えました」
「何億人といたティルス人がたった数十年で数百万人に減ってしまったのです」
「異民族への復讐心を忘れてはいけません」
「私達が異民族を浄化し、再び偉大なティルスを作り上げるのです」
ファーン
著作・制作 特殊部隊情報部 という文字が浮かび上がって動画は終わった。
なぜギャラリーがうめいていたのか分かった。
こんな酷く醜いものを見せられて呻かずにはいられないだろう。
いつの間にか目に張り付いていたスライムも消えてピラミッドも頭から外れている。
同士たちは起き上がり、静かに闘志を燃やしているようだった。
復讐ものではないです