突然なんでもできるようになった結果wwwww 作:geeeee
俺の部屋に銃みたいなのを持って踏み込んでいる不審者がいる。
全身黒づくめでピチピチのスーツだ。
女だったらまだ許せたがガタイが男だ。
それも3人もいる。
気持ち悪い。
土足で俺の部屋に踏み込むとか舐めてんのか。
なんだよ、いかにも怪しい格好しやがって。
特撮ものの秘密組織かよ。
なんでここに不審者がいるんだ。
なんか俺やらかしたか?
...侵入禁止区域に行ったのがバレたかな。
でも1日も経っていないはずだ。
ここの政府の警察機関は無能で有名なはずだ。
汚職と不祥事にまみれた組織がこんなに迅速に動けるはずがない。
明らかにやばい奴らだ。
敵対種に襲われたことで恐怖が麻痺しているが警戒すべき対象なのは間違いない。
互いになんの反応もないまま少し時間が過ぎた。
もう一度聞こうかな。
「どちら様で...ん゛ん゛ん゛っっ?!」
不審者の一人が近寄ってきて俺の腕を抱え、口をふさいだ。
もうひとりが銃みたいなのを俺の腹に突きつけて撃った。
撃ちやがった。
腹が痛い。意識が薄れていく。
こんなのあんまりだ。
いろんなやつにボコボコにされて不審者に誘拐されそうになるなんて。
進入禁止区域なんかに行くんじゃなかった。
そうして俺は意識を失った。
目が覚めたとき、俺は椅子に縛り付けられていた。
手と足を縄で固定されていて、身じろぎしてもほどけそうにない。
まわりを見渡すとドラマなんかで見る取調室のようなところにいることがわかった。
ガラスの向こう側に優男がいて、俺の真後ろに強面の男がいる。
ひどい扱いだ、人権というものをもう少し考慮してほしい。
やばい雰囲気に声も出せずに縛られた状態でうねうねしていると、
「無駄だ」
と強面の男が言ってきた。
もっとダンディーな声かと思ったらかすれた声だった。
ガラガラ声が酷くて何を言っているのか聞き取りづらい。
少し吹き出してしまった。
堪らえようにもにやけてしまう。
「いだぁ!」
強面の男が思い切り頭を殴ってきた。
「殺すぞ」
強面の男が覗き込んで言った。
目が鋭くてとてつもなく怖い。
ほんとに殺されそうだ。
コクコクと頷いていると
「お前の名前はアンヘル・キーンか」
と今度は優男がハスキーな声で聞いてきた。
意味不明な状況と変な声の男二人に挟まれるというコントみたいな状況に思わず笑いそうになる。
もう笑わないようにと必死に顔を歪ませて首を横に振る。
ブッブー
今度は部屋から頭の悪そうなブザーが聞こえてきた。
音が反響して何重にも重なって聞こえる。
緊張感がねえな。
思わず突っ込みそうになったところで
「あだっ」
また殴ってきた。
あんまり頭を殴るのはやめてほしい。
毛根が死んだらどうしてくれるんだろうか。
「嘘をつくのは無駄だ。お前の頭にはチップが埋め込まれている」
気持ち強めの声だ。
だがかすれて小さい。
どんなに頑張っても威圧感の出ない声に同情を覚える。
というかチップが埋め込まれているのにガラガラボイスは俺の頭を殴ったのか。
「もう一度聞こう。お前の名前はアンヘル・キーンか」
誤魔化せないようなのでおとなしく頷いておく。
今度は馬鹿みたいなブザーは鳴らなかった。
「お前は無能力者だったようだな。いつ能力が発現した?」
「今年の五月です」
「なぜ進入禁止区域に行った」
「能力を試してみたかったからです」
「そこで何をしていた」
「少し歩き回ってみただけです」
そんな質問が延々と続いた。
二度も三度も同じことを聞かれたために気が滅入る。
変なバラエティー番組の嫌がらせかと思ったが、本当に謎の組織に誘拐されたようだ。
それにしても相手は俺の能力を転移能力だと断定しているようだ。
本当に転移能力者だったらすぐに逃げられるというのに。
この部屋には特殊能力対策が施されているんだろうか。
だが俺はバレないように嘘をつこうと思いながら嘘をついてもブザーは鳴らなかった。
やはり俺の能力は格が違うようだ。
数時間後にやっと開放された。
開放されたと言っても、男二人が部屋から出ていっただけだが。
これからどうしようか。
逃げようと思えば多分逃げられるのだが、逃げたのがバレたときに追いかけ回されるかもしれない。
少なくとも寮ぐらしはできなくなるだろう。
それに逃げる宛がない。
能力があるおかげで椅子に長時間座っても疲れなくできるし、脳内でゲームも楽しめる。
この組織の目的が分かるまで、もう少しここにいようかな。
取り調べとか知らなんだ