突然なんでもできるようになった結果wwwww 作:geeeee
特殊部隊とはティルス防衛隊のエキスパートが集う集団である。
侵入禁止区域の探索及び再征服、強力な敵対種の排除、他地域への諜報活動など様々な分野があり防衛に関する事柄を先鋭となって行う。
ティルスの天才たちがそこに集まっているのだ。
特殊部隊のおかげでティルスは負け知らずだ。
毎年少しずつではあるが、生存圏を拡大している。
一般人の俺にとっては手の届かない遠いところにあるもので、憧れであった。
その特殊部隊に配属されるというのだ。
どこか胡散臭いが、それを肯定するような状況がいくつかある。
ならば多少大変だとしても乗らない理由はないだろう。
そう思って耐えていた。
1日が経った。
なぜ分かるかというと能力に聞いたからだ。
俺は監禁されたままだ。
することがなくて部屋を這いずって見たところ、部屋の隅にうっすらと犬がしょんべんしている絵が書いてあった。
舐めている。本当に特殊部隊に配属されるのか疑わしくなる。
能力があるおかげで暇つぶしはできるのが幸いだった。
なんの目的も分からないまま監禁されるのはただただ不安だ。
特殊部隊の訓練はこれよりさらに厳しいのだろうか。
英雄たちは本当にこんなことをやっていたのか。
俺は一体なぜ監禁されているのだろうか。
忍耐力を試されているのか、それとも瀕死になると能力が強化されるなんてことがあるのか。
瀕死にしたいだけなら力でボコボコにしたほうが効率が良さそうだな。
ガラボが合格だと言ってきたのは何だったんだろうか。
合格ならこんなことをさせなくても良くないか。
せめて第一試験とか付け加えろよ。
何に合格したのか考えてみるか。
8623番出てこいという放送があった。
あれは俺のことを指していたのではないか。
合格だと言われたときは既に特殊能力の制限がなかったようだから、きっとあのタイミングで制限を解除されたのだろう。
普通の能力者は能力の制限を感じられるのかもしれない。
出てこいと言われたのに出ていかなくて合格なのか。
何を測っていたんだ。
建物から逃げ出さなかったことか?
逃げ出してよかったのか?
限定的な範囲での制限が設けられるのかもしれない。
こんなおかしなところにいたら脱走が続出しそうだしな。
2日が経った。
まだ誰も入ってこない。
食事もトイレもしていないのに元気そうだというのは怪しまれそうなので、犬の絵がない方の隅でうずくまっている。
一応股間を水でべちょべちょにして周囲にアンモニアも発生させた。
少しずつ不安が強くなってきた。
3日が経った。
湿気った股間はほとんど乾いた。
そろそろ迎えに来てほしい。
脳内で脱出する派とまだ耐える派が争い始めた。
ここまで耐えたんだから、もう少し頑張ろうという意見で落ち着いた。
1週間誰も来なかったら諦めよう。
4日が経った。
実は抜け道があってそこから抜け出せるのではないだろうか。
そう思って、能力でいろいろ探してみた。
質問形式だと精度が怪しいので、視点を飛ばしてみる。
サーモグラフィーだったり赤外線カメラのような機能もつけて調べても何一つ見つからない。
本当に監禁されているだけだ。
5日が経った。
もうどうでも良くなり始めて、ずっと脳内でゲームをしている。
6日が経った。
あと1日で迎えが来るという根拠のない自信が脳を支配している。
能力がなければ間違いなく発狂していたことだろう。
7日目だ。
一週間が経った。
そしてもうすぐ8日目になろうとしている。
8日目が来たら、ここを出よう。
まんまと騙されていたことは悔しいが、しょうがない。
一応最後まで待つが、迎えはもう来ないだろう。
別に辛くも苦しくもなかった。少し不安があったがそれも消えていった。
この能力は本当に万能だ。
一週間なにもない部屋でやすやすと過ごせるというのは驚異的だろう。
不死身になったみたいだ。
おっ、ようやくだ。
厳ついハゲが入ってきた。
能力がなかったら救世主に見えたことだろう。
今度こそ特殊部隊に入れるのだ。そのはずだ。
両手を広げて迎合したいところだが、疲弊していないとおかしいので目を閉じてうずくまったままだ。
ハゲが俺の両足を掴んでひきづりはじめた。
意識を取り戻したフリをしたいが、そんな演技ができるはずもないので大人しくひきづられる。
不協和音がひどい廊下を通り過ぎて、いかにも病室って感じのする部屋に来た。
ベッドに寝かされて、乱雑に点滴をぶっ刺される。
かなり痛い。
そしてハゲが俺の頭をなで始めた!?
「よく頑張ったわね~。明日からあなたは訓練生よ~」
脳が混乱した。
どう見ても男にしか見えないのに、女の声がする。
服装も長ズボンにTシャツだ。
スカートなんて履いていない、ブラジャーもつけていない。
あのハゲの性別はなんだ?
能力が男であると答えた。
変なやつしかいないと思っていたが輪にかけておかしなやつだ。
俺の人生にヒロインはいないのか。