恋とのメールを終わらせて、準備を終えた真澄は現在、PCの前で作業をしていた。
作業といっても、情報を調べていた。
今調べているのは、青い背景に白い鳥がシンボルなアレである。これのおかげで思いがけない情報が手に入ったりするのだ。
「さてっと……他に何かないかな〜」
『今日Roseliaのライブ楽しみっ!』
『紫月行日、偽りに鉄槌を』
『新曲、聴けるといいなぁ〜♪』
『チケット手に入らなかった〜(汗)誰かプレゼントして〜(汗)』
『パスパレの新曲良かったねっ! はなまる◎アンダンテ……勇気貰えるよ……(泣)』
『すごく良かったよね……でも後半に千聖様が全然出てこなかったよね……』
『多分アクシデントじゃない? 橋で怪我をしたとか? ボロボロだったし……』
『また? でも、最初の時よりは全然マシだよね〜』
等々……
"一部"目を引くつぶやきがあるがやはり多いのはRoseliaのライブについてだった。それほど注目されているのだろう。
"違和感"のあるつぶやきについて少し気になり、その人の前のつぶやきを見ることにした。
『青月殺日、パスパレのメンバーが狙われているので、自主的守護参加求ム……』
『橙月山日、絶対に許さない……あんなことをするなんて……』
『赤月丸日、こんな方法があるなんて最高じゃないか。これなら僕は……』
など……いくつかのつぶやきがしてあった。
変化のある部分を調べるとあることに気づいたのだ……
「この文……やっぱ。おかしいよな……何故この書き方だったのか…………っ!?」
とある仕掛けに気づくと、そのつぶやきを全て書き記した……そこである文章が作られていることに気づいたのだ。
「……は……っははは……なるほどな。なら次は……っと!」
その人は本垢でつぶやきをしていたのだ。かなり前のつぶやきを見るとかなり個人的なつぶやきをしていることにも気づいた。
「……に……ん。お……さんっ! おにーさん!」
「ん? あぁ、恋か。そろそろ時間か?」
「さっきから話かけてたのに……それにパソコンで何を見てたの?」
「今日のことについて見てたんだよ。良かったな、Roselia結構人気で新曲が出るってファンから予想たてられてるぞ?」
「新曲? それに関して紗夜姉さんには何も聞いてないけど……最近話すようになったし……あと、日菜姉さんは女物の服を着せようとするし……」
「まぁ家族と仲良くできて良かったな……。とりあえず俺は着替えるけど、チケットに変更はないよな?」
「うん、男女一枚ずつ……でも僕が使ってもいいよ?」
「大丈夫大丈夫……今回は俺がこっち使うから、恋は男用チケット使いな」
そういうと、真澄は【女用のライブチケット】を蓮から受け取る。
「さて、じゃあ少し待っててな。あと今日バイク使うから玄関にあるヘルメット用意しといてくれるか?」
「うん、分かったよ〜用意するの2つでいいの?」
「2つ用意で頼むよ、他に必要と思うなら用意しといてくれるか?」
「了解っ!」
そうして、真澄は女装するようにカツラを用意、外れないよう留め具をしっかりした。
※姿としては、黒いワンピース型で足首まで長さがある服
ワンピースと言ったが上下つながっておらず、下は半ズボンが中に入っている。
「お、おにーさん……それって……」
「ん、まぁ変装してたからな……いなかった時に……」
真澄はそういいながら、あちらの世界に住んでいる、城を持つ我儘ばかり言う少女を思い出していた。少女は両親はいたが、両親とも仕事で忙しく少女の世話はメイドたちがしていた。
そのせいか、我儘ばかり言うようになってしまったのだ。
思い出語りを終わりにしよう
「おにーさん、夕飯ってどうする? 姉さんたち、ファミレス行くらしいし……」
「んー、状況によるかな。まだ分からないし、俺の家で食事しても構わないよ」
「おにーさんの料理! すごく美味しいものね!」
「まぁ、食べたいものあったら帰りにいってくれよ? その時、必要なもの買いにいくからさ」
「うん! あ、でももし他のみんなもきたがってたら……」
「別に構わないさ、2人で食べるのもいいが、大人数で食べた方がもっといいからね」
「そうだね……あっ! そろそろ時間……」
「大丈夫、話をしながらある程度できてるからね」
「ヘルメットも用意したからそろそろ行こ!」
「あぁ、行こうか」
そう言い、家を出てバイクに乗り、ライブハウスに向けて出発する。
もちろん、安全運転でね
ライブハウスにつくと、少し行列ができていた。ほとんどのみんなはRoseliaを見にきたようだった。
Roselia専用のブレードを確認したり、服装の準備をしたり、煙草を吸っていたりなど……さまざまなことをする人たちが並んでいた。
俺たちは、列の後ろに並ぶと蓮からブレードを2つ渡された。
どうやら、推し専用の色を選択し振り回すのだ。蓮はもちろん紗夜のカラーである。ターコイズブルーを両手にしていた。
俺はまだ、決まってはおらず、Roseliaカラーである。ダークブルーを選択した。途中でターコイズブルーに変更できるように機能をセットをして。
列がそろそろ動き始めるのだろう。前の方から歓喜の声が聞こえてくる。それに混じり、この世界に戻った時聞いた声が聞こえた気がした。それに合わせてあの世界で幾度となく感じたモノが身体中を駆けめぐる。
どうやら、アタリだったらしい。
たまたま見つけた情報の謎を解き、今日でなければ良かった。此処でなければ良かったとどれほど思っただろう。
やはり、あれは……こういうことのためだったのだろう……
「恋、先に言っておく。もしかしたら、ファミレスで食事になるかもな。Roseliaともとれる……なんてな?」
「まぁ、紗夜姉さんなら一緒にとってもいいって言ってくれるよ」
「その時になったら、また言うからな。何があってもその通りに動いてくれよ? 恋」
「でも、おにーさんの料理……食べたかったな」
「またいつでも作ってあげるから。な? そろそろ観客席に着くから、そんな顔いつまでもするなよ?」
「そうだね! 紗夜姉さん自らチケットくれたんだから……楽しまないと……!!」
「姉さん本人からチケットを受け取ったのか……でも、なんで男女1枚ずつだったんだ?」
「それは命さんと一緒にいることが多かったから……多分そのせい……なのかな?」
「なるほどな……誘われたと勘違いしたのか……ならしょうがないのかな?」
「次から、人数聞いてしっかり渡せるようにするよ……」
「その確認不足でこうなってるのか……まぁ、そのおかげで……っと、席はここら辺かな」
「えっと……ここの2つみたいだね」
会場内に着き、自分たちの席を見つけだす。座席の下は空洞となっており、荷物置きになっている。
そして、軽い荷物管理をすると会場のライトが消え始める。
スタッフからの演奏中の注意喚起、水分補給をしっかりとることを説明された。
そして、待望のライブが始まるのだ……