猩が起き上がり、恋と一緒に部屋に入ると箸を持ち、顔を青くした命とルンルン気分で料理を出しているシアンの姿が見えた。
「……シアン、とりあえず料理はそこに置いといてあとは座って置いてくれ。恋、命のこと見といてくれるか? 料理を一品新たに作っておくからさ……」
「え、えっと……ハイ……」
「命、大丈夫か? 今新しいの作るからさ……飲み物でも飲んで待っててくれるか?」
「わ……分かったわ……。シアンさん、アナタの料理……独特な風味を感じたわ……私も感じたことのないくらいね……」
「み、命さん……少し飲み物飲んでください。紅茶にしますか? それとも、お茶にしますか?」
「紅茶でお願い……ミルクは多めに、砂糖は無しでいいわ……」
「了解です」
そう言って、パタパタと足音を立てて、キッチンに向かい、猩にティーセットと茶葉を用意してもらい。お湯も貰い命の席に向かう。
「命さん、これどうぞ……ミルクティーならたしかに胃に優しいですものね……」
「ええ……少し前にチラッと見たことがあったけど、これほどありがたいのは身に染みたわ……。それに、恋の優しさも感じられるわ」
「え? そうですか?」
「そうね、今までもそうだったけど、今なんて、すぐに飲めるように飲みやすい温度にしてくれているもの……そういう心遣い……私好きよ?」
「あ、ありがとうございます……」
恋はそう言われるとトレイで真っ赤に染まる顔を隠すのだった。
そして、のんびり過ごしていると、料理が完成したようだ。
「ほら、命。これでも食っておけ。恋も同じので構わないか?」
「う、うん。大丈夫ですよ、おにーさん」
「これは……リゾット?」
「ん? ああ、そうだね。少し胃が荒れてるから少しでも負担を軽減するためにリゾットにしたよ。チーズ風味にしてね。
「そう……ありがとう」
「さて、シアン。俺との約束忘れてたな……?」
「すいません、気分が高揚してしまい。約束のことを消失させてました……」
「謝る相手が違うからな? とりあえず今回は俺も悪かったしな。だが、今後は約束を忘れずにすること……分かった?」
「はい……気をつけます。命さんも申し訳ありませんでした……」
シアンは命に深々と謝罪するのだった。
猩はそれを見るとシアンにも2人と同じリゾットを出した。
「シアンも、この料理を食べさせる訳にはいかないからな。他の2人と一緒にしたぞ? 後に残っている料理は俺が食っておくからさ?」
「「え……?」」
そう言って、シアンの料理に手をかけ食べ始める猩。
それを見て顔を青ざめていく恋と命……命はその料理を体験しているからか、その異常さはより理解している。
その2人の目線を感じながらシアンの料理をモグモグと平らげていく。
「し、猩? 大丈夫なの……?」
「ん? あぁ、シアンの料理のことか。実はシアンの腕は料理に関しては俺以外には壊滅的なんだよな」
「え? それって……」
「別に俺が変ってわけじゃないんだよな。シアンの腕が異常で何故か俺以外にはヤバいものになるらしいんだよな……不思議だよな……」
「たしかに……おにーさん、味音痴ってわけではないし。逆に隠し味が分かる時あるよね?」
「そうよね……不思議だわ……」
「そういや、2人とも今日予定はあるんじゃないのか? さっきからスマホ、振動しまくってるぞ?」
「「え? ……ぁぁあ!! 練習忘れてた!」」
「とりあえず、準備しときな……メンバーはいつもの?」
「普段のメンバーだよ。バンドの練習あって、サークルってとこで集合だったんだけど……すっかり忘れてたわ」
「急ぎましょう! 命さん!」
「それ、俺も一緒に大丈夫か?」
「大丈夫! 今日は+1名とってるから!」
「よし、なら……命バイク乗れたっけ?」
「乗れるようにしたわよ? でも3人だと……」
「そしたら、俺が恋を後ろに乗せるから、命はそのままサークルに行ってくれ。後ろを追いかけるから」
「分かったわ」
「楽器は……どうする? 俺の使うか?」
「んー……一応今日は練習っていうけど、次のライブの会議なのよ」
「そうか、なら念のために用意はしておくよ。たしか……命はボーカルで恋はギターだったよな?」
「はい、そうですよ!」
「オッケー。準備できたか? 2人とも」
「大丈夫です!」
「いつでも行けるよ」
「よし、なら命先導は頼むよ。恋、後ろに乗ってしっかり掴んでくれよ? 怖かったら言ってくれ」
「了解です、おにーさん!」
その声を聞くと同時に命はバイクを出発した。
猩も遅れないように見失わないように、恋を後ろに乗ったことを確認し、出発するのだった……
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「もー、みこっちゃんも恋ちゃんも猩くんも遅いよー!」
「社さん、ちゃん付けやめてくださいね?」
「えー、みこっちゃんはちゃん付けいいのに?」
「命さんは、いいんですけど。社さんはちょっと……まぁいいですよ」
「ハハハ、恋も諦めたか……」
「まぁ、何度もやられれば諦めもするだろう。それで? 今日どうする?」
「一応ライブに関して〜ってことで集まったけど……順番から決めてこーぜ」
「そうね、それと今回猩は演奏するのかしら?」
「んー、どうするかな。今回は観客として見るのもありだし、ラスイチで参加もあり……?」
「そうですね。ラストに参加からいってもいいですね」
「なら、最後の曲は……新しく作ってみるか?」
「そうね、個人で作っていないのは……夕也と猩の2人だったわね」
「あー、まぁ、そうだな……作んないとな……でも、さっぱり歌詞が浮かばないんだよな」
「別に絶対作れって訳じゃないさ。一応目処をつけて、1週間前くらいならなんとか対応可能だろうし」
「それじゃ、ラストは1週間前に確定だな。あと……2、3曲かな?」
「2曲ね。カバーでいいんじゃないかしら? オリジナルで演奏したのたしか……【昔の君の笑顔】と【C.T! Dream!!】だったよね? そしたら……【交差する2つのオモイ】でいいんじゃないかな?」
「えぇ!?」
「私はあの曲好きだな〜」
「なら、それにしますか?」
「そうしましょうか……あと1曲はカバーだね」
「オリジナルばっかだと、知らない人もいるからね。でも、何にしよっか?」
「それも、後に回していいんじゃない? それで各自決めてきて、選曲! どう?」
「構わないよ」
「それも面白そうですね!」
「良いと思うよ」
「よし! なら、あとは遊びましょうか?」
「んー、そうね」
「5人か……ならアレでいいんじゃないか?」
「そしたら、ネット喫茶でやる? それとも各自自宅?」
「自宅にしとこ、喫茶に行くのも面倒だしさ」
「ん? 何をするんだ?」
「あ、おにーさん。実は……」
「あ、猩は自宅にPCとネットは入れてる?」
「調べることがあったから買ったけど……」
「あ、そしたらノーパソの俺が猩の家で教えながらやるよ」
「オッケー! そしたら、初期のとこで待ち合わせしてやりますかね!」
「あ、連絡先も加えないと!」
「そしたら私が招待しておきますね!」
「よしよし! それじゃ、また後でね!」
「一応ノーパソ持ってきてたから、そのままいくか……」
「そうするか、夕也……で? 結局何をするんだ?」
「始めてフルメンバーでやることになりそうだね!」
「あぁ、猩はしたことないよな? 最近5人でNFOを始めてたんだよ。パーティーは6人組めるんだけどな…………」
そうして、夕也からNFOの話を聞きながら軽く演奏を通し、解散となった……
人数間違えてしまった…