ただしNFO今回だけかもしれないです。
「さて、猩。そろそろ始めるとするか」
「たしか……NFO……だっけ?」
「そう、NFOというのはだな。『Neo Fantasy Online』というやつでネットゲームだ。フレンドと会話する際チャット又はボイスチャットをする必要がある。今回は、ボイスチャットをするためにこのアプリを入れといてくれ」
そう言うと示していたアプリは、角の丸まった四角形に赤オレンジ色の斜め線が2つ入ったアプリであった。
「このアプリなら複数人でも会話できるし、何時ログインしたか分かるという優れものだ。インストール……まぁ、NFOをPCでしながらやろう。ってアプデもきてたのか……」
「お、おう」
「そうだな、操作をする際どうする? コントローラーを使うのとキーボードを使うことができるが……?」
「そうだな……キーボード操作はいきなり厳しいと思うから、コントローラー操作で頼む」
「了解。さて、アプリもインストールされたし、みんなのところに招待するぞ?」
すると、インストールされたアプリを開き、操作をテキパキとし、いつの間にかとあるルームに招待されていた。
そのルームにはもう、5人入っていたのだった。
「このアイコンの下にある緑の4人っていうのがボイスチャットに参加している人数だ。つまり、いつものメンバーがもう参加していることを表しているんだ」
「てことは、これに入れば通話状態になるってことだな?」
「正解。さて、これに参加してNFOを進めていこう」
そうして、アイコンをタップし会話に参加するのだった。
すると先につけていたワイヤレスイヤホンから声が聞こえ始める。
『……それで、紅ちゃんは今回何でいくの?」
『私ですか? 私は……って、猩くんっ!! いらっしゃーい!!」
『ちょっ! 紅っ! 音量下げてっ!』
『大丈夫ですっ! 音量は個人個人で下げれるので!!』
『あはははっ……』
少し騒がしくなってしまった。
『それで、夕也? 猩はあとどのくらいで入れるのかしら?』
『ん〜。一通り……アプリのことは話した!』
『アプリじゃなくNFOについては?』
『あっ……』
『…………あとで、お仕置きするわ。絶対』
『えっ! ちょっ!』
『さて、猩。説明は軽めにした方がいいかしら? それとも、始まるとこを含めた説明した方がいいかしら? それとも、始まりの村に着いてから説明した方がいい?』
『あー! 命さん、ずる〜いっ! 私が説明したいですっ!』
『まぁまぁ、落ち着いて。初心者になるのだから紅ちゃんが猩を守ってあげて欲しいの。ね?』
『…………』
『こ、紅さん……?』
『ご、ごめんなさい。ちょっと衝撃が強くて……でもそれ最高っ!!』
『いい子ね? さて、多分もうそろそろキャラクターの設定終わったかしら?』
『キャラクター制作のことだよな? あとは職業設定だけだが……みんなは何にしてるんだ?』
『そうね……私は盗賊のシーフね。宝箱にかかった罠だったり、道にある危険物を取り除いたり……あとは、モンスターから素材をぶんどったりするやつね』
『私は弓使いのアーチャーだね。遠距離からチクチク攻撃する役割を今してるよ!』
『私はヒーラーで今……魔法使いも上げています。とある条件であげる職業がもうすぐ解放されるので……今回はヒーラーとして行きますね』
『俺はタンクの役割をしてる。最近やたら前に出るやつもいるが……なんとかな?』
『俺は戦士の役割をしてる。剣を使ってはいるが……たまに攻撃をミスるがなんとかなってるよ』
『ふむふむ……なるほどな……軽くまとめておくぞ?』
命→シーフ(盗賊)
紅→アーチャー(シルフ)
恋→ヒーラー(僧侶)
社→タンク(盾使い)
夕也→戦士(剣士)
『これで大丈夫かな?』
『そうそうオッケー!』
『これなら前衛の方がいいかな?』
『んー……まぁ、みんな好きなの選んでいるし大丈夫じゃない?』
『なら、俺はこれにするかな?』
そう言って、選択したのは魔法も使え、近接もできる魔法戦士であった。
『これ、周りの状況みながらバランスとらないといけないいわゆる上級者向けのやつだよ? 慣れればかなり強いけど……』
『まぁ、いいんじゃないか?』
『いいですよ!』
『ならこれにしとこうかな?』
そうして、魔法戦士を選択したのだった。だが、その時自分のアバターにノイズが走ったのは誰も気がつかなかった……
『……よし! それじゃ始めるとするか!』
『そしたら、最初に噴水の前に立ってると思うけど、あまり遠くに行かないでね? 今から向かうから』
『了解。軽く操作して、慣れておくよ』
そしてNFOをスタートする。
そして文字が流れ出す。
【welcome to NFO!!】
そして、画面が暗転し、少ししてロードを始める。
ロードを終えると村の風景が流れ出す。
いくつも建つ木造建築。
一際目立つ、冒険者ギルド。
八百屋の前で話をしている女性たち。
汗を流しながら、鎚を振り下ろし、カンカン鳴らし武器を整える男性など。
さまざまな村の様子が流れ始めた。
およそ全体を見たのか、村の中央部にある噴水にカメラが動く。すると……
先ほど作ったアバターが足元から形成される。
全体が作られるとカメラのアングルが第三者視点から主観視点に変わる。
左上に緑と青のゲージがあり、その上に【〇】とだけ付けられた名前があった。
自分の服装を確認すると普通の初心者用の防具一式と胸の高さくらいの長さの木剣が1つだけ装備されていた。
そして、あることに気づく。
ここの風景を見たことがあることに……
『もしも〜し? おにーさん?』
『…………』
『あれ? 聞こえてないのかな?』
『…………』
『どうしたんでしょう? 会話は……切れてませんし……?』
『……いや、なんでもない。少し見覚えのある風景だって思っただけだ。始めてやるゲームなんだけどな。ははは……』
『まぁ、会話切れてないなら大丈夫ね。とりあえず今そっちに向かっているから……あと3分くらいで着くわ』
『了解……今のうちに飲み物用意しておくよ』
そうして、画面から視線を離し、冷蔵庫からお茶の入ったペットボトルを取り出し、またPCの前に戻り視線を戻す。
その時には、お茶を取りに行く前にいなかった人物が到着していた。
『すまない、待たせた』
『ん? 大丈夫大丈夫。さて何から話そう……?』
『軽くこの世界について話をした方がいいかしら?』
『あ、そうだな。それじゃあ、説明をお願いしてもいいか?』
『それじゃあ、軽く説明しますね!』
『この国は、フライクベルトと呼ばれていて、中央部ではいつも戦争を起こしている大陸です。私たちが今いるのが最東端の最果ての村で……確か村の名前が……なんだっけ?』
『旅立ちの村と言われて、ゲームの中で一番安全な憩いの場所……まぁセーフエリアだな』
『そうそう! まぁ、村から出たとしてもモンスターはほとんど出ないしクエストも比較的簡単なやつばっかだから安心きてね!』
『そして、この村に村長がいて……ダンタイン? だっけ?』
『ダンケインだよね? たしか?』
『ダンケインだね』
『……ダンケイン……?』
『ん? どうかしたの?』
『なんか……すごい懐かしいような……いや見たことがある気がする。その村長の名前も……それに大陸のフライクベルトも……始めてやるゲームなのにな……』
『んー、まぁCMとかやってたからそれで見たことあるのかもね? まぁそのダンケインって言う村長は元々有名な勇者の一人なんだよね』
『まぁ、怪我して戦えなくなってからこの村で長をしてるんだって』
『それで今回する予定なのは……下働きのジェイクって人の依頼を受ける予定だよ』
『変なことしなければすごく簡単なクエストだからまぁ、強いモンスターがきても私たちがいれば大丈夫だけどね』
『確かTop10が2人だよな?』
『いや〜やることなくて暇で暇で〜あっ猩くんのことも守るよ?』
『手が空くことが多くて誘われること多くて……それと守る役割はタンクの俺な?』
そう言うのは紅と社の2人であった。
調べてみると、2人は超難関クエストを初級職でノーダメクリアしたことがあるようだ。
遠距離から紅が適切な攻撃を加え、敵のヘイトを盾使いの社が攻撃を捌く。時々紅がヘイトをとることがあるが、すごい回避能力で全ての攻撃を回避するのだ……
『なるほどな……てことは、今回受ける依頼ってのがジェイクって人の依頼なんだよな?』
『うん、その予定だよ?』
『そしたら時間を少しもらっていいかな? この村を少し探索してみたいし……』
『んー、そしたら少しだけ分かれて時間空けて合流する?』
『構わないわよ?』
『大丈夫ですよ』
『いいよ〜』
『了解』
『そしたら、私武器の手入れでもしてるわね』
『僕は、おにーさんのとこにいようかな』
『そしたら、俺と恋が村の探索にしようかな?』
『了解〜じゃあ、あとでね〜』
そう言って他の人は各自やっておきたいことがあるのかバラバラに動く。
そして、猩と恋が噴水の前に残った。
『それじゃあ、おにーさんどうする?』
『少し気になる場所があってね。もしかしてあるのかな〜って思って』
『気になる場所?』
『あるか分からないけどね? でも、一度見ておこうと思って、もしかしたら知ってる場所かもしれないし……まぁあり得ないけどさ』
『気になるなら行ってみようよ。それで何もなければ全然かまわないですし……』
『ありがとな……恋』
『それじゃあ、行きましょう!!』
そうして、2人は噴水の前から歩き出した……