異世界帰りの○△の弟!?   作:酔生夢死陽炎

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少し文字に色をつけてみました。
別にいらないと感じたら今後は、つけないようにします。


NFO 村を一望できる墓

 

 

 噴水の前から離れ、村から少し離れた道を歩いていく2人

 

 猩を先頭に進んでいき、恋はそれに付き添い共に歩んでいく

 

 

 

 

 

『…………』

 

『おにーさん? いったいどこに向かっているの? この先たしか高台で村全体見ることと誰かの墓しかないですよ?』

 

『高台で墓……か……。いや、その墓に今用事があるんだ。それに…………』

 

『???』

 

『多分……いや、その墓で確証が持てそうなんだ。ごめんな? 恋……』

 

『いえいえ! 僕もたまにこういうのもありだと思いますよ! 戦いばかりだと疲れますし!』

 

『そうだな……っと』

 

 

 

 

 

 話しながら進み続け、とうとう村全体を見渡せる高台についた2人

 

 そこの中央には墓石と供えられた花束があり、淡い紫の花びらが辺り一面、美しく舞っているのだった。

 

 

 

 

 

『あれ……? 花が供えられているね?』

 

『この花は……』

 

『多分春紫苑かな? それとも姫紫苑? 前見たことあるけど……』

 

『いや、この花は紫苑だよ。春紫苑じゃない。似ているけど違うんだ』

 

『そうなんですね……でも、なんでこれがあるんでしょう? 前来た時は何も無かったのに……』

 

『それは分からないが、確証が取れた……ここは…………』

 

 

 

 

 

 その続きの言葉を繋げようとすると墓石から淡く光り始める。

 

 その光源は全てを包み込むように優しい光であった。

 

 

 

 

 

『!? な、なんですか!!?』

 

『…………』

 

 

 

 

 

 光がだんだん収まり、縮小していき、掌サイズになると弾け飛び、それに驚き目をつぶってしまった。

 

 目を開くとそこの墓石の前にとある人物が立っていた。

 

 レモン色のドレスを纏い、銀色の髪をストレートに流した少女が立っていた。

 

 

 

 

 

『…………』

 

『これって……新イベント……? でもなんでこんなところで……?』

 

『この村は元々、小さな街だった……』

 

『え……?』

 

『高い位置に小さな城……とまでいかないが建物が建っており、そこに姫様も住んでいたらしい。それはそれは美しく、街の人たちから慕われた優しい姫様だった。村の人たちとも仲が良く、姫様は時々こっそり、街の人たちと遊んで過ごしていた』

 

『……』

 

『とある日、ある少年がボロボロの姿のままこの街に運ばれてきた。片腕は取れ、片目には石が突き刺さっており、生きてるのか死んでいるのかわからない状態だった。たまたま遊びに来ていた、姫様はそれを見ていたのだろう。すぐに近づいて容体を見ていた』

 

 

 

 

 

 そんな話をしながら、猩はその姫様の姿をジッと眺めていた。

 

 その目は、寂しさ・悲しみ・嬉しさ……そして、ほんの少しの怒りを灯していた。

 

 

 

 

 

『その姫様はとある希少の魔法が使えた。それは治癒魔法で、普通の治療とは違い自身の体力を使い相手を癒す効果があった。その少年の怪我を治すために姫様は自分自身が倒れるまで体力を分けてくれたんだ。まあ、その甲斐もあり少年は生きることができた』

 

『おにーさん……?』

 

『まぁ、話は飛ぶが……その姫様のおかげで死にかけた少年は生きれた。だが、とある魔族によって街は滅んだってことだけ』

 

『……その少年は、その姫様はどうしたんですか?』

 

『少年は冒険者になり、何処かにいっていて生き残れた。だが姫様は街の人たちをほぼ全員逃がし……死んだ』

 

 

 

 

 

「あら、こんな場所に来るなんて……何年振りかしら?」

 

『……あぁ』

 

「来てもらっても申し訳ないけど、ここには誰かを待ち続ける亡霊しかいないわよ」

 

『……あぁ』

 

「あれ? でもあなた……」

 

 

 

 

 

 そう言って亡霊の姫は猩の周りをぐるっと回ると正面に立つと何やら気づいたようだ。

 

 

 

 

 

「あなた、私と出会った少年に似てるわ……自分が傷ついても他人を心配する。何より家族を1番に親友をその次に思うその少年に……」

 

『そう……だな……』

 

「うんうんっ! なら……君にならこの力を授けるよ! 私のもう一つの力! 治癒魔法もあったけど、それよりもあなたに必要と思うこの魔法をあなたにっ!」

 

 

 

 

 

 そうして、姫様は手を猩に向けると光の球が現れ、猩に向かって飛んでいく。そしてその光は猩に触れると弾け、身体に入っていった。

 

 

 

 

 

「これは私が持ってる最強にもなり、最弱にもなる防御魔法。誰かを思う気持ちによる魔法……」

 

『…………』

 

「あなたなら、きっとこの魔法を扱えるはずよ……いつも……いつも私じゃない誰かを思うあなたならね……それともう一つっ!」

 

 

 

 

 

 姫様は手を地面に向けると丸型に象られ、土が掘り起こされる。すると、一つの宝箱が出現した。

 

 

 

 

 

「これは私の家から古くから伝わる武器。これをあなたに託すわ! 何故かあなたになら、いえ。あなただからこそ! これを託してもいいって思えるの」

 

『…………』

 

「もし、その少年がいたら本当はその子に託したかった。でも、あなたが来てくれた……あの子にす〜っごく似てるあなたが……」

 

『…………』

 

「でもねもし、あの子に会えたら私は…………」

 

 

 

 

 

 その次の言葉は聞こえなくなっていた。

 

 猩と恋……2人が同時に瞬きをした瞬間、風が通り過ぎ再び目を開くと、姫様が首にかけていたネックレスが地面に刺さっていた。

 

 そのネックレスは形は歪な姿をしているが、何年も何十年も経ったような錆がついていた。

 

 そのネックレスを拾うとメッセージが2つ届く。

 

 一つはアイテム用のメッセージ、もう一つは運営からのメッセージであった。

 

 アイテム用メッセージを見てみる。

 

 

 

 

 

 

 

【思い出のネックレス】

 

 このネックレスは製作者の思いが込められてるられており、効果は????? 。だが、これを装備できるものは複数の効果から一つ選択し、固定化することか可能である。(売却不可アイテム)

 

 

 

 

 

『…………』

 

『おにーさん……宝箱からはこれが出てきたよ』

 

『……やっぱりか』

 

 

 

 

 

 恋が宝箱から出したのは一本の武器であった。その武器は持ち手の部分しかないが、魔導媒体が含まれていた。

 

 猩は手を取ると魔力を流すと光り輝く。

 

 その持ち手からは紫の光が帯び、長い棒になる。

 

 軽く振り回すと鞭の様にしなり、巻き付いたり、剣の様に鋭い刃を持ち、ありとあらゆるモノを切り裂いていく。

 

 ある程度、その武器を使用していき、動作確認をしていく。

 

 その動きはまるで、歴戦の戦士が自身の武器を振り回す雰囲気を出していた。

 

 

 

 

 

【思想の引鉄】

 

 思いにより、どんな武器にもなれる。鞭のようにしなり、剣のように鋭い一撃を出すこともできる。

 

 杖の持ち手に繋げると威力が上がる。

 

 

 

 

 

『ありがとうな、恋……』

 

『ううん……大丈夫だよ。おにーさんこそ大丈夫?』

 

『あぁ、大丈夫だよ……ここに来れて良かった……そう、思えた』

 

『少し、時間空けて村に戻りましょう……』

 

『いや、ここは閉じると思う……多分、俺をずっと待っていたんだろうな……製作者もきっと……』

 

『??』

 

 

 

 

 

 その言葉を聞き、問いただそうとし、振り向くと、メッセージを開き、何かを読んでいた。

 

 

 

 

 

『さて、待ち合わせのとこに戻ろうか……今はこのNFOを楽しもう!』

 

『そう……ですね! みなさんも待っていますから!』

 

 

 

 

 

 

 

 そして、墓の前から2人が消えると、墓はだんだん消えていき、やがて完全に消え去った。墓のあった場所にはあの姫様が立っており、笑顔で旅立ちを祝していた。

 

 

 

 

 

 とある場所では、このイベントが発生した時。同じようにメッセージが届いていたことは、その本人しか知らない……




完成はしてましたが、約束を見に行ったり、仕事が休みになったりなど色々ありやることができませんでした…
あとモンハンですね。これからは書く余裕ができるのでちまちま書いていきたいと思います!

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