結構オリジナルな展開になってきました。原作を組み込むのが、シナリオの都合上、厳しいと判断しました。ですので、原作通りを期待していた皆さん、申し訳ありません。それでも良い方は、お楽しみ下さい。
では、本編を開始します。
翌日
[CiRCLE 2番スタジオ]
「…皆、今日は集まってくれてありがとう」
『………』
昨日の今日で、雰囲気も良いものとは言えない。それでも、Roselia全員の眼には、前までなかったものが宿ってるようにも感じる。覚悟か、はたまた未来への渇望か。
「まずは………この間は御免なさい。事を急いてしまって。」
『………』
謝罪。少し意外だ、とでも言わんばかりの顔を皆々がする。それを目にも留めず、友希那は続ける。
「やはり……私は、間違ってた」
「友希那……さん」
「友希那さん!」
「……あこ?」
不意に、あこが声をあげる。
「あこ!Roseliaを辞めたくないです!!」
『……私も!/アタシも!/あこも!』
『……え?』
皆の声が綺麗に重なった。皆の意志は、もう決まっているようだ。
『…ふふっ!/…あはは!』
「あはっ!皆一緒みたいだね~☆」
「…最初は、頂点を目指す事と、……日菜を見返す事から私はRoseliaでギターをしていました。しかし………」
──今では、"自分の音"を見つける為に、Roseliaで皆さんと……『バンドがしたいんです』──
「紗夜………」
紗夜、貴女から『バンドがしたい』と聞くとは思わなかったわ。実力次第で、辞めるとばかり思っていたわ。けれど、貴女は……
「あこも!ずっとお姉ちゃんを追いかけてました!でも……」
──あこは、『Roseliaのカッコいい』を見つけたいんです!だから……ずっと『Roseliaで演奏したい』です!──
「あこ………」
貴女は、ただまっすぐ進み続けてきた。最初に私に話しかけてきたあの時から、ずっと………だからこそ貴女の『Roseliaで演奏したい』と言う言葉が、とてもカッコ良く感じるわ。
「…私も、皆さんと…一緒に演奏して……楽しかったです。だから………」
──私は……Roseliaを…辞めたくないです!これからも……『Roseliaで…ピアノを……弾きたいです!』──
「燐子………」
燐子は、私達の中で一番変わったわ。ライブと聞いて、顔が真っ青になってたあの時から比べると、本当に成長したわね。
「アタシも、Roseliaで演奏してるうちにね……」
──皆と演奏したいって……『Roseliaとして、これからも演奏したいって、思えてきたんだ!』──
「リサ………」
リサには、とても迷惑をかけたわ。それなのに、ずっと側にいてくれた。迷惑どころか、Roseliaの皆と演奏がしたいとまで言ってくれた。…なら、私も。
「…私は、お父さんの音楽を認めさせる為に、バントを始めたわ。それでも…」
『……』
「貴女達は、ついてきてくれた。皆…私は…………」
──私は、このメンバーで、Roseliaで頂点に立ちたい!『Roseliaのボーカル、湊 友希那として!!』──
『………湊さん!/友希那(さん)!』
……こういう事なのね、刄さん。貴方は、
「……ありがとう、刄さん」
数日後
[羽丘女子学園]
「…アイデアが浮かばないわ」
あれからFWFでは新曲をやると決め、2、3日経ったけれど、どんなコンセプトにするか、未だに決まっていない。
「………誰かに聞いてみようかしら」
……あら?あの人は……あの人に聞いてみましょうか。
[羽丘女子学園 屋上]
「……ふぅ」
「…美竹さん」
「っ!?……湊さん、どうしたんですか?こっちには湊さんの教室、ありませんよ?」
「…わかってるわよ、それくらい」
「じゃあ、どうしてここに?」
私は美竹さんに、新曲の作曲で、詰まっている旨を伝える。……質問をすれば、何か掴めるかしら?なんにせよ、頼ることを教わったばかりなのだから。
「……私はこれまで、自分には歌しかないと思って歌ってきたわ。」
「………」
「だから、歌うしかなかったから、歌ってきた。……美竹さんは、そういった経験は、ある?」
もう、今までのような歪な向き合い方はしていない。……でも、『歌しかなかった』というのは、今でも変わらない。
「……少し前までは、そんな経験はしたことありませんでした。……でも、家の…華道に向き合い始めて、"自分達の居場所を守るには意見を押し通すだけじゃなかった"って気づけました」
「……」
「……こんな『選択』も、あったんだって、思えるようになったんです。結局、こうして後になって気付く事も、"自分の意志"で選択した事なんだって、思うんです」
「……"自分の意志"で、『選択』する…」
……そういう事だったのね、刄さん。
……貴方は私達に、『自分で選択する』事を、教えたかったのね。周りに頼っても、最終的に決めるのは……
「…これは、アタシの意見ですから。参考にならなかったからって、文句言わないで下さいよ?」
「…いえ、とても参考になったわ。……ありがとう」
……いけそうね。……『選択』。……あら?美竹さん、まだ何か言いたげね。
「…湊さん、フェスでは、最高の演奏をして下さい。湊さんには……Roseliaには、最高の演奏をして欲しいです。期待してますとか、そういうのじゃないですけど」
「……当然よ。最高の演奏、見せてあげるわ」
……もうすでに、私は──
──自分の意志で、『選択』したのだから
ということで、第14話が終わりました。
彼の言葉は、この事まで読んでの発言でした。『選択』する事。それが、Roseliaを、どう変えていくのでしょうか。次回は、遂に新曲が完成する。そして、友希那の『選択』とは……?青薔薇は、もうすぐ咲き乱れる。
次回『過去よ、さようなら』