他の方の小説を見て、「自分の小説、読みづらそうだなぁ」と思ったので、少し書き方を変えます。主な変更点は以下の通りです。
1.会話の前の名前を最初の1文字のみ表記
2.会話文の改行なし
これらに関しては、すでに終了したので、ご安心下さい。
では、本編を開始します。
『……え?』
私は、今日のFWFで、『今まで』に終わりを告げる事を決めた。皆、とても驚いているように見える。…私らしくないことを言っている自覚は、私にもある。
「…私は賛成です」
「紗夜?」
「私達は、自分達で選択をして、進んでいくんです。友希那さんは、『今までの自分』に区切りをつけて、これからを歩もうとしています。なら、私はそれに異論はありません」
「紗夜……」
「……私も、友希那さんの選択を……信じます。進もうとする友希那さんを、応援します」
「燐子……」
「アタシも、友希那の事を……Roseliaの皆の選択を、信じるよ!これが、アタシの選択だからね☆」
「リサ……」
「……あこは、わからないです」
……そうよね。中にはそういう意見を持っていて当然。あこは、まだそういった決断の場数が少ない。わからないのは、当然よね。
「…このライブで、LOUDERを演奏しなくなるって考えると……寂しいんです。今まで沢山歌った曲で、あこが好きな曲の1つなので、余計に…………」
「あこちゃん……」
「あこ……」
「宇田川さん……」
……どうするのが正解なのかしら…?でも、LOUDERは謂わば『過去』。過去にすがる(過去を歌い続ける)事は、未来には、あまり繋がらない。
「……でも」
………あこ?
「あこは、信じます!友希那さんの……ううん、Roseliaの皆の事を!!」
「………あこ…ありがとう」
……本当に強いわ…この中の誰よりも。皆年上で、体格も違って、そんな中でRoseliaのドラマーとして、私達についてこれるのかしら?と、何度か疑った事もあったけれど……杞憂だったみたいね。……私には勿体ないくらい良い仲間を、私は持てたのね。
「皆、ありがとう。あと、いきなりでごめんなさい。でも、これからを見るのに、過去にすがるのは良くない、進む自分達の足枷になると思ったの。それに、これからは、私達の意志で進み続ける。だから、
──私達の意志を謳う時よ──
[Roselia楽屋]
「……不思議だね」
「…今井さん?」
「本当に立ちたいところに立つ前って、こんな感じなんだね。緊張とか不安もなくて…なんかこう……"無"って感じ?」
「……そうですね、私も"無"という感じです」
「懐かしいな~。最初のライブ、アタシがっちがちだったからね~」
「あの時のリサ姉、何時もと違ってたもんね~」
「あっはは……やっぱり気づかれてたかぁ~」
……いつの間にか、こんな雰囲気が、心地よく感じるようになっていた。昔の私なら、こんなこと感じさえしなかったわね…。
「…思えば、Roseliaも、私と湊さんの2人が出会い、このFWFを目指すところから始まりましたね」
「…そうね」
「色々な事情を抱えた私達が出会い、音楽を利用し、何かを乗り越えようとしていました。……正しいかどうか、わからなくても……」
「………」
「あの時の湊さんと私は、どこか似ていると思っていましたが…今では、全く別の道を歩もうとしています」
「別の……?」
「湊さんは、過去に区切りをつけて前に進もうとしています。私は……今までの事を全て背負って前に進もうとしています。だからこそ、私は今日、日菜をここに招待しました。」
…別の道。普通なら進み方が違えば、バラバラになってしまうと考えてしまうけれど、不思議と、そんな不安はない。
「私も父を招待したけれど、これまでから変わる瞬間を見て欲しい。その思いが強かったわ」
「アタシは、本当にまっすぐな友希那と紗夜の歌声が、2人の演奏が、大好き。……勿論、あこと燐子もね!」
……面と向かってそう言われると、照れるわね。
「そういえば…LOUDERを聞いてもらった後、燐子から私の歌声について話してくれた事があったわね」
「はい…あの時から、今までの友希那さんの歌声は、恋い焦がれるような歌声でした」
「…今思えば、その時から"歌いたい"って思うようになったのかもしれないわね」
「……私も、LOUDERが好き。
……思えば、感謝を言葉にしていなかったわね。……今だからこそ、感謝を伝えるべきね。
「……あこ」
「は…はい!」
「貴女が突然声をかけていた時の事、今でもよく覚えているわ」
「そのくらい、友希那さんの姿は衝撃的だったんです!ホントにホントに、超カッコよくて!」
「貴女のひたむきさがなければ、今のRoseliaはなかった。きっと、フェスにだってこんな気持ちで出られなかったと思う。」
「Roseliaに入って、貴女は大きく成長した………そう思っていたけれど、思えばはじめからずっと、まっすぐ『カッコいい』人だったわね」
「友希那さん……!」
「ひたむきさを教えてくれてありがとう。これからも頼んだわよ、世界で2番目にカッコいいドラマーさん」
「……!は、はいっ!!」
……貴女にも、とても沢山の迷惑をかけたわね。
「……リサ」
「貴女には、大切なものを沢山貰ったわ。忘れてはいけない気持ちも、沢山思い出させてくれた」
「今の友希那がここにいる事が、アタシは何より嬉しいんだ。お礼なんて、言われる事じゃないよ」
「……元々、私の"エゴ"から始めた事」
……そう、私情は持ち込まないと言っておきながら、私のエゴは、今日までずっとあった。
「"誇り" "頂点"……なんて、とても曖昧な言葉。その言葉を足がかりにここまで来れた事、本当に嬉しく思ってる」
「曖昧だったかもしれないけど、皆がそれぞれ沢山悩み、考えたからこそ……言葉の意味がちょっとずつ明確になってきたよね」
「今ここにいるアタシ達が、全部自分達で選んだ事だとしたら、これまでの事はきっと、全部"正解"だったと思う」
「悩んで泣いた事も、お互いぶつかった事も……全部。友希那と紗夜がRoseliaをやろうって決めた事も……。だからきっと……アタシ達が集まったのは、運命じゃなくて、"必然"だと思う」
「私もこれまで私が選んできた事に、誤りはなかったと、自信を持って言えるわ。……だからこそ…今、ここにいる」
『………』コクリ
「……さぁ、出番よ。……行きましょう。私達の目指す"高み"……その第一歩へーーー」
[FWF会場 観客席]
「………次がRoselia…」
「……そうか、なら間に合ったな」
「……え?」
「……無理やり仕事を抜けてきた」
「……なら、見てやって下さい。彼女達の勇姿を」
「……その為に来たからな」
……さぁ、咲いてみせろ、青薔薇。
「……友希那、OK?」
「……」コクリ
「…1,2,3!」
「……凄い」
「……まだだ、まだ青薔薇は、咲いていない」
「(ここが、お父さんが見たかった景色。私達が追いかけてきた景色……)」
「(まばゆい光を浴び、"高み"へのぼるステージへ立っているのは……紛れもなく、この私。そしてこの音色を奏でているのも私!これは、他の誰にも奏でられない音。Roseliaでいるのは、この私の選択。私自身に"誇り"を授けてくれた全ての人達へ、私がやるべき事は1つ。『私だけのこの音を奏で続けること』ーー私の誇りと強さをのせて、いつまでも……!)」
「……今のおねーちゃん!るるるるん♪って来る!やっぱり、最高のおねーちゃんだよ!!」
『真のRoseliaのギタリスト』氷川 紗夜が、そこにはいた。己のみの音を知り、人の恩を忘れず、過去の全てを背負って前に進む青薔薇が1つ、咲いた。
「(アタシ達、本当にここまで来たんだ。この歓声も、熱いくらいの照明も……全部アタシ達だけのもの!あははっ……凄いね、このカンジ!!!こんな景色見たら、アタシだって欲が出ちゃうよ。ね、皆だってそうでしょ?もっともっと演奏したい!もっともっとこの熱が欲しい!……ってね!)」
「リサ先輩………あんなに楽しそうに演奏してる……!!」
『真のRoseliaのベーシスト』今井 リサが、そこにはいた。未曾有のフィールドに立ち、己の欲をさらけ出し、Roseliaの精神的支柱である青薔薇が1つ、咲いた。
「(皆、あこ達の演奏に歓声をあげてくれてる!すっごい!!!おねーちゃんも見てくれてるよね?あこが"カッコいい"を探して、出会ったこのバンド………Roseliaは超カッコいいんだってこの気持ち…ずっとずっと、信じてきて良かった!!!あこは、あこの気持ちを、信念をずっと貫いていく!それが、あこの"カッコいい"なんだ!やっと見つけた……あこの"カッコいい"……!!皆にも、届けたい!)」
「あこ………今!あこが!世界で誰よりも!最ッッ高にカッコいいぞ!!」
『真のRoseliaのドラマー』宇田川 あこが、そこにはいた。"カッコいい"を見つけ、1つの問題という迷路から抜け出し、スポットライトという光を浴びる青薔薇が1つ、咲いた。
「(鍵盤に触れる度……自分が一歩前に踏み出せたような気がしていた……この音色は……私の勇気の音……。この音色が皆の音に溶けて……私達の誇りの音色になる瞬間が、……何よりも好き……。この音色と一緒なら……私はこれからもずっと……踏み出していける……!だから……いつまでも……奏でていたい)」
「……凄い、これが……燐子さんの…………音なんだ!!」
『真のRoseliaのキーボーディスト』白金 燐子が、そこにはいた。勇気の音を奏で、己を、周りを鼓舞する青薔薇が1つ、咲いた。
「(ステージに映る私達の影……これまでにないほど濃く、明確に映っている。光は、私達の未来。未来に向かい歌う私達の形は、こんなにも明確な形になって、ステージに映っている。……なんだ。歌うことって、
「……友希那、良い顔つきになったな」
『真のRoseliaのボーカル』湊 友希那が、そこにはいた。多くの迷い、多くの遠回りを経て、わかり合った仲間と未来を進む青薔薇が、咲いた。
「………最ッ高だ!これが……
1人、青薔薇が狂い咲いた事に狂喜する者がいた。その喜びの中にある感情は………
ということで、第16話が終わりました。
本編で文字数が4,000字を超えました。このFWFのシナリオは、ゲームのイベント[ノーブル・ローズ -歌、至りて]をお借りしたものです(一部オリジナル描写はありますが)。ゲームの方のシナリオは、とても感動しますので、よければ是非、見てみて下さい。次回は、FWFが終了し、皆がRoseliaに声をかける。その中には、いるはずのない彼が……?そして物語は、佳境に入る。
次回「歓喜の果てに」