この章も、遂にラストとなりました。個人的に、ノーブル・ローズのイベントはやりたかったものです。後、今章(今話以前)に簡易的な伏線も1個くらい貼ってありますので、よければ探してみて下さい。
では、「幸せになって欲しくて」第17話
『歓喜の果てに』是非、最後まで見ていって下さい。
「……凄い……凄いステージだった……」
「………」
「皆……本当に、ありがとう……!」
「…わ~~~!!もう我慢できない!!皆、サイコーーーー!!!」
「本当に、本当に……これまでで一番のステージでした」
「凄かった!!!どうしよう、こういう時なんて言えばいいの?ほんとに……凄かった……!」
「……私も……胸がいっぱい……!」
余韻に浸る。今までにない、
「歌っている時、今までにないくらいまっすぐで純粋な気持ちになれたわ。"歌が好き"……ただ、ひたすらにその思いだけが胸にめぐっていった。歌うことは、これ程単純で簡単な事だったのだと、気付いたわ」
「私達が……色々なものと向き合い、考えに考えた結果です……きっと、そうじゃなきゃこの答えにはたどり着いていません……!」
「なんかさ、"高み"……ちょっとだけ見えた気がしたな」
「ええ。この単純で、純粋な思いで音を追及していく事……それが"高み"へ辿り着く方法なのかもしれません」
「ここまで、長かったわね」
「……次は、もっと長いぞ」
『……え?』
ふと、声の主の方を見る。するとそこには、本来いるはずのない彼がいた。
「……良いものを、見せてもらった。……それが、お前達Roseliaの……"自分の意志"…か」
「そうよ。私達は今回の一件をバネにして、"高み"を目指し続けるわ」
「……くくっ」
「っははは!!!そうかそうか!」
「お……お兄ちゃん?」
笑いが止まらん!このバンドは"高みに登り切れる"!断言できる!…こんなに笑ったのも、初めて……だったか?いや!どうでも良いだろう!…だが、少し抑えるとしよう!公衆の面前だからな。
「まさか俺の問いに、ここまでの解答を突き付けるとは……やるじゃあないか。正直、予想を上回っていて驚いたぞ?」
「…正直、貴方のそれがなかったら、ここまでたどり着かなかったわ。"意志" "選択" "自分達で"……これらを伝えたかったのね」
「俺も、ここまでやってくるとは思わなかった。……漸く、1人前になったな……Roselia」
「…刄兄!!」
あこが抱きついてくる。…今回ばかりは、労いを兼ねて許すとするか……
「お兄ちゃん……仕事…は?」
「…無理言って空けてきた。といっても、この後すぐ戻らんといかんがな」
「……本当に、ありがとうございました」
「……ああ」
……そろそろ仕事に戻らねばな。……あいつらも、積もる話があるだろう。
「…じゃあ、仕事に戻る」
「……お兄ちゃん!ありがとう!!」ニコッ
「…頑張れよ、皆」
名残惜しいが、仕方ない。……こっちも
「……友希那、リサちゃん」
ふと、お父さんがこっちにやって来た。
「あ……!どうも、お久し振りですっ。友希那、アタシ他の子と話してくるよ」
「いいえ、大丈夫よ。久し振りだもの。3人で話しましょう」
「急に声をかけてすまなかったね。今日の演奏……本当に素晴らしかった」
「ありがとう。一番尊敬するミュージシャンにそう言って貰えて、嬉しいわ」
「本当に、見違えたね。前に見せてもらったステージから更に進化していた。完全に迷いのない表情をしていたよ。歌声も、とても透き通った強さを感じた」
「お父さんの立ちたかったステージに立ってみせるという気持ちは、これまでもどこかにあった。けれど……会場の音に触れた瞬間、純粋に音で勝負しなければ、飲み込まれると感じたの。ステージには、これまでで一番純粋な気持ちで立つことが出来たわ」
「そうか。それがあの演奏だったということか」
「……お父さん」
……これは、絶対に言わなくてはいけない。そんな気がした。だから、言う。
「私は、音楽が好き。きっと、世界中の誰よりも」
「友希那……!」
「……ああ。その言葉が聞けてよかった。それで、今日のLOUDERはより力強く感じたんだな」
まだ、これも伝えないといけないわね。
「お父さんに1つ、伝えたい事があるの」
「なんだい?」
「お父さんから譲り受けたLOUDER……Roseliaで演奏するのは今日限りにするわ。これまでの私を導いてきてくれた曲……これからは、私達の足で歩いていこうと思う」
「そうか。あの曲は役目を終えたという事だね。あの曲にもう一度魂を吹き込んでくれてありがとう」
「これまで、私を導いてくれて、ありがとう」
お父さん……LOUDER……本当に、ありがとう。
「リサちゃん、これまでずっと友希那と一緒に音楽と向き合ってくれてありがとう」
「こちらこそ、音楽を教えてくれてありがとうございました」
「……長居してすまない。それじゃあ、ここを失礼するよ。これからの君達に期待している」
「ええ。それじゃあ」
「友希那……音楽が好きって言ってくれたね」
「心の底から、私は音楽が…歌が好きよ」ニコッ
「うん……!ありがとう、友希那……っ!」
「さあ、行きましょう。皆が待っているわ。未来へ続く青薔薇の道を、歩きまーーー」
…私の声を遮る程の声量で叫ぶあこ。……何かあったのかしら?
「…この声は、あこかしら?」
「い、行ってみよ!」
「凄かったです!燐子先輩の演奏!」
「ありがとうございます……市ヶ谷さん」
友希那さんと今井さんが友希那さんのお父さんと話している頃、私は、市ヶ谷さんと話をしていました。そんな時、突然後ろから私を呼ぶ声がしました。
「燐子さんっ!」
「……信也……君?」
「知り合いですか?」
「うん……色々あってね。……それで、信也さん。どうしたんですか……?」
「いえ、少し2人で話がしたいなと」
「……わかりました。市ヶ谷さん、ごめんなさい」
「いえ、気にしないで下さい。では、私は香澄のところに行ってますね」
「はい……」
市ヶ谷さんがどこかに行った事を確認してから、信也君は……私に演奏についての感想を述べてくれました。
「本当に凄かったです!今日のRoseliaの演奏、今まで見てきたもので一番良かったです!」
「……ふふっ、ありがとうございます」
「……あのっ!!」
「……?」
改まって、信也君が話しかけてきました。……真剣な顔つきです。
「……貴女を助けようとした事、覚えてますか?」
「……はい、覚えてます」
「俺、貴女を守りきれなくて、あの時ずっと後悔してたんです。でも、去り際に見せた貴女の笑顔を見て、助けた事が無駄にならなくて良かったと思えたんです」
「信也君……」
「そして僕は、そんな貴女の笑顔に……いつの間にか一目惚れしてました。………」
──貴女の事が、好きです。僕と、付き合って下さい!!
「……えっ?」
今、私には『付き合って下さい』って聞こえました。耳が可笑しくなったのでしょうか?
「次こそは、僕が惚れたその笑顔を守ってみせます!だから……っ!」
……間違いではありませんでした。…………でも…もう答えは決まっています。
──はい、宜しくお願いします……!
「りんりん、どこかな~?」
あこは、おねーちゃんと話をして、今はりんりんのところに向かってるんだ!!……りんりん、どこだろう?……あ!いた!…………え?
──貴女の事が、好きです。僕と、付き合って下さい!!
──はい、宜しくお願いします……!
……今のって……告白!?りんりんが返事したって事は…………え?
「えぇぇぇぇぇ!?!?」
「……付き合うことに……なりました」
「おめでとう☆燐子!」
「あの!どうしてりんりんの事が好きになったんですか!?」
「どこで会ったのかしら?」
「どこの学校ですか?……まさか不良生徒ではないですよね?」
「ちょ、ちょっと待ってください!!そんな一気に……!」
「……ふふっ」
……お兄ちゃん。今、私は………
ということで、第17話が終わりました。
どこか、最終回みたくなりましたが、まだ続きます。寧ろ、ここからが佳境です。因みに、今話に結構伏線をバラ撒いておきました。わかりましたか?さて、次回からはまた幕間になります。最低4話は書くつもりですが、どのくらい書くのが良いのでしょうか?沢山書くべきでしょうか?アンケートを貼っておくので、良ければ答えてくださると助かります。次回は、刄の日常に訪れるプチハプニング……に遭っている人との邂逅。そこから、どんな日常になるのか?
次回 幕間(日常編)2『迷える子羊』