今回で、幕間(日常編)2が終わりになります。アンケートに答えて下さった皆さん、ありがとうございました。今回は、どちらかと言えば日常ではなく、本編に近いものとなっています。謂わば、新章導入話です。この話は、かなり重要な部分ですので、先に言っておきます。
では、本編を開始します。
[帰り道]
「今日のライブは比較的良かったわ。次回も、この調子でいきましょう」
「当然です。今回よりも上を目指しましょう」
「はい!」
「紗夜は相変わらずだね~☆」
今日のライブが終わり、皆さんが話をしています。FWFが終わり、絆も深まったRoseliaの最初のライブは、大成功をおさめました。
「湊 友希那!」
「……何かしら、また私達を潰そうと考えているのかしら?だとしたら、また今度にしてちょうだい」
「No!今日はそうじゃないわ!どちらかと言えば……」
RAISE A SUILENのリーダー兼DJであるチュチュさんが、私達をキョロキョロと見て……私の方に近付いてきます……え?私?何かしたわけでもないはず…
「貴女に用があるのよ!」
「白金さんに?」
「Yes!貴女達に聞きたい事があるのよ!」
「……珍しいわね」
実際、チュチュさんが私達のところに来ること自体珍しいのですが……こうした用で来ることは、もっと珍しいです。
「……でも、もう1人必要な人がいるのよ」
「?誰なんですか?」
「……貴女の父、湊 椿よ」
「……父が?」
「Yes.椿は家にいるかしら?」
「……家に行って話がしたいのかしら?……確認してみるわ」
「そうね、頼めるかしら?」
「少し待っててちょうだい」
そう言うと、友希那さんは携帯を取り出して、電話をし始めました。
「……どうして、湊さんのお父さんと白金さんが?……接点がまるでないように思いますが…」
「いいえ。下手をすれば、貴女達の運命を大きく左右するかもしれないわ」
「……そんなに大きな事なんだ…」
…少し気になる事があるので、質問した方が良いでしょうか。
「……どうして、ここまでするんです?」
チ「元々、私達RASは最強の音楽を目指して私が始めたバンド。始めた当初は私も苦悩したの。そこで当時"バンド界の魔王"と言われたあのバンドについて調べ始めたのが始まり。……と言っても、ここまで2,3年かかったわ。あまり世間には知られていない事がちらほらあったから」
…魔王。友希那さんのお父さんのバンドの凄さを改めて実感しました。
「……何について聞くつもりなのですか?」
「……聞けることは全て聞くつもりよ。」
と、話をしていると友希那さんが戻って来ました。どうやら承諾を得たようです。
「……感謝するわ、湊 友希那」
「いいえ。……後、友希那でいいわ。フルネームはどこか変な感じがするわ」
「……そう」
[湊家]
友「……ここよ」
友希那さんがインターホンを鳴らし、少しした後、扉を開けて出てきたのは、友希那さんのお父さんでした。
「いらっしゃい」
「リビングにあげても良いかしら?」
「大丈夫だよ」
「……皆、リビングに行くわよ」
「お邪魔……します」と一言いってあがり、リビングに向かいます。……皆さん顔つきがいつもと違います。緊張してるあこちゃん、懐かしんでる今井さん、真剣な顔の氷川さんとチュチュさんと友希那さん。
[湊家 リビング]
「はい、お茶を淹れたから飲んでいってね」
「ありがとう、お父さん」
「……待って」
「……何かな?」
お茶を置いてリビングを後にしようとする椿さん(お兄ちゃんから教えてもらいました)に一声。
「厚かましいのはわかっています。But……椿、貴方にも関係ある話をしたいの。ここにいてほしいわ」
「……わかった」
…椿さんもソファーに座ると、少しの沈黙が訪れました。それを破ったのは、椿さんでした。
「それで、話とは何かな?」
「……単刀直入に聞くわ。
貴方達のバンド解散の真相を教えてほしい」
『……え?』
「……その疑問を持つに至った経緯は?」
私達が困惑する中、椿さんとチュチュさんは淡々と言葉を紡ぎます。
「……今思うと単純だったわ。貴方達のバンドはビジネス的演奏になってから客足が減って解散となった」
「そ、そうよ!他に何が……」
「Exactly.
『……?』
…あこちゃんと今井さんの頭上にハテナが浮かんでる気がします。
「仮にそうだとして、本当にそれが理由なら事務所との契約を切るだけで事は済んだはずよ。…それをしなかったのは、
「……そうか」
…否定しないということは、そういうことなんでしょう。皆は静かに聴いてます。
「チュチュちゃん……かな?1つ聞いても良いかな?」
「何かしら」
「君は、どこまで知っているんだい?」
「……今説明した事までね」
「……わかった。話そう、私の知ってる全部を」
…まさか、本当に裏があったとは思いませんでした。
「その前に皆、私のバンドについて知ってるかな?」
「あこはわからないです……」
「アタシは椿さんがボーカル担当としか……」
「私も、詳しくは知りません」
「わ……私も、わかりません」
「お父さん以外のメンバーはわからないわ」
「そうか……なら、チュチュちゃんは?」
「勿論、全員の事を把握してるわ」
「そうか、なら話を進めやすい」
そういえば、私達は友希那さんから聞いている事以上の事は知りません。
「ボーカル兼ギターの
「……椿さんがギターを?」
「そうだよ、友希那から聞かなかったかい?」
…あ、友希那さんが目を剃らしていますね。……歌声の方が印象に残ったのでしょうか。それとも、単に忘れていたのでしょうか。
「ボーカル兼ドラムの
「え?ボーカル?」
「私のバンドは、曲によってボーカルを変えるんだ。チュチュちゃん、ボーカルは省略して貰えるかな?」
「Yes.そうさせてもらうわ」
曲毎にボーカルを……相当レベルの高いバンドだったんでしょうか。
「キーボードの
「……DJ兼ギターの
『……え?』
えぇぇぇぇ!?!?
「…落ち着いたかしら?」
「え、えぇ……」
「まさかまりなさんが……」
「……ビックリし過ぎて理解が追い付かない」
「あこ、アタシもだよ」
…まりなさん、ギターとDJ出来たんですね。でも、バンドに……よりによって椿さんのバンドにいたのはとても驚きました。
「……最後の1人は」
「……」
「マルチプレイヤーの
『…………
…お兄ちゃんと同名?……でも、その名字って聞いたことある気が……
「……紗夜ちゃん、"夜ノ神製薬"って知ってるかな?」
「はい、大手製薬会社の1つですよね?」
「そう。そこの社長の息子が夜ノ神 刄だ」
「……それだけじゃあないんでしょう?」
「……そうだね。……燐子ちゃん」
「は…はい……」
じっと、椿さんが私を見据えています。そして、思いもしない事を言いました。
「……夜ノ神 刄の正体は………
『…………え?』
「やっぱり、そうだったのね。貴女に兄がいると最近知ってから少し調べて、ようやくわかった事よ」
…ということは…………
「白金 刄、旧姓を…………」
──夜ノ神 刄、という
ということで、第23話が終わりました。
さて、これにて幕間(日常編)2が終了となります。因みに、ご察しの通り全楽器演奏可能かつ、全てがプロレベルです。次回からは新章開始です。次回は、彼についての真実が明らかに。夜ノ神にまつわるとある大事件が、全ての始まりだった。
次回「幸せになって欲しくて」第3章 ???(後にわかります)第25話『凄惨な地獄の末路』