さて、最終回も目前となってきました。今回は、最終回ではありません。今回は、会話が少なくなるかと思います。次回に今回とは別のアンケートを貼る予定なので、宜しくお願いします。
では、本編を開始します。
翌日
[白金家 リビング]
「……ありました。お兄ちゃんの指定した場所に、これが……」
お兄ちゃんに指定された場所には、ある1つの物が置いてあった。…俗に言う、遺書でしょうか。…昨日、お兄ちゃんが帰らぬ人となり、皆で泣きじゃくりました。勿論、私も泣きました。
「…燐子ちゃん、読んで貰って良いかな?」
「……はい」
…皆さん、覚悟が決まっている顔をしています。……昨日、話しきれなかったお兄ちゃんの想いが…ここに……。
Roselia、Grand Diamondの皆、そして信也へ
これを読んでいる頃、俺は恐らくもうこの世には、いない。ここには、俺の全てを綴ってある。恐らく話しきれなかっただろう事だったり、皆に伝えたい事だったり。長くなるかもしれないが、許してほしい。最初で最後の自白……みたいなものだ。長くとも、良いだろう?
さて、最初に言いたいことがあるんだが、俺はこの結果に、父さんに対しての恨みは一切ない。事の発端は、俺の母さんである
それが落ち着き始めた頃、父さんは蘇生薬作りに着手し出した。……結果から言うと、失敗に終わった。その現実を受け止めきれず、製薬することで鬱憤晴らしをしていた。作った薬は、様々だった。性転換薬、身体強化薬、強力睡眠薬、活力薬…………ここに書いたものは、本当にごく僅かだ。
……そんな中で完成させたのが、不老不死の薬だった。すでに狂っていた父さんは、死んだ人に不老不死の薬を服用すれば生き返る、と思い込んでいたらしい。……よく考えれば、意識がない上に身体活動が停止しているから、体を不老不死にしたところで意味がないんだが、その考えに至らない程狂い果てていたんだろうな。この薬に関しては、俺ではなく実験用の小動物に服用させたと聞いた。結果、失敗に終わったらしい。だが、諦めが悪い人だったからまたすぐ製作を始めた。それがわかった俺は、会社(研究室)から逃げだした。その途中で篤さんと出会い、引き取って貰った。……これが、俺の過去の顛末だ。
因みに、警察への通報はしなかった。篤さん達は通報しようとしていたけど、止めて貰った。俺自身で決着をつけたかったから。
……燐子が気になってそうな事を1つ明かしておくと、仕事は隣の県で何でも屋の様なものの手伝いだ。因みに、FWF前に仕事があったが、前日には終わらせた。FWFのRoseliaの演奏は、絶対に見たかったからな。……良かったぞ。
……さて、俺の過去はここまでにして、恐らく伝えきれなかった……俺の想いを、ここから先に書いておこうと思う。
まず、Roseliaの皆だ。
友希那、Roseliaの仲を戻すのにお前への対処が一番苦労した。お前は不器用すぎるから、言葉では中々伝わらないと思ったから、ああいった形にさせてもらった。……でも、お前は強くなった。言葉を聞くようになったんだろう。
……高みは、思うより遠い!周りを頼りながら一歩ずつ、進むと良い。
紗夜、日菜とは元気に仲良くやっているか?初対面から訳ありだとは思っていた。が、思った以上に拗れていたな。解決出来た事は、嬉しく思う。どうだ?"自分だけ"は掴めたか?……まあ、心配せずとも、お前は答えに辿り着くとは思うがな。
……周りを見すぎるな!他人は自分になれないからな。
リサ、あまり関わる機会がなかったが、お前がRoseliaの支えになっていた事は、すぐわかった。……自分の演奏を気にしているそうだが、あまり気にする必要はない。……どうしても納得出来ないなら、メンバーに聞いてみると良い。
……自分を認めろ!自分の過小評価は、メンバーにも迷惑をかけるからな。
あこ、まずありがとう。お前の事を話す燐子は、とても嬉しそうだった。嬉しそうな燐子を見ていると、楽しかったのを覚えている。それに、お前はRoseliaに色々な事を気付かせた。お前の真っ直ぐな姿勢が、今のRoseliaを作ったんだ。……お前はもう、"カッコいい"ぞ。
……カッコいいを届けろ!周りがお前を目標とするくらいに。
……燐子は最後にしようか。
椿、バンド、楽しかったな。出来ることならずっとやっていたかった。あの雰囲気が、俺は好きだったんだ。それに、知らないかもしれないが、俺はお前を強く信頼していたぞ。お前には沢山助けられてた。所謂、心の拠り所の1つだった。……感謝している。
……楽しかったぞ!どうか、楽しい人生を。
轍、昔は俺らでよくバカやってたな。よく華穂に止められて説教されたな。あの時は俺、嫌なことを忘れられたんだ。それに、お前がバンドを始めようって言い出した時、お前は俺に、もっと楽しめ!って言ってくれたな。……嬉しかったぞ。
……お前らしくいろ!華穂の事、幸せにしてやれよ。
華穂、まず、悪かった。高校の頃は、散々迷惑をかけた。それでも、お前は俺や轍の事を見捨てたりしなかった。それが嬉しかった。俺にも、居て良い場所があるんだなって思えた。……今になって言うのも遅すぎるが、ありがとう。
……どうか幸せに!轍の事、支えてやってくれ。
まりな、俺は、お前の事が好きだ。一目惚れだった。そこからよくつるむようになって、お前の元気さを、頑張りを、おっちょこちょいさを知っていって、ますます好きになっていた。……悪かった。俺は、怖かったんだ。こんな俺を、お前が受け入れてくれるのか、心配だったんだ。だから、この気持ちを封印していた。……受け入れてくれるかな?
……大好きだ!貴女の未来に幸あらん事を、願っています。
信也、お前のおかげで、あの時燐子が無事で済んだ。お前は、誇りを持って良い。燐子を、お前が守ったんだ。……そして、おめでとう。信也なら、安心して燐子を任せられる。燐子を……幸せにしてやってくれ。
……頼んだぞ!どうか、燐子と末永くお幸せに。
……燐子、俺は嬉しかった。いきなり家に来た他人を、兄として受け入れて、しかも慕ってくれた事、本当に嬉しかった。燐子が俺を頼ってくれたり、一緒に出掛けに行ったり、他愛のない話をしたり。……どれも、楽しかったぞ。今のお前は、強い。自信を持て。……信也と一緒に幸せになってくれ。
……ありがとう!たった1人の、俺の妹。
ということで、第29話が終わりました。
今回は、遺書を読み上げるだけの回でした。各々が何を思ったのか、それは皆さんのご想像にお任せします。次回は、彼の死後、時は流れ行く。そして、彼の願いは、成就する。
次回 最終回『お前は、幸せか?』